阪和人工関節センター TKAマニュアル—Advanced Course—

阪和人工関節センター TKAマニュアル—Advanced Course—

■著者 格谷 義徳

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
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  • A4判  124ページ  オールカラー,イラスト40点,写真80点
  • 2021年4月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-1881-5

Basic Courseを超えて,時に遭遇するさまざまな難所を大過なく通り過ぎるためのTKA危機管理マニュアル

『阪和人工関節センター TKAマニュアル –Basic Course–』(2019年)の続編。
セメンティング,高度内反膝,外反膝など,決して多くはないが時に遭遇する,Basic Courseだけでは対処できない患者や問題に対する危機管理マニュアル。読者の使いやすさを重視して,起こりうる重要な事項順に掲載している。


序文

まえがき

 前編である『阪和人工関節センターTKA マニュアル—Basic Course—』には,たくさんの方からさまざまなご意見をいただきました。多くは「私はこうしてますが,何か?」というスタンスに好意的なものでしたが,当然批判的なものもありました。そのなかから私が感じたことは,
 ・すべての人が全体を読んだうえで正しく解釈してくれるとは限らない
 ・ごく少数ではあるが誤った解釈をする人が必ず出てくる
ということです。ずいぶん傲慢な言いぐさだとお怒りになるかもしれませんが,これは決して意見を頂いた方々に対する批判ではありません。そもそも手術の習得は生体にメスを入れるという,本来失敗の許されない特殊な技能を身につけようとする過程です。その解説書であるなら,もっと誤解を少なくするような,そして効果的な記載方法があったのではないかという反省・自戒だとお受け取りください。
 そこで今回続編の『Advanced Course』を執筆するに当たり,ポイントをはずさず,できる限り誤解を招くことの少ない記載の方法は何かと考えてみました。本書の目標は,手術という航海に出た術者が,さまざまな難所を大過なく通り過ぎるための術を記載することです。そのための見本として頭に浮かんだのは受験の頃にお世話になった『試験にでる英単語』に始まるシリーズ本でした。この本が画期的であった(少なくとも当時の私にとっては)のは「必要なもの,すなわち試験によく出るものから並べる」というコンセプトで,まさに「目からウロコ」の思いで読んだ記憶があります。本書ではそれに倣って,できるだけ重要な事項から解説することを基本方針としました。そのうえでカバーしきれないことや毛色の違う話題はトピックスの形にしてまとめておきました。
 もう一つ頭を悩ませたのは参考文献の取り扱いです。今回扱うテーマでは私自身の経験も限られたものになることは避けられません。ですから記述内容の裏付けとしての参考文献の役割が大きくなります(「私はこうしてますが,何か?」では説得力に欠けるということです)。そこで本書では重要な(と私が思う)少数の参照文献だけを思いつくままに記載することにしました。それらは「私が偶然」強い影響を受けて,かつ「現在覚えている」物に限定されており,EBMとはほど遠いことをあらかじめお断りしておきます。そもそも私は手術手技の習得に際してはEBM という概念は万能ではないどころか,むしろそぐわない側面が多いと考えているのですが,これについては項を改めて記載することにしましょう。
 読者の皆さんが実際にTKA を執刀するようになると,平穏な航海ばかりではなく,ありとあらゆる気象状態のなか,難所を通り過ぎなければなりません。しかし忙しい臨床のなかで術者が割ける時間と労力は限られており,加速度的に増える情報のなかから必須の(最低限の)知識を効率よく得ることは容易ではありません。そんな「切羽詰まった」状況のなかで,本書が読者の皆さんにとっての「TKA の危機管理マニュアル」としての役目を果たせたら著者としてこんなに嬉しいことはありません。

2020 年12 月
阪和第二泉北病院 阪和人工関節センター総長
格谷義徳
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目次

Constrained implantの考え方と使用法
外反膝に対するTKA
高度内反変形膝に対するTKA
セメント手技—Modern cementing technique in TKA
TKAにおける血管損傷

【トピックス】
ボーンソーあれこれ
外科的手技習得におけるevidence-based medicine(EBM)
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