症例から学ぶ
周産期診療ワークブック
改訂第2版
定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- B5判 544ページ 2色(一部カラー),イラスト70点,写真180点
- 2016年7月19日刊行
- ISBN978-4-7583-1736-8
電子版
序文
序
「症例から学ぶ周産期診療ワークブック」改訂第2版に寄せて
2012年7月に「症例から学ぶ周産期診療ワークブック」が刊行され,早いもので4年が経過しました。第1版は,日本周産期・新生児医学会会員の皆さんをはじめとして多くの方々にご好評をいただきました。その理由の一つは,各項目に設問があり,それを解答し,解説を読んで理解を深めるといった形式がユニークであると聞き及んでいます。また,きわめて臨床に即した内容であることも一因であったと思われます。なお,第1版は,韓国でもハングルに翻訳され出版されております。
第1版から4年が経過し,周産期医療も変化してきています。いくつかのガイドラインが新たに作られ,また改訂もされており,さらには新しい医療技術も導入されつつあります。その一方で,新たな課題も生まれてきています。そのため,改訂第2版を刊行することとなりました。比較的短期間のうちではありましたが,こうして本書を上梓できたのは,各項目の査読を担当していただいた教育委員会の各委員が,適切に改訂が必要な部分を指摘していただいたおかげでもあります。改訂第2 版も,各項目の構成は第1版と同じような形式となっていますが,唯一の変更点は,設問およびその解答は混乱を避けるためにcontroversial な内容を削除したところです。この変更は,読者や教育委員会委員の意見を経て決定されました。
日本周産期・新生児医学会「教育・研修委員会」では,会員の皆様に「周産期学セミナー」をオンラインで視聴できるサービスを行っています(学会ホームページからアクセスできます)。本書のすべての項目が網羅されているわけではありませんが,併せてご利用いただければ,さらなる理解に役立つものと思います。また,今後も定期的に版を重ね改訂していく予定にしております。その際の参考にさせていただきたいと思いますので,ぜひ本書をご一読いただき,忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです。
本書も第1版と同様に,多数の方々に受け入れられることを願っております。最後に,この場を借りて執筆いただきました諸先生方や教育・研修委員会委員に厚く御礼を申し上げます。
2016年6月吉日
一般社団法人日本周産期・新生児医学会
教育・研修委員会委員長
板橋 家頭夫
一般社団法人日本周産期・新生児医学会
理事長
海野 信也
「症例から学ぶ周産期診療ワークブック」改訂第2版に寄せて
2012年7月に「症例から学ぶ周産期診療ワークブック」が刊行され,早いもので4年が経過しました。第1版は,日本周産期・新生児医学会会員の皆さんをはじめとして多くの方々にご好評をいただきました。その理由の一つは,各項目に設問があり,それを解答し,解説を読んで理解を深めるといった形式がユニークであると聞き及んでいます。また,きわめて臨床に即した内容であることも一因であったと思われます。なお,第1版は,韓国でもハングルに翻訳され出版されております。
第1版から4年が経過し,周産期医療も変化してきています。いくつかのガイドラインが新たに作られ,また改訂もされており,さらには新しい医療技術も導入されつつあります。その一方で,新たな課題も生まれてきています。そのため,改訂第2版を刊行することとなりました。比較的短期間のうちではありましたが,こうして本書を上梓できたのは,各項目の査読を担当していただいた教育委員会の各委員が,適切に改訂が必要な部分を指摘していただいたおかげでもあります。改訂第2 版も,各項目の構成は第1版と同じような形式となっていますが,唯一の変更点は,設問およびその解答は混乱を避けるためにcontroversial な内容を削除したところです。この変更は,読者や教育委員会委員の意見を経て決定されました。
日本周産期・新生児医学会「教育・研修委員会」では,会員の皆様に「周産期学セミナー」をオンラインで視聴できるサービスを行っています(学会ホームページからアクセスできます)。本書のすべての項目が網羅されているわけではありませんが,併せてご利用いただければ,さらなる理解に役立つものと思います。また,今後も定期的に版を重ね改訂していく予定にしております。その際の参考にさせていただきたいと思いますので,ぜひ本書をご一読いただき,忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです。
本書も第1版と同様に,多数の方々に受け入れられることを願っております。最後に,この場を借りて執筆いただきました諸先生方や教育・研修委員会委員に厚く御礼を申し上げます。
