日本医師会生涯教育シリーズ
痛みのマネジメントupdate
基礎知識から緩和ケアまで
定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
- B5判 352ページ 2色(一部カラー)
- 2014年7月22日刊行
- ISBN978-4-7583-0047-6
序文
序
人類の誕生と共に痛みは存在し,痛みと向き合うことは,医学・医療の原点ともいわれる.急性の痛みは,生体に生じた異常を知らせる警告信号として機能する.慢性痛は痛みの原因となる外傷や疾患が治癒した後にも長期間持続し,有害な痛みとして捉えることができる.感覚と情動という両側面を有する痛みは,本人が「痛い」と言えば「痛い」と考えるほかにない.それゆえ,科学的に研究する対象とはなりにくかった.しかし,麻酔技術の向上は痛みのコントロールを可能とし,外科手術の進歩をもたらした.さらに薬剤の開発,神経ブロックやレーザー等々の新しい技術の開発が,さまざまな疾患による痛みに対して,コントロールが可能となってきた.
21世紀を迎えて,わが国は未曾有の超高齢社会に突入しつつある.それにつれて疾病患者が急増しており,わが国での慢性痛患者は2,000万人ともいわれる.疼痛をもつ高齢者への介護が経済的な問題として,さらなる課題となる.
本書は,痛みの基礎知識から評価,治療法,疼痛コントロール,さらに緩和ケアまでを網羅し,第一線で活躍される実地医家の先生方の日常臨床に,すぐに役立つことを目的としている.痛みは患者本人にしか分からない.できるだけ早く痛みを治療することが肝要であり,その一助としていただければ幸いである.
最後に本特別号の企画から刊行までご尽力いただいた監修の花岡一雄先生,田中栄先生,編集の小川節郎先生,紺野愼一先生,下山直人先生,山本隆充先生,そしてご執筆いただいた先生方に心より御礼申し上げる.
平成26年6月
日本医師会会長
横倉義武
----------------------------------------
監修・編集のことば
痛みは病気の兆候のなかでも最も多く,医学・医療の原点でもある.だれもが考えるように痛みの部位には異常が生じている.しかしながら,痛みの原因が明確でなくても痛みを訴える患者も少なくない.このように基本となる病気が治っても痛みだけが取り残される患者もまれではない.また,治療への反応性が乏しく,長期にわたる痛みによって血圧や脈拍,呼吸などにも影響を及ぼし,体力も消耗するだけでなく,精神的にも参ってくる.そのうえ長期にわたって痛みを感じていると,痛みが脳内に記憶され,難治性慢性疼痛となる.
米国では,2001年から2010年までを『痛みの10年』として,痛みの研究・治療に対する社会の対応レベルの低さ,経済的な損失を改善するために,国家プロジェクトとして取り組んできた.その結果,痛みを呼吸,体温,血圧,脈拍に続く,第5のバイタルサインとして捉えて,痛みの評価を日常診療における義務化としている.
近年,高齢化が進行しているわが国においても,2,000万人ともいわれる慢性疼痛患者の著しい増加がみられ,国民総生産にも大いに影響する重要な問題となりつつある.特に,健康寿命と生命寿命との較差が7〜8年もあり,介護期間にかかる経済的問題もさらなる課題となる.厚労省も平成21年から慢性の痛みに関する検討会を立ち上げている.そのような背景の下,単に痛みを感覚的に解釈するだけでなく,個々の患者における痛みの機構を明らかにして,痛みの機序に効果を有する薬物を投与することが求められてきている.
本書は,痛みを訴える患者が来院した際に,一般臨床医としての基本的な概念と対処法に対する基本的知識が得られることに焦点を当てて企画されている.すなわち,痛みの基礎知識から始まり,痛みの診断・評価法,部位別にみた痛みの鑑別診断,痛みの治療法,部位別にみた一般臨床医にできる疼痛コントロール,急性痛の代表である術後痛コントロールに加えて,現在トピックにもなっているがん疼痛のコントロールと,現状では推進過程にある緩和ケアの実際などを含めた内容とした.
