内部障害リハのための
胸部・腹部画像 読影のすすめ
定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
- B5判 320ページ 2色(一部カラー),イラスト200点,写真300点
- 2017年9月29日刊行
- ISBN978-4-7583-1902-7
序文
監修の序
われわれは日常診療において,療法士の方と患者のリハビリテーションの進め方について議論しているときに,画像の読み方などについて質問を受けることが多い。療法士の方々が単純X線,CT,PETといった画像を読めるようになり,その結果,患者の病態を詳しく把握し,訓練に活かすことができたら,リハビリテーションを施すうえでさぞ有益であろうとかねがね思っていた。
療法士の方々は,実際に患者の身体に触れながら治療を進めていく関係上,画像所見の理解については,おざなりになりがちである。それは卒前教育において,時間が割かれることが少ないことも影響しているのかもしれない。しかし,身体内部の状態について情報を提供してくれる画像所見は,患者の病態を把握するうえでどうしても必要となる。
本書は,療法士の視点に立って,療法士の日常診療上の疑問点について,画像所見を理解することによって少しでも解消したい,そうした理念の元に編まれた。そのため,内部障害領域を専門とする新進気鋭の療法士に執筆を依頼し,われわれが総合的に監修するという形式をとった。その意味でこれまでにあまりない画期的な企画といえよう。
特に,胸部や腹部の画像所見が読影できると,患者が表面的には,あまり問題ないと思える場合であっても,運動量や運動頻度さらには機能予後,生命予後などの点を評価するうえで非常に参考になる。
本書では日常診療において遭遇する頻度が高い疾患を中心に選び,画像は胸部,腹部におけるX線,CT,血管造影,PETなどを扱っている。従って,本書1冊で日常診療の疑問点の解消にかなり役立つと信じている。
本書を手にとって,勉強していただき,日常診療に役立てていただければ,われわれとしても大変な喜びである。
2017年9月
美津島 隆
山内克哉
------------------------------------------------
序 文
近年,内部障害患者の増加に伴い,内部障害のリハビリテーション(リハ)に携わるセラピストが増えています。また,内部障害を既往にもつ中枢神経疾患患者や運動器疾患患者も増加しており,専門としないセラピストにとっても内部障害は遭遇する機会の多い疾患となりました。そのような環境のなか,セラピストは今まで以上に内部障害の病態理解と適切な治療の選択,そしてリスク管理を行う能力が必要とされています。
内部障害の病態を理解するためには,さまざまな検査から1つ1つ問題点を見つけていくことが重要です。そのなかで胸部・腹部のX線画像やCT 画像,エコー画像といった画像読影は病巣の場所や大きさ,進行程度,重症度などさまざまな情報を与えてくれます。もちろん画像だけですべてを理解することはできませんが,血液検査や身体所見などと合わせて丁寧に推論することで,今までよりも1歩踏み込んだリハが行えるようになるはずです。しかし,胸部・腹部の画像読影は非常に難解であり,カルテに疾患名が記載されていたとしても臓器の同定すら容易ではありません。また,疾患像を読み取れたとしてもリハにどう活かしていけばよいのか,悩んでいるセラピストも多いのではないでしょうか。
そこで本書では,呼吸器系,心血管系,肝胆膵系,消化管系,泌尿器・生殖器系と領域ごとに「解剖と基礎知識」,「評価編」,「リハ編」と系統的に理解できるように構成しました。「解剖と基礎知識」では養成校の学生や臨床経験が短いセラピストでもしっかりと胸部・腹部画像が理解できるよう,各臓器の解剖から正常画像までイラストと合わせて丁寧に解説しました。そして,各臓器の同定が行えるようにランドマークの見つけ方や,同定のコツについても説明しました。「評価編」では各疾患の特徴を押さえながら読影のポイントを解説し,画像からリハへつなげるために着目すべき視点を解説しました。「リハ編」では画像から読み取った情報を実際にリハへ活かす方法や,血液検査など他の検査と合わせて推論する方法,また,ADL時のリスク管理や患者指導としての活用方法などを“リハポイント”としてまとめました。
