2024年2月号 Vol.40 No.2

特集1:FDG–PET検査におけるピットフォール集/特集2:遠隔画像診断の最新動向と未来予測

臨床画像 2024年2月号
定価 2,970円(税込) (本体2,700円+税)
  • B5判  112ページ  
  • 2024年1月26日刊行


序説(特集1:FDG–PET検査におけるピットフォール集)

 FDG–PET検査がわが国で保険適用となって20年以上が経過し,悪性腫瘍の全身の病変検索,良・悪性の評価に有用な情報を提供し,腫瘍臨床の方針決定において大きく寄与するモダリティとなった。しかしながら,ブドウ糖代謝を描出するという性質上,FDG–PET検査で描出されるものは腫瘍に限らず炎症性病変も多く写し出され,偽陽性・偽陰性が多く存在する。PET/CT装置の普及により,形態画像上に融合された画像は核医学を専門としない者にもわかりやすいものとなったが,集積の色合いを評価するだけでは誤った解釈をすることも多い。治療方針決定における役割が大きいからこそ,検査画像に影響するさまざまな条件,技術的なピットフォールなど,代謝画像としてのFDG–PETをみる際に留意すべき点を把握しておくことが重要である。
 今回の特集では,『FDG–PET検査におけるピットフォール集』というテーマで,FDG–PET検査の実施ならびに読影,さらには臨床医とのディスカッションの場において役立つと思われる内容についてエキスパートの先生方に解説をお願いした。
 本特集の最初の項目では,FDGの体内分布の特徴として,さまざまな条件下で変動する健常臓器の生理的集積の変動について筆者が解説した。国立国際医療研究センターの南本亮吾先生と兵庫医科大学病院の北島一宏先生には,腫瘍においてその活動性との鑑別が重要となる炎症性病変への集積や,腫瘍に対する治療後に生じるさまざまな特徴的な所見について解説していただいた。湘南鎌倉総合病院の川本雅美先生には,FDG–PET検査を行うにあたって,画像の解釈に影響を及ぼしうる情報を漏らさず把握するための問診の重要性について,京都府立医科大学の小谷知也先生らには,小児のPET検査を行うにあたって成人とは異なる留意事項や知っておくべき画像の特徴について具体的にご説明いただいた。さらに,近年普及してきた半導体PET(デジタルPET)特有の特徴やピットフォール,技術的事項から生じる機種間の違いやピットフォール,PET/MRIとPET/CTの違いとPET/MRI特有の利点とピットフォールなどについては,それぞれ,豊富な知識とご経験をもとに,愛媛大学医学部附属病院の川口直人先生,九州大学の馬場眞吾先生,神戸大学医学部附属病院の犬養純子先生らにご執筆いただいた。
 FDGの特徴と検査そのものに焦点をあてた本特集は,各臓器の腫瘍診療におけるFDG–PETの有用性を述べるような各論的な話を一切含まない構成ながら,その主旨に沿った玉稿ぞろいとなった。FDG–PET検査診療に携わる医師のみならず,普段はPETの読影にかかわることの少ない放射線科医や検査を依頼する診療科医師にも知っておいてもらいたい明日からでも役に立つ内容や,“目から鱗”のポイントが凝集されたものであり,検査業務に携わる看護師や診療放射線技師などにとっても,診療現場に携えて繰り返し学んでいただけるものとなった。ご多忙のところ,本特集の主旨をご理解いただきご執筆をくださった先生方に深謝申し上げる。本特集が,読者の先生方の日常診療に役立つとともに,PET検査に興味をもってくださる若手の放射線科医が1人でも増えれば幸甚である。

奥山智緒
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序説(特集2:遠隔画像診断の最新動向と未来予測)

 日本医学放射線学会では『遠隔画像診断に関するガイドライン2018』の改訂案の議論をしてきた。医療DXの言葉が使われる昨今,遠隔医療に関するガイドラインはその遠隔医療の基準を作り,質を担保するもので,保険診療にも必須である。遠隔画像診断は日本の遠隔医療の初期から実施されてきたが,そのガイドラインは医療DX,医療の質向上,患者の利便性向上,働き方改革,サイバーセキュリティ,保険加算,放射線診断医の立場の向上などに影響する。
 今回,筆者は昨年のサイバーセキュリティに関する現状調査と今後の動向を踏まえた対策,技術を述べ,日本遠隔医療学会会長として海外と比較し遅れる日本の医療DXとサイバーセキュリティの遅れについても言及した。
 沖崎貴琢先生には遠隔画像診断ガイドライン小委員会委員長としてまとめられたご苦労と今後について述べていただいた。
 井田正博先生には診療報酬に関して今後の方向性,働き方改革も含めて述べていただいた。
 畠中正光先生には大学医学部放射線科教授として地域医療機関との関係も含めて,現状と今後について述べていただいた。
 加納裕士先生には遠隔画像診断のサービスをする立場としての現状と今後について述べていただいた。
 読者の皆様には遠隔画像診断ガイドラインの理解に供するものと思います。
 また,お忙しいなか快く執筆していただいた先生方には感謝致します。

近藤博史
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目次

■特集1:FDG–PET検査におけるピットフォール集  企画・編集:奥山智緒
序説  奥山智緒
変動するFDGの生理的集積  奥山智緒
炎症性疾患・病変におけるFDG–PETのピットフォール  南本亮吾
悪性腫瘍の評価と治療に関連するFDG–PETのピットフォール  北島一宏
FDG–PET検査前の問診の重要性−いかに必要な情報を集めるか!−  川本雅美
小児におけるFDG–PETのピットフォール  小谷知也ほか
従来型PETとデジタルPETの違いに関するFDG–PET/CTのピットフォール  川口直人
FDG–PETの技術的なピットフォール  馬場眞吾
PET/MRIによるFDG–PETのピットフォール  犬養純子ほか

■特集2:遠隔画像診断の最新動向と未来予測  企画・編集:近藤博史
序説  近藤博史
医療DXを進める遠隔医療における遠隔画像診断  近藤博史
ガイドライン作成にあたって  沖崎貴琢
遠隔画像診断にかかる診療報酬  井田正博
遠隔画像診断と地域医療とのかかわり:インフォームド・コンセントの重要性  畠中正光
遠隔画像診断支援サービスの現状と未来  加納裕士

●連載
・何としても読んでもらいたい  あの論文,この論文[第19回]
直腸癌のMRIにおいてEMVIについて記載するのは必須  那須克宏
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