2016年6月吉日
一般社団法人日本周産期・新生児医学会
教育・研修委員会委員長
板橋 家頭夫
一般社団法人日本周産期・新生児医学会
理事長
海野 信也
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目次
Ⅰ 母体編
1. 妊娠初期の異常
1 異所性妊娠(帝王切開瘢痕部妊娠を含む)
2 流産(習慣流産を含む)
3 胞状奇胎(奇胎合併妊娠を含む)
4 妊娠悪阻
5 頸管無力症(子宮頸管縫縮術含む)
2. 妊娠中期後期の異常
1 妊娠高血圧症候群
2 早産(前期破水,無症候性頸管長短縮例の管理を含む)
3 糖代謝異常妊娠(妊娠糖尿病,妊娠中の明らかな糖尿病,糖尿病合併)
4 血液型不適合妊娠
5 静脈血栓塞栓症(VTE)
6 異常出血(前置胎盤・常位胎盤早期剝離)
7 羊水量の異常(羊水過多,羊水過少)
3. 合併症妊娠
1 婦人科疾患(子宮筋腫,子宮頸癌,卵巣腫瘍)
2 呼吸器疾患(気管支喘息)
3 循環器疾患(心疾患,高血圧)
4 内分泌代謝・リウマチ疾患(甲状腺疾患,膠原病)
5 血液疾患〔特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病,血小板増加症〕
6 消化器疾患(炎症性腸疾患)
7 腎泌尿器疾患(慢性腎炎,腎移植後)
8 筋骨格・神経(筋緊張性ジストロフィー,重症筋無力症)
9 脳血管障害(脳動脈瘤,脳動静脈奇形,もやもや病)
4. 分娩・産褥時の症候
1 陣痛の異常(微弱陣痛,過強陣痛)
2 遷延分娩・分娩停止(児頭骨盤不適合,回旋異常)
3 異常出血
1)子宮破裂
2)産褥血腫
3)弛緩出血
4)頸管裂傷・子宮内反
5)癒着胎盤
6)羊水塞栓症
7)DIC および産科危機的出血
Ⅱ 胎児編
1. Fetal growth restriction
1 Fetal growth restriction(産科)
2 Fetal growth restriction(新生児科)
2. 多胎妊娠
1 多胎妊娠(双胎間輸血症候群を含む)
2 多胎妊娠(新生児科)
3. 胎児機能不全
1 胎児機能不全(胎児心拍モニタリングを含む)
4. 母子感染症
1 インフルエンザ,風疹,水痘
2 サイトメガロウイルス,ヘルペスウイルス
3 パルボウイルス感染
4 HIV
5 HTLV-I
6 HBV,HCV
7 STD(梅毒,クラミジア)
Ⅲ 新生児編
1. 新生児仮死
1 新生児心肺蘇生法
2. 胎児水腫
1 胎児水腫(胸水を含む)
3. 呼吸
1 呼吸窮迫症候群
2 胎便吸引症候群
3 慢性肺疾患(chronic lung disease;CLD)
4 無呼吸
4. 循環
1 未熟児動脈管開存症
2 新生児遷延性肺高血圧症
3 先天性心疾患
4 新生児の不整脈
5 ショック
5. 神経
1 頭蓋内出血
2 PVL(periventricular leukomalasia)
3 新生児発作
4 低酸素性虚血性脳症
5 薬物離断症候群(薬物離脱症候群)
6. 黄疸
1 早発黄疸
2 遷延性黄疸
7. 血液
1 未熟児貧血
2 播種性血管内凝固症候群(DIC)
3 輸血(交換輸血を含む)
8. 感染症
1 早発型感染症
2 敗血症・髄膜炎(遅発型感染症)
3 院内感染症
9. 栄養
1 経腸栄養(母乳栄養,強化栄養を含む)
2 静脈栄養 —early aggressive nutrition—
10. 消化器
1 新生児壊死性腸炎
2 ミルクアレルギー
3 胎便関連性腸閉塞症
11. 腎
1 急性腎不全
12. 代謝・内分泌
1 先天的な内分泌疾患
2 低血糖症
3 晩期循環不全
4 先天代謝異常症
13. 染色体異常・奇形症候群
1 染色体異常・奇形症候群
14. 遺伝カウンセリング
1 遺伝カウンセリング
15. 新生児外科系疾患
1 脳神経疾患(脳室拡大・脊髄髄膜瘤)
2 胸部疾患(主として横隔膜ヘルニア,CCAM)
3 腹部疾患(臍帯ヘルニア,腹壁破裂)
4 腹部疾患(消化管閉鎖,鎖肛を含む)
5 泌尿器疾患(腎盂拡張)
6 肝・胆道疾患
7 骨格異常
16. 未熟児網膜症
1 未熟児網膜症
17. 極低出生体重児のフォローアップと予後
1 極低出生体重児のフォローアップと予後
18. 周産期の倫理
1 出生前診断・胎児治療
2 出生後の対応
Ⅳ 臨床統計
1. わが国における周産期臨床統計
1 新生児医療
2 母体・胎児(日産婦周産期登録データベースから)
3 新生児外科疾患
1. 妊娠初期の異常
1 異所性妊娠(帝王切開瘢痕部妊娠を含む)
2 流産(習慣流産を含む)
3 胞状奇胎(奇胎合併妊娠を含む)
4 妊娠悪阻
5 頸管無力症(子宮頸管縫縮術含む)
2. 妊娠中期後期の異常
1 妊娠高血圧症候群
2 早産(前期破水,無症候性頸管長短縮例の管理を含む)
