Heart View
2025年4月号 Vol.29 No.4
心不全・心筋症診療 Up to date:診断から治療までの最新動向

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
- B5判 128ページ
- 2025年3月9日刊行
電子版
企画にあたって
北井 豪(国立循環器病研究センター心不全・移植部門心不全部 部長)
心不全の診断と治療は,特に薬物治療を中心に大きな変遷を迎えています。2020年以降,新たな作用機序をもつ心不全治療薬として,イバブラジン,ARNI,SGLT2阻害薬,ベルイシグアトの4剤がわが国で使用可能となりました。また,SGLT2阻害薬やARNI,さらに最近の報告では一部のMRAにおいても,LVEFの低下した心不全(HFrEF)のみならず,LVEFが40%を超える患者に対しても有効性が確認されています。さらに,肥満症や鉄欠乏などの併存症を有する患者に対する,GLP-1受容体作動薬や鉄剤の有効性も報告されており,今後さらなる適応拡大が期待されています。 興味深いことに,これらの新規薬剤は,いずれも単一の作用に留まらず,多面的な効果を有することが示唆されており,相乗的に有益な効果をもたらしている可能性があります。また,心不全の原疾患としての心筋症に対する診断・治療も大きく進歩し,適切かつ早期の診断が予後改善に重要となっております。非薬物治療においても,CRTやTEERに加えて,destination therapyもわが国で実施可能となり,治療の選択肢が広がっています。
このように,心不全診療は目覚ましい進展を遂げており,各国で診療ガイドラインが改訂され,さまざまな推奨が示されています。しかし,次々と発表される大規模臨床試験のエビデンスに対し,ガイドラインの改訂が必ずしもタイムリーに追いついていない現状があります。また,実臨床ではガイドラインや大規模臨床試験の結果だけでは対応が困難な症例も多く,これらの知見をどのように実臨床へ落とし込むかは,まだまだ多くの課題が残っております。
本特集では,各領域で診療の第一線でご活躍の先生方に,実際の臨床経験に基づき具体的かつ実践的な内容を心がけてご執筆いただきました。最新のエビデンスやガイドラインでの推奨と,日々の臨床を繋ぐ橋渡しとなることを目指し,読者の皆様の診療に役立てていただければ幸甚です。
北井 豪(国立循環器病研究センター心不全・移植部門心不全部 部長)
心不全の診断と治療は,特に薬物治療を中心に大きな変遷を迎えています。2020年以降,新たな作用機序をもつ心不全治療薬として,イバブラジン,ARNI,SGLT2阻害薬,ベルイシグアトの4剤がわが国で使用可能となりました。また,SGLT2阻害薬やARNI,さらに最近の報告では一部のMRAにおいても,LVEFの低下した心不全(HFrEF)のみならず,LVEFが40%を超える患者に対しても有効性が確認されています。さらに,肥満症や鉄欠乏などの併存症を有する患者に対する,GLP-1受容体作動薬や鉄剤の有効性も報告されており,今後さらなる適応拡大が期待されています。 興味深いことに,これらの新規薬剤は,いずれも単一の作用に留まらず,多面的な効果を有することが示唆されており,相乗的に有益な効果をもたらしている可能性があります。また,心不全の原疾患としての心筋症に対する診断・治療も大きく進歩し,適切かつ早期の診断が予後改善に重要となっております。非薬物治療においても,CRTやTEERに加えて,destination therapyもわが国で実施可能となり,治療の選択肢が広がっています。
このように,心不全診療は目覚ましい進展を遂げており,各国で診療ガイドラインが改訂され,さまざまな推奨が示されています。しかし,次々と発表される大規模臨床試験のエビデンスに対し,ガイドラインの改訂が必ずしもタイムリーに追いついていない現状があります。また,実臨床ではガイドラインや大規模臨床試験の結果だけでは対応が困難な症例も多く,これらの知見をどのように実臨床へ落とし込むかは,まだまだ多くの課題が残っております。
