多施設からみた最良のART
結果の出せる不妊治療
動画で見るラボワークDVD付
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どなたでもご覧いただけます
定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
- B5判 200ページ DVD-Video付き
- 2011年12月12日刊行
- ISBN978-4-7583-1217-2
序文
『結果の出せる不妊治療』の刊行が現実のものとなった今,出版の計画から刊行までの約2年間の経緯を述べ,発刊の序としたい。
一般社団法人JISART(Japanese Institution for Standardizing Assisted Reproductive Technology;日本生殖補助医療標準化機関)は,品質管理システムを導入することで生殖補助医療の質向上を目的としている。高い医療技術,看護,心のケアなどを提供し,患者の満足度を高めることを趣旨とし,2003年3月に 14施設の専門医で設立された生殖補助医療専門施設の団体であり,現在の登録数は25施設である。JISARTでは品質管理システムとして,生殖技術認定委員会(Reproductive Technology Accreditation Committee;RTAC)のガイドラインを作成し,その認定取得を目標として医師部門,看護部門,ラボ部門,事務部門,患者部門およびカウンセリング部門より各々異なった施設から選出された審査委員によって施設認定審査を3年ごとに行っている。このJISARTの活動の中から,出版の構想が発案された。
この出版の動機は3つあった。第一は,不妊治療の第一線で実際に治療に携わっている25名の医療専門医で『結果の出せる不妊治療』を発行したいと考えた。ARTを中心とした不妊治療に関する従来の出版物では一つの問いに対し,最適な解答が提示されているが,実際の臨床においては個々のケースにおける対応に苦慮することが多い。また,それを解決する為の方法や結果に対する解釈のしかたも当然異なってくるであろう。予測できなかった良い結果や悪い結果に遭遇することは,臨床においてよく経験することであり,このような日常の蓄積こそが臨床医としての技掚を高めてくれる。JISARTの25施設の施設長は臨床・研究・学識を兼ね備えた生殖医療の専門医の集まりである。それ故一つの質問に対して各種異なった答えを得ることは十分予想できる。全く異なった回答でも,その回答に至る自分にはなかった思考過程を学べることは大変意義深いことであろう。
第二に,排卵誘発法の中の一つである低刺激法の有効性に対する統計学的に証明された評価は未だ報告されておらず,単一施設の成績よりも多施設からの成績を解析することにより,前方視的無作為法による調査を行い客観性の高い結論を出したいと考えた。クロミフェンをベースとした採卵法は,年齢に関わらず第一選択肢なのか,人間は単一排卵動物であり,それ故良好な卵子は排卵誘発をしても1個しか発生しないという考え方が正しいのか,もしくは,GnRHアナログを主体とした排卵誘発法が有効なのかの点について25施設のデータを基に評価をする必要があると考え,JISART倫理委員会に審議を要請し承認後,アンケートを実施した。
第三として,ARTの成果は,施術者のスキルの差によって大きく左右されることが多く,各施設におけるARTの実際を動画で比較してみたいと思った。ICSIひとつをとっても,そのやり方は各施設それぞれ工夫を凝らしているに違いない。凍結法もしかり。この点より,平成23年度JISARTラボ教育セミナーで『動画で見るART』の特集を行い,各施設より得意とするART手技の動画の検討会を行った。実際に各施設の優れた技術を見ることは千金に値した。この経験より,『動画で見るART』の手技をより分かりやすい動画に再編集し,さらにグレードアップしてみようと考えた。
本編はQ&A方式としその執筆,編集は25の施設長全員が担当した。解答の内容が異なることも多く,その場合は併記とした。しかし,併記解答はこの本の読者に解決法は一つだけではないことに気づく良い機会ではないだろうか。また多くのパズルを解くカギを,この多様な対策法の中から見つけられるのではないかと思われる。
この本は,ARTを目指す医師,産婦人科医,胚培養士などを主な対象とした。さらに,技術面のみならず,倫理,ART技術の質の確保の問題,ラボの安全性などについても各会員に意見を求めた。この本の回答には各会員の長年の臨床から得られた知恵が凝縮されている。ARTを目指す諸君にARTにより得られる喜びを,ぜひ患者と共有して欲しい,さらに,生殖医療の素晴らしさを発見していただきたいと,心より願うところである。この出版にあたり,刊行の内容に理解し発刊に至るまでの2年間にわたり大変ご迷惑をおかけしたにも関わらず,最後までご協力いただいたメジカルビュー社の清澤まや氏,浅見直博氏の両氏に心より感謝し,御礼を申し上げたい。
