超音波白内障手術ABC

手術を成功させるためのFirst Step

超音波白内障手術ABC

■編集 大鹿 哲郎

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5変型判  208ページ  一部カラー
  • 2002年3月28日刊行
  • ISBN978-4-89553-994-4

超音波水晶体乳化吸引術(PEA)装置の性能の向上と眼内レンズ(IOL)の実用化により,超音波白内障手術は安全な術式として,今日,広く行われている。本書では,これからPEA手術を習得しようとする若手の医師に手術のシステムから手技までがわかるように,イラストを多用し,器具の扱い方,手術中のポジションなど,手術の初歩の初歩からわかりやすく解説する。また勤務医や開業医が座右に置いて,いつでも基本に立ち返ることのできる手術マニュアルとして役立つ内容となっている。


序文

 多くの先達の努力と工夫,さらには手術機器・器具の進歩,生理薬理学的な知識の蓄積により,混濁水晶体に対する治療法は,超音波水晶体乳化吸引術+後房眼内レンズ挿入術として,今まさに成熟期を迎えようとしている。白内障手術は眼科手術の基本となり,それを通じて眼科医は多くの顕微鏡手術手技を身につけていく。
 しかし,白内障手術の完成度が高まれば,一方で手術教育の問題は難しさを増す。つまり,手術結果に求められる水準は上がり,手術時間に対する要求も厳しくなる。スムースな手術が求められ,手術合併症は許されず,また術後は速やかな視力回復が当然である。初心者だからといってトラブルが許されるわけはなく,やたら長時間の手術を行ってよいはずはない。
 超音波白内障手術がわが国で普及し始めたころは,系統だてた手術理論はなく,超音波装置に対する正確な理解もなかったために,手術修得はトライ&エラー方式,経験則の積み重ね方式であった。しかし,手術理論が確立し,知識が蓄積した現在,科学的で効率的な教育システムを通じた手術修得が可能となった。
 本書では手術理論に基づいた効率的な教育システムに資する目的で,超音波白内障手術のABCをイラストを多用して展開した。これから超音波白内障手術を学んでいこうとする術者,修得過程にある術者,さらには手術教育を担当する術者に役立つ基本書となって欲しいというのが編者の目論見である。
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目次

I.基礎知識
 白内障手術に必要な解剖
 顕微鏡の機能と使い方
 PEA装置の原理・セットアップ
 PEA装置の種々
 IOLの種類
 手術の模擬練習
 
II.術前準備
 必要な術前検査
 眼軸測定,IOL度数計算
 消毒,術野の準備
 麻酔
 助手の務め方
 器具の持ち方・使い方
 
III.基本手技
 強角膜切開創の作成
 前嚢切開と水流核皮質分離
 難症例での前嚢切開
 PEA手技−一手法
 PEA手技−二手法
 ECCEへのコンバート
 PMMA IOL挿入法
 foldable IOL挿入法
 
IV.術中合併症
 浅前房,高硝子体圧
 CCC失敗
 創口作成不備
 創口熱傷
 核分割の困難
 皮質吸引の困難
 後嚢破損
 核落下
 IOL嚢外固定・毛様溝縫着
 
V.術後合併症
 眼圧上昇
 創口閉鎖不全
 眼内炎
 IOL偏位
 IOL度数不備
 
Appendix
 手術に臨む心構え〜研修医・指導医へのアドバイス
 研修医は語る
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