本特集では,各領域で診療の第一線でご活躍の先生方に,実際の臨床経験に基づき具体的かつ実践的な内容を心がけてご執筆いただきました。最新のエビデンスやガイドラインでの推奨と,日々の臨床を繋ぐ橋渡しとなることを目指し,読者の皆様の診療に役立てていただければ幸甚です。
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目次
■特集:心不全・心筋症診療 Up to date:診断から治療までの最新動向 企画・構成/北井 豪
【識る】
1心不全薬物治療の最前線 ~各国のガイドライン最新アップデート比較~ 近藤 徹
2貧血と鉄代謝 ~心不全患者における新たな管理ポイント~ 馬場裕一
3フレイルとサルコペニアを見逃さない~高齢心不全患者での課題を探る~ 小西正紹
4心腎連関 ~腎臓内科医の視点から心不全と腎機能の密接な関係を探る~ 坂口悠介,岡 樹史,猪阪善隆
5栄養管理で改善を狙う ~心不全患者における食事療法の最前線~ 衣笠良治
6【Expertise】心不全と緩和ケア ~QOL向上を目指した包括的アプローチ~ 大石醒悟
7【Expertise】最新の心不全治療の動向~インクレチン関連薬,心筋ミオシン阻害薬,遠隔血行動態モニタリング~ 夜久英憲
【診る】
8心筋症の分類と正確な鑑別診断のためのポイント 北岡裕章
9虚血性心不全の診断力を高める ~疾患概念の理解と診断のためのアプローチ~ 中村大輔
10肥大型心筋症の診断と評価の進歩 天野雅史
11心サルコイドーシスの診断と評価の進歩 鍋田 健
12心アミロイドーシスの診断と評価の進歩 岡田 厚
13心Fabry病の診断と評価の進歩 佐野円香,古川 裕
【治す】
14心不全治療の新時代~これまでの進展と今後の課題~ 上田友哉,彦惣俊吾
15心不全に対する両心室ペーシング治療の進歩と課題 金 基泰
16機能性僧帽弁・三尖弁逆流に対するTEERの進歩と課題 三浦優人,天木 誠
17【Expertise】重症心不全に対する心臓移植・植込型VADの進歩と現状 塚本泰正
18【Expertise】再生医療の最前線 ~重症心不全患者への新たな選択肢となるか~ 舟越俊介
●連載
・大切なことはすべて山下先生が教えてくれた 教え子達が伝えたい,心房細動診療の極意
第3回 心房細動と慢性化 八木直治
【識る】
1心不全薬物治療の最前線 ~各国のガイドライン最新アップデート比較~ 近藤 徹
2貧血と鉄代謝 ~心不全患者における新たな管理ポイント~ 馬場裕一
3フレイルとサルコペニアを見逃さない~高齢心不全患者での課題を探る~ 小西正紹
4心腎連関 ~腎臓内科医の視点から心不全と腎機能の密接な関係を探る~ 坂口悠介,岡 樹史,猪阪善隆
5栄養管理で改善を狙う ~心不全患者における食事療法の最前線~ 衣笠良治
6【Expertise】心不全と緩和ケア ~QOL向上を目指した包括的アプローチ~ 大石醒悟
7【Expertise】最新の心不全治療の動向~インクレチン関連薬,心筋ミオシン阻害薬,遠隔血行動態モニタリング~ 夜久英憲
【診る】
8心筋症の分類と正確な鑑別診断のためのポイント 北岡裕章
9虚血性心不全の診断力を高める ~疾患概念の理解と診断のためのアプローチ~ 中村大輔
10肥大型心筋症の診断と評価の進歩 天野雅史
11心サルコイドーシスの診断と評価の進歩 鍋田 健
12心アミロイドーシスの診断と評価の進歩 岡田 厚
13心Fabry病の診断と評価の進歩 佐野円香,古川 裕
【治す】
14心不全治療の新時代~これまでの進展と今後の課題~ 上田友哉,彦惣俊吾
15心不全に対する両心室ペーシング治療の進歩と課題 金 基泰
16機能性僧帽弁・三尖弁逆流に対するTEERの進歩と課題 三浦優人,天木 誠
17【Expertise】重症心不全に対する心臓移植・植込型VADの進歩と現状 塚本泰正
18【Expertise】再生医療の最前線 ~重症心不全患者への新たな選択肢となるか~ 舟越俊介
●連載
・大切なことはすべて山下先生が教えてくれた 教え子達が伝えたい,心房細動診療の極意
第3回 心房細動と慢性化 八木直治
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