2011年11月
編著者一同
一般社団法人JISART(Japanese Institution for Standardizing Assisted Reproductive Technology;日本生殖補助医療標準化機関)は,品質管理システムを導入することで生殖補助医療の質向上を目的としている。高い医療技術,看護,心のケアなどを提供し,患者の満足度を高めることを趣旨とし,2003年3月に 14施設の専門医で設立された生殖補助医療専門施設の団体であり,現在の登録数は25施設である。JISARTでは品質管理システムとして,生殖技術認定委員会(Reproductive Technology Accreditation Committee;RTAC)のガイドラインを作成し,その認定取得を目標として医師部門,看護部門,ラボ部門,事務部門,患者部門およびカウンセリング部門より各々異なった施設から選出された審査委員によって施設認定審査を3年ごとに行っている。このJISARTの活動の中から,出版の構想が発案された。
この出版の動機は3つあった。第一は,不妊治療の第一線で実際に治療に携わっている25名の医療専門医で『結果の出せる不妊治療』を発行したいと考えた。ARTを中心とした不妊治療に関する従来の出版物では一つの問いに対し,最適な解答が提示されているが,実際の臨床においては個々のケースにおける対応に苦慮することが多い。また,それを解決する為の方法や結果に対する解釈のしかたも当然異なってくるであろう。予測できなかった良い結果や悪い結果に遭遇することは,臨床においてよく経験することであり,このような日常の蓄積こそが臨床医としての技掚を高めてくれる。JISARTの25施設の施設長は臨床・研究・学識を兼ね備えた生殖医療の専門医の集まりである。それ故一つの質問に対して各種異なった答えを得ることは十分予想できる。全く異なった回答でも,その回答に至る自分にはなかった思考過程を学べることは大変意義深いことであろう。
第二に,排卵誘発法の中の一つである低刺激法の有効性に対する統計学的に証明された評価は未だ報告されておらず,単一施設の成績よりも多施設からの成績を解析することにより,前方視的無作為法による調査を行い客観性の高い結論を出したいと考えた。クロミフェンをベースとした採卵法は,年齢に関わらず第一選択肢なのか,人間は単一排卵動物であり,それ故良好な卵子は排卵誘発をしても1個しか発生しないという考え方が正しいのか,もしくは,GnRHアナログを主体とした排卵誘発法が有効なのかの点について25施設のデータを基に評価をする必要があると考え,JISART倫理委員会に審議を要請し承認後,アンケートを実施した。
第三として,ARTの成果は,施術者のスキルの差によって大きく左右されることが多く,各施設におけるARTの実際を動画で比較してみたいと思った。ICSIひとつをとっても,そのやり方は各施設それぞれ工夫を凝らしているに違いない。凍結法もしかり。この点より,平成23年度JISARTラボ教育セミナーで『動画で見るART』の特集を行い,各施設より得意とするART手技の動画の検討会を行った。実際に各施設の優れた技術を見ることは千金に値した。この経験より,『動画で見るART』の手技をより分かりやすい動画に再編集し,さらにグレードアップしてみようと考えた。
本編はQ&A方式としその執筆,編集は25の施設長全員が担当した。解答の内容が異なることも多く,その場合は併記とした。しかし,併記解答はこの本の読者に解決法は一つだけではないことに気づく良い機会ではないだろうか。また多くのパズルを解くカギを,この多様な対策法の中から見つけられるのではないかと思われる。
この本は,ARTを目指す医師,産婦人科医,胚培養士などを主な対象とした。さらに,技術面のみならず,倫理,ART技術の質の確保の問題,ラボの安全性などについても各会員に意見を求めた。この本の回答には各会員の長年の臨床から得られた知恵が凝縮されている。ARTを目指す諸君にARTにより得られる喜びを,ぜひ患者と共有して欲しい,さらに,生殖医療の素晴らしさを発見していただきたいと,心より願うところである。この出版にあたり,刊行の内容に理解し発刊に至るまでの2年間にわたり大変ご迷惑をおかけしたにも関わらず,最後までご協力いただいたメジカルビュー社の清澤まや氏,浅見直博氏の両氏に心より感謝し,御礼を申し上げたい。