本書はこれまでの画像読影の著書に比べ,リハに比重を置いていることが特徴です。胸部・腹部の読影が苦手と感じているセラピストも本書を片手にカルテや画像を読み解き,安全で質の高いリハへつなげていただければ幸いです。そして,本書が1 人でも多くの患者の役に立てば,これ以上の喜びはありません。
最後になりますが,本書の執筆にあたり,快く監修を引き受けていただいた獨協医科大学リハビリテーション科学講座の美津島 隆先生,JA静岡厚生連 遠州病院リハビリテーション科の山内克哉先生,多大な画像データを選定してくださった満冨一彦先生をはじめとする磐田市立総合病院リハビリテーション技術科の先生方に感謝申し上げます。また,少しでも読者が理解しやすくなるように的確な助言をくださった国際医療福祉大学の大村優慈先生に感謝の意を表します。そして本書の刊行にあたりご尽力いただいた野口真一氏をはじめとするメジカルビュー社編集部の皆さまに心より感謝申し上げます。
2017年9月
鈴木啓介
櫻田隆悟
われわれは日常診療において,療法士の方と患者のリハビリテーションの進め方について議論しているときに,画像の読み方などについて質問を受けることが多い。療法士の方々が単純X線,CT,PETといった画像を読めるようになり,その結果,患者の病態を詳しく把握し,訓練に活かすことができたら,リハビリテーションを施すうえでさぞ有益であろうとかねがね思っていた。
療法士の方々は,実際に患者の身体に触れながら治療を進めていく関係上,画像所見の理解については,おざなりになりがちである。それは卒前教育において,時間が割かれることが少ないことも影響しているのかもしれない。しかし,身体内部の状態について情報を提供してくれる画像所見は,患者の病態を把握するうえでどうしても必要となる。
本書は,療法士の視点に立って,療法士の日常診療上の疑問点について,画像所見を理解することによって少しでも解消したい,そうした理念の元に編まれた。そのため,内部障害領域を専門とする新進気鋭の療法士に執筆を依頼し,われわれが総合的に監修するという形式をとった。その意味でこれまでにあまりない画期的な企画といえよう。
特に,胸部や腹部の画像所見が読影できると,患者が表面的には,あまり問題ないと思える場合であっても,運動量や運動頻度さらには機能予後,生命予後などの点を評価するうえで非常に参考になる。
本書では日常診療において遭遇する頻度が高い疾患を中心に選び,画像は胸部,腹部におけるX線,CT,血管造影,PETなどを扱っている。従って,本書1冊で日常診療の疑問点の解消にかなり役立つと信じている。
本書を手にとって,勉強していただき,日常診療に役立てていただければ,われわれとしても大変な喜びである。
2017年9月
美津島 隆
山内克哉
------------------------------------------------
序 文
近年,内部障害患者の増加に伴い,内部障害のリハビリテーション(リハ)に携わるセラピストが増えています。また,内部障害を既往にもつ中枢神経疾患患者や運動器疾患患者も増加しており,専門としないセラピストにとっても内部障害は遭遇する機会の多い疾患となりました。そのような環境のなか,セラピストは今まで以上に内部障害の病態理解と適切な治療の選択,そしてリスク管理を行う能力が必要とされています。
内部障害の病態を理解するためには,さまざまな検査から1つ1つ問題点を見つけていくことが重要です。そのなかで胸部・腹部のX線画像やCT 画像,エコー画像といった画像読影は病巣の場所や大きさ,進行程度,重症度などさまざまな情報を与えてくれます。もちろん画像だけですべてを理解することはできませんが,血液検査や身体所見などと合わせて丁寧に推論することで,今までよりも1歩踏み込んだリハが行えるようになるはずです。しかし,胸部・腹部の画像読影は非常に難解であり,カルテに疾患名が記載されていたとしても臓器の同定すら容易ではありません。また,疾患像を読み取れたとしてもリハにどう活かしていけばよいのか,悩んでいるセラピストも多いのではないでしょうか。
