OS NOW Instruction No.21
足部疾患の手術
QOLを保つ足
定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
- A4判 200ページ オールカラー,イラスト300点,写真180点,DVD-Video付き
- 2012年1月30日刊行
- ISBN978-4-7583-1350-6
序文
今回のOS NOW Instructionでは「足部疾患の手術」をテーマとして取り上げました。荷重歩行のプロセスにおいては,足部を構成する各成分が荷重の負荷を精妙に分散・吸収することで,痛みのない足底接地歩行を可能にしています。足部の障害は歩行時痛によるQOLの低下を伴いやすく,適切な治療の選択と実践は,整形外科専門医に求められる素養の1つといえます。
本書では「QOLを保つ足」というサブタイトルのもとに,「先天性足部障害」「後天性足部障害」「麻痺性足部障害」「関節リウマチの足部障害」「外傷性足部障害」の5つの大きなテーマを設け,各領域で手術経験の豊富な先生方にそれぞれの術式の詳細についてご執筆いただきました。できるだけイラストや写真を用いて解説し,通常の手術手技書や講演では表現しにくい手術のコツや落とし穴を「手技のコツ,注意点」「トラブルシューティング」として記載しています。
具体的な内容ですが,先天性足部障害として先天性内反足と足根骨癒合症を取り上げました。先天性内反足については,軟部組織解離と,Ponseti法という2つの治療アプローチについて詳細に記載していただきました。
後天性足部障害では足関節OAに対する治療として,骨切り術,関節固定,そして人工関節置換という3つの術式を取り上げました。日常診療でよく遭遇する外反母趾に対しては近位および遠位での骨切り術に加え,小侵襲手術として普及しつつあるDLMO法について記載していただきました。さらに成人扁平足については,術前計画の立案も含めた治療の詳細がわかりやすく述べられています。
麻痺性足部障害としては脳性麻痺の足部変形について,特有の注意点とコツを記載していただきました。関節リウマチの足部障害では,従来からの切除関節形成術と髄内釘による足関節固定に加えて,薬物療法の進歩に伴いその適応症例が増加しつつある前足部の関節温存手術について詳述いただきました。また外傷性足部障害としては,外来にて遭遇する頻度の比較的高い,脛骨天蓋骨折,距骨骨軟骨障害,踵骨骨折,アキレス腱断裂,腓骨筋腱脱臼に対する術式を取り上げました。経験に基づいたコツと注意点を,大変わかりやすく記載いただいております。
本書の内容が,読者の皆様の日常診療に役立つことを願うと同時に,それらの知見をもとにしてさらに新しい手術手技が生み出されていくことを願っています。
2011年11月 岩本幸英
本書では「QOLを保つ足」というサブタイトルのもとに,「先天性足部障害」「後天性足部障害」「麻痺性足部障害」「関節リウマチの足部障害」「外傷性足部障害」の5つの大きなテーマを設け,各領域で手術経験の豊富な先生方にそれぞれの術式の詳細についてご執筆いただきました。できるだけイラストや写真を用いて解説し,通常の手術手技書や講演では表現しにくい手術のコツや落とし穴を「手技のコツ,注意点」「トラブルシューティング」として記載しています。
具体的な内容ですが,先天性足部障害として先天性内反足と足根骨癒合症を取り上げました。先天性内反足については,軟部組織解離と,Ponseti法という2つの治療アプローチについて詳細に記載していただきました。
後天性足部障害では足関節OAに対する治療として,骨切り術,関節固定,そして人工関節置換という3つの術式を取り上げました。日常診療でよく遭遇する外反母趾に対しては近位および遠位での骨切り術に加え,小侵襲手術として普及しつつあるDLMO法について記載していただきました。さらに成人扁平足については,術前計画の立案も含めた治療の詳細がわかりやすく述べられています。