2011年11月
編著者一同
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目次
刊行に寄せて 吉村泰典
序 編著者一同
I 一般不妊治療
1.タイミング法
適応と限界
Qタイミング法の適応について教えてください
Q腹腔鏡は必要ですか
Q抗精子抗体検査について教えてください
QAMHについて教えてください
Q排卵時期の所見について教えてください
Q基礎体温を調べる意味合いを教えてください
Q基礎体温が上がれば,すべて排卵すると思ってよいのでしょうか
Q排卵時期の予測方法を教えてください
Qタイミングを設定する方法(hCG注射の役割と使用方法)を教えてください
Qタイミング法を続ける目安を教えてください
2.排卵誘発
Q排卵誘発剤を使用する際の注意点を教えてください
Q排卵誘発剤の副作用について教えてください
3.精子所見
Q精液検査の方法を教えてください
Q精子数や運動率の正常値を教えてください
Q精子はどのようにすれば増えますか。または活発になりますか
Q精子の濃縮のポイントを教えてください
Q精子の性状からみた手技の適応を教えてください
ワンポイント:用語の使い分けについて
4.人工授精
適応と限界
Q人工授精の方法について詳しく教えてください
Q人工授精(AIH)は何歳まで有効でしょうか
Q卵胞の大きさはどの程度がよいのですか(大きすぎてもいけないのでしょうか)
Q凍結精子での人工授精について教えてください
Q人工授精には排卵誘発剤を併用するべきですか
Qタイミング法から人工授精へ進む時期を教えてください
Qホルモン値,内膜の厚さはどのくらいがよいのでしょうか
Q卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を併発しやすいのですが,AIHを続けるべきでしょうか
Q人工授精を続ける目安(回数,期間,年齢)を教えてください
Q人工授精を行う際,原精液を使ってもよいのでしょうか
Qどのような精子調整法が望ましいですか
Q人工授精の妊娠率について教えてください
Q人工授精は何回くらいまで有効ですか
Q精液検査では異常がありませんが,タイミング法では妊娠しません。人工授精にステップアップする意味はあるのでしょうか
II 体外受精
1.適応と限界
Q体外受精とはどのような手技ですか。利点と欠点を教えてください
Q体外受精へのステップアップの条件にはどういうものがありますか
Q胚移植法には何があり,どんな違いがありますか
Q移植する医師の技術の差が成績に出てきますか
Q新鮮胚移植と凍結胚移植の違いは何ですか
Qホルモン補充周期の方法はいろいろありますか
Q体外受精は何回行うことが可能ですか
Q良い胚の判定方法を教えてください
Q体外受精の適応として女性年齢はいくつまで可能ですか
Q体外受精の適応に不妊期間は関係しますか
Q女性年齢が40歳以上の場合,顕微授精になりますか
Q33歳,不妊期間5年,両側卵管閉鎖です。クラミジア感染が原因といわれました。FTと体外受精のどちらを勧めますか
Q33歳,不妊期間5年,両側卵管閉鎖です。体外受精の場合,卵巣刺激法はどの方法が良いですか。 体に負担のかからない自然周期が良いと本で見たことがあるのですが
Q卵管水腫は体外受精を行う前に治療したほうが妊娠率は高くなりますか
Q40歳,体外受精は初めてですが,どのような卵巣刺激法を勧めますか。AMH<1pM,AFC1個です
Q現在45歳です。これまで体外受精を5回しましたが,妊娠しませんでした。これから妊娠・出産の可能性はありますか
ワンポイント:加齢と流産─染色体異常からみて
ワンポイント:ARTとゲノムインプリンティング異常
2.ラボの環境づくり
体外培養環境
Qラボにはどのような施設が必要ですか
Q培養室の空気清浄度は妊娠と関係しますか
Q培養液の温度,pH,浸透圧と胚の発生との関係はありますか
3. 臨床データ
Q妊娠率,流産率,出生率,出生児報告,周期当たりなど,成功率の評価の仕方などについて教えてください
Q体外受精の臨床データとは何ですか
4.卵子成熟の基礎
Q卵子はどのように成熟しますか
Q理想的なホルモン値を教えてください。また,そのようにホルモン値をコントロールするにはどうすればよいですか
Q卵巣機能を回復することは可能ですか
Qカウフマン療法のメリット,デメリットを教えてください
ワンポイント:卵巣周囲の血流評価と卵子の発育
5.排卵誘発法
ARTにおける排卵誘発時の低刺激法と調節刺激法の臨床成績の統計学的分析
Q卵胞の発育について,患者にどう説明すればいいでしょうか