地道ではあるが,真に患者を大切に考えている医師のお陰で,従来は手の施しようがなかった痛みを抱える患者にも,光明がみられる日が着実に近づいている.
痛みは患者本人しか分からないし,できるだけ早めに痛みの治療を開始することが大切である.
本書が,診療所から病院に至るまで,痛み治療に大いに役立てられれば,監修者・編集者にとってもこの上ない喜びである.
平成26年6月
監修者・編集者を代表して
花岡一雄
人類の誕生と共に痛みは存在し,痛みと向き合うことは,医学・医療の原点ともいわれる.急性の痛みは,生体に生じた異常を知らせる警告信号として機能する.慢性痛は痛みの原因となる外傷や疾患が治癒した後にも長期間持続し,有害な痛みとして捉えることができる.感覚と情動という両側面を有する痛みは,本人が「痛い」と言えば「痛い」と考えるほかにない.それゆえ,科学的に研究する対象とはなりにくかった.しかし,麻酔技術の向上は痛みのコントロールを可能とし,外科手術の進歩をもたらした.さらに薬剤の開発,神経ブロックやレーザー等々の新しい技術の開発が,さまざまな疾患による痛みに対して,コントロールが可能となってきた.
21世紀を迎えて,わが国は未曾有の超高齢社会に突入しつつある.それにつれて疾病患者が急増しており,わが国での慢性痛患者は2,000万人ともいわれる.疼痛をもつ高齢者への介護が経済的な問題として,さらなる課題となる.
本書は,痛みの基礎知識から評価,治療法,疼痛コントロール,さらに緩和ケアまでを網羅し,第一線で活躍される実地医家の先生方の日常臨床に,すぐに役立つことを目的としている.痛みは患者本人にしか分からない.できるだけ早く痛みを治療することが肝要であり,その一助としていただければ幸いである.
最後に本特別号の企画から刊行までご尽力いただいた監修の花岡一雄先生,田中栄先生,編集の小川節郎先生,紺野愼一先生,下山直人先生,山本隆充先生,そしてご執筆いただいた先生方に心より御礼申し上げる.
平成26年6月
日本医師会会長
横倉義武
----------------------------------------
監修・編集のことば
痛みは病気の兆候のなかでも最も多く,医学・医療の原点でもある.だれもが考えるように痛みの部位には異常が生じている.しかしながら,痛みの原因が明確でなくても痛みを訴える患者も少なくない.このように基本となる病気が治っても痛みだけが取り残される患者もまれではない.また,治療への反応性が乏しく,長期にわたる痛みによって血圧や脈拍,呼吸などにも影響を及ぼし,体力も消耗するだけでなく,精神的にも参ってくる.そのうえ長期にわたって痛みを感じていると,痛みが脳内に記憶され,難治性慢性疼痛となる.
米国では,2001年から2010年までを『痛みの10年』として,痛みの研究・治療に対する社会の対応レベルの低さ,経済的な損失を改善するために,国家プロジェクトとして取り組んできた.その結果,痛みを呼吸,体温,血圧,脈拍に続く,第5のバイタルサインとして捉えて,痛みの評価を日常診療における義務化としている.
近年,高齢化が進行しているわが国においても,2,000万人ともいわれる慢性疼痛患者の著しい増加がみられ,国民総生産にも大いに影響する重要な問題となりつつある.特に,健康寿命と生命寿命との較差が7〜8年もあり,介護期間にかかる経済的問題もさらなる課題となる.厚労省も平成21年から慢性の痛みに関する検討会を立ち上げている.そのような背景の下,単に痛みを感覚的に解釈するだけでなく,個々の患者における痛みの機構を明らかにして,痛みの機序に効果を有する薬物を投与することが求められてきている.
本書は,痛みを訴える患者が来院した際に,一般臨床医としての基本的な概念と対処法に対する基本的知識が得られることに焦点を当てて企画されている.すなわち,痛みの基礎知識から始まり,痛みの診断・評価法,部位別にみた痛みの鑑別診断,痛みの治療法,部位別にみた一般臨床医にできる疼痛コントロール,急性痛の代表である術後痛コントロールに加えて,現在トピックにもなっているがん疼痛のコントロールと,現状では推進過程にある緩和ケアの実際などを含めた内容とした.
