顕微鏡下眼形成手術
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定価 19,800円(税込) (本体18,000円+税)
- A4判 256ページ 上製,オールカラー,写真720点
- 2013年1月29日刊行
- ISBN978-4-7583-0745-1
電子版
序文
眼形成手術とは,言い換えれば「視機能の温存・回復を目的とした眼周囲の形成手術」です。眼形成手術を必要とする疾患は大変多く,眼瞼下垂,内反症,霰粒腫,眼瞼腫瘍などの眼瞼疾患から眼窩骨折,眼窩腫瘍など多岐に渡ります。そのため,眼形成手術において学ぶべき術式も数多く存在します。また,高齢化に伴い,眼瞼下垂や内反症,腫瘍性疾患の患者さんは今後さらに増加することが予測されます。これらの疾患についての手術治療を学ぶ手段としては,経験豊富な身近な術者に指導を受けるか,過去の手術書を参考にするかということになりますが,近年の内眼手術の急速な進歩に伴い,内眼手術のエキスパートの先生は多くいるが,眼形成のエキスパートはまだまだ少ないというのが現在の日本における状況ではないでしょうか。
本書は,眼形成手術をこれから始めようとする先生方のみならず,さらに手術のレパートリーを増やしたい先生方,これまで手術を行っていなかった疾患に対して手術を始めたい先生方,手術は行わないがどのような手術をするのか患者さんへ説明が必要な先生方,また眼科医のみならず眼周囲の形成手術を行う形成外科や皮膚科の先生方にも役立つように,代表的な眼形成手術の詳細を示しました。外来でも施行可能な霰粒腫摘出術から眼窩腫瘍摘出術に至るまで,眼瞼・眼窩疾患において必要な眼形成手術をほとんど網羅しています。過去の眼形成手術に関する成書では,そのほとんどがsurgeons’ viewではない術中写真であり,そこに至るまでの詳細は省かれていることが多いうえ,術中の組織が詳細に示されておらず,その成書を参考にしながら初めての手術に取り組むことは困難と言えます。そこで,本書では手術顕微鏡下で術者が見ているありのままのsurgeons’ viewの手技を,可能な限り詳細なステップに分けて,術中写真と手技のポイントを示し,さらに解剖学的な組織を色分けしてわかりやすく示しました。また,それぞれの疾患に対する理解と正しい手術適応のために,「手術の目的と適応」,「手技の流れとそのポイント」を初めに解説しました。さらに,総論として眼瞼・眼窩の解剖,眼形成手術に必要な器具とセットアップ,眼形成手術の基本手技について述べ,これから眼形成手術を始めるにあたって必要なハードウェアの情報も盛り込んでいます。
顕微鏡下の手術の詳細を示すことで,術中の出血や術野の深さによっては若干見にくい点もあるかもしれません。しかし,記録のためのきれいな術中写真を見るよりも,顕微鏡下の生の術野を細かいステップで見て頂くことの方が,実際の手術に大いに役立つと考えています。本書がこれからの日本の眼形成手術の広がりとレベルアップに貢献できれば幸いです。
2012年12月
渡辺彰英
荒木美治
本書は,眼形成手術をこれから始めようとする先生方のみならず,さらに手術のレパートリーを増やしたい先生方,これまで手術を行っていなかった疾患に対して手術を始めたい先生方,手術は行わないがどのような手術をするのか患者さんへ説明が必要な先生方,また眼科医のみならず眼周囲の形成手術を行う形成外科や皮膚科の先生方にも役立つように,代表的な眼形成手術の詳細を示しました。外来でも施行可能な霰粒腫摘出術から眼窩腫瘍摘出術に至るまで,眼瞼・眼窩疾患において必要な眼形成手術をほとんど網羅しています。過去の眼形成手術に関する成書では,そのほとんどがsurgeons’ viewではない術中写真であり,そこに至るまでの詳細は省かれていることが多いうえ,術中の組織が詳細に示されておらず,その成書を参考にしながら初めての手術に取り組むことは困難と言えます。そこで,本書では手術顕微鏡下で術者が見ているありのままのsurgeons’ viewの手技を,可能な限り詳細なステップに分けて,術中写真と手技のポイントを示し,さらに解剖学的な組織を色分けしてわかりやすく示しました。また,それぞれの疾患に対する理解と正しい手術適応のために,「手術の目的と適応」,「手技の流れとそのポイント」を初めに解説しました。さらに,総論として眼瞼・眼窩の解剖,眼形成手術に必要な器具とセットアップ,眼形成手術の基本手技について述べ,これから眼形成手術を始めるにあたって必要なハードウェアの情報も盛り込んでいます。
