2025年8月号 Vol.44 No.8

四肢腱損傷診療マニュアル−肩・肘・手からアキレス腱まで−

関節外科 2025年8月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  112ページ  
  • 2025年7月19日刊行


introduction

 腱は運動器を構成する重要な組織であり,腱の治療が整形外科治療においてきわめて重要な要素であることは言うまでもありません。今回は,今まで四肢について同時に取り上げられることが少なかった腱の治療を横断的に集めて特集テーマとさせていただきました。若い先生方が外来で該当患者さんを診る際にブースの本棚からサッと取り出して治療の概要を確認し,患者さんに説明できることを想定致しました。本号を手に取っていただいているであろう若い先生方にとって腱の損傷・障害に対する正確な理解と適切な治療法の選択は患者さんの生活の質を大きく左右します。この機会に腱の解剖と機能について再確認していただきたいと思います。腱組織は比較的血流が乏しいため,損傷の修復速度は遅く,治癒には時間を要することを念頭に置く必要があります。また,腱の損傷部位によって受傷機転や治療法は大きく変わります。例えば,手指屈筋腱の損傷,いわゆる“Nomanʼs land”では詳細な解剖の理解と縫合手技が求められます。
 次に,腱損傷の他覚的評価についても重要な要素になります。理学所見だけでなく,超音波やMRIの画像診断の積極的な活用が求められます。特に軽度の炎症や部分断裂も見逃さず,早期に治療を開始することが重要です。損傷の程度や範囲を正確に把握し,適切な治療戦略を立てることが良好な成績につながります。
 治療については,まず保存療法の適応と限界を知ることが重要です。保存療法の適応外については躊躇なく,速やかに手術を行うことが肝要です。手術療法においては縫合手技の巧拙が結果に直結します。特に腱縫合では血行再建と腱の滑走性を確保し,早期の機能回復を促すことが重要です。それを前提とした手術手技であるべきだと思います。患者教育も忘れてはいけない重要な要素です。術後の後療法を丁寧に説明して患者さんの理解と協力を得ることで治療成績は向上します。
 各執筆者の先生方には以上を踏まえてご執筆いただいており,大変わかりやすく,的を射た内容になっていると自負しております。
 最後に若い先生方が本特集を通じて腱の損傷・障害の診断と治療に関する知識と理解をアップデートし,明日からの診療にお役立ていただく一助となることを切に願っております。

流山中央病院
國吉一樹
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目次

■特集:四肢腱損傷診療マニュアル−肩・肘・手からアキレス腱まで−  企画・編集:國吉一樹
上腕二頭筋長頭腱損傷  松木圭介
遠位上腕二頭筋腱損傷  広沢直也
上腕三頭筋腱損傷  山中芳亮ほか
手関節部伸筋腱皮下断裂  鈴木 拓
長母指伸筋腱皮下断裂  久保和俊
手関節部の屈筋腱断裂を引き起こす骨性病変-原因と診断,治療について-  山崎貴弘ほか
固有指部の伸筋腱損傷  山田俊之
新鮮手指屈筋腱損傷  大井宏之
ハムストリング筋損傷の治療-手術療法を中心に-  吉村英哉
大腿四頭筋腱損傷  佐藤祐介
腓腹筋肉ばなれ  小林 淳
アキレス腱断裂の保存療法・手術療法  福田秀明
足部腱損傷  松井智裕

●連載
・人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~(第10回)
「ナビゲーションシステムおよびロボティックアシストTKAの現在地-Guided by Tech, Lost in Thought-」  格谷義徳

・おもしろ 医人 ヒストリー(第37回)
「単純X線像で診断できる骨端線損傷:Tillaux骨折」  小橋由紋子
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