2025年6月号 Vol.29 No.6

肥満と循環器疾患

Heart View 2025年6月号
定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • B5判  116ページ  
  • 2025年5月9日刊行


企画にあたって
坂東泰子(三重大学大学院医学系研究科基礎系講座分子生理学教授)

 肥満は「世界的なエピデミック(流行病)」と称され,わが国の20歳以上の肥満者(BMI ≧ 25 kg/m2)は女性2割に比して男性約3割と増加傾向がある(2022年厚生労働省 国民健康・栄養調査)。肥満は多くの場合,高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因であり,動脈硬化性血管病(ASCVD)の複合リスクとなることが知られるが,最近では心不全(HFpEF)のリスクであることも再注目されている。実際,さまざまな肥満治療には心不全悪化や心血管イベント抑制リスクがあることもわかり,そのメカニズムについて注目が高まっている。
 肥満大国であるアメリカでは,アメリカ心臓協会(AHA)が「obesity and cardiovascular disease」に関するscientific statementを2021年に上梓した。しかし,日本ではこうした循環器領域の総合的治療指針はまだなく,日本人肥満者ではBMIは低めでも内臓脂肪が多いなど,欧米人との人種差を考慮した日本独自の推奨が望まれる。
 本特集は,肥満・肥満症の循環器疾患における病態意義を,基礎から臨床まで最新の知見を幅広く理解するために企画した。循環器領域はもとより,普段学ぶ機会を得難い各専門分野のエキスパートによる質の高い解説が結集した本特集記事は,肥満関連病態を理解するためのエンサイクロペディアとして循環器内科医師・研究者に役立つことが期待される。循環器領域だけでは学ぶことのできないナレッジに触れ,日々の診療・研究の幅が広がる機会となれば本懐である。
 書面にて略儀ながら,かくも珠玉の高稿を執筆いただいたすべての著者の先生方に心より感謝申し上げたい。
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目次

■特集:肥満と循環器疾患  企画・構成/坂東泰子
【識る】
1 肥満症専門医の観点から
 総論:肥満症診療ガイドライン2022のポイント  廣田勇士,小川 渉
2 腎臓専門医の観点から 肥満関連腎臓病  大西康博,和田 淳
3 循環器専門医の観点から
 1.肥満と冠動脈プラークの関連  国村彩子,天野哲也
 2.肥満と高血圧  赤﨑雄一,大石 充
 3.肥満と心不全  桑原宏一郎
 4.不整脈(肥満・異所性脂肪と不整脈リスク)  近藤秀和,髙橋尚彦
4 基礎から
 1.褐色・白色脂肪と心血管代謝性疾患  清水逸平
 2.抗炎症性アディポカインと心血管病  大橋浩二,大内乗有
 3.GIPとGLP-1の膵島・膵外への作用  西田康貴,原口卓也,清野祐介,鈴木敦詞
 4.【Expertise】免疫代謝と生活習慣病  菅波孝祥,田中 都

【診る】
5 肥満専門医の観点からの生活習慣改善指標  越坂理也,横手幸太郎
6 肥満とHFpEF  鏡 和樹,小保方 優
7 肥満と冠動脈疾患 病態生理から診断戦略まで  白濱裕一郎,田畑範明,窪田直人,辻田賢一

【治す】
8 肥満症の内科治療  田中智洋
9 肥満を合併する糖尿病治療  橘内博哉,野本博司
10 減量・代謝改善手術  佐々木 章
11 肥満管理と心不全 肥満に合併したHFpEFに対するGLP-1受容体作動薬,GIP/GLP-1受容体作動薬のエビデンス  藤井翔平,佐野元昭
12 肥満管理と高血圧  岸 拓弥
13【Expertise】GLP-1受容体作動薬と肥満 循環器病予防管理のために  沢見康輔,田中敦史

●連載
・大切なことはすべて山下先生が教えてくれた 教え子達が伝えたい,心房細動診療の極意
 第5回 心房細動の心拍数調節の考え方 生体を“揺らして”みよう  加藤祐子
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