顕微鏡下の手術の詳細を示すことで,術中の出血や術野の深さによっては若干見にくい点もあるかもしれません。しかし,記録のためのきれいな術中写真を見るよりも,顕微鏡下の生の術野を細かいステップで見て頂くことの方が,実際の手術に大いに役立つと考えています。本書がこれからの日本の眼形成手術の広がりとレベルアップに貢献できれば幸いです。
2012年12月
渡辺彰英
荒木美治
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目次
Ⅰ 眼形成手術を始める前の基礎知識
眼瞼,眼窩の解剖
眼形成手術に必要な器具,セットアップ
眼形成手術の基本手技
Ⅱ 各疾患の手術治療と適応
眼瞼疾患
眼瞼下垂症
挙筋短縮術:aponeurotic advancement
挙筋短縮術:levator resection
Fasanella-Servat法
眼瞼吊り上げ術:通糸埋没法
眼瞼吊り上げ術(ゴアテックス®シート)
眼瞼内反症手術:Jones変法(Kakizaki法)
内反症
眼瞼内反症手術:埋没法
睫毛内反症手術:Hotz変法
睫毛内反症手術:小切開埋没法
睫毛内反症手術:通糸埋没法
睫毛乱生症手術:睫毛根切除術
睫毛乱生症手術:lid splitting
眼瞼皮膚弛緩症
余剰皮膚切除術:睫毛上切開
眉毛下皮膚切除術
外反症・下眼瞼弛緩
Kuhnt-Szymanowski法
lateral tarsal strip
lazy-T法
耳介軟骨移植術
兎眼症・眼瞼後退
上眼瞼延長術:挙筋延長術
下眼瞼延長術:lower eyelid retractor延長術
後葉延長術:口蓋粘膜移植術
顔面神経麻痺
眉毛挙上術
先天異常
内眥部Z形成術
内眥形成術:内田法
眼瞼腫瘍
霰粒腫摘出術
open treatment
局所皮弁(duformental flap)
単純縫縮術
口蓋粘膜移植と筋皮弁による再建
switch flap
free tarsal graft
Hughes flap
外傷
眼瞼裂傷
涙小管断裂
眼窩疾患
眼窩骨折
眼窩内壁骨折整復術
眼窩下壁骨折整復術
眼窩閉鎖型骨折整復術
眼窩腫瘍生検
眼窩腫瘍摘出術
骨切り併用眼窩腫瘍摘出術
眼窩内容除去術
義眼床
眼球内容除去,義眼台埋入術
義眼床形成術
眼瞼,眼窩の解剖
眼形成手術に必要な器具,セットアップ
眼形成手術の基本手技
Ⅱ 各疾患の手術治療と適応
眼瞼疾患
眼瞼下垂症
挙筋短縮術:aponeurotic advancement
挙筋短縮術:levator resection
Fasanella-Servat法
眼瞼吊り上げ術:通糸埋没法
眼瞼吊り上げ術(ゴアテックス®シート)
眼瞼内反症手術:Jones変法(Kakizaki法)
内反症
眼瞼内反症手術:埋没法
睫毛内反症手術:Hotz変法
睫毛内反症手術:小切開埋没法
睫毛内反症手術:通糸埋没法
睫毛乱生症手術:睫毛根切除術
睫毛乱生症手術:lid splitting
眼瞼皮膚弛緩症
余剰皮膚切除術:睫毛上切開
眉毛下皮膚切除術
外反症・下眼瞼弛緩
Kuhnt-Szymanowski法
lateral tarsal strip
lazy-T法
耳介軟骨移植術
兎眼症・眼瞼後退
上眼瞼延長術:挙筋延長術
下眼瞼延長術:lower eyelid retractor延長術
後葉延長術:口蓋粘膜移植術
顔面神経麻痺
眉毛挙上術
先天異常
内眥部Z形成術
内眥形成術:内田法
眼瞼腫瘍
霰粒腫摘出術
open treatment
局所皮弁(duformental flap)
単純縫縮術
口蓋粘膜移植と筋皮弁による再建
switch flap
free tarsal graft
Hughes flap
外傷
眼瞼裂傷
涙小管断裂
眼窩疾患
眼窩骨折
眼窩内壁骨折整復術
眼窩下壁骨折整復術
眼窩閉鎖型骨折整復術
眼窩腫瘍生検
眼窩腫瘍摘出術
骨切り併用眼窩腫瘍摘出術
眼窩内容除去術
義眼床
眼球内容除去,義眼台埋入術
義眼床形成術
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700点を超える顕微鏡下の鮮明な術野写真で学べる,眼形成手術書の決定版!
現在の高齢化社会において,眼瞼下垂をはじめとした眼形成分野の知識や技術を必要とする疾患は増加の一途をたどっている。本書では,眼瞼下垂から眼窩疾患に至るまで,鮮明な顕微鏡下術野写真を用いて手術手技をわかりやすく解説。また,冒頭には美しいイラストを用いた解剖も掲載している。
一般臨床眼科医から高度な手術を扱う眼形成外科医にまで対応した,眼形成手術書の決定版。