2025年2月号 Vol.44 No.2

股関節温存手術-寛骨臼側股関節周囲骨切り術-

関節外科 2025年2月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  128ページ  
  • 2025年1月19日刊行


introduction

 関節外科の手術術式のなかでも,股関節骨切り術は次世代に継承していくための技術として再注目されています。本特集の内容は日本股関節学会でも積極的に事業として取り入れられ,その教育委員会による「骨切りセミナー」からヒントを得ています。また,日本股関節学会のポストコングレスとして「股Osteotomyを語る会」が専門的な研究会として開催されていますが,ここ数年では次世代の股関節外科医の参加者も急増しています。その時代の潮流に乗って本特集を企画させていただきました。
 その股関節周囲の骨切り術のなかでも,特に寛骨臼側の股関節周囲骨切り術は技術レベルはより高くなりますが,股関節症の病期が前・初期であれば将来の人工股関節置換術を回避できる可能性も高く,また手術方法も多彩です。本特集の狙いは,寛骨臼側股関節周囲骨切り術が再注目されているなかで,その手術技術のコツやピットフォールを1冊にまとめて,次世代の関節外科医に届けることです。このような最新の手術手技まで網羅した雑誌や書籍はしばらく発行されておらず,そのため次世代の外科医に残しておくには,今がベストなタイミングと考えました。
 ここ数年でさらに股関節骨切り術の技術は進歩し,手術支援技術の利用も相まって,さらなる進化を遂げています。しかしながら,やはりTHAのようにいつもやり慣れている手術ではありません。そのため,キャダバートレーニングやセミナーを含め,経験豊富な指導医のいる施設のもとで研鑽を積み,股関節チームとして実施していくことが,患者への有効性や安全性を考えたときには望まれます。そのため,寛骨臼側股関節周囲骨切り術の最前線の施設,さらにはレジェンドの股関節外科医の先生方にご依頼して,非常にご多忙のなかでご執筆いただきました。この場をお借りして深く感謝を申し上げます。本特集は,キャダバートレーニングやセミナーなどのテキストとしても,十分に活用できる内容に仕上がっていると確信しています。
 「骨切り術ができるけれど結果的にTHAを行った場合」と,「骨切り術ができないのでTHAを行った場合」では,意味合いはまったく異なります。単に骨切り術の術式が術者の選択肢にないだけで,患者へのインフォームド・コンセントや骨切り術自体がなされないことはあってはなりません。ただし,将来的にTHAが必要になった場合を想定して,バトンリレーのように,その後に行われるTHAを妨げることのないような骨切り術をしなければなりません。
 骨切り術には「生体の適応力の妙」をうまく活かせる要素があります。骨切り術はただ関節を残すだけではありません。そのためにはそれなりの技術は必須です。骨切り術の技術がなくならないように,必ず次世代に継承する必要があります。本誌が次世代の股関節にかかわる外科医のバイブルになることを強く願っています。

北里大学大学院医療系研究科
高平尚伸
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目次

■特集:股関節温存手術-寛骨臼側股関節周囲骨切り術-  企画・編集:高平尚伸
総論 -寛骨臼側股関節周囲骨切り術の現状と課題,今後  兼氏 歩
Salter骨盤骨切り術とtriple pelvic osteotomy  佐野敬介ほか
寛骨臼回転骨切り術(RAO)の適応と手術手技  田中健之ほか
偏心性寛骨臼回転骨切り術のピットフォール  大澤郁介ほか
ナビゲーション支援技術を用いたRAO  池 裕之ほか
寛骨臼移動術の特徴と手術手技  中島康晴ほか
Periacetabular osteotomy(PAO)の特徴と手術手技  帖佐悦男
Spherical periacetabular osteotomy(SPO)の適応と手術手技  原 俊彦
寛骨臼形成不全に対するcurved periacetabular osteotomy  木下浩一
Chiari骨盤骨切り術の特徴と手術手技  高平尚伸ほか
ドーム状Chiari骨盤骨切り術の特徴と手術手技  久米慎一郎ほか
臼蓋形成術の適応と手術方法  䯨 賢一ほか
発育性股関節形成不全に対する股関節鏡視下関節唇修復術と低侵襲棚形成術の併用  岡上裕介

●症例と治験
反復性膝蓋骨脱臼に対して脛骨粗面移行術と大腿骨滑車形成術を併用した内側膝蓋大腿靱帯再建術を行い良好な成績を得た一例  川﨑一旭ほか

●連載
・すっきりわかる 骨折の分類使い方講座(肩~肘関節編 第1回)
「上腕骨近位端骨折に使われる骨折分類」  梶田幸宏

・人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~(第4回)
「屈曲拘縮なんて怖くない」  格谷義徳

・おもしろ 医人 ヒストリー(第31回)
「いくつもの診療科をまたいで困らせる木村氏病:発見者は日本人か中国人か誰か問題」  小橋由紋子
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