リハビリテーション治療の味方
現場目線のお薬ポイント手帳

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定価 3,080円(税込) (本体2,800円+税)
- B6変型判 304ページ 2色,イラスト120点
- 2025年3月31日刊行
- ISBN978-4-7583-2450-2
序文
リハビリテーション治療は,対象者の回復を支援する重要な手段です。多くの対象者には原疾患の治療や痛みの軽減などさまざまな目的で薬物治療が行われているため,薬剤の知識がとても重要となります。薬物治療を受ける対象者においては思わぬリスクが生じることがあります。しかし,適切な薬剤の知識をもち,薬物相互作用や副作用を事前に把握することで,リハビリテーション治療中の急激な体調不良や副作用の悪化を避けることができます。また,薬剤の服用時期や用量について対象者の特性に応じた調整を理解することで,リハビリテーション治療をより安全で効果的に行えるようになります。
本書では,薬剤における副作用を明瞭に示し,リハビリテーション治療における薬物療法のリスク管理について解説しています。また,豊富なイラストを用いて複雑な薬理作用を理解しやすく解説し,臨床現場で活用しやすい構成としました。本書を片手に薬剤の知識を深め,今までよりも一歩踏み込んだリハビリテーション治療につながれば幸いです。
最後になりますが,専門的かつ実践的なご指導をいただきました監修の先生方,読者の理解が進むよう多くの支援をいただきましたメジカルビュー社編集部の方々に,この場を借りて深く感謝申し上げます。
2025年3月
鈴木啓介
本書では,薬剤における副作用を明瞭に示し,リハビリテーション治療における薬物療法のリスク管理について解説しています。また,豊富なイラストを用いて複雑な薬理作用を理解しやすく解説し,臨床現場で活用しやすい構成としました。本書を片手に薬剤の知識を深め,今までよりも一歩踏み込んだリハビリテーション治療につながれば幸いです。
最後になりますが,専門的かつ実践的なご指導をいただきました監修の先生方,読者の理解が進むよう多くの支援をいただきましたメジカルビュー社編集部の方々に,この場を借りて深く感謝申し上げます。
2025年3月
鈴木啓介
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目次
1章 薬剤の基本を知ろう 鈴木啓介
リハビリテーションスタッフが薬剤の知識が必要な理由
薬剤の主作用と副作用
薬物動態
薬剤の形状や種類
ポリファーマシー
2章 感染症の薬剤とリスク管理 鈴木啓介
感染症の方がショック状態
ペニシリン系抗菌薬|アナフィラキシーショック
感染症の方が発赤やかゆみを訴えている
セフェム系抗菌薬|アレルギー反応
感染症の方が意識障害を起こしている
カルバペネム系抗菌薬|中枢神経症状
感染症の方が頻脈(心室頻拍)を起こしている
マクロライド系抗菌薬|QT延長,心室頻拍
感染症の方が貧血を訴えている
オキサゾリジノン系抗菌薬|骨髄抑制
感染症の方が耳鳴りでこちらの声を聞きづらそうにしている
アミノグリコシド系抗菌薬|聴力障害,神経・筋ブロック
感染症の方が吐き気を訴えている
テトラサイクリン系抗菌薬|悪心,光線過敏症,歯牙着色
感染症の方が低血糖を起こしている
ニューキノロン系抗菌薬|中枢神経症状,QT延長,低血糖
症例① 誤嚥性肺炎
3章 中枢神経疾患の薬剤とリスク管理