3 糖代謝異常妊娠(妊娠糖尿病,妊娠中の明らかな糖尿病,糖尿病合併)
4 血液型不適合妊娠
5 静脈血栓塞栓症(VTE)
6 異常出血(前置胎盤・常位胎盤早期剝離)
7 羊水量の異常(羊水過多,羊水過少)
3. 合併症妊娠
1 婦人科疾患(子宮筋腫,子宮頸癌,卵巣腫瘍)
2 呼吸器疾患(気管支喘息)
3 循環器疾患(心疾患,高血圧)
4 内分泌代謝・リウマチ疾患(甲状腺疾患,膠原病)
5 血液疾患〔特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病,血小板増加症〕
6 消化器疾患(炎症性腸疾患)
7 腎泌尿器疾患(慢性腎炎,腎移植後)
8 筋骨格・神経(筋緊張性ジストロフィー,重症筋無力症)
9 脳血管障害(脳動脈瘤,脳動静脈奇形,もやもや病)
4. 分娩・産褥時の症候
1 陣痛の異常(微弱陣痛,過強陣痛)
2 遷延分娩・分娩停止(児頭骨盤不適合,回旋異常)
3 異常出血
1)子宮破裂
2)産褥血腫
3)弛緩出血
4)頸管裂傷・子宮内反
5)癒着胎盤
6)羊水塞栓症
7)DIC および産科危機的出血
Ⅱ 胎児編
1. Fetal growth restriction
1 Fetal growth restriction(産科)
2 Fetal growth restriction(新生児科)
2. 多胎妊娠
1 多胎妊娠(双胎間輸血症候群を含む)
2 多胎妊娠(新生児科)
3. 胎児機能不全
1 胎児機能不全(胎児心拍モニタリングを含む)
4. 母子感染症
1 インフルエンザ,風疹,水痘
2 サイトメガロウイルス,ヘルペスウイルス
3 パルボウイルス感染
4 HIV
5 HTLV-I
6 HBV,HCV
7 STD(梅毒,クラミジア)
Ⅲ 新生児編
1. 新生児仮死
1 新生児心肺蘇生法
2. 胎児水腫
1 胎児水腫(胸水を含む)
3. 呼吸
1 呼吸窮迫症候群
2 胎便吸引症候群
3 慢性肺疾患(chronic lung disease;CLD)
4 無呼吸
4. 循環
1 未熟児動脈管開存症
2 新生児遷延性肺高血圧症
3 先天性心疾患
4 新生児の不整脈
5 ショック
5. 神経
1 頭蓋内出血
2 PVL(periventricular leukomalasia)
3 新生児発作
4 低酸素性虚血性脳症
5 薬物離断症候群(薬物離脱症候群)
6. 黄疸
1 早発黄疸
2 遷延性黄疸
7. 血液
1 未熟児貧血
2 播種性血管内凝固症候群(DIC)
3 輸血(交換輸血を含む)
8. 感染症
1 早発型感染症
2 敗血症・髄膜炎(遅発型感染症)
3 院内感染症
9. 栄養
1 経腸栄養(母乳栄養,強化栄養を含む)
2 静脈栄養 —early aggressive nutrition—
10. 消化器
1 新生児壊死性腸炎
2 ミルクアレルギー
3 胎便関連性腸閉塞症
11. 腎
1 急性腎不全
12. 代謝・内分泌
1 先天的な内分泌疾患
2 低血糖症
3 晩期循環不全
4 先天代謝異常症
13. 染色体異常・奇形症候群
1 染色体異常・奇形症候群
14. 遺伝カウンセリング
1 遺伝カウンセリング
15. 新生児外科系疾患
1 脳神経疾患(脳室拡大・脊髄髄膜瘤)
2 胸部疾患(主として横隔膜ヘルニア,CCAM)
3 腹部疾患(臍帯ヘルニア,腹壁破裂)
4 腹部疾患(消化管閉鎖,鎖肛を含む)
5 泌尿器疾患(腎盂拡張)
6 肝・胆道疾患
7 骨格異常
16. 未熟児網膜症
1 未熟児網膜症
17. 極低出生体重児のフォローアップと予後
1 極低出生体重児のフォローアップと予後
18. 周産期の倫理
1 出生前診断・胎児治療
2 出生後の対応
Ⅳ 臨床統計
1. わが国における周産期臨床統計
1 新生児医療
2 母体・胎児(日産婦周産期登録データベースから)
3 新生児外科疾患
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周産期に携わる医療者必携! 症例から臨床に役立つ実際的な知識・判断力を養える,「症例から学ぶ 周産期診療ワークブック」の改訂版
日本周産期・新生児医学会 教育教育・研修委員会編集による「症例から学ぶ 周産期診療ワークブック」の改訂版。周産期の様々な疾患について症例提示を行い,それに対する設問,および解答・解説によって,臨床的テーマについて実際的な知識・判断力を養うことができるワークブック。設問に答えていくことで専門医試験等に役立つトレーニングもできる。
多数のスペシャリストによる編集・執筆で,実践的でありながらもサイエンスにつながる内容となっており,患者や家族への説明にも役立つ記述も盛り込み,専門医も満足できるハイレベルな内容となっている。
改訂にあたり,遺伝カウンセリングなどのアップデートな話題や,臨床統計など周産期に携わる医師として知っておきたい知識も盛り込み,さらにグレードアップしている。