2025年6月号 Vol.41 No.6

CT検査の指示出し:検査依頼に応える撮影プロトコル

臨床画像 2025年6月号
定価 2,970円(税込) (本体2,700円+税)
  • B5判  112ページ  
  • 2025年5月26日刊行


序説

 CT検査は,現代医療において迅速かつ的確な診断を支える中核的なモダリティであり,その質と安全性を確保するためには,検査依頼に応じた柔軟な検査内容の最適化,すなわち「検査前管理(プレチェック)」,現場用語でいうところの「指示出し」の能力が不可欠である。「指示出し」は,放射線科医に求められる読影スキルと並ぶ重要な臨床能力の1つと位置付けられると考える。
 「指示出し」とは,単に撮影プロトコルを機械的に指定する作業ではない。検査依頼内容を的確に読み取り,検査適応とその妥当性を考慮したうえで,放射線被ばくの最適化および造影剤安全管理に十分配慮し,各患者に最適な検査を提供するプロセスを指す。この過程では,疾患や病態に関する知識に加え,撮影技術,医療安全,さらには医療経済に至るまで,広範な専門知識が要求される。また,「指示出し」は検査現場で一緒に働く診療放射線技師や看護師との情報共有と連携を図るための重要なコミュニケーションツールでもあり,チーム医療の質の向上と現場における信頼関係の強化にも寄与する。
 一方,臨床現場におけるキャリアの初期段階では,検査指示に際して迷いや不安を抱く若手放射線科医が少なくないと考える。実際,検査依頼文にはしばしば曖昧な表現がみられ,検査目的や臨床推論を正確に読み解き,最適なプロトコルを即座に判断することは容易ではない場面も多い。さらに,患者個々の因子を考慮した安全管理も求められるため,若手放射線科医にとって「指示出し」のハードルは決して低くないと推察される。
 このような背景を踏まえ,本特集号では「CT検査の指示出し:検査依頼に応える撮影プロトコル」をテーマに掲げ,各領域でご活躍中の専門家の先生方にご執筆をお願いした。特集は,総論から各臓器・領域別に展開し,頭部,胸部,腹部,心臓,血管,消化管,さらにdual–energy CTや特別な配慮を要する患者に対する指示出しまで,幅広いテーマを網羅している。各稿においては,若手医師が臨床の現場で直面しやすい課題に即して,検査適応の理解,適切なプロトコル選択,撮像技術および造影法の工夫,現場での実践的な注意点が具体的に示されており,単なる理論に留まらない「実用的な知識」が提供されている。
 本特集が,若手放射線科医によるCT検査の適切な指示出し能力の涵養と臨床スキルの向上,さらにはCT検査全体の質的向上に寄与することを心から願う。

尾田済太郎
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目次

■特集:CT検査の指示出し:検査依頼に応える撮影プロトコル  企画・編集:尾田済太郎
CT検査の指示出し総論  尾田済太郎
頭部CT検査の指示出しで大切なこと  篠原祐樹
胸部CTの指示出し  今上雅史ほか
腹部CTの指示出し  戸島史仁
心臓CTの指示出し  木藤雅文
血管CTの指示出し  小池玄文ほか
消化管CTの指示出し  井上明星ほか
小児のCT撮影におけるマネジメント  齋藤祐貴
dual–energy CTの指示出し  長野広明ほか
注意を要する患者の指示出し  岩下孝弥

●大腸編連載  あなたのための大腸CT
[チュートリアル]
CTC攻略法! Super CTC Brothersからの挑戦状  鶴丸大介

[第1回]
大腸腫瘍性病変:仮想内視鏡像での隆起性病変の見え方に慣れよう  三宅基隆
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