①脳梗塞 久保光正
脳梗塞の方の意識障害が悪化している
血栓溶解薬|出血性梗塞
脳梗塞の方が倦怠感により活動を拒否している
エダラボン|急性腎障害
脳梗塞の方が下血している
抗凝固薬|消化管出血
②くも膜下出血 久保光正
くも膜下出血の方の意識レベルが低下している
抗攣縮薬|頭蓋内出血
③脳出血 久保光正
脳出血の方に心不全兆候が出現している
抗脳浮腫薬|心不全所見
脳出血の方に下腿浮腫が出現している
Ca拮抗薬|浮腫
脳出血の方が呼吸困難を訴えている
ACE 阻害薬|喘鳴・呼吸困難
脳出血の方に脱力がみられる
ARB|脱力
脳出血の方に徐脈が出現している
β遮断薬|徐脈
脳出血の方が離床時に失神を起こした
α遮断薬|起立性低血圧
④パーキンソン病 馬場博規
パーキンソン病の方の体が動いてしまう・動けなくなってしまう
L-dopa,ドパミン受容体作動薬|運動合併症,on off 現象 COMT 阻害薬|運動合併症
パーキンソン病の方の言動がおかしい(幻覚・妄想)
選択的 MAO-B 阻害薬|幻覚,妄想,血圧変動
パーキンソン病の方に見当識障害がみられる
抗コリン薬|せん妄,認知機能低下
⑤脊髄小脳変性症 馬場博規
脊髄小脳変性症の方が痙攣を起こしている
運動失調治療薬|痙攣
脊髄小脳変性症の方が下肢に力が入らないと訴えがある
抗痙攣薬|筋緊張低下
症例② パーキンソン病 馬場博規
4章 整形外科疾患の薬剤とリスク管理 細川真登
①骨折・変形性の関節疾患
骨折や変形性関節症の方が腹痛を訴えている
NSAIDs|消化器症状,呼吸器症状
骨折や変形性関節症の方の肝機能が悪化している
アセトアミノフェン|肝機能障害
骨折や変形性関節症の方が吐き気を訴えている
オピオイド(弱オピオイド)非麻薬性:トラマドール,麻薬性:コデインリン酸塩|悪心,吐き気
骨折や変形性関節症の方が意識がもうろうとしている
オピオイド(強オピオイド)モルヒネ,フェンタニル|意識障害,せん妄
長期間痛みを訴える神経障害の方がめまいを訴えている
Caチャネルa2δリガンド拮抗薬|めまい,傾眠,転倒
②骨粗鬆症
骨粗鬆症の方が胸焼けや胸部不快感を訴えている
ビスホスホネート|30分間の座位
骨粗鬆症の方が下肢の痛みと腫脹を訴えている
SERM|深部静脈血栓症(DVT)
骨粗鬆症の方が身体の倦怠感を訴えている
副甲状腺ホルモン|高Ca血症,倦怠感
COLUMN 骨粗鬆症に関するその他の薬剤
③関節リウマチ
関節リウマチの方が感染を繰り返している
DMARDs|感染症,消化器症状,肝機能症状,骨髄抑制
症例③ 脊椎手術術後
5章 循環器疾患の薬剤とリスク管理 瀧野皓哉
①心不全
心不全の方の血圧が低下している
ACE阻害薬|血圧低下
心不全の方がめまいやふらつきを訴えている
ARB|血圧低下
心不全の方が低血圧を起こしている
ARNI|血圧低下
心不全の方がめまいや倦怠感を訴えている
β遮断薬|血圧低下,心拍数低下
心不全の方が起立性低血圧を起こしている
αβ遮断薬|血圧低下
心不全の方に脱力感が生じている
選択的アルドステロン拮抗薬|高カリウム血症
心不全の方が尿路感染を起こしている
SGLT2阻害薬|尿路感染,体重減少
心不全の方が周囲を見えづらそうにしている
HCNチャネル阻害薬|心拍数低下,視覚症状
心不全の方が尿量が増え,低血圧を起こしている
α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤|血圧低下
心不全の方が脱力感を訴えている