そこで本書では,呼吸器系,心血管系,肝胆膵系,消化管系,泌尿器・生殖器系と領域ごとに「解剖と基礎知識」,「評価編」,「リハ編」と系統的に理解できるように構成しました。「解剖と基礎知識」では養成校の学生や臨床経験が短いセラピストでもしっかりと胸部・腹部画像が理解できるよう,各臓器の解剖から正常画像までイラストと合わせて丁寧に解説しました。そして,各臓器の同定が行えるようにランドマークの見つけ方や,同定のコツについても説明しました。「評価編」では各疾患の特徴を押さえながら読影のポイントを解説し,画像からリハへつなげるために着目すべき視点を解説しました。「リハ編」では画像から読み取った情報を実際にリハへ活かす方法や,血液検査など他の検査と合わせて推論する方法,また,ADL時のリスク管理や患者指導としての活用方法などを“リハポイント”としてまとめました。
本書はこれまでの画像読影の著書に比べ,リハに比重を置いていることが特徴です。胸部・腹部の読影が苦手と感じているセラピストも本書を片手にカルテや画像を読み解き,安全で質の高いリハへつなげていただければ幸いです。そして,本書が1 人でも多くの患者の役に立てば,これ以上の喜びはありません。
最後になりますが,本書の執筆にあたり,快く監修を引き受けていただいた獨協医科大学リハビリテーション科学講座の美津島 隆先生,JA静岡厚生連 遠州病院リハビリテーション科の山内克哉先生,多大な画像データを選定してくださった満冨一彦先生をはじめとする磐田市立総合病院リハビリテーション技術科の先生方に感謝申し上げます。また,少しでも読者が理解しやすくなるように的確な助言をくださった国際医療福祉大学の大村優慈先生に感謝の意を表します。そして本書の刊行にあたりご尽力いただいた野口真一氏をはじめとするメジカルビュー社編集部の皆さまに心より感謝申し上げます。
2017年9月
鈴木啓介
櫻田隆悟
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目次
■胸部
呼吸器系 櫻田隆悟
解剖と基礎知識
1-1 呼吸器系の解剖
1-2 呼吸器系の生理作用
2 胸部X線画像の基本
3 画像解剖:正常の胸部CT画像
4-1 リハに関わる代表的な異常陰影① コンソリデーションとすりガラス様陰影
4-2 リハに関わる代表的な異常陰影② 線状影と網状影
4-3 リハに関わる代表的な異常陰影③ 結節性陰影
4-4 リハに関わる代表的な異常陰影④ シルエットサイン
4-5 リハに関わる代表的な異常陰影⑤ 無気肺
評価編
1 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
2-1 間質性肺炎
2-2 間質性肺炎:慢性変化
2-3 間質性肺炎:急性変化
3-1 急性呼吸促迫症候群(ARDS)
3-2 ARDS:術後発症した場合の病態
3-3 ARDSの病態把握のポイント P/F ratio
4 肺がん
5 誤嚥性肺炎
6 気胸
7 肺結核
8 細菌性肺炎と非定型肺炎
9 胸水
10-1 換気血流比の不均衡
10-2 換気障害
10-3 拡散障害
リハ編
1-1 COPD リハポイント:病期に応じた呼吸リハ
1-2 COPD リハポイント:コンディショニングと運動療法
2-1 間質性肺炎 リハポイント:病期に応じた呼吸リハ
2-2 間質性肺炎 リハポイント:ステロイドミオパチー
3-1 ARDS リハポイント:臥床状態から生じる下側肺障害
3-2 ARDS リハポイント:ポジショニングとスクイジング
3-3 ARDS リハポイント:体位ドレナージ
3-4 ARDS リハポイント:全身状態が安定していれば離床へ
4-1 肺がん リハポイント:周術期の合併症予防
4-2 肺がん リハポイント:骨転移のリスク管理
4-3 肺がん リハポイント:緩和ケアとしてのリハ
5-1 誤嚥性肺炎 リハポイント:姿勢に着目しよう