Q患者から「卵巣刺激をすると,早く閉経したり,卵巣癌になりやすくなりませんか」と聞かれたら,どのように答えたらよいでしょうか
Q質の良い卵を採卵するために良いと思われる排卵誘発法を教えてください
Qクロミフェン周期について教えてください
Qクロミッド(r)セロフェン(r)以外の経口排卵誘発剤について教えてください
Qピルの使用法を教えてください
Q排卵誘発法の前にエストロゲンまたはピルの使用は効果がありますか
Q調節排卵剤投与前のエストロゲンまたはピルを投与する効果について教えてください
Qロング法とショート法について,適用対象を含めて教えてください
Q初めてのARTをする際,排卵誘発法を選ぶ基準があれば教えてください
Q胚移植後の黄体期管理法を教えてください
Qアンタゴニスト法のコツは何ですか
Q高年齢者のための排卵誘発法について教えてください
Q高年齢者にはLHあるいは希釈したhCGを加えるべきとの意見がありますが,どのようにしていますか
6.採卵
Q採卵時の麻酔にはどんな方法がありますか
Qプロポフォール(r)を用いた麻酔の実際の手順について教えてください
Q質の良い卵とはどのような卵ですか。どのようにすれば質の良い卵が採れますか
Q採卵のコツを教えてください
7.媒精
Q媒精の手技を,コツを含めて教えてください
Q媒精と顕微授精について教えてください
8.培養
Q培養の方法はいろいろありますか
Q培養器の違いはありますか
Q培養液はいろいろありますが,何が違い,どんな差が出ますか
培養液とエンドトキシン
Q培養液の成分を正確に公開したものは,国内外を問わずありません。臨床に携わる者として細かい培養液の成分を比較した内容を知りたいのですが不可能でしょうか
Q培養液はどのように選択しますか
Q体外受精の培養液が5種類以上あると聞きました。どれが患者に適しているか,事前に調べられますか
Q長期培養すると妊娠率は上がりますか。培養する期間の目安を教えてください
Q一前核,多前核はどういう機序で形成されるのですか
Q受精するのに分割しないのはなぜでしょうか
Q割球の変化の仕方を教えてください
Q良い胚を選別する方法を教えてください
Q胚盤胞までの培養方法はどのようにしたらよいですか
Q良い胚盤胞をつくるコツを教えてください
Qタイムラプスで観察できない環境下で,胚の選別をする際にアドバイスがあれば教えてください
ワンポイント:初期胚発生,初期胚の形態評価,胚の動態解析
9.移植
Q単一胚移植について教えてください。妊娠率は下がるのでしょうか
Qいつ胚移植するのが一番成績がよいですか
Q胚移植後の安静は必要ですか
Q胚のローディングの方法はいろいろありますか。胚のローディングの際,最適な量を教えてください
Q胚のローディングにエアーは必要ですか
Qお勧めの移植用カテーテルは何ですか
Q超音波ガイド胚移植の実際について教えてください
Q経腟超音波で胚移植するメリットは何ですか
Qアシステッドハッチングの方法を教えてください。必要があるのはどのようなときですか
Q凍結融解胚移植にアシステッドハッチングは有効ですか
Q胚移植用培養液の有効性について教えてください
胚盤胞移植
Q胚盤胞移植とはどのような方法ですか
Q胚盤胞移植でしか妊娠できないというケースはありますか。卵管機能障害があるときは胚盤胞移植しかできないのですか
Q胚盤胞移植のメリット,デメリットを教えてください
Q分割期胚移植と胚盤胞移植はどちらがよいですか
Q移植をするタイミングを教えてください
Q余った胚盤胞はどのように利用しますか
Q胚盤胞を凍結して5年以上経過しましたが,移植しても問題ありませんか
Q胚盤胞は一度凍結すべきでしょうか
Q胚盤胞はいつ凍結すべきでしょうか
Qどういうときに経筋層で胚移植しますか
ワンポイント:経筋層的胚移植(TOWAKOメソッド)
ワンポイント:経腟超音波断層誘導下ピンポイント胚移植法
ワンポイント:卵管内配偶子,接合子,および胚の移植法(GIFT,ZIFT,EIFT)
ワンポイント:自然妊娠との合併双胎について
ワンポイント:胚盤胞を1個しか移植していないのに双胎となる場合について
10.ルテアールサポート
Qルテアールサポートとはどのような方法ですか
Qルテアールサポートの具体的な方法を教えてください
Qルテアールサポートはいつまで続けますか
11. 凍結
Q胚,精子,卵子の凍結方法を教えてください
Q卵や体質によって,凍結の向き不向きがあるのでしょうか
Q凍結をすることのメリット,デメリットは何ですか
Q凍結胚移植するときの子宮内膜作成法の違いを教えてください
Q凍結胚移植法の場合の,自然排卵周期と子宮内膜調整法(HRT法)について教えてください
12. 副作用,合併症対策