ループ利尿薬|血圧低下
心不全の方が倦怠感を訴えている
サイアザイド(チアジド)系利尿薬|血圧低下
心不全の方がのどの渇きを訴えている
バソプレシンV2受容体拮抗薬|血圧低下,脱水
心不全の方に徐脈が生じている
ノルアドレナリン|末梢虚血
心不全の方に不整脈が生じている
ドブタミン|不整脈
心不全の方の循環動態が不安定
ドパミン|末梢虚血
心不全の方に不整脈が生じている
ジギタリス製剤|不整脈
心不全の方に心室頻拍が生じている
ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬|不整脈
②不整脈
頻脈の方のQT間隔が延長している
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰa群)| QT間隔延長に伴う心室性不整脈
心室性頻脈の方がめまいを訴えている
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰb群)|不整脈
心房性頻脈の方のQRS 幅が延長している
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰc群)|不整脈
不整脈の方がめまいを訴えている
Ⅱ群β遮断薬|徐脈
心室性頻脈の方に新たな不整脈が出現している
Ⅲ群Kチャネル遮断薬|催不整脈作用
心房性頻脈の方が低血圧を起こしている
Ⅳ群Ca拮抗薬(非ジヒドロピリジン系)|血圧低下
心房細動の方に出血傾向がみられる
抗凝固薬 DOAC|出血
心房細動の方の上下肢に皮下出血が生じている
抗凝固薬 ワルファリン|出血
③虚血性心疾患
狭心症の方が起立性低血圧を生じている
Ca拮抗薬|血圧低下
虚血性心疾患の方の出血が止まりにくい
チエノピリジン系抗血小板薬・シクロオキシゲナーゼ阻害薬|出血
虚血性心疾患の方が低血圧症状を訴えている
硝酸薬|血圧低下
④末梢動脈疾患
末梢動脈疾患(PAD)の方に頻脈が出現している
ホスホジエステラーゼ阻害薬|出血
症例④ 虚血性心不全
6章 呼吸器疾患の薬剤とリスク管理 渡辺伸一
①COPD・気管支喘息
COPD・気管支喘息の方の脈が速い
気管支拡張薬 β2 刺激薬|頻脈
COPD・気管支喘息の方がのどの渇きを訴えている
気管支拡張薬 抗コリン薬(吸入LAMA)|口渇
COPD・気管支喘息の方が嘔吐・下痢を起こしている
気管支拡張薬 テオフィリン|消化器症状,中枢神経症状,循環器症状
COPD・気管支喘息の方が口の中の異常感覚を訴えている
抗炎症薬 吸入ステロイド(ICS)/LABA 配合薬|吸入後のうがい励行
②間質性肺炎
間質性肺炎の方が吐き気を訴えている
抗線維化薬 NAC|吐き気
間質性肺炎の方の皮膚が赤くなっている
抗線維化薬 ピルフェニドン|光過敏症
間質性肺炎の方が手足の力が入らないと訴えている
副腎皮質ステロイド|感染,糖尿病,ステロイドミオパチー
間質性肺炎の方に感染症が生じている
免疫抑制薬|易感染
③人工呼吸器管理
人工呼吸器管理の方の意識レベルが低い
鎮静薬|呼吸抑制,せん妄
人工呼吸器管理の方の筋力低下が進んでいる
筋弛緩薬|ICU-AW発症
7章 代謝性疾患の薬剤とリスク管理 小池孝康
①糖尿病
糖尿病の方が意識もうろうとしている
スルホニル尿素薬,グリニド薬|低血糖
糖尿病の方が冷や汗をかいている①
DPP-4阻害薬|低血糖(SU薬との併用)
糖尿病の方が冷や汗をかいている②