5-2 誤嚥性肺炎 リハポイント:頭頸部のROM訓練,嚥下体操と体位ドレナージ
6 気胸 リハポイント:胸腔ドレーン管理
7 肺結核 リハポイント:感染対策を把握しよう
8-1 細菌性肺炎と非定型肺炎 気管支拡張症 リハポイント:排痰訓練の工夫
8-2 細菌性肺炎と非定型肺炎 気管支拡張症 リハポイント:併存症の影響
8-3 細菌性肺炎と非定型肺炎 側弯症に伴う気管支炎 リハポイント:画像から呼吸リハを考える
心血管系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 循環器系の解剖
1-2 循環器系の生理作用
2-1 画像解剖①:正常の胸部X線画像
2-2 画像解剖②:正常の胸部CT画像縦隔条件
2-3 画像解剖③:冠動脈CT
2-4 画像解剖④:心エコー
2-5 画像解剖⑤:冠動脈造影検査
評価編
1-1 心不全:時系列的な変化
1-2 心不全:画像の特徴
2 虚血性心疾患
3-1 弁膜症:大動脈弁狭窄症(AS)
3-2 弁膜症:大動脈弁閉鎖不全症(AR)
3-3 弁膜症:僧帽弁狭窄症(MS)
3-4 弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MR)
4-1 大動脈解離:分類について整理しよう
4-2 大動脈解離:特徴的な画像を押さえよう
5-1 大動脈瘤:分類と瘤径を押さえよう
5-2 大動脈瘤:瘤径と石灰化に着目しよう
リハ編
1-1 心不全 リハポイント:離床時には何を確認するべきか
1-2 心不全 リハポイント:重症度を画像から見極めリハをしよう
1-3 心不全 リハポイント:リハ中こんなときは注意しよう
1-4 心不全 リハポイント:一日を通した活動を指導しよう
2 虚血性心疾患 リハポイント:虚血部位を頭に入れてリハを実施しよう
3 弁膜症 リハポイント:弁の状態を見極めてリスクを予測しよう
4 大動脈解離 リハポイント:型に注意してリハをしよう
5 大動脈瘤 リハポイント:血圧を上げないための動作指導をしよう
■腹部
腹部 鈴木啓介
1-1 画像解剖①:正常の腹部X線画像
1-2 画像解剖②:正常の腹部CT画像
2 CT値
肝胆膵系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の解剖
1-2 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の生理作用
2 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の画像解剖
評価編
1 肝硬変
2 肝嚢胞
3 肝細胞がん(HCC)
4 脂肪肝
5 胆石(総胆管結石)
6 膵がん
リハ編
1 肝硬変 リハポイント:代償期と非代償期のリハに注意しよう
2 肝嚢胞 リハポイント:画像に驚かず積極的なリハをしよう
3 肝細胞がん(HCC) リハポイント:肝機能低下による合併症に注意
4 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) リハポイント:運動の負荷強度を工夫しよう
5 胆石 リハポイント:ERCP,MRCP検査とtube管理に注意
6 膵がん リハポイント:糖尿病に留意し,消化機能低下による低栄養に注意しよう
消化管系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 胃,小腸,大腸の解剖
1-2 胃,小腸,大腸の生理作用
2 胃と腸管の画像解剖
評価編
1 胃がん
2 大腸(結腸)がん
3 イレウス(腸閉塞)
4 鼠径ヘルニア
5 腸穿孔
6 腹部脂肪(メタボリックシンドローム)
7 胃瘻
リハ編
1-1 胃がん 保存治療(手術なし) リハポイント:がんによる通過障害部位を見極めよう
1-2 胃がん 手術あり リハポイント:胃切除後症候群に注意しリハをしよう
2 大腸がん リハポイント:下血後の貧血に注意
3 イレウス リハポイント:イレウス管挿入時も運動を
4 ヘルニア リハポイント:リハ時の姿勢に注意し,圧迫は避ける