地道ではあるが,真に患者を大切に考えている医師のお陰で,従来は手の施しようがなかった痛みを抱える患者にも,光明がみられる日が着実に近づいている.
痛みは患者本人しか分からないし,できるだけ早めに痛みの治療を開始することが大切である.
本書が,診療所から病院に至るまで,痛み治療に大いに役立てられれば,監修者・編集者にとってもこの上ない喜びである.
平成26年6月
監修者・編集者を代表して
花岡一雄
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目次
カラー口絵
痛み発生のメカニズム(侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛) 田中 栄,住谷昌彦
神経ブロック手技 小川節郎
画像診断:脊柱管狭窄症のMRI 二階堂琢也,紺野愼一
痛みの強さの測定ツール 花岡一雄
fMRIによる痛みの画像 柿木隆介
序 横倉義武
監修・編集のことば 花岡一雄
監修・編集・執筆者紹介
Ⅰ.痛みの基礎知識
痛みの概念・歴史 宮﨑東洋
痛みの発生のメカニズム
痛みの受容器 戴 毅,野口光一
侵害受容性疼痛 中塚映政
神経障害性疼痛 牛田享宏
脊髄での痛みの発生メカニズム−ミクログリアによる痛みのコントロール 上 勝也,仙波恵美子
脊髄視床路(新・旧) 田辺光男
下行性制御機構:セロトニン系,ノルアドレナリン系 古江秀昌
非視床性疼痛機構 加藤総夫
痛みと遺伝子多型 西澤大輔,池田和隆
非器質性疼痛(心因性) 河田 浩,須藤信行
痛みの基礎研究,動物モデル 大鳥精司
痛みの疫学
慢性疼痛の疫学 山下敏彦
日本における運動器慢性疼痛の疫学調査 中村雅也
がん疼痛の疫学 服部政治,寶田潤子
腰痛の疫学 田中 栄
痛みと情動,ストレスと痛み,天候と痛み 塩入俊樹,桑原秀樹
痛みと心理・社会的背景 原 慶宏
痒みと痛み 關山裕詩
在宅医療と痛み 行田泰明
痛みの後遺障害等級認定 三上容司
痛みの看護 大野由美子
Ⅱ.痛みの診断・評価法
外来診察のポイント 北見公一
問診のポイント 有田英子
痛みの鑑別診断 平林秀裕,福島哲志,山田尚生
痛みの理学所見 松岡修平,西山隆久,大瀬戸清茂
痛みの評価法
痛みの量的評価 平川奈緒美
痛みの質的評価 細井昌子
痛みの評価スケール 成田紀之,平山晃康
機器を用いる評価法:知覚・痛覚定量分析など 井関雅子
ドラッグチャレンジテスト 山本隆充,吉野篤緒
電気生理学的検査 乾 幸二
心理学的検査−心理テストを活用して痛みを深く理解する 村上正人,松野俊夫
痛みの画像検査ならびに誘発電位
単純X線 徳橋泰明
MRI 杉山憲嗣
fMRIによる痛みの画像 柿木隆介
PET 平戸政史
SPECT 牛田享宏
MRS 福井弥己郎(聖)
サーモグラフィ 濱口眞輔
近赤外線分光法 渡邉由佳,舘野広美,平田幸一
Ⅲ.部位別にみた痛みの鑑別診断
痛みの鑑別診断の基本的考え方 奥田泰久,新井丈郎
全身痛 篠崎未緒,濱口眞輔
頭部痛 増田 豊,信太賢治
頸部痛 橋爪圭司,渡邉恵介
眼痛 篠崎和美,飯田知弘
耳痛 井手康雄
顔面痛 廣瀬宗孝
口腔痛 世良田和幸
