2021年1月号 Vol.37 No.1

特集1:地力が伸ばせる腹部画像診断:消化器・肝・胆・膵/特集2:主治医が求める読影レポートの書き方

臨床画像 2021年1月号
定価 2,750円(税込) (本体2,500円+税)
  • B5判  160ページ  
  • 2020年12月26日刊行


『臨床画像』リニューアルのごあいさつ

 長い年月にわたって親しまれてきたこの『臨床画像』は,今回から大幅なリニューアルを行うことになりました。ご覧のとおり,今回から画像が大きくなり,さらに画像の数を増やすことによって,多くの若い読者に親しみやすい誌面作りを心がけており,今回のリニューアルが目指す大きな目標になります。
 さらに昨年から試みてきた改革として,特集を2つ取り上げ,充実を図る点が挙げられます。【特集1】としては「読影を学べるテーマ」を特に若手の読者に向けて取り上げます。画像を豊富に掲載し,画像を中心に読影のポイントを解説する誌面作りを目指します。また,【特集2】としては時機に応じた重要な話題,知見,モダリティごとのトピックを取り上げ,ややコンパクトながらもポイントを突いたタイムリーな特集として企画していきます。
 さらに単発記事や連載記事の充実を図ります。連載記事として放射線診断およびその関連領域での重要な話題を取り上げます。初回の連載は日本専門医機構認定専門医制度です。新しい研修制度への基本的な対処法を知る手がかりとなれば幸いです。
 この新たな『臨床画像』がさらに多くの読者に受け入れられることを祈って止みません。

編集主幹
江原 茂

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序説(特集1:地力が伸ばせる腹部画像診断:消化器・肝・胆・膵)

 「Radiologists would be out of a job in 5 to 10 years. We should stop training radiologists right now.」これはトロント大学とGoogleで勤務するコンピュータ科学者のジェフリー・ヒントン氏が2016年に発した言葉である。AI時代を迎え,これまでの知見をAIにより効率的に使用していくツールを開発しつつあった画像診断学にとって,強烈な向かい風となる発言であった。特にわが国では画像診断医の不足が深刻で,昨今の画像診断報告書未確認問題なども社会を騒がせ,画像診断医が臨床現場を支える体制を強化すべく学会や各施設が取り組んでいるさなかのことであった。あれから4年が経過するが,仕事が減ることはまったくなく,むしろ次世代の画像診断への門戸が徐々に開かれつつある。AI時代を迎えるにあたり,重要なことは担い手となる次世代の育成である。画像診断の知識と経験をもち,柔軟にAIに対応していく若手放射線科医こそ,次の時代の宝であるといえる。
 今回の特集では「地力が伸ばせる腹部画像診断」と題して,1月号にて「消化器・肝・胆・膵」領域,2月号にて「婦人科・腎・泌尿器」領域を中心に取り上げる。いわゆる腹部領域とは扱う臓器や疾患が多く,解剖学の知識も多岐にわたるため,往々にして画像診断初学者に敬遠されがちな領域である。内科医や外科医も各々の専門領域においては,ある一定の読影力をもち合わせており,画像診断を専門とする放射線科医としてはしっかりとした基礎知識を身につけることが重要であろう。本特集では胃・十二指腸・小腸・結腸・肝・胆道・膵・直腸をテーマとして,画像からみる基本的な解剖学的知識と,遭遇する頻度の高い疾患を中心に解説する。本特集号から書面も完全リニューアルされ,座学のような解説は最小限に留め,画像のみるべきポイントがわかりやすく解説されている。特にこれから画像診断専門医を目指す方々にとってはティーチングファイルとして,すでに画像診断専門医を取得されている方々にはアトラスとして日々の読影に役立てば幸いである。

五島 聡

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序説(特集2:主治医が求める読影レポートの書き方)

 画像診断医にとって読影レポートの作成は基本にして一生の仕事であり,必要十分なレポートが書けるようになることは研修医や若手放射線科医にとって重要かつ興味のもたれるところである。また現在専門医として日々レポートを作成している先生方も,筆者のようにそもそもよいレポートとはなんなのかと迷ったり,また不慣れな領域のレポート作成には不安を覚えることもあるのではないのだろうか。そこで今回「読影レポートの書き方」に焦点をおき,本特集を企画した。
 まず近年注目されているstructured report(構造化記載形式)にも言及しながら,読影レポートの書き方について,信州大学 画像医学教室の山田 哲先生に概説いただいた。またよいレポートとは何かをご教授いただきたいと考え,筑波大学 放射線診断・IVR科の南 学先生,京都府立医科大学 放射線診断治療学講座の山田 惠先生,東北大学 放射線診断科の影山咲子先生らに,「私の考えるよいレポート」と題し,執筆を依頼させていただいた。
 次に各論として,頭部領域は鳥取大学 画像診断治療学の加藤亜結美先生らに,胸部領域(乳腺MRI)は京都府立医科大学 放射線診断治療学の後藤眞理子先生に,腹部領域(肝・膵中心)は山口大学 放射線医学講座の田辺昌寛先生らに,泌尿生殖器領域(前立腺MRI)は神戸大学 放射線診断学分野の上野嘉子先生らに,各領域に求められるレポートの書き方について解説いただいた。
 「読影レポートの作成のしかた」という画像診断医にとっては永遠のテーマを取り上げたため,筆者も一画像診断医として思い入れが強くなってしまい,半分だめもとで高名な先生方に執筆を依頼させていただいたが,驚いたことに,すべての先生が執筆を承諾してくださった。各先生方のご尽力により,自由文記載形式と構造化記載形式のレポート作成の利点・欠点,よいレポートとは何なのか,そして各領域で求められるレポートの書き方まで,非常に充実した内容となった。監修にあたり原稿を拝読させていただいたが,「こんな特集が私は読みたかった! 」という内容になっており,夢中になって熟読させていただいた。お忙しいなか本特集の執筆を引き受けてくださった先生方に深謝するとともに,本特集が読者のみなさんの明日からのレポート作成のお役に立てれば編者として大変嬉しい。

中村優子
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目次

■特集 1:地力が伸ばせる腹部画像診断:消化器・肝・胆・膵  企画・編集:五島 聡
 序説  五島 聡
 胃  吉澤恵理子ほか
 十二指腸  林 勇気ほか
 小腸(空腸・回腸)  藤本敬太ほか
 結腸のcommon disease  三宅基隆
 肝  米田憲秀ほか
 胆道  成田晶子ほか
 膵  辻 悠佑
 直腸  小澤瑞生ほか

■特集 2:主治医が求める読影レポートの書き方  企画・編集:中村優子
 序説  中村優子
 読影レポートの書き方−自由文記載形式と構造化記載形式−  山田 哲
 私が考えるよいレポート
  ①放射線診断研修医のためのレポート作成に関する提言−  南 学
  ②コミュニケーションツールとしての読影レポート−  山田 惠
  ③思考過程がわかる・伝わるレポート−  影山咲子ほか
 頭部領域に求められるレポートの書き方−脳血管障害の読影のポイント−  加藤亜結美ほか
 胸部領域に求められるレポートの書き方−乳房MRI−  後藤眞理子
 腹部領域に求められるレポートの書き方−肝・膵を中心に−  田辺昌寛ほか
 泌尿生殖器領域に求められるレポートの書き方  上野嘉子ほか

●連載
・新連載 先生, 日本専門医機構認定専門医制度について聞かせてください![第1回]
  総説  村上卓道
 「日本専門医機構」認定放射線科専門医の更新,あるいは移行はどうすればよいですか?  村上卓道
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