Urologic Surgery Next 9

外傷の手術と救急処置

外傷の手術と救急処置

■担当編集委員 山本 新吾
兼松 明弘

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)

憶えておきたい泌尿器外傷の手術と救急処置を豊富なイラストでエキスパートが解説!

近年めざましい進歩を遂げた泌尿器科手術の最前線を,第一線で活躍するエキスパートがオールカラーの豊富な写真・イラストとともにわかりやすく解説した『Urologic Surgery Next』シリーズ。
シリーズを締めくくる第9巻は,泌尿器科臨床医として憶えておきたい外傷の手術と救急処置の手技をわかりやすく解説した専門医必携の一冊。

■シリーズ編集委員
荒井陽一/髙橋 悟/山本新吾/土谷順彦


序文

「Urologic Surgery Next」シリーズ 刊行にあたって

 近年の泌尿器科手術の進化はめざましい。既に普及しているエンドウロロジー,腹腔鏡手術は,機器の進歩と相まってさらに洗練されてきた。近年,手術支援ロボットの導入により泌尿器科手術はさらに大きく変貌した。前立腺全摘術の多くがロボット支援下に行われ,腎部分切除術や膀胱全摘術にも適応が拡大されてきている。このような背景を踏まえて,現在の泌尿器科手術の実際をまとめた新たな手術シリーズとして「Urologic SurgeryNext」シリーズを刊行することとなった。
 本シリーズでは,これまで「Urologic Surgery」シリーズ全12巻(2000〜2002年),「新Urologic Surgery」シリーズ全8巻(2009〜2011年)が刊行され,いずれも好評を得てきた。最初のシリーズの刊行は泌尿器腹腔鏡手術の多くが保険収載されていなかった時期であり,第1巻としてエンドウロロジー,第2 巻として泌尿器腹腔鏡手術が上梓されている。次の新シリーズは臓器別・疾患別の構成となり,低侵襲手術の普及を反映して,各巻にエンドウロロジー,腹腔鏡手術,開放手術が併記して解説されている。
 前シリーズ刊行後の2012年は,ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術が保険収載され,文字通り本邦におけるロボット手術元年となった。その後のロボット手術の普及は急速であり,標準手術の一つとして定着している。腹腔鏡手術においては,泌尿器腹腔鏡技術認定制度の発足後10年以上が経過し,より洗練された標準術式として進化してきた。細径尿管鏡の開発などによりエンドウロロジーもさらに進化を遂げている。今後,手術開発と教育は新たな局面を迎えていると言えよう。
 今回,シリーズ3作目として発刊される「Urologic Surgery Next」シリーズでは,最近の手術の進歩を踏まえ,以下の編集方針にて企画された。
1 . Urologic Surgeryシリーズの中でも進化した術式を重点的に解説する。
2 . 主にアプローチ別に構成し,必要な解剖,基本手技,トラブルシューティングなどを充実させる。
3 . 主要な術式では,テーマ・ポイントを絞った手術手技の解説を設ける。
4 . オープンサージャリーを一つの巻にまとめ,到達法,代表的な術式,血管処理,などを詳述する。
5 . これまでのシリーズと同様に,イラストを駆使して視覚的にわかりやすい記述とする。
 執筆は第一線で活躍されておられる若手の術者にお願いした。本シリーズが多くの泌尿器外科医の日々の研鑽に役立てられることを願っている。

2018年3月
編集委員
荒井陽一
髙橋 悟
山本新吾
土谷順彦

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序文

 Urologic Surgery Next No.9では「外傷の手術と救急処置」をテーマに,それぞれの分野の「超」エキスパートに依頼し,ご執筆いただいた。
 尿路性器の損傷はスポーツ,レジャー,仕事中など生活のあらゆる場面で起こりうる。転落事故や交通事故においては複数の臓器損傷のひとつとして認められるケースも多く,救急医,整形外科医,消化管外科医など他科との連携が重要な疾患である。
 外傷のほとんどのケースで,一刻の躊躇も許されない迅速な対応が要求されるが,その最初の一手としての処置を誤ってしまうと,その後の治療経過に大きな不利益をもたらしてしまうことも少なくなく,正確な知識と技量が必須と考えられる。そういう意味で,他巻でも同様ではあるが,本巻を参照されるときには是非とも各チャプターのカラム「DONOT」を見逃さずに,熟読してから実技に取りかかっていただきたい。
 特に従来比較的安易に尿道狭窄に対して繰り返されていた内尿道切開やブジーなどの経尿道的アプローチの適応はごく限られていることにも警鐘を鳴らしたい。尿道狭窄の治療は開放手術による尿道形成術のほうが,短期・長期ともに成績も優れていることが明らかとなっており,本巻では,尿道外傷とその手術方法について,総論,経陰茎的アプローチ(亀頭部・陰茎部),経会陰的アプローチ(球部・膜様部),経恥骨後式アプローチ(膜様部重症例)にわたって,詳細に解説いただいた。泌尿器科医向けに尿道外傷についてここまで充実した内容を記載している日本語書籍はいままでになかったはずである。
 本巻に収められているあらゆるパターンの尿路損傷を経験している泌尿器科医師はおそらく皆無,またはかなり特殊な環境で医療に従事されているごく少数であろうため,本巻を貴医局に是非一冊は常備しておくことをお薦めしたい。

2021年7月
山本新吾
兼松明弘「
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目次

I 腎外傷の手術と救急処置
 腎外傷の総論  柳 雅人
 腎外傷に対するIVR  小林 薫,山門亨一郎
 内視鏡的手技による腎出血の診断と治療  和田里章悟,荒木元朗,那須保友

Ⅱ 尿管損傷の手術  安達尚宣

Ⅲ 膀胱破裂の診断と治療  井上幸治

Ⅳ 尿道外傷の手術と尿道再建術
 尿道直腸瘻閉鎖術  吉村耕治
 尿道外傷の診断と治療(総論)  尾島健一郎,堀口明男
 尿道外傷(亀頭部・陰茎部)の手術  新地祐介,堀口明男
 尿道形成術(球部・膜様部)  兼松明弘
 経恥骨式アプローチによる後部尿道形成術  加藤晴朗

Ⅴ 陰嚢・精巣,陰茎の手術
 陰嚢・精巣外傷の手術  八木橋祐亮
 陰茎外傷の診断・治療  八木橋祐亮
 陰茎再建術  篠原信雄
 フルニエ壊疽の診断・手術  亀井 潤
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