2025年7月号 Vol.41 No.7

読影のお作法−連続画像スライスで追う胸部疾患の診断−

臨床画像 2025年7月号
定価 2,970円(税込) (本体2,700円+税)
  • B5判  124ページ  
  • 2025年6月26日刊行


序説:初学者からベテランまで,思考を深める胸部読影実践ガイド

 私たちを取り巻く医療環境は,AIを含めた技術革新とともに日々進化している。画像診断の分野でもその歩みは止まらず,迅速かつ正確な診断を求める臨床現場のニーズに応える新たな潮流が生まれてきた。本誌の好評企画である「読影のお作法−連続画像スライスで追う」シリーズは,画像診断の新しい流れを象徴する企画の1つである。
 従来の画像診断雑誌が代表的なキー画像の提示に留まっていたのに対し,本誌ではQRコードを用いた連続画像の提示を導入している。これにより,静止画ではとらえきれなかった病変の微細な変化や周囲組織との連続性を把握できるようになる。情報量が飛躍的に向上するだけでなく,臨床現場さながらの読影スタイルで学べるため,より深い病態理解と診断につながると確信している。
 こうした進歩は,経験豊富な専門医だけでなく,これから画像診断を学ぶ初学者にこそ恩恵をもたらすと考える。本誌では,読影の基本作法から診断の重要ポイントまで,丁寧に解説する記事を多数収録した。専門用語の解説に加え,正常解剖との比較,異常陰影のパターン認識,鑑別診断の思考過程まで,段階的に理解が深まるよう構成されており,まるで指導医が寄り添うように,初学者を力強く支える1冊といえるだろう。
 今回のシリーズで取り扱うのは,臨床で頻繁に遭遇する胸部疾患である。肺炎や肺結核などの感染症,早期発見が求められる肺癌,診断が難しい間質性肺炎,呼吸不全の原因となる肺水腫,まれだが重要な鑑別対象となる肺嚢胞性疾患まで,日ごろ気になる胸部疾患を幅広く網羅した内容にした。
 特筆すべきは,連続画像に精通したエキスパートの先生方に原稿を依頼させていただいた点である。連続画像を活用した読影法,陥りやすい落とし穴,診断精度を高めるポイントなどを豊富な症例とともにわかりやすく解説されており,「なぜそう読むのか」,「何が読み取れるのか」といった思考過程を明示することで,読影スキル向上に寄与する内容となっている。
 本誌が,画像診断にかかわるすべての医療従事者にとって羅針盤のような存在となり,日々の臨床を力強く支える一助となることを心より願っている。
 多岐にわたる胸部疾患に対し,貴重な知識と経験を惜しみなくご提供くださった執筆者の先生方に,この場を借りて心より深謝申し上げます。
 「さあ,連続画像が拓く新たな画像診断の世界へ,私たちとともに踏み出しましょう!」

梁川雅弘
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目次

■特集:読影のお作法−連続画像スライスで追う胸部疾患の診断−  企画・編集:梁川雅弘,真鍋徳子
【肺の代表的な疾患】
序説:初学者からベテランまで,思考を深める胸部読影実践ガイド  梁川雅弘
◦肺感染症  佐藤晴佳ほか
 肺胞性肺炎,気管支肺炎,肺結核症,非結核性抗酸菌症
◦肺癌およびその鑑別となる良性結節・腫瘤  山崎元彦
 すりガラス影を示す肺癌,充実型結節を示す肺癌,嚢胞成分を示す肺癌,juxta–pleural nodule,肺過誤腫
◦間質性肺炎  上野 碧ほか
 特発性肺線維症(IPFUIP),強皮症合併間質性肺炎(SScNSIP),線維性過敏性肺炎(FHP)
◦肺水腫  土屋奈々絵
  心原性肺水腫(間質性肺水腫),心原性肺水腫(肺胞性肺水腫),僧帽弁逆流による心原性肺水腫,静脈閉塞による限局性肺水腫,急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
◦気胸・肺嚢胞性疾患  永谷幸裕
  単純X線写真やCTによる気胸の存在・重症度評価・ドレナージ適応,続発性特発性気胸の原因となる疾患の画像所見,リンパ脈管筋腫症(LAM),Langerhans細胞組織球症(LCH),ニューモシスチス肺炎,多中心性Castleman病(MCD)
【心大血管の疾患】
序説:見落とせない心血管疾患を拾おう  真鍋徳子
◦急性大動脈解離  富澤信夫
  急性大動脈解離(Stanford A),急性大動脈解離(Stanford A),急性大動脈解離(Stanford B),急性大動脈解離(Stanford B,ULP型),急性心筋梗塞
◦冠動脈疾患  田所導子
  急性冠症候群(ACS),急性心筋梗塞(AMI),亜急性期心筋梗塞,陳旧性心筋梗塞(OMI),心室瘤,心破裂,特発性冠動脈解離(SCAD)
◦肺動脈血栓塞栓症  山崎誘三
 急性肺血栓塞栓症(APE),慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)
◦心臓サルコイドーシス  常田慧徳
  心臓サルコイドーシス(典型例),心臓サルコイドーシス(遅延造影MRIでの評価),心臓サルコイドーシス(T2強調像での評価),心臓サルコイドーシス(体幹部造影CTでの評価)
◦心筋症  橋村宏美
  心筋炎(myocarditis),肥大型心筋症(HCM),拡張型心筋症(DCM),心アミロイドーシス(CA),不整脈原性心筋症(ACM)

●大腸編連載  あなたのための大腸CT
[第2回]Stage 2:VE像で直腸ゾーンを攻略しよう!  鶴丸大介

●特別掲載
第38回JCRミッドウィンターセミナー:読影ハンズオンセミナー誌上再現![第1回]  東 美菜子
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