グリミン薬|低血糖(SU薬との併用)
低血糖の糖尿病の方にジュースを飲んでもらっても血糖値が上がらない
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)|低血糖時の対応に注意
糖尿病の方が倦怠感や筋肉痛を訴えている
ビグアナイド薬|乳酸アシドーシス
糖尿病の方が浮腫んでいる
チアゾリジン薬|浮腫:心不全注意
糖尿病の方が倦怠感を訴えている
インスリン製剤|低血糖,運動のタイミング
糖尿病の方の血圧が低下している
SGLT2阻害薬|脱水,筋力低下
糖尿病の方が吐き気を訴えている
GLP-1受容体作動薬|吐き気,食欲不振
糖尿病の方の体重が必要以上に低下している
GLP-1受容体作動薬|食欲不振 SGLT2 阻害薬|脱水,異化亢進
②脂質異常症
脂質異常症の方が全身の筋肉に痛みを訴えている
HMG-CoA還元酵素阻害薬/フィブラート系薬剤|横紋筋融解症
脂質異常症の方が筋肉や骨の痛みを訴えている
陰イオン交換樹脂(レジン)製剤|脂溶性ビタミンや葉酸などのビタミン不足
脂質異常症の方が下痢を訴えている
小腸コレステロールトランスポーター阻害剤|下痢などの消化器症状
症例⑤ 糖尿病
8章 腎疾患の薬剤とリスク管理 河野健一
①腎疾患
慢性腎疾患の方の空咳が続いている
ACE阻害薬|咳嗽
慢性腎疾患の方が脱力感を訴えている
ARB|高カリウム血症
慢性腎疾患の方が頭痛を訴えている
Ca拮抗薬|頭痛
慢性腎疾患の方に高血圧が生じている
エリスロポエチン|高血圧
慢性腎疾患の方が吐き気を訴えている
鉄剤|吐き気,腹痛,便秘
②透析
透析療法中の方が吐き気を訴えている
リン吸着薬(高リン血症治療薬)|吐き気,消化器症状,高カルシウム血症
透析療法中の方がお腹の張りを訴えている
カリウム吸着薬(高カリウム血症治療薬)|便秘
透析療法中の方が食欲不振を訴えている
活性型ビタミンD製剤|高カルシウム血症
症例⑥ 慢性腎不全
9章 がんの薬剤とリスク管理 福島卓矢,鈴木克喜
がんの方が吐き気を訴えている
化学療法誘発性悪心・嘔吐
がんの方が発熱を訴えている
発熱性好中球減少症
がんの方が点状出血を訴えている
血小板減少
がんの方が倦怠感を訴えている
がん関連倦怠感
がんの方が手足の動かしにくさを訴えている
化学療法誘発性末梢神経障害(運動神経)
がんの方が手足のしびれを訴えている
化学療法誘発性末梢神経障害(感覚神経)
がんの方が骨の痛みを訴えている
骨粗鬆症
がんの方が心機能障害を呈している
がん治療関連心機能障害
がん悪液質の方の心電図に異常が生じている
心電図異常,高血糖,肝機能障害
がんの方が呼吸困難感や空咳を訴えている
間質性肺炎
がんの方が便秘を訴えている
便秘
がんの方が椅子から立ち上がりにくいと訴えている
ステロイドミオパチー
COLUMN がん薬物療法の特徴
症例⑦ がん
10章 認知症・精神疾患の薬剤とリスク管理
①認知症 合田明生
認知症の方の気分が落ち込んでいる
コリンエステラーゼ阻害薬|精神神経系障害
認知症の方がめまいを訴えている
NMDA受容体拮抗薬|めまい,眠気
認知症の方の身体の動きが悪くなっている
抗精神病薬|錐体外路症状,転倒
COLUMN BPSDに対する薬物療法
②統合失調症 藤井稚也
統合失調症の方の動きが悪くなっている
定型抗精神病薬|錐体外路症状(パーキンソン症候群)
統合失調症の方の体重が増加している
非定型抗精神病薬|肥満,耐糖能異常
統合失調症の方が誤嚥している
