新NS NOW 18

Neurosurgical Controversies

脳神経外科の最新ディベート

Neurosurgical Controversies

■担当編集委員 黒田 敏

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  248ページ  オールカラー,イラスト151点,写真418点
  • 2019年8月11日刊行
  • ISBN978-4-7583-1841-9

複数の治療法が適用できる疾患について,治療法を比較して各々の長所短所を把握しよう!

学会等では壇上で異なる治療法を比較して議論を戦わせるセッションがあるが,今回の Neurosurgical Controversiesでは,それを紙面で展開する。複数の治療法が適用できる11の疾患を取り上げ,各々に対する異なる治療を2〜3項目ずつ解説。紙上で各治療法を比較することができ,また各々の長所短所を把握することができる。
これから専門医としてサブスペシャリティーを選択していく若手脳外科医の必読書!


序文

 森田明夫教授からのご依頼で本書『新NS NOW Neurosurgery No.18』のguest editorとして編集を担当させていただいた。少々悩んだ末,本書のテーマを「Neurosurgical Controversies」とさせていただいた。
 言うまでもなく,脳神経外科疾患の治療は急速な進歩を遂げており,治療手段も顕微鏡手術のみに留まらず,内視鏡手術,血管内治療,定位放射線手術のほか,内科治療へと幅を拡げつつある。しかしながら,現在においても手術アプローチ,治療のタイミング,治療のモダリティ,術中モニタリングなどにおいて完全なコンセンサスが得られていないものも多い。しかし,学会で勉強しようと思っても,昨今はどの学会でも演題数がどんどん増えているため,日頃の疑問について討論して深化させる時間がきわめて短いと言わざるを得ない。
 そこで,本書ではさまざまな脳神経外科疾患の「controversies」を小生の独断と偏見を以って選び,それぞれの分野のエキスパートの先生にそれぞれのオピニオンをじっくりと解説していただくことで,誌上ディベートを展開していただいた。ご執筆いただいた先生方は小生の意を汲んで,素晴らしい原稿をご用意下さった。読者の皆様におかれましては,本書をじっくりとお読みになり,日頃の疑問を解決する一助としていただければ,編集者として身に余る光栄である。

2019年7月
富山大学大学院医学薬学研究部脳神経外科教授
黒田 敏
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目次

前交通動脈瘤へのアプローチ
 Interhemispheric approach   小林慎弥,ほか
 Pterional approach  大里俊明
もやもや病に対する脳血行再建術
 間接バイパス術  成相 直
 直接あるいは複合バイパス術   舟木健史,ほか
内頚動脈海綿静脈洞部巨大動脈瘤の治療
 High flow bypass  工藤絵里奈,ほか
 フローダイバータ  石井 暁
内頚動脈狭窄症の治療
 頚動脈内膜剥離術(CEA)  西村 中,ほか
 頚動脈ステント留置術(CAS)  秋岡直樹
 内科治療  平野照之
治療困難な脳底動脈瘤の治療
 開頭手術   上山博康
 血管内治療  杉生憲志
SM Grade 3の脳動静脈奇形の治療
 開頭手術  栗田浩樹
 ガンマナイフ  長谷川俊典
頭蓋咽頭腫の外科治療
 開頭手術  森迫拓貴,ほか
 内視鏡下経鼻拡大蝶形骨洞手術  辛 正廣
3cm以下の前庭神経鞘腫の治療
 開頭手術  伊澤仁之,ほか
 定位的放射線照射  青山英史
Eloquent area近傍のグリオーマの手術
 覚醒下手術を駆使した手術  中田光俊,ほか
 覚醒下手術を用いない手術  廣瀬雄一
脊髄硬膜動静脈瘻,傍脊髄動静脈瘻の治療
 外科治療  笹森 徹,ほか
 血管内治療  佐藤慎祐,ほか
脊髄脂肪腫の治療
 積極的治療  赤井卓也
 待機的治療,利点,適応,術前・術中・術後の注意点,限界,テクニック  坂本博昭,ほか

シリーズ わたしの手術記載
① 脳底動脈先端部破裂脳動脈瘤  井川房夫
②高度視力視野障害を呈する posterior clinoid meningioma   大宅宗一
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