咽頭部痛 清水大喜,馬場 洋
上肢痛 深澤圭太,細川豊史
胸部痛 川真田樹人
背部痛 竹下克志
腹痛(腹部痛) 齋藤 繁
腰痛 福井弥己郎(聖),岩下成人,新田一仁
下肢痛 伊達 久
陰部・肛門部痛 河西 稔
Ⅳ.痛みの治療法
薬物療法
NSAIDs 鈴木孝浩
アセトアミノフェン 鈴木孝浩
トラムセット® 岡田まゆみ
オピオイド(経口薬,貼付薬) 山口重樹,Donald R. Taylor
鎮痛補助薬
抗てんかん薬,プレガバリン 益田律子
抗うつ薬:三環系抗うつ薬,SSRI,SNRI 益田律子
中枢性筋弛緩薬 益田律子
血管拡張薬:プロスタグランジン製剤,抗血小板薬,抗トロンビン薬など 益田律子
局所麻酔薬:リドカイン 井関雅子
ステロイド性抗炎症薬:副腎皮質ホルモン 井関雅子
ノイロトロピン® 鈴木孝浩
ビスホスホネート 尾形直則
カルシトニン 尾形直則
漢方薬 世良田和幸
リハビリテーション療法(運動療法を中心に) 松平 浩,髙橋雅人
精神医学的療法 橋本亮太
低反応レベルレーザー治療 佐伯 茂
鍼治療 森本昌宏
神経ブロック療法
総論 平川奈緒美
脳神経ブロック 柿沼孝泰,大瀬戸清茂
脊髄神経ブロック 柿沼孝泰,大瀬戸清茂
交感神経ブロック 深澤正之,安部洋一郎
交感・脊髄神経ブロック 深澤正之,安部洋一郎
トリガーポイント注射 森本昌宏
関節ブロック 森本昌宏
神経ブロックの副作用への対処法 奥田泰久,新井丈郎
PCA療法 井上莊一郎
放射線療法 高橋 渉,山下英臣,中川恵一
ガンマナイフ 荻野暁義
脊髄電気刺激療法 小林一太
経頭蓋磁気刺激療法 山本隆充,吉野篤緒
エピドラスコピー 有田英子
外科的治療(外科療法) 深谷 親
特殊療法 深澤正之,安部洋一郎
Ⅴ.部位別にみた一般臨床医にできる疼痛コントロール
全身の疼痛
帯状疱疹後神経痛 荒木信夫
複合性局所疼痛症候群 山口重樹,Donald R. Taylor
末梢血行障害(Buerger病,ASOなど) 重松 宏
末梢神経障害,糖尿病神経障害 橋本重厚
熱傷,電撃傷 原田和俊,島田眞路
脳血管障害後の痛み(脳卒中後痛) 森本昌宏
骨粗鬆症による疼痛 山下英樹,萩野 浩
痛風 稲葉 裕,齋藤知行
関節リウマチ・血清反応陰性脊椎関節症 稲葉 裕,齋藤知行
レストレスレッグス症候群 平田幸一,鈴木圭輔
線維筋痛症 神谷正人
幻肢痛 篠原孝明,吉田彬人,平田 仁
心理的な痛み 二階堂琢也,紺野愼一
頭部痛 住谷昌彦
頸部痛 渡邉和之,紺野愼一
眼痛 篠崎和美,飯田知弘
耳痛 大森孝一
顔面痛
神経・血管・筋疾患による痛み 村川和重,中野 範,神原政仁
耳鼻・口腔・眼科疾患による痛み 村川和重,神原政仁,中野 範
口腔痛 深山治久
咽頭部痛 大森孝一
上肢痛のコントロール 宮下智大,山崎正志
胸背部痛
循環器疾患による痛み 坪田貴也,池田隆徳
呼吸器疾患による痛み 三輪千尋,小山信一郎
消化器疾患による痛み 加藤 順
胸壁痛,乳房痛 井上 玄
腹部痛
消化器疾患による痛み 加藤 順
婦人科疾患による痛み 河村 真,藤森敬也
泌尿器・男性性器疾患による痛み 鈴木康之
腰痛
腰痛診療ガイドライン2012 岩渕真澄,白土 修