Q体外受精にはどのような合併症が考えられますか
Q採卵に伴う合併症はありますか
Qどうすれば合併症を予防できますか
Q合併症になってしまった場合は,どのように処置を行えばよいですか。その場合,出産は可能ですか
QARTで注意すべき副作用は何ですか。児の予後はどうですか
QOHSSを回避方法,治療方法を教えてください
Q出血した場合はどのようにすればよいですか
Q注意すべき感染症を教えてください。また,なってしまった場合にはどのようにすればよいですか
III ICSI
QICSIとはどのような手技ですか
QICSIのメリット,デメリットを教えてください
QどんなときにICSIを選択しますか
QICSIを行えば必ず出生率は上がるのですか
QICSIでも受精しない場合がありますか
QICSIでも受精しない場合,対処法はありますか
QSplit ICSIにする目安があれば教えてください
QIMSIはどのような方法で,どのような利点がありますか
QICSIとIMSIの長所と短所を教えてください
IV 男性因子に対する治療
Qどの程度の濃度の精子が必要ですか。どの程度動く精子が必要ですか
Q精子無力症の治療法について教えてください
Q閉塞性無精子症(OA)と非閉塞性無精子症(NOA)の鑑別について教えてください
Q閉塞性無精子症,非閉塞性無精子症,脊損の精巣精子を使う場合,妊娠率は違いますか
Q精巣精子を用いる場合,無精子症の種類で妊娠率に差はありますか
Q男性不妊症でのホルモン測定と負荷テストについて教えてください
Q男性不妊症での染色体異常,遺伝子の異常について教えてください
Q無精子症患者の場合,夫のMD-TESEを先に行い,精子が見つかったとき凍結保存し,数カ月後,採卵を予定してICSIを行うと聞きました。NOA患者の凍結精子を使ったときの妊娠率はどのくらいですか。精子が極端に少ない場合,1個ずつ凍結して治療に使用できますか
Q後期精子細胞の治療について教えてください
Q精巣内精子または後期精子細胞を用いる治療の遺伝的なリスクについて教えてください
V Others
1.子宮内膜症
Q子宮内膜症患者への対応を教えてください
Q反応不良例への対応を教えてください
Q重症子宮内膜症がある場合,どうすればよいですか
ワンポイント:ART採卵術前の卵巣内膜症性嚢胞に対する内容除去アルコール固定術
ワンポイント:チョコレート嚢胞と卵巣癌(内膜症の癌化)
2.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
QPCOSの治療に有効な方法を教えてください。重症PCOS患者の体外受精のコツは何ですか
QPCOSの排卵誘発におけるメトホルミン療法は有効ですか
ワンポイント:IVM
3.低反応者への対応
Q低反応者とはどのような状況をさしますか。低反応者の定義,原因,予測方法について教えてください
Q低反応者に対するそれぞれの対策を教えてください
ワンポイント:着床前診断の要点
4.ARTで生じる諸問題の対策など
反復不成功
Q流産とはどのような状態を示しますか。習慣流産,不育症について教えてください
Q良好胚ができるのに着床が成立しない場合の対策を教えてください
ワンポイント:二段階胚移植,SEET法
Q良好胚ができるのに着床が成立しない症例があります。どのような原因が考えられますか
Q良好胚ができない患者の対策を教えてください
Q40歳以上の患者にARTを行った場合,どれくらいの妊娠率,生産分娩率が期待できますか
QART患者の心理的負担はどのようなものだと考えられますか
ワンポイント:卵子提供について
治療を終えるとき
Q諦められない患者の対応を教えてください
5.ARTにおける品質管理と満足度
ラボの安全管理
Q液体窒素の取り扱いで注意すべき事項を教えてください
Q液体窒素の中で感染が起こることはありませんか
Q災害時に備えた設備があれば教えてください
施設・システム・スタッフの標準化
QなぜARTに品質管理システム(QMS)が求められるのですか
Qなぜ認定審査が必要なのですか
QQMSで患者は増えますか
Q職員のモチベーションがART妊娠成績の向上につながりますか
Q挙児希望カップルの満足とは何でしょうか
Q挙児希望カップルの満足度調査について教えてください
Q非配偶者間生殖医療の問題点について教えてください
Q生殖医療に倫理委員会は必要ですか
Q不妊治療に対する助成金について教えてください
QARTの今後の課題,展望を教えてください
序 編著者一同
I 一般不妊治療
1.タイミング法
適応と限界
Qタイミング法の適応について教えてください
Q腹腔鏡は必要ですか
Q抗精子抗体検査について教えてください