麻痺性足部障害としては脳性麻痺の足部変形について,特有の注意点とコツを記載していただきました。関節リウマチの足部障害では,従来からの切除関節形成術と髄内釘による足関節固定に加えて,薬物療法の進歩に伴いその適応症例が増加しつつある前足部の関節温存手術について詳述いただきました。また外傷性足部障害としては,外来にて遭遇する頻度の比較的高い,脛骨天蓋骨折,距骨骨軟骨障害,踵骨骨折,アキレス腱断裂,腓骨筋腱脱臼に対する術式を取り上げました。経験に基づいたコツと注意点を,大変わかりやすく記載いただいております。
本書の内容が,読者の皆様の日常診療に役立つことを願うと同時に,それらの知見をもとにしてさらに新しい手術手技が生み出されていくことを願っています。
2011年11月 岩本幸英
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目次
先天性足部障害
先天性内反足に対する距骨下関節全周解離術 大関 覚
先天性内反足に対するPonseti法 吉岡伸治ほか
☆足根骨癒合症に対する手術 熊井 司
後天性足部障害
☆変形性足関節症(足関節OA)に対する脛骨遠位斜め骨切り術 寺本 司
●☆変形性足関節症(足関節OA)に対する関節固定術 吉村一朗
変形性足関節症(足関節OA)に対する人工足関節全置換術 田中康仁
☆後脛骨筋腱機能不全による成人扁平足に対する手術 安田稔人ほか
●☆外反母趾に対する遠位骨切り術-Mitchell変法- 白仁田 厚
●☆外反母趾に対する遠位骨切り術-DLMO法- 須田康文
●☆外反母趾に対する近位骨切り術-Mann変法- 野口昌彦ほか
麻痺性足部障害
☆脳性麻痺の足部変形に対する整形外科的選択的痙性コントロール手術 福岡真二ほか
関節リウマチの足部障害
●切除関節形成術 福士純一
☆中足骨近位短縮骨切りによる前足部関節温存手術 仁木久照
●後足部障害に対する手術-Fin付き髄内釘- 宮原寿明
外傷性足部障害
☆脛骨天蓋骨折に対する整復固定術 長谷川 惇
距骨骨軟骨障害に対するドリリング,自家海綿骨柱移植術 宮本 亘ほか
●踵骨骨折に対するWesthues法 北田 力
●☆アキレス腱断裂に対する縫合術 占部 憲
腓骨筋腱脱臼に対する修復術 井上敏生ほか
☆動画付き
●Quick reference
先天性内反足に対する距骨下関節全周解離術 大関 覚
先天性内反足に対するPonseti法 吉岡伸治ほか
☆足根骨癒合症に対する手術 熊井 司
後天性足部障害
☆変形性足関節症(足関節OA)に対する脛骨遠位斜め骨切り術 寺本 司
●☆変形性足関節症(足関節OA)に対する関節固定術 吉村一朗
変形性足関節症(足関節OA)に対する人工足関節全置換術 田中康仁
☆後脛骨筋腱機能不全による成人扁平足に対する手術 安田稔人ほか
●☆外反母趾に対する遠位骨切り術-Mitchell変法- 白仁田 厚
●☆外反母趾に対する遠位骨切り術-DLMO法- 須田康文
●☆外反母趾に対する近位骨切り術-Mann変法- 野口昌彦ほか
麻痺性足部障害
☆脳性麻痺の足部変形に対する整形外科的選択的痙性コントロール手術 福岡真二ほか
関節リウマチの足部障害
●切除関節形成術 福士純一
☆中足骨近位短縮骨切りによる前足部関節温存手術 仁木久照
●後足部障害に対する手術-Fin付き髄内釘- 宮原寿明
外傷性足部障害
☆脛骨天蓋骨折に対する整復固定術 長谷川 惇
距骨骨軟骨障害に対するドリリング,自家海綿骨柱移植術 宮本 亘ほか
●踵骨骨折に対するWesthues法 北田 力
●☆アキレス腱断裂に対する縫合術 占部 憲
腓骨筋腱脱臼に対する修復術 井上敏生ほか
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カラーイラストとDVDで足部疾患の手術をしっかりマスター!
足関節は最大の荷重がかかる関節であり,変性疾患も多い。また,伸筋・屈筋腱の疾患は足趾にも症状を誘発するなどその病態は多様である。本書では先天性の内反足に始まり,成年期に見られる変性疾患と外傷(骨折・腱損傷など),高齢者が適応となる関節固定術などについても項目を設け,その主要な疾患と手術で構成した。
本文中では,手術手技の基本的な流れの解説はもちろん「手術のコツ,注意点」「トラブルシューティング」を随所に掲載し,術中トラブルや合併症への対処法なども解説した。足関節OAおよび外反母趾についてはそれぞれ複数の手技を提案している。
足部の疾患ついての情報が集約された1冊である。