複雑病変に挑むEVT最新テクニック

Tokeidai style

複雑病変に挑むEVT最新テクニック

■著者 浦澤 一史

定価 8,250円(税込) (本体7,500円+税)
  • B5判  248ページ  2色(一部カラー),イラスト30点,写真800点
  • 2013年10月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-1411-4

EVT治療で必ず成功する考え方,実手技,ポイントを徹底解説!

近年,インターベンション治療の中で,最も進化が著しく注目されているのが末梢血管治療(endovascular therapy:EVT)である。要因は多岐に渡るが,その中でも超高齢社会や食生活の欧米化等により動脈硬化疾患(糖尿病等)が増加した点,末梢動脈疾患患者の予後が悪く,心血管合併症を引き起こす可能性が高いことがあげられる。糖尿病患者は「重症下肢虚血」になる可能性が高く,また,冠動脈病変を有する多くの患者が末梢動脈疾患に罹患しているとの指摘もある。
そのため,現在,EVT治療を積極的に行う施設,医師が増えているが,熟練したテクニックを間近でみる機会も学会場でのライブデモンストレーション等に限られており,直接,エキスパートから指導を受けている医師も少ないのが現状である。
そこで本書では,EVTで著明な浦澤一史先生に,実際に先生が治療した症例を用い,EVTに対してどのように考え取り組んだらよいのか(治療法の選択,カテーテルの選択),どのテクニックを身につけたら良いのかを豊富な画像と共に徹底解説する。


序文

 2010年8月10日からブログを始めて3年が経過しました。末梢血管疾患に対する血管内治療を行ううえで,私自身がそれぞれの症例・病変ごとにどのような考えで治療にあたっているのかを示す場として,あるいは日頃から考えている心血管疾患治療に関する新しいアイデアなどを発信することを目的としてブログを始めました(http://blogs.yahoo.co.jp/fighting_for_cli)。幸いにも,現在までにとても多くの先生からお褒めの言葉をいただいております。また,私のブログから手技を学び,自施設での末梢血管治療に生かしているとのお話も数多く聞いており,ブログを始めた意義があったと感じております。
 血管内治療手技の過程を十分に理解していただくためには,主要なステップごとに写真(造影や透視画像)を提示する必要があり,1症例分の記事を作成するのに30分以上が必要となります。最近,施設内外での仕事量が急激に増加しており,準備に時間を必要とするブログの更新が思うように進まないのが悩みの種となっています。過去1年は,情報発信媒体として主にFacebookを使うようになっていますが,複雑病変に対するEVTの手順を説明する手段としてのブログの有用性は捨てがたいものがあります。学会,研究会,ライブなどでお会いする先生方からも,新しい記事を期待しているとのメッセージをいただいており,今後もなんとか時間を見つけてブログを継続していきたいと考えています。
 開始から3年目を迎えたこともあり,今までにアップした記事を本としてまとめることにいたしました。紙媒体にはネット情報にはない利点も数多くあります。病変部位,病変形態ごとの目次を作成することで,必要な情報を続けてみることができるように工夫をしております。本書が,多くの先生の日常診療にお役に立つことができれば幸いです。
 最後に,本書に掲載された多くの患者さんの治療現場において,また新しい手技を開発する過程で,常に絶大なるサポートをしていただいた時計台記念病院のスタッフ(循環器センター医師,形成外科創傷治療センター医師,臨床工学技士,放射線科技師,生理検査技師,カテ室専任看護師,病棟看護師)の方々に心より感謝いたします。

平成25年9月
社会医療法人社団カレスサッポロ時計台記念病院
副院長・循環器センター長
浦澤一史
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目次

