2022年6月号 Vol.38 No.6

特集:放射線診断医を悩ませる全身イメージング/特別掲載:原発性アルドステロン症のラジオ波焼灼治療 疾患の基本,医師主導治験から保険収載まで

臨床画像 2022年6月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  112ページ  
  • 2022年5月26日刊行


序説

 全身画像診断は臨床医の理想的な診断ツールである。これが患者への侵襲が少なく,短時間で正確な臨床情報が得られるものであれば,使わない手はない。この臨床現場の要望に応える形で放射線診断学は進歩してきた。特に画像診断機器の進歩は,CTの高速化,薄層化,PET/CTの普及をもたらして久しい。さらにMRIにおける拡散強調像のDWIBS(diffusion–weighted whole body imaging with background suppression)への展開は,前立腺癌に対する全身MRIが保険収載されるようになり,PET/MRIも一部の施設で導入されてきている。これらの全身画像診断は放射線診断医の夢の現実化であるが,さらなる臨床医からの要望を招き,放射線診断医の声には,夢実現の嬉しい悲鳴に激務への悲鳴が混じてきている。
 放射線診断のテキストは,臓器ごと,疾患ごとに詳細な画像診断所見を詳述する形で従来まとめられてきている。このため,全身画像診断において頸部,胸部,上腹部,下腹部,骨軟部の各部位に相当するテキストをすべて参照しながら,読影することは長時間を要し,臨床医からの増大する需要に応えられなくなるジレンマを含む。また,全身MRI検査は保険収載されたとはいえ,積極的に活用する施設とそうでない施設との差が大きい。これらを踏まえ,横断的に全身画像診断の現状をモダリティや臓器の枠を越えて俯瞰する手がかりとなるべく,この特集『放射線診断医を悩ませる全身イメージング』を企画した。
 まず全身画像診断を考えるうえで,放射線診断医の負担に関し日本医学放射線学会,放射線専門医会で指導されている山田 惠先生に,その分析,提言を解説いただいた。また,全身CT検査の欠かせない救急現場での外傷に対する撮影法から読影法救急部との連携まで市木純哉先生らに詳述いただき,普段全身外傷に触れる機会の少ない筆者のような放射線診断医には,とても勉強となる解説をいただいた。次に悪性疾患を多くみている兵庫県立がんセンターの筆者が日々の経験から固形悪性腫瘍にまつわる全身CTの注意点をまとめてみた。血液悪性疾患の画像診断は,全身にわたるものであり,そのFDG–PET/CTとDWIBSのポイントを血液内科の経験から多田雄真先生らにわかりやすく解説いただいた。日々の診療でDWIBSを主軸とする全身MRIの豊富な経験のある片平和博先生に読影のポイントとその限界も含め,豊富な症例とともに紹介いただいた。全身MRIに戸惑う放射線診断医に大いに参考となる解説をいただいた。FDG–PET/CTに関して広汎な読影の注意点を大西章仁先生にまとめていただいたのは,日常読影で役立つアトラスになっている。一部での導入に留まるPET/MRIについて,曽 菲比先生らにその有用性をわかりやすい画像とともに簡潔に紹介いただいた。関心を持つが導入できない施設の放射線科医がPET/MRIを位置付けする指標になると考えられる。
 困難なテーマにもかかわらず,また,大変忙しいなか,快くお引き受けいただき,素晴らしい解説をいただいた先生方には深謝いたします。
 進歩,画像枚数増加が激しい全身画像診断に一石を投ずる特集となれば本望である。

竹中大祐
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目次

■特集:放射線診断医を悩ませる全身イメージング  企画・編集:竹中大祐
序説  竹中大祐
急増する放射線科の業務量は制御可能か?  山田 惠
外傷全身CT  市木純哉ほか
悪性腫瘍(固形癌)の全身CT  竹中大祐
血液悪性腫瘍の全身画像診断  多田雄真ほか
WB(whole body)–MRIを用いた画像診断  片平和博
PET/CTによる全身画像診断の注意点  大西章仁
18F–FDG PET/MRIを用いた全身画像診断−PETとDWIBSの比較−  曽 菲比ほか

■特別掲載
・原発性アルドステロン症のラジオ波焼灼治療 疾患の基本,医師主導治験から保険収載まで
 [第1回]疾患概念と治療の実際  高瀬 圭
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