QAMHについて教えてください
Q排卵時期の所見について教えてください
Q基礎体温を調べる意味合いを教えてください
Q基礎体温が上がれば,すべて排卵すると思ってよいのでしょうか
Q排卵時期の予測方法を教えてください
Qタイミングを設定する方法(hCG注射の役割と使用方法)を教えてください
Qタイミング法を続ける目安を教えてください
2.排卵誘発
Q排卵誘発剤を使用する際の注意点を教えてください
Q排卵誘発剤の副作用について教えてください
3.精子所見
Q精液検査の方法を教えてください
Q精子数や運動率の正常値を教えてください
Q精子はどのようにすれば増えますか。または活発になりますか
Q精子の濃縮のポイントを教えてください
Q精子の性状からみた手技の適応を教えてください
ワンポイント:用語の使い分けについて
4.人工授精
適応と限界
Q人工授精の方法について詳しく教えてください
Q人工授精(AIH)は何歳まで有効でしょうか
Q卵胞の大きさはどの程度がよいのですか(大きすぎてもいけないのでしょうか)
Q凍結精子での人工授精について教えてください
Q人工授精には排卵誘発剤を併用するべきですか
Qタイミング法から人工授精へ進む時期を教えてください
Qホルモン値,内膜の厚さはどのくらいがよいのでしょうか
Q卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を併発しやすいのですが,AIHを続けるべきでしょうか
Q人工授精を続ける目安(回数,期間,年齢)を教えてください
Q人工授精を行う際,原精液を使ってもよいのでしょうか
Qどのような精子調整法が望ましいですか
Q人工授精の妊娠率について教えてください
Q人工授精は何回くらいまで有効ですか
Q精液検査では異常がありませんが,タイミング法では妊娠しません。人工授精にステップアップする意味はあるのでしょうか
II 体外受精
1.適応と限界
Q体外受精とはどのような手技ですか。利点と欠点を教えてください
Q体外受精へのステップアップの条件にはどういうものがありますか
Q胚移植法には何があり,どんな違いがありますか
Q移植する医師の技術の差が成績に出てきますか
Q新鮮胚移植と凍結胚移植の違いは何ですか
Qホルモン補充周期の方法はいろいろありますか
Q体外受精は何回行うことが可能ですか
Q良い胚の判定方法を教えてください
Q体外受精の適応として女性年齢はいくつまで可能ですか
Q体外受精の適応に不妊期間は関係しますか
Q女性年齢が40歳以上の場合,顕微授精になりますか
Q33歳,不妊期間5年,両側卵管閉鎖です。クラミジア感染が原因といわれました。FTと体外受精のどちらを勧めますか
Q33歳,不妊期間5年,両側卵管閉鎖です。体外受精の場合,卵巣刺激法はどの方法が良いですか。 体に負担のかからない自然周期が良いと本で見たことがあるのですが
Q卵管水腫は体外受精を行う前に治療したほうが妊娠率は高くなりますか
Q40歳,体外受精は初めてですが,どのような卵巣刺激法を勧めますか。AMH<1pM,AFC1個です
Q現在45歳です。これまで体外受精を5回しましたが,妊娠しませんでした。これから妊娠・出産の可能性はありますか
ワンポイント:加齢と流産─染色体異常からみて
ワンポイント:ARTとゲノムインプリンティング異常
2.ラボの環境づくり
体外培養環境
Qラボにはどのような施設が必要ですか
Q培養室の空気清浄度は妊娠と関係しますか
Q培養液の温度,pH,浸透圧と胚の発生との関係はありますか
3. 臨床データ
Q妊娠率,流産率,出生率,出生児報告,周期当たりなど,成功率の評価の仕方などについて教えてください
Q体外受精の臨床データとは何ですか
4.卵子成熟の基礎
Q卵子はどのように成熟しますか
Q理想的なホルモン値を教えてください。また,そのようにホルモン値をコントロールするにはどうすればよいですか
Q卵巣機能を回復することは可能ですか
Qカウフマン療法のメリット,デメリットを教えてください
ワンポイント:卵巣周囲の血流評価と卵子の発育
5.排卵誘発法
ARTにおける排卵誘発時の低刺激法と調節刺激法の臨床成績の統計学的分析
Q卵胞の発育について,患者にどう説明すればいいでしょうか
Q患者から「卵巣刺激をすると,早く閉経したり,卵巣癌になりやすくなりませんか」と聞かれたら,どのように答えたらよいでしょうか
Q質の良い卵を採卵するために良いと思われる排卵誘発法を教えてください
Qクロミフェン周期について教えてください
Qクロミッド(r)セロフェン(r)以外の経口排卵誘発剤について教えてください
Qピルの使用法を教えてください
Q排卵誘発法の前にエストロゲンまたはピルの使用は効果がありますか