重症下肢虚血
ワイヤーランデブー(Wire rendez-vous)法
腸骨動脈の慢性完全閉塞病変におけるwire rendez-vous
血栓性閉塞病変に対するEVT
Side branch access
腸骨動脈の慢性完全閉塞
グリグリ君に関する質問
慢性完全閉塞,重症下肢虚血の症例
重症下肢虚血/膝下動脈の慢性完全閉塞 CVIT2010 EVTライブで担当した症例
表パンだけに頼らない ワイヤー操作に関するオプションは,複数用意しておくことが重要 
石灰化病変への通過
炭酸ガス造影
遠位部SFAの限局性病変が原因となり発生したと考えられる慢性完全閉塞病変 −SLDC2010におけるライブ症例−
血栓吸引システムについての考察
重症下肢虚血とLeriche症候群 3例の手技について
重症下肢虚血(Rutherford 5)に対するEVT
ステント内血栓性閉塞,重症下肢虚血
SFA-CTOに対する標準的治療法:antegrade wiring
重症下肢虚血(Rutherford 4)に対するEVT
重症上肢虚血
右総腸骨動脈完全閉塞 時計台トレーニングコース①
重症下肢虚血 時計台トレーニングコース②
浅大腿動脈の慢性完全閉塞(SFA-CTO) 時計台トレーニングコース③
Critical Hand Ischemia 時計台トレーニングコース④
コンプレックス症例
CLI症例に対する追加治療
経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)
炭酸ガス造影のセットアップ
右足外踝に難治性潰瘍を有する重症下肢虚血症例に対するEVT
重症下肢虚血の再発
重症下肢虚血に対するEVT
急性血栓性下肢動脈閉塞
Long SFA-CTOに対するEVT Trans-collateral wiringによるbi-directional wiring法
Short SFA-CTOに対するEVT
Ultimate CTO curve
Long SFA-CTOに対するTCA SFA-DFA分岐部にステントを留置する際に注意すべきこと
左鎖骨下動脈完全閉塞に対するEVT
Fontaine ⅢのCLI
Side brunch crossing
グリグリ君ウルトラ
高度石灰化を伴うlong SFA-CTO
大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁形成術
左右下肢の跛行
重症下肢虚血(Fontaine Ⅳ,Rutherford 5)症例に対するEVT
重症下肢虚血(Fontaine Ⅲ,Rutherford 4)症例に対するEVT
腸骨動脈・浅大腿動脈閉塞による重症下肢虚血
腸骨動脈慢性完全閉塞
右鎖骨下動脈狭窄に対するEVT
グラフト閉塞による重症下肢虚血
High tibial puncture 高位前脛骨動脈穿刺法
Trans-collateral angioplasty(TCA)
Micro-knuckle法
腸骨動脈CTOに対するEVT
下肢潰瘍が再発したCLI症例に対するEVT
左SFA-CTO 時計台EVTトレーニングコース①
左SFAのlong-CTO 時計台EVTトレーニングコース②
左SFA-mid CTO 時計台EVTトレーニングコース③
IV-IVUS
SFAおよびBTK-CTO病変によるCLI症例
残存するBTK病変に対するEVT
Poorman's outback
CFA-SFA病変に対するEVT
ATA,PTA閉塞,PA高度狭窄の重症下肢虚血
遠位部腓骨動脈穿刺による両方向性ワイヤー操作
高位前脛骨動脈穿刺と遠位腓骨動脈穿刺
Distal SFA direct puncture(表パン)の施行手順
BTK-CTOのCLI症例 時計台EVTトレーニングコース①
Long SFA-CTOの跛行症例 時計台EVTトレーニングコース②
両側腸骨動脈狭窄の跛行症例 時計台EVTトレーニングコース③
Fontaine Ⅱbの跛行症例 時計台EVTトレーニングコース④
Leriche症候群に対するEVT
急性血栓性下肢動脈閉塞(acute limb ischemia:ALI)
3度目のEVTを必要としたCLI
表パン用穿刺針の改良
Rutherford 6の右下肢潰瘍症例
横パン(Side puncture)
Poorman's outback(POB) method
ガイドワイヤーのシェイピング
横パンが有効であった浅大腿動脈慢性完全閉塞
高度石灰化病変に対するEVT
Guriguri-kun Suprime
亜急性血栓性下肢動脈閉塞症例に対するEVT
右足趾潰瘍のあるCLI症例
左鎖骨下動脈慢性完全閉塞病変に対するEVT
両側の腸骨動脈閉塞,浅大腿動脈閉塞によるCLI症例
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