5 腸穿孔 リハポイント:長期戦を見据えたリハ介入をしよう
6 腹部脂肪(メタボリックシンドローム) リハポイント:画像を見せて行動変容を促そう
7 腹水 リハポイント:心臓,肝臓,腎臓を疑え
泌尿器・生殖器系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 腎臓・膀胱の解剖
1-2 腎臓・膀胱の生理作用
2 腎臓と膀胱の画像解剖
評価編
1 慢性腎臓病(CKD)
2 腎嚢包
3 子宮がん
リハ編
1 慢性腎臓病(CKD) リハポイント:進行度に合わせた運動負荷
2 腎嚢包 リハポイント:多発性であれば要注意
呼吸器系 櫻田隆悟
解剖と基礎知識
1-1 呼吸器系の解剖
1-2 呼吸器系の生理作用
2 胸部X線画像の基本
3 画像解剖:正常の胸部CT画像
4-1 リハに関わる代表的な異常陰影① コンソリデーションとすりガラス様陰影
4-2 リハに関わる代表的な異常陰影② 線状影と網状影
4-3 リハに関わる代表的な異常陰影③ 結節性陰影
4-4 リハに関わる代表的な異常陰影④ シルエットサイン
4-5 リハに関わる代表的な異常陰影⑤ 無気肺
評価編
1 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
2-1 間質性肺炎
2-2 間質性肺炎:慢性変化
2-3 間質性肺炎:急性変化
3-1 急性呼吸促迫症候群(ARDS)
3-2 ARDS:術後発症した場合の病態
3-3 ARDSの病態把握のポイント P/F ratio
4 肺がん
5 誤嚥性肺炎
6 気胸
7 肺結核
8 細菌性肺炎と非定型肺炎
9 胸水
10-1 換気血流比の不均衡
10-2 換気障害
10-3 拡散障害
リハ編
1-1 COPD リハポイント:病期に応じた呼吸リハ
1-2 COPD リハポイント:コンディショニングと運動療法
2-1 間質性肺炎 リハポイント:病期に応じた呼吸リハ
2-2 間質性肺炎 リハポイント:ステロイドミオパチー
3-1 ARDS リハポイント:臥床状態から生じる下側肺障害
3-2 ARDS リハポイント:ポジショニングとスクイジング
3-3 ARDS リハポイント:体位ドレナージ
3-4 ARDS リハポイント:全身状態が安定していれば離床へ
4-1 肺がん リハポイント:周術期の合併症予防
4-2 肺がん リハポイント:骨転移のリスク管理
4-3 肺がん リハポイント:緩和ケアとしてのリハ
5-1 誤嚥性肺炎 リハポイント:姿勢に着目しよう
5-2 誤嚥性肺炎 リハポイント:頭頸部のROM訓練,嚥下体操と体位ドレナージ
6 気胸 リハポイント:胸腔ドレーン管理
7 肺結核 リハポイント:感染対策を把握しよう
8-1 細菌性肺炎と非定型肺炎 気管支拡張症 リハポイント:排痰訓練の工夫
8-2 細菌性肺炎と非定型肺炎 気管支拡張症 リハポイント:併存症の影響
8-3 細菌性肺炎と非定型肺炎 側弯症に伴う気管支炎 リハポイント:画像から呼吸リハを考える
心血管系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 循環器系の解剖
1-2 循環器系の生理作用
2-1 画像解剖①:正常の胸部X線画像
2-2 画像解剖②:正常の胸部CT画像縦隔条件
2-3 画像解剖③:冠動脈CT
2-4 画像解剖④:心エコー
2-5 画像解剖⑤:冠動脈造影検査
評価編
1-1 心不全:時系列的な変化
1-2 心不全:画像の特徴
2 虚血性心疾患
3-1 弁膜症:大動脈弁狭窄症(AS)
3-2 弁膜症:大動脈弁閉鎖不全症(AR)
3-3 弁膜症:僧帽弁狭窄症(MS)
3-4 弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MR)
4-1 大動脈解離:分類について整理しよう
4-2 大動脈解離:特徴的な画像を押さえよう
5-1 大動脈瘤:分類と瘤径を押さえよう
5-2 大動脈瘤:瘤径と石灰化に着目しよう
リハ編
1-1 心不全 リハポイント:離床時には何を確認するべきか