腰痛の診断 大鳥精司
腰痛の治療 松平 浩
腰痛の予防 森本忠嗣,園畑素樹,馬渡正明
下肢痛 森本忠嗣,園畑素樹,馬渡正明
陰部・肛門部痛 松平 浩,村上正人
Ⅵ.術後痛コントロール
術後痛コントロールの基本的考え方 花岡一雄
術後痛コントロールの実際
脳外科 山本達郎
胸部外科 川越いづみ,林田眞和
腹部外科 河野 崇,横山正尚
整形外科(関節外科) 水野 樹
脊椎外科の術後鎮痛 山口重樹,Donald R. Taylor
耳鼻咽喉科の術後鎮痛 平石禎子
顔面・口腔外科 石村博史
術後痛コントロールのクリニカルパス 中塚秀輝,西江宏行,胡重やす子
遷延する術後痛のコントロール 森脇克行
Ⅶ.がん疼痛コントロール
がん疼痛の分類・機序・症候群 下山恵美,下山直人
がん疼痛の包括的評価 下山恵美,下山直人
WHO方式がん疼痛治療法 下山恵美,下山直人
がん疼痛の薬理学的知識:医療用麻薬の分子薬理学的分類 成田 年,濱田祐輔
麻薬に関する法的・制度的知識 赤木 徹
薬物療法以外のがん疼痛治療法 樋口比登実
補完代替医療 上園保仁
Ⅷ.緩和ケアの実際
がん末期医療に関する緩和ケアマニュアル 余宮きのみ
末期がん患者の特徴 吉澤明孝,吉澤孝之
緩和ケアにおけるインフォームド・コンセントのあり方 秋山 修
がん疼痛のコントロール
がん患者の痛み 鈴木正寛
がん疼痛の診断と評価 鈴木正寛
がん疼痛治療の基本方針と目標 堀 夏樹
鎮痛薬による治療と使用法の実際 堀 夏樹
薬以外の治療法 田口奈津子
がん疼痛以外の身体的症状のコントロール 田口奈津子
精神・社会的苦痛 中原理佳,清水 研
在宅ケア 越川貴史
家族・遺族のケア 中村めぐみ
痛み発生のメカニズム(侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛) 田中 栄,住谷昌彦
神経ブロック手技 小川節郎
画像診断:脊柱管狭窄症のMRI 二階堂琢也,紺野愼一
痛みの強さの測定ツール 花岡一雄
fMRIによる痛みの画像 柿木隆介
序 横倉義武
監修・編集のことば 花岡一雄
監修・編集・執筆者紹介
Ⅰ.痛みの基礎知識
痛みの概念・歴史 宮﨑東洋
痛みの発生のメカニズム
痛みの受容器 戴 毅,野口光一
侵害受容性疼痛 中塚映政
神経障害性疼痛 牛田享宏
脊髄での痛みの発生メカニズム−ミクログリアによる痛みのコントロール 上 勝也,仙波恵美子
脊髄視床路(新・旧) 田辺光男
下行性制御機構:セロトニン系,ノルアドレナリン系 古江秀昌
非視床性疼痛機構 加藤総夫
痛みと遺伝子多型 西澤大輔,池田和隆
非器質性疼痛(心因性) 河田 浩,須藤信行
痛みの基礎研究,動物モデル 大鳥精司
痛みの疫学
慢性疼痛の疫学 山下敏彦
日本における運動器慢性疼痛の疫学調査 中村雅也
がん疼痛の疫学 服部政治,寶田潤子
腰痛の疫学 田中 栄
痛みと情動,ストレスと痛み,天候と痛み 塩入俊樹,桑原秀樹
痛みと心理・社会的背景 原 慶宏
痒みと痛み 關山裕詩
在宅医療と痛み 行田泰明
痛みの後遺障害等級認定 三上容司
痛みの看護 大野由美子
Ⅱ.痛みの診断・評価法
外来診察のポイント 北見公一
