高齢者の安全な
薬物療法ガイドライン2025

定価 1,650円(税込) (本体1,500円+税)
- B5判 172ページ 2色
- 2025年6月30日刊行予定
- ISBN978-4-7583-0497-9
近刊のため予約販売となります。
序文
改訂版作成にあたって
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」が発刊されて以降、病院や診療所のみならず介護施設など多様な現場において、ポリファーマシーの概念をはじめとした高齢者の薬物療法の考え方が広く浸透していった。薬局においても処方薬のなかで重複する薬効を有する薬剤はないか、また過去には必要であっても現在は不要となった薬剤はないか、など処方箋の監査も変化したかと思われる。さらに前書で「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物(potentially inappropriate medication:PIM)のリスト」を公開したことで、リスクの高い薬剤に対する見直しやより安全性の高い薬剤の使用が推進されてきた。
前書の発刊後約10年経ち、今回、同ガイドラインの改訂版を発刊することになった。多領域で新規薬剤が上市され、多くの方々より高齢者における薬剤の有効性や安全性についての評価をまとめた続編に対する期待の声をいただいた。高齢者医療の現場ではコロナ禍への対応に追われることとなり、予定していた作業が大幅に遅れたことは否めないが、執筆者や作成協力者となった各先生方には最新の疾患治療ガイドラインや海外のPIMのリストの確認など、難解な作業を遂行していただき、ここに本書『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2025』の発刊へと漕ぎ着けることができた。
本書が前書同様、あるいはそれ以上に医療や介護の現場において多職種に使用され、さらに高齢化する社会においてよりよい高齢者医療に寄与されることを切に願う。
2025年6月吉日
日本老年医学会 高齢者薬物療法対策小委員会委員長
江頭正人
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」が発刊されて以降、病院や診療所のみならず介護施設など多様な現場において、ポリファーマシーの概念をはじめとした高齢者の薬物療法の考え方が広く浸透していった。薬局においても処方薬のなかで重複する薬効を有する薬剤はないか、また過去には必要であっても現在は不要となった薬剤はないか、など処方箋の監査も変化したかと思われる。さらに前書で「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物(potentially inappropriate medication:PIM)のリスト」を公開したことで、リスクの高い薬剤に対する見直しやより安全性の高い薬剤の使用が推進されてきた。
前書の発刊後約10年経ち、今回、同ガイドラインの改訂版を発刊することになった。多領域で新規薬剤が上市され、多くの方々より高齢者における薬剤の有効性や安全性についての評価をまとめた続編に対する期待の声をいただいた。高齢者医療の現場ではコロナ禍への対応に追われることとなり、予定していた作業が大幅に遅れたことは否めないが、執筆者や作成協力者となった各先生方には最新の疾患治療ガイドラインや海外のPIMのリストの確認など、難解な作業を遂行していただき、ここに本書『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2025』の発刊へと漕ぎ着けることができた。
本書が前書同様、あるいはそれ以上に医療や介護の現場において多職種に使用され、さらに高齢化する社会においてよりよい高齢者医療に寄与されることを切に願う。
2025年6月吉日
日本老年医学会 高齢者薬物療法対策小委員会委員長
江頭正人
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目次
Ⅰ ガイドライン改訂にあたって
Ⅱ 高齢者薬物療法の注意点
1 薬物有害事象の回避
2 服薬管理・支援と一元管理
Ⅲ 高齢者の処方適正化スクリーニングツール
「特に慎重な投与を要する薬物」のリスト
「開始を考慮するべき薬物」のリスト
Ⅳ 領域別指針
1 BPSD
2 不眠症
3 うつ病
4 認知症(中核症状)
5 パーキンソン病
6 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
7 肺炎
8 不整脈
9 抗血栓薬(抗血小板薬,抗凝固薬)
10 心不全
11 高血圧
12 慢性腎臓病(CKD)
13 脂質異常症
14 糖尿病
15 便秘
16 GERD
17 骨粗鬆症
18 過活動膀胱
19 前立腺肥大症
20 薬剤師の役割
付録 日本版抗コリン薬リスクスケール
Ⅱ 高齢者薬物療法の注意点
1 薬物有害事象の回避
2 服薬管理・支援と一元管理
Ⅲ 高齢者の処方適正化スクリーニングツール
「特に慎重な投与を要する薬物」のリスト
「開始を考慮するべき薬物」のリスト
Ⅳ 領域別指針
1 BPSD
2 不眠症
3 うつ病
4 認知症(中核症状)
5 パーキンソン病
6 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
7 肺炎
8 不整脈
9 抗血栓薬(抗血小板薬,抗凝固薬)
10 心不全
11 高血圧
12 慢性腎臓病(CKD)
13 脂質異常症
14 糖尿病
15 便秘
16 GERD
17 骨粗鬆症
18 過活動膀胱
19 前立腺肥大症
20 薬剤師の役割
付録 日本版抗コリン薬リスクスケール
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高齢者に関わる医療従事者必携! 高齢患者ならではの薬物療法の推奨法・注意点がわかる!
高齢者では薬物有害事象の頻度が高く,重症例が多いことを背景として,高齢者薬物療法の安全性を高める目的で作成されたガイドラインの2025年版。本ガイドラインの特徴である「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト」「開始を考慮するべき薬物のリスト」も大幅アップデート。遭遇頻度が高い疾患ごとにクリニカルクエスチョンと薬物リストを提示し,診療での具体的な注意点を,最新エビデンスに基づいて詳細に解説。米国老年医学会によるBeers基準,欧州老年医学会によるSTOPP/STARTの内容も評価参考として用いている。薬物有害事象を起こさないために高齢患者特有の注意点をまとめた1冊。