1-2 心不全 リハポイント:重症度を画像から見極めリハをしよう
1-3 心不全 リハポイント:リハ中こんなときは注意しよう
1-4 心不全 リハポイント:一日を通した活動を指導しよう
2 虚血性心疾患 リハポイント:虚血部位を頭に入れてリハを実施しよう
3 弁膜症 リハポイント:弁の状態を見極めてリスクを予測しよう
4 大動脈解離 リハポイント:型に注意してリハをしよう
5 大動脈瘤 リハポイント:血圧を上げないための動作指導をしよう
■腹部
腹部 鈴木啓介
1-1 画像解剖①:正常の腹部X線画像
1-2 画像解剖②:正常の腹部CT画像
2 CT値
肝胆膵系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の解剖
1-2 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の生理作用
2 肝臓,胆嚢(胆道),膵臓の画像解剖
評価編
1 肝硬変
2 肝嚢胞
3 肝細胞がん(HCC)
4 脂肪肝
5 胆石(総胆管結石)
6 膵がん
リハ編
1 肝硬変 リハポイント:代償期と非代償期のリハに注意しよう
2 肝嚢胞 リハポイント:画像に驚かず積極的なリハをしよう
3 肝細胞がん(HCC) リハポイント:肝機能低下による合併症に注意
4 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) リハポイント:運動の負荷強度を工夫しよう
5 胆石 リハポイント:ERCP,MRCP検査とtube管理に注意
6 膵がん リハポイント:糖尿病に留意し,消化機能低下による低栄養に注意しよう
消化管系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 胃,小腸,大腸の解剖
1-2 胃,小腸,大腸の生理作用
2 胃と腸管の画像解剖
評価編
1 胃がん
2 大腸(結腸)がん
3 イレウス(腸閉塞)
4 鼠径ヘルニア
5 腸穿孔
6 腹部脂肪(メタボリックシンドローム)
7 胃瘻
リハ編
1-1 胃がん 保存治療(手術なし) リハポイント:がんによる通過障害部位を見極めよう
1-2 胃がん 手術あり リハポイント:胃切除後症候群に注意しリハをしよう
2 大腸がん リハポイント:下血後の貧血に注意
3 イレウス リハポイント:イレウス管挿入時も運動を
4 ヘルニア リハポイント:リハ時の姿勢に注意し,圧迫は避ける
5 腸穿孔 リハポイント:長期戦を見据えたリハ介入をしよう
6 腹部脂肪(メタボリックシンドローム) リハポイント:画像を見せて行動変容を促そう
7 腹水 リハポイント:心臓,肝臓,腎臓を疑え
泌尿器・生殖器系 鈴木啓介
解剖と基礎知識
1-1 腎臓・膀胱の解剖
1-2 腎臓・膀胱の生理作用
2 腎臓と膀胱の画像解剖
評価編
1 慢性腎臓病(CKD)
2 腎嚢包
3 子宮がん
リハ編
1 慢性腎臓病(CKD) リハポイント:進行度に合わせた運動負荷
2 腎嚢包 リハポイント:多発性であれば要注意
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胸部,腹部の画像を網羅! 画像から身体の内部を知って,評価とリハビリテーションに活かせる1冊
医療画像は,身体の内部の状態について多くの情報を与えてくれる。胸部(肺,心血管)と腹部の正常画像,疾患画像を読み解くことができれば,内部障害のリハビリテーションで役立つ場面はたくさんある。
本書では,単純X線とCTを中心に,多数の正常画像を掲載し,画像の基礎から学べるように構成している。内部障害のリハで対象となるさまざまな疾患画像を列挙しながら,画像から病態を把握し,リハビリテーションに直結する評価のポイントを解説。さらに,「リハポイント」として,各疾患に関連する検査データや栄養状態などを加味しながら,画像情報を活用して手技や運動療法を導き出すところまで踏み込んだ。
近年の電子カルテ化により,以前より画像が身近になった。本書は,その貴重な情報を最大限に活用して,患者のADLの改善,QOLの向上に役立てられる1冊である。