問診のポイント 有田英子
痛みの鑑別診断 平林秀裕,福島哲志,山田尚生
痛みの理学所見 松岡修平,西山隆久,大瀬戸清茂
痛みの評価法
痛みの量的評価 平川奈緒美
痛みの質的評価 細井昌子
痛みの評価スケール 成田紀之,平山晃康
機器を用いる評価法:知覚・痛覚定量分析など 井関雅子
ドラッグチャレンジテスト 山本隆充,吉野篤緒
電気生理学的検査 乾 幸二
心理学的検査−心理テストを活用して痛みを深く理解する 村上正人,松野俊夫
痛みの画像検査ならびに誘発電位
単純X線 徳橋泰明
MRI 杉山憲嗣
fMRIによる痛みの画像 柿木隆介
PET 平戸政史
SPECT 牛田享宏
MRS 福井弥己郎(聖)
サーモグラフィ 濱口眞輔
近赤外線分光法 渡邉由佳,舘野広美,平田幸一
Ⅲ.部位別にみた痛みの鑑別診断
痛みの鑑別診断の基本的考え方 奥田泰久,新井丈郎
全身痛 篠崎未緒,濱口眞輔
頭部痛 増田 豊,信太賢治
頸部痛 橋爪圭司,渡邉恵介
眼痛 篠崎和美,飯田知弘
耳痛 井手康雄
顔面痛 廣瀬宗孝
口腔痛 世良田和幸
咽頭部痛 清水大喜,馬場 洋
上肢痛 深澤圭太,細川豊史
胸部痛 川真田樹人
背部痛 竹下克志
腹痛(腹部痛) 齋藤 繁
腰痛 福井弥己郎(聖),岩下成人,新田一仁
下肢痛 伊達 久
陰部・肛門部痛 河西 稔
Ⅳ.痛みの治療法
薬物療法
NSAIDs 鈴木孝浩
アセトアミノフェン 鈴木孝浩
トラムセット® 岡田まゆみ
オピオイド(経口薬,貼付薬) 山口重樹,Donald R. Taylor
鎮痛補助薬
抗てんかん薬,プレガバリン 益田律子
抗うつ薬:三環系抗うつ薬,SSRI,SNRI 益田律子
中枢性筋弛緩薬 益田律子
血管拡張薬:プロスタグランジン製剤,抗血小板薬,抗トロンビン薬など 益田律子
局所麻酔薬:リドカイン 井関雅子
ステロイド性抗炎症薬:副腎皮質ホルモン 井関雅子
ノイロトロピン® 鈴木孝浩
ビスホスホネート 尾形直則
カルシトニン 尾形直則
漢方薬 世良田和幸
リハビリテーション療法(運動療法を中心に) 松平 浩,髙橋雅人
精神医学的療法 橋本亮太
低反応レベルレーザー治療 佐伯 茂
鍼治療 森本昌宏
神経ブロック療法
総論 平川奈緒美
脳神経ブロック 柿沼孝泰,大瀬戸清茂
脊髄神経ブロック 柿沼孝泰,大瀬戸清茂
交感神経ブロック 深澤正之,安部洋一郎
交感・脊髄神経ブロック 深澤正之,安部洋一郎
トリガーポイント注射 森本昌宏
関節ブロック 森本昌宏
神経ブロックの副作用への対処法 奥田泰久,新井丈郎
PCA療法 井上莊一郎
放射線療法 高橋 渉,山下英臣,中川恵一
ガンマナイフ 荻野暁義
脊髄電気刺激療法 小林一太
経頭蓋磁気刺激療法 山本隆充,吉野篤緒
エピドラスコピー 有田英子
外科的治療(外科療法) 深谷 親
特殊療法 深澤正之,安部洋一郎
Ⅴ.部位別にみた一般臨床医にできる疼痛コントロール
全身の疼痛
帯状疱疹後神経痛 荒木信夫
複合性局所疼痛症候群 山口重樹,Donald R. Taylor
末梢血行障害(Buerger病,ASOなど) 重松 宏
末梢神経障害,糖尿病神経障害 橋本重厚
熱傷,電撃傷 原田和俊,島田眞路