Q調節排卵剤投与前のエストロゲンまたはピルを投与する効果について教えてください
Qロング法とショート法について,適用対象を含めて教えてください
Q初めてのARTをする際,排卵誘発法を選ぶ基準があれば教えてください
Q胚移植後の黄体期管理法を教えてください
Qアンタゴニスト法のコツは何ですか
Q高年齢者のための排卵誘発法について教えてください
Q高年齢者にはLHあるいは希釈したhCGを加えるべきとの意見がありますが,どのようにしていますか
6.採卵
Q採卵時の麻酔にはどんな方法がありますか
Qプロポフォール(r)を用いた麻酔の実際の手順について教えてください
Q質の良い卵とはどのような卵ですか。どのようにすれば質の良い卵が採れますか
Q採卵のコツを教えてください
7.媒精
Q媒精の手技を,コツを含めて教えてください
Q媒精と顕微授精について教えてください
8.培養
Q培養の方法はいろいろありますか
Q培養器の違いはありますか
Q培養液はいろいろありますが,何が違い,どんな差が出ますか
培養液とエンドトキシン
Q培養液の成分を正確に公開したものは,国内外を問わずありません。臨床に携わる者として細かい培養液の成分を比較した内容を知りたいのですが不可能でしょうか
Q培養液はどのように選択しますか
Q体外受精の培養液が5種類以上あると聞きました。どれが患者に適しているか,事前に調べられますか
Q長期培養すると妊娠率は上がりますか。培養する期間の目安を教えてください
Q一前核,多前核はどういう機序で形成されるのですか
Q受精するのに分割しないのはなぜでしょうか
Q割球の変化の仕方を教えてください
Q良い胚を選別する方法を教えてください
Q胚盤胞までの培養方法はどのようにしたらよいですか
Q良い胚盤胞をつくるコツを教えてください
Qタイムラプスで観察できない環境下で,胚の選別をする際にアドバイスがあれば教えてください
ワンポイント:初期胚発生,初期胚の形態評価,胚の動態解析
9.移植
Q単一胚移植について教えてください。妊娠率は下がるのでしょうか
Qいつ胚移植するのが一番成績がよいですか
Q胚移植後の安静は必要ですか
Q胚のローディングの方法はいろいろありますか。胚のローディングの際,最適な量を教えてください
Q胚のローディングにエアーは必要ですか
Qお勧めの移植用カテーテルは何ですか
Q超音波ガイド胚移植の実際について教えてください
Q経腟超音波で胚移植するメリットは何ですか
Qアシステッドハッチングの方法を教えてください。必要があるのはどのようなときですか
Q凍結融解胚移植にアシステッドハッチングは有効ですか
Q胚移植用培養液の有効性について教えてください
胚盤胞移植
Q胚盤胞移植とはどのような方法ですか
Q胚盤胞移植でしか妊娠できないというケースはありますか。卵管機能障害があるときは胚盤胞移植しかできないのですか
Q胚盤胞移植のメリット,デメリットを教えてください
Q分割期胚移植と胚盤胞移植はどちらがよいですか
Q移植をするタイミングを教えてください
Q余った胚盤胞はどのように利用しますか
Q胚盤胞を凍結して5年以上経過しましたが,移植しても問題ありませんか
Q胚盤胞は一度凍結すべきでしょうか
Q胚盤胞はいつ凍結すべきでしょうか
Qどういうときに経筋層で胚移植しますか
ワンポイント:経筋層的胚移植(TOWAKOメソッド)
ワンポイント:経腟超音波断層誘導下ピンポイント胚移植法
ワンポイント:卵管内配偶子,接合子,および胚の移植法(GIFT,ZIFT,EIFT)
ワンポイント:自然妊娠との合併双胎について
ワンポイント:胚盤胞を1個しか移植していないのに双胎となる場合について
10.ルテアールサポート
Qルテアールサポートとはどのような方法ですか
Qルテアールサポートの具体的な方法を教えてください
Qルテアールサポートはいつまで続けますか
11. 凍結
Q胚,精子,卵子の凍結方法を教えてください
Q卵や体質によって,凍結の向き不向きがあるのでしょうか
Q凍結をすることのメリット,デメリットは何ですか
Q凍結胚移植するときの子宮内膜作成法の違いを教えてください
Q凍結胚移植法の場合の,自然排卵周期と子宮内膜調整法(HRT法)について教えてください
12. 副作用,合併症対策
Q体外受精にはどのような合併症が考えられますか
Q採卵に伴う合併症はありますか
Qどうすれば合併症を予防できますか
Q合併症になってしまった場合は,どのように処置を行えばよいですか。その場合,出産は可能ですか
QARTで注意すべき副作用は何ですか。児の予後はどうですか
QOHSSを回避方法,治療方法を教えてください
Q出血した場合はどのようにすればよいですか
