関節外科
2026年1月号 Vol.45 No.1
足部・足関節の炎症性疾患に挑む!

定価 2,860円(税込) (本体2,600円+税)
- B5判 104ページ
- 2025年12月19日刊行
電子版
introduction
関節の炎症性疾患では多くの場合,足部・足関節に症状が出現する。これは歩行時の負荷に常にさらされているため当然のことと言えるが,病態を正しく理解し治療法を選択することで疼痛などの負荷を軽減し,機能を維持することができる。関節リウマチでは早期に介入し寛解を目指す治療方針が確立しつつあるが,それでも変形が高度に進行した場合では観血的治療を選択することも少なくない。導入としての薬物療法や関節鏡による対処は変形を不可逆なものにしないための有効な対応となる。一方で,変形が完成した症例においては観血的治療によりアライメントを整え,機能回復を目指す。近年における治療用インプラントの開発・改良は目覚ましく,新たな時代の治療法をキャッチアップしていく必要がある。乾癬性関節炎では関節リウマチとは異なる特殊な関節変形をきたすため,専門的な診療と治療戦略が必要となる。本疾患について専門的な見地からの治療体系は多くの整形外科医に十分周知されているとは言いがたい。Charcot 関節では病期や罹患部位によって治療が異なり予後に直結するが,ここでの治療方針を誤るとその後治療がきわめて困難になる。急性期ではアライメントを保ったまま炎症が消退するのを待ち,慢性期に移行させる。Total contact cast や治療用装具に関する知識や技術が求められる。中足部で罹患する症例では,時に脱臼を伴い胼胝を形成する症例もみられるため,舟底変形を矯正し変形の中心となる関節を固定する。後足部のCharcot 関節では距腿・距踵の両関節においてアライメントを整え,安定化させることが最重要となる。これらは時に重複してみられ,破壊的な脱臼や変形をきたすことがある。どのような戦略で,どこから手をつけるかといった総合的な判断が求められる。
免疫応答が低下した患者では,足部・足関節に感染を起こすことが多く,対処法を誤ると大切断を余儀なくされることもある。適切な診断と評価,対応が必須となる。術後の感染に対してはアライメント維持の観点から可能な限りインプラントを温存した対処法を選択したい。血漿沈着性関節炎は血液検査や結晶分析など,注意深く診察したうえで薬物療法から観血療法まで,対処法を熟知したうえで選択する必要がある。
本特集ではこれらの難題に古くから取り組んでこられた経験豊富な講師陣にご執筆いただいた。本号が足部・足関節の炎症性疾患を治療するうえでのバイブルのような1 冊となることを願ってやまない。
奈良県立医科大学整形外科
谷口 晃
関節の炎症性疾患では多くの場合,足部・足関節に症状が出現する。これは歩行時の負荷に常にさらされているため当然のことと言えるが,病態を正しく理解し治療法を選択することで疼痛などの負荷を軽減し,機能を維持することができる。関節リウマチでは早期に介入し寛解を目指す治療方針が確立しつつあるが,それでも変形が高度に進行した場合では観血的治療を選択することも少なくない。導入としての薬物療法や関節鏡による対処は変形を不可逆なものにしないための有効な対応となる。一方で,変形が完成した症例においては観血的治療によりアライメントを整え,機能回復を目指す。近年における治療用インプラントの開発・改良は目覚ましく,新たな時代の治療法をキャッチアップしていく必要がある。乾癬性関節炎では関節リウマチとは異なる特殊な関節変形をきたすため,専門的な診療と治療戦略が必要となる。本疾患について専門的な見地からの治療体系は多くの整形外科医に十分周知されているとは言いがたい。Charcot 関節では病期や罹患部位によって治療が異なり予後に直結するが,ここでの治療方針を誤るとその後治療がきわめて困難になる。急性期ではアライメントを保ったまま炎症が消退するのを待ち,慢性期に移行させる。Total contact cast や治療用装具に関する知識や技術が求められる。中足部で罹患する症例では,時に脱臼を伴い胼胝を形成する症例もみられるため,舟底変形を矯正し変形の中心となる関節を固定する。後足部のCharcot 関節では距腿・距踵の両関節においてアライメントを整え,安定化させることが最重要となる。これらは時に重複してみられ,破壊的な脱臼や変形をきたすことがある。どのような戦略で,どこから手をつけるかといった総合的な判断が求められる。
免疫応答が低下した患者では,足部・足関節に感染を起こすことが多く,対処法を誤ると大切断を余儀なくされることもある。適切な診断と評価,対応が必須となる。術後の感染に対してはアライメント維持の観点から可能な限りインプラントを温存した対処法を選択したい。血漿沈着性関節炎は血液検査や結晶分析など,注意深く診察したうえで薬物療法から観血療法まで,対処法を熟知したうえで選択する必要がある。
本特集ではこれらの難題に古くから取り組んでこられた経験豊富な講師陣にご執筆いただいた。本号が足部・足関節の炎症性疾患を治療するうえでのバイブルのような1 冊となることを願ってやまない。
奈良県立医科大学整形外科
谷口 晃
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目次
■特集:足部・足関節の炎症性疾患に挑む! 企画・編集:谷口 晃
関節リウマチによる足部・足関節炎の治療に挑む! 髙窪祐弥ほか
関節リウマチによる足関節変形に挑む! 矢野紘一郎
関節リウマチによる足趾変形に挑む! 三井寛之
乾癬性関節炎の病態と診断 原 良太
足関節の血友病性関節症に挑む! 竹谷英之
急性期Charcot関節の治療に挑む! 関 広幸
中足部のCharcot関節に挑む! 安井哲郎
Charcot足関節治療最前線 野坂光司ほか
足部・足関節の術後感染性関節炎に挑む! 雜賀建多ほか
足関節の化膿性関節炎に挑む! 安井洋一ほか
足部・足関節の結晶沈着性関節炎の診断と治療戦略 脇山沙也加ほか
●連載
・すっきりわかる 骨折の分類使い方講座(肩~肘関節編 第7回)
「Monteggia骨折に使われる骨折分類」 草野 望
・人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~(第14回)
「わが国におけるTKA機種の変遷」 格谷義徳
・おもしろ 医人 ヒストリー(第42回)
「MRIの歴史 最初に発明したのは誰? アイディアが先かマシーンが先か:Damadian vs. Mansfieldの磁場をめぐる戦い」 小橋由紋子
関節リウマチによる足部・足関節炎の治療に挑む! 髙窪祐弥ほか
関節リウマチによる足関節変形に挑む! 矢野紘一郎
関節リウマチによる足趾変形に挑む! 三井寛之
乾癬性関節炎の病態と診断 原 良太
足関節の血友病性関節症に挑む! 竹谷英之
急性期Charcot関節の治療に挑む! 関 広幸
中足部のCharcot関節に挑む! 安井哲郎
Charcot足関節治療最前線 野坂光司ほか
足部・足関節の術後感染性関節炎に挑む! 雜賀建多ほか
足関節の化膿性関節炎に挑む! 安井洋一ほか
足部・足関節の結晶沈着性関節炎の診断と治療戦略 脇山沙也加ほか
●連載
・すっきりわかる 骨折の分類使い方講座(肩~肘関節編 第7回)
「Monteggia骨折に使われる骨折分類」 草野 望
・人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~(第14回)
「わが国におけるTKA機種の変遷」 格谷義徳
・おもしろ 医人 ヒストリー(第42回)
「MRIの歴史 最初に発明したのは誰? アイディアが先かマシーンが先か:Damadian vs. Mansfieldの磁場をめぐる戦い」 小橋由紋子
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