脳血管障害後の痛み(脳卒中後痛) 森本昌宏
骨粗鬆症による疼痛 山下英樹,萩野 浩
痛風 稲葉 裕,齋藤知行
関節リウマチ・血清反応陰性脊椎関節症 稲葉 裕,齋藤知行
レストレスレッグス症候群 平田幸一,鈴木圭輔
線維筋痛症 神谷正人
幻肢痛 篠原孝明,吉田彬人,平田 仁
心理的な痛み 二階堂琢也,紺野愼一
頭部痛 住谷昌彦
頸部痛 渡邉和之,紺野愼一
眼痛 篠崎和美,飯田知弘
耳痛 大森孝一
顔面痛
神経・血管・筋疾患による痛み 村川和重,中野 範,神原政仁
耳鼻・口腔・眼科疾患による痛み 村川和重,神原政仁,中野 範
口腔痛 深山治久
咽頭部痛 大森孝一
上肢痛のコントロール 宮下智大,山崎正志
胸背部痛
循環器疾患による痛み 坪田貴也,池田隆徳
呼吸器疾患による痛み 三輪千尋,小山信一郎
消化器疾患による痛み 加藤 順
胸壁痛,乳房痛 井上 玄
腹部痛
消化器疾患による痛み 加藤 順
婦人科疾患による痛み 河村 真,藤森敬也
泌尿器・男性性器疾患による痛み 鈴木康之
腰痛
腰痛診療ガイドライン2012 岩渕真澄,白土 修
腰痛の診断 大鳥精司
腰痛の治療 松平 浩
腰痛の予防 森本忠嗣,園畑素樹,馬渡正明
下肢痛 森本忠嗣,園畑素樹,馬渡正明
陰部・肛門部痛 松平 浩,村上正人
Ⅵ.術後痛コントロール
術後痛コントロールの基本的考え方 花岡一雄
術後痛コントロールの実際
脳外科 山本達郎
胸部外科 川越いづみ,林田眞和
腹部外科 河野 崇,横山正尚
整形外科(関節外科) 水野 樹
脊椎外科の術後鎮痛 山口重樹,Donald R. Taylor
耳鼻咽喉科の術後鎮痛 平石禎子
顔面・口腔外科 石村博史
術後痛コントロールのクリニカルパス 中塚秀輝,西江宏行,胡重やす子
遷延する術後痛のコントロール 森脇克行
Ⅶ.がん疼痛コントロール
がん疼痛の分類・機序・症候群 下山恵美,下山直人
がん疼痛の包括的評価 下山恵美,下山直人
WHO方式がん疼痛治療法 下山恵美,下山直人
がん疼痛の薬理学的知識:医療用麻薬の分子薬理学的分類 成田 年,濱田祐輔
麻薬に関する法的・制度的知識 赤木 徹
薬物療法以外のがん疼痛治療法 樋口比登実
補完代替医療 上園保仁
Ⅷ.緩和ケアの実際
がん末期医療に関する緩和ケアマニュアル 余宮きのみ
末期がん患者の特徴 吉澤明孝,吉澤孝之
緩和ケアにおけるインフォームド・コンセントのあり方 秋山 修
がん疼痛のコントロール
がん患者の痛み 鈴木正寛
がん疼痛の診断と評価 鈴木正寛
がん疼痛治療の基本方針と目標 堀 夏樹
鎮痛薬による治療と使用法の実際 堀 夏樹
薬以外の治療法 田口奈津子
がん疼痛以外の身体的症状のコントロール 田口奈津子
精神・社会的苦痛 中原理佳,清水 研
在宅ケア 越川貴史
家族・遺族のケア 中村めぐみ
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日本医師会生涯教育シリーズを単行本化。痛みのすべてを解説!
日本医師会生涯教育シリーズを単行本化。痛みという感覚と情動を伴った徴候に対応すべく,痛みの基礎から,近年注目されている「緩和」までを1冊にコンパクトにまとめている。