Q注意すべき感染症を教えてください。また,なってしまった場合にはどのようにすればよいですか
III ICSI
QICSIとはどのような手技ですか
QICSIのメリット,デメリットを教えてください
QどんなときにICSIを選択しますか
QICSIを行えば必ず出生率は上がるのですか
QICSIでも受精しない場合がありますか
QICSIでも受精しない場合,対処法はありますか
QSplit ICSIにする目安があれば教えてください
QIMSIはどのような方法で,どのような利点がありますか
QICSIとIMSIの長所と短所を教えてください
IV 男性因子に対する治療
Qどの程度の濃度の精子が必要ですか。どの程度動く精子が必要ですか
Q精子無力症の治療法について教えてください
Q閉塞性無精子症(OA)と非閉塞性無精子症(NOA)の鑑別について教えてください
Q閉塞性無精子症,非閉塞性無精子症,脊損の精巣精子を使う場合,妊娠率は違いますか
Q精巣精子を用いる場合,無精子症の種類で妊娠率に差はありますか
Q男性不妊症でのホルモン測定と負荷テストについて教えてください
Q男性不妊症での染色体異常,遺伝子の異常について教えてください
Q無精子症患者の場合,夫のMD-TESEを先に行い,精子が見つかったとき凍結保存し,数カ月後,採卵を予定してICSIを行うと聞きました。NOA患者の凍結精子を使ったときの妊娠率はどのくらいですか。精子が極端に少ない場合,1個ずつ凍結して治療に使用できますか
Q後期精子細胞の治療について教えてください
Q精巣内精子または後期精子細胞を用いる治療の遺伝的なリスクについて教えてください
V Others
1.子宮内膜症
Q子宮内膜症患者への対応を教えてください
Q反応不良例への対応を教えてください
Q重症子宮内膜症がある場合,どうすればよいですか
ワンポイント:ART採卵術前の卵巣内膜症性嚢胞に対する内容除去アルコール固定術
ワンポイント:チョコレート嚢胞と卵巣癌(内膜症の癌化)
2.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
QPCOSの治療に有効な方法を教えてください。重症PCOS患者の体外受精のコツは何ですか
QPCOSの排卵誘発におけるメトホルミン療法は有効ですか
ワンポイント:IVM
3.低反応者への対応
Q低反応者とはどのような状況をさしますか。低反応者の定義,原因,予測方法について教えてください
Q低反応者に対するそれぞれの対策を教えてください
ワンポイント:着床前診断の要点
4.ARTで生じる諸問題の対策など
反復不成功
Q流産とはどのような状態を示しますか。習慣流産,不育症について教えてください
Q良好胚ができるのに着床が成立しない場合の対策を教えてください
ワンポイント:二段階胚移植,SEET法
Q良好胚ができるのに着床が成立しない症例があります。どのような原因が考えられますか
Q良好胚ができない患者の対策を教えてください
Q40歳以上の患者にARTを行った場合,どれくらいの妊娠率,生産分娩率が期待できますか
QART患者の心理的負担はどのようなものだと考えられますか
ワンポイント:卵子提供について
治療を終えるとき
Q諦められない患者の対応を教えてください
5.ARTにおける品質管理と満足度
ラボの安全管理
Q液体窒素の取り扱いで注意すべき事項を教えてください
Q液体窒素の中で感染が起こることはありませんか
Q災害時に備えた設備があれば教えてください
施設・システム・スタッフの標準化
QなぜARTに品質管理システム(QMS)が求められるのですか
Qなぜ認定審査が必要なのですか
QQMSで患者は増えますか
Q職員のモチベーションがART妊娠成績の向上につながりますか
Q挙児希望カップルの満足とは何でしょうか
Q挙児希望カップルの満足度調査について教えてください
Q非配偶者間生殖医療の問題点について教えてください
Q生殖医療に倫理委員会は必要ですか
Q不妊治療に対する助成金について教えてください
QARTの今後の課題,展望を教えてください
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臨床の疑問に答えるQ&Aと動画でわかる生殖医療のエッセンス
日本屈指の生殖医療を提供する施設で組織されたJISARTによる,不妊治療を多角的に解説した書籍。結果がなによりも求められるこの分野において,実際結果を出してきた医師達の答えるQ&Aは臨床に即した疑問に答え,さらなる技術向上のために役に立つものである。また,ART手技については体外受精のラボワークを惜しげもなく詳細に示した動画はARTに携わる医師およびエンブリオロジスト必見である。