2025年4月号 Vol.44 No.4

骨転移による病的骨折への挑戦

関節外科 2025年4月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  104ページ  
  • 2025年3月19日刊行


introduction

 近年,人口の高齢化に加え,がん罹患者数の増加と治療成績の向上に伴い,悪性腫瘍の骨転移による病的骨折が増加しています。これらの骨折は,通常の外傷とは異なり,骨の質的な脆弱性や全身疾患の影響を強く受けるため,治療戦略の決定において各領域の専門家の皆様方の意見を参考にした慎重な判断が求められます。特に,外科的治療を要する場合には,単なる骨折の内固定のみではなく,患者の予後,疼痛管理,機能回復,さらには全身状態を考慮した包括的なアプローチが必要となります。
 本骨折の治療において,腫瘍整形外科医に加えて外傷整形外科医が果たす役割はますます重要になっています。外傷整形外科医は,骨折の治療に精通しているだけでなく,急性期の管理能力や術後のリハビリテーションの知識を持ち合わせており,病的骨折に対しても,適切な固定方法を提案し,機能温存および患者のQOL向上に貢献することができます。今後,病的骨折の治療において,外傷整形外科医が果たす役割はさらに広がることが予想され,従来の外傷治療の枠を越え,骨粗鬆症治療や腫瘍整形外科の知識を統合し,包括的な視点で治療に取り組むことが求められます。本特集では,病的骨折の最新の外科的治療法とともに,外傷医の役割について深く掘り下げ,その重要性を再認識する機会としたいと考えています。
 また,特別企画 座談会「病的骨折の治療戦略」として,増加し続ける病的骨折に対する適正な整形外科医の介入についての座談会を行いました。参加者は,帝京大学医学部整形外科学の河野博隆先生,川崎医科大学 運動器外傷・スポーツ整形外科学の野田知之先生,国立病院機構 長崎医療センター 整形外科の宮本俊之先生です。病的骨折治療に関する現状と今後の進むべき方向付けに関して大変有意義な座談会になったと思います。
 本企画が読者の皆様方の施設における日常診療の一助となりますことを期待しております。そして,今後の病的骨折に関する医療の進歩につながることを願っております。

岡山大学学術研究院医歯薬学域
整形外科学
尾﨑敏文
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目次

■特集:骨転移による病的骨折への挑戦  企画・編集:尾﨑敏文
オンライン座談会:病的骨折の治療戦略  尾﨑敏文ほか
骨転移による病的骨折の疫学  岩田 玲
病的骨折治療におけるキャンサーボードの役割  中田英二ほか
外傷センターにおける四肢病的骨折の診断および治療介入の実際  長谷川真之
脊椎転移に対する診断と治療介入  魚谷弘二
四肢病的骨折に対する骨接合術のトレンド  籾井健太
骨転移病的骨折に対するmega-prosthesisを用いた
人工関節置換のコツとピットフォール  今西淳悟ほか
脊椎病的骨折に対する手術適応とその実績  角谷賢一朗ほか
骨転移に対する薬物療法  丹下絵美子ほか
病的骨折リスクを考慮した骨転移に対する放射線治療  江島泰生
整形外科の早期介入による病的骨折の予防  松延知哉
骨転移痛の緩和ケア  余宮きのみ

●連載
・すっきりわかる 骨折の分類使い方講座(肩~肘関節編 第2回)
「上腕骨骨幹部骨折に使われる骨折分類」  高畑智嗣

・人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~(第6回)
「タニケット:当たり前だと思っていませんか?」  格谷義徳

・おもしろ 医人 ヒストリー(第33回)
「小田野直武の描くターヘルアナトミア」  小橋由紋子
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