2021年12月増刊号 Vol.37 No.14

これだけは見逃したくない重要救急病態の画像診断

臨床画像 2021年12月増刊号
定価 5,500円(税込) (本体5,000円+税)
  • B5判  108ページ  
  • 2021年12月25日刊行

在庫僅少です。



序説

It depends on how you look at it:見逃しを減らすには

 画像診断医であれば,救急診療における画像診断への過剰依存を嘆きたくなることもあるかもしれない。「熱源精査,全身CT」,「転倒,全身CT」,「コロナ疑い,全身CT」,「入院時,全身CT」,などなど,ときには,「もはや記念撮影!?」とでも言いたくなるような気持ちになった人もいるかもしれない。
 私が所属する聖マリアンナ医科大学附属病院では,24時間365日放射線科医が常駐し,単純X線写真から小児の超音波検査,CT,MRIまで,救急診療の画像診断のすべてを原則即時対応の形で担当している。皮肉なことに,画像診断医の関与が深まれば深まるほど,検査適応が広くなり,当直を担当する放射線科医はしばしば,「さすがにそれは適応がないのではっ……!」と思いながら,ぐっと言葉を飲み込んで,ときにはついつい余計な一言も発しながら仕事をしている。私もそのような態度で仕事をしてしまうことは正直あるが,一方で,「過剰依存上等!」とも思っている節がないではない。これはさすがに言いすぎではあるものの,しかし,少し見方を変えてみてほしい。
 24時間365日継続してサービスを提供しなければならない救急診療においては,特に夜間・休日は人手が足りない。頭数も足りなければ,結果として非専門家や若手医師が診療を担当することにもなる。かろうじて診療にあたっている医師とて,くたくた,ふらふらななか,場合によっては患者さんやご家族,さらには他診療科からのプレッシャーも受けながら診療を担当していたり,いつ自身の判断ミスが重大な結果を招いてしまうだろうかと,不安を抱いているのではないだろうか。
 このようななかで,少しでも情報を多く得て,より多くの目をもって判断し,より安全に,ときには効率的に,より短時間で結論にたどり着けるのであれば,画像を積極活用したくなるのも理解できる。
 本来であれば,十分な能力を備えた医師が,十分な数のスタッフとともに,教育的指導も行いながら診療を進めていくのが理想ではあるし,そのような環境下であれば,画像への過剰依存は発生しないであろう。しかし現実はそのような環境にはない。画像診断医を取り巻く環境も同じではないだろうか。昼夜問わず一定以上のサービスを継続して提供しなければならない救急診療にあって,きわめて少ない人員で安全に診療を回すためには,画像診断の果たす役割はきわめて大きいといえる。救急診療の質の底支えをしているといえば烏滸がましいかもしれないが,しかしそれくらいの気概と誇りをもちつつ,少しでも前線で戦う先生方のお力になれるよう,謙虚な気持ちと感謝を忘れずにいたいものである。少なくとも私はそう働くよう先輩方から教えていただいたし,こうした考え方は,仲間とも共有したいと思っている。
 本特集では3段階読影に始まり,“CHECK”リストの活用や,さまざまな読影テクニックが紹介されている。しかし,目の前の画像に真摯に向き合うためには,まず心穏やかでなくてはならない。前向きな気持ちで画像に向かうことも,見逃しを減らす一助となると思う。
 最後になりましたが,本特集発刊までにご迷惑をおかけした関係者の方々に心よりお詫び申し上げます。

松本純一
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目次

■特集:これだけは見逃したくない 重要救急病態の画像診断  企画・編集:松本純一,三村秀文
序説  松本純一
救急CTで見逃しを防ぐための3段階読影と“CHECK”リスト運用のススメ:総論に代えて  三浦剛史ほか
脳梗塞  込田みどりほか
結核  小野貴史
急性大動脈解離  宮内亮輔ほか
急性肺血栓塞栓症  大熊正剛
消化管穿孔  妹尾聡美
腸管絞扼  平木咲子ほか
上腸間膜動脈塞栓症および解離  高橋麻里絵
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