2022年7月増刊号 Vol.38 No.13

特集:術後と合併症の画像診断/特別掲載:クラウドファンディングを用いたMRI野球肘検診車検診と少年少女スポーツ改革

臨床画像 2022年7月増刊号
定価 5,500円(税込) (本体5,000円+税)
  • B5判  136ページ  
  • 2022年7月5日刊行


序説

 今回は術後変化と合併症の画像診断に関する特集である。今回の特集に関連したイベントとして,放射線診断とIVRに従事されている国立がん研究センター中央病院の曽根美雪先生との座談会が行われた。この序説の内容と一部重複するかもしれないが,本誌の特集記事や教科書一般だけではカバーしきれない日常役立つ知識がみなさまに伝わり,あるいはその内容に興味をもっていただければ成功であると思っている。
 治療内容の検証や効果判定に関する知識はローカルルールとして現場で言い伝えられたものが少なくない。これらは研修の現場で習得されていくべき内容に含まれるのであるが,それほどまでには一般化されていない知識が多くを占める。日常臨床に用いられる細かな知識の集積はかなり重要なもので,それに習熟することは各種の問題解決のプロセスに大いに関係してきそうである。特にそのなかでも術後・治療後を含めた画像診断所見は客観的な知識としてわれわれの情報のベースに組み込まれている。1つの例として人工物の画像診断を挙げてみる。特に骨関節分野における人工関節の変化などは,X線撮影を駆使してアプローチできる分野ではあるが,金属と骨との相互反応はわれわれが通常用いている生物学的な画像診断の原理とは別の世界に足を踏み入れているため,一口に画像診断といえど,一筋縄ではいかないこともある。
 この特集では主に後期研修医レベルの初学者に知っておいてほしい術後変化や治療後合併症に焦点をあてて,日常診療に有用な知識をまとめて提供することを目標にしている。比較的広範囲な分野を取り上げることを目指したが,それぞれの臨床現場で重要な知識のソースとなることを祈っている。
 特別掲載の岡本嘉一先生の記事は,社会活動としてのスポーツ活動と健康管理の点からクラウドファンディングを用いて検診活動を発展させた例であり,興味深く読んでいただけるのではないかと考えている。スポーツ活動では骨・関節・筋肉を著しく駆使するため,健康な関節を保ちつつ,最高のパフォーマンスを発揮するために,安全なスポーツ活動に改善することは重要である。このように検診から安全なスポーツ活動の構築に寄与することも,ほかの社会活動と同じく重要なものとなるであろう。このような新たな試みもこれからの放射線診断医に期待されていることから,岡本先生に続いて活動を始める方々が出現することを願っている。
 治療効果をめぐっての臨床家とのコミュニケーションは重要である。共通の検討の場として意見交換できる場があると一番望ましいのであるが,そのような現場が増えてくれることを祈って止まない。

江原 茂
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目次

■特集:術後と合併症の画像診断  総編集:江原 茂
[座談会]
 術後の画像診断,合併症の画像診断−知識共有の必要性と難しさ,その解決のために何ができるか−  江原 茂×曽根美雪
[胸部領域]
 心臓大血管の術後合併症  澤村駿吾ほか
 肺・縦隔領域  室田真希子ほか
[腹部領域]
 肝・胆・膵術後の合併症と画像診断  曽根美都ほか
 胃癌および大腸癌術後の画像診断  木村慎太郎ほか
[骨軟部領域]
 肩関節の術後と合併症の画像診断−腱板修復術,腱板再建術,人工肩関節置換術を中心に−  福田国彦ほか
 下肢  米永健徳ほか
 脊椎  福田健志ほか
[骨盤・婦人科領域]
 婦人科・泌尿器科の術後変化と合併症  小澤瑞生ほか

●特別掲載
クラウドファンディングを用いたMRI野球肘検診車検診と少年少女スポーツ改革  岡本嘉一
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