2025年1月号 Vol.44 No.1

遠位脛腓靱帯損傷の病態と治療

関節外科 2025年1月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  104ページ  
  • 2024年12月19日刊行


introduction

 最近にわかに遠位脛腓靱帯損傷に注目が集まっている。遠位脛腓靱帯損傷は足関節骨折に合併した損傷が一般的で,骨折型により損傷されていることが疑われれば脛腓間をスクリューやsuture buttonなどで固定される。しかし,骨折を伴わない損傷はhigh sprainともいわれ,しばしば見逃され,確定診断するまでに長期間を要することがわかっている。高頻度の回外捻挫による足関節外側靱帯損傷とは反対の受傷機転である回内捻挫で損傷される。受傷後に疼痛が長引くことで発見され,特にアスリートの場合はその間十分なパフォーマンスを出せずに,競技に復帰できないことも多い。足関節外側靱帯損傷の場合は,レベルの高いアスリートでは足関節が少し緩くてもフルパフォーマンスでプレーできることもあるが,遠位脛腓靱帯損傷では少しの緩みでも難しいことがあり,満足なプレーをするためには手術がしばしば必要になる。その意味では遠位脛腓靱帯損傷は,膝関節における前十字靱帯損傷のような存在であると考えているが,1つ異なる点としては,受傷時に適切な保存治療を行えば手術しなくても済む場合もあるということである。そのためにも急性期に見逃さないことが非常に重要である。その診断としては,やはり関節鏡にて不安定性を証明することがgold standardになるが,MRIや超音波などの診断装置の普及により,急性例や陳旧例の区別なく,ほぼ正確な診断が可能になってきた。また,遠位脛腓靱帯の正確な解剖も詳細に検討され,それに対する治療法に関しても生体力学的な研究から最適な方法が提示されている。
 本特集では「遠位脛腓靱帯損傷の病態と治療」について,これだけ知っていればすべての病態に対応できることを目標にして,現在活発に研究を進めていただいている先生方に執筆をお願いした。本特集がこれから外傷学やスポーツ医学を勉強しようとしている若い先生はもとより,これまで遠位脛腓靱帯に関して多くをご存じなかったベテランの先生にもお役に立つことを切に願っている。

奈良県立医科大学整形外科学
田中康仁
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目次

■特集:遠位脛腓靱帯損傷の病態と治療  企画・編集:田中康仁
遠位脛腓靱帯の解剖学的特徴  塩田悠介
遠位脛腓靱帯のバイオメカニクス  寺本篤史
遠位脛腓靱帯断裂の発生機序  原口直樹
遠位脛腓靱帯損傷の診療  神崎至幸
MRIによる遠位脛腓靱帯損傷の評価  塩泡孝介ほか
超音波による遠位脛腓靱帯損傷に対する評価  熱田智範
関節鏡による遠位脛腓靱帯損傷に対する不安定性の評価  伊東勝也
2020年APKASSコンセンサス会議における陳旧性遠位脛腓靱帯損傷(診断と治療)の概要  黒川紘章
遠位脛腓靱帯損傷に対する保存治療の適応と実際  西村明展ほか
陳旧性遠位脛腓靱帯損傷の手術治療  宮本拓馬
複合靱帯損傷を伴った遠位脛腓靱帯損傷の治療  嶋 洋明
骨折を伴った遠位脛腓靱帯損傷の治療  西井幸信
遠位脛腓靱帯損傷後のスポーツ復帰  中佐智幸ほか

●原著論文
女性変形性膝関節症例のDXA画像にて計測した膝アライメントの妥当性および膝アライメントと脛骨顆部骨密度との関連性  鳥居 俊ほか

●連載
・臨床と論文執筆に役立つ! 重要論文レビュー(足部編 第1回)
「外反母趾の術後再発の予測」  田中康仁

・おもしろ 医人 ヒストリー(第30回)
「(番外編)運搬手段から芸術に昇華させたフィギュアスケートの父ジャクソン・ヘインズ」  小橋由紋子
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