抗精神病薬|口渇,嚥下機能低下
③うつ病 加茂智彦
高齢者うつ病の方がめまい・ふらつき状態
SSRI|めまい,ふらつき
うつ病の方の覚醒状態が悪い
SNRI|傾眠,眠気
うつ病の方が眠気を訴えている
NaSSA|眠気,めまい,倦怠感,体重増加
うつ病の方がふらつきを訴えている
抗不安薬,睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)|筋弛緩,めまい,ふらつき,健忘
④せん妄 合田明生
せん妄の方の食事摂取量が落ちている
抗精神病薬|錐体外路症状(嚥下障害)
せん妄の方の覚醒状態が悪い
睡眠薬,催眠薬,抗うつ薬|傾眠
症例⑧ 統合失調症
リハビリテーションスタッフが薬剤の知識が必要な理由
薬剤の主作用と副作用
薬物動態
薬剤の形状や種類
ポリファーマシー
2章 感染症の薬剤とリスク管理 鈴木啓介
感染症の方がショック状態
ペニシリン系抗菌薬|アナフィラキシーショック
感染症の方が発赤やかゆみを訴えている
セフェム系抗菌薬|アレルギー反応
感染症の方が意識障害を起こしている
カルバペネム系抗菌薬|中枢神経症状
感染症の方が頻脈(心室頻拍)を起こしている
マクロライド系抗菌薬|QT延長,心室頻拍
感染症の方が貧血を訴えている
オキサゾリジノン系抗菌薬|骨髄抑制
感染症の方が耳鳴りでこちらの声を聞きづらそうにしている
アミノグリコシド系抗菌薬|聴力障害,神経・筋ブロック
感染症の方が吐き気を訴えている
テトラサイクリン系抗菌薬|悪心,光線過敏症,歯牙着色
感染症の方が低血糖を起こしている
ニューキノロン系抗菌薬|中枢神経症状,QT延長,低血糖
症例① 誤嚥性肺炎
3章 中枢神経疾患の薬剤とリスク管理
①脳梗塞 久保光正
脳梗塞の方の意識障害が悪化している
血栓溶解薬|出血性梗塞
脳梗塞の方が倦怠感により活動を拒否している
エダラボン|急性腎障害
脳梗塞の方が下血している
抗凝固薬|消化管出血
②くも膜下出血 久保光正
くも膜下出血の方の意識レベルが低下している
抗攣縮薬|頭蓋内出血
③脳出血 久保光正
脳出血の方に心不全兆候が出現している
抗脳浮腫薬|心不全所見
脳出血の方に下腿浮腫が出現している
Ca拮抗薬|浮腫
脳出血の方が呼吸困難を訴えている
ACE 阻害薬|喘鳴・呼吸困難
脳出血の方に脱力がみられる
ARB|脱力
脳出血の方に徐脈が出現している
β遮断薬|徐脈
脳出血の方が離床時に失神を起こした
α遮断薬|起立性低血圧
④パーキンソン病 馬場博規
パーキンソン病の方の体が動いてしまう・動けなくなってしまう
L-dopa,ドパミン受容体作動薬|運動合併症,on off 現象 COMT 阻害薬|運動合併症
パーキンソン病の方の言動がおかしい(幻覚・妄想)
選択的 MAO-B 阻害薬|幻覚,妄想,血圧変動
パーキンソン病の方に見当識障害がみられる
抗コリン薬|せん妄,認知機能低下
⑤脊髄小脳変性症 馬場博規
脊髄小脳変性症の方が痙攣を起こしている
運動失調治療薬|痙攣
脊髄小脳変性症の方が下肢に力が入らないと訴えがある
抗痙攣薬|筋緊張低下
症例② パーキンソン病 馬場博規
4章 整形外科疾患の薬剤とリスク管理 細川真登
①骨折・変形性の関節疾患
骨折や変形性関節症の方が腹痛を訴えている
NSAIDs|消化器症状,呼吸器症状
骨折や変形性関節症の方の肝機能が悪化している
アセトアミノフェン|肝機能障害
骨折や変形性関節症の方が吐き気を訴えている
オピオイド(弱オピオイド)非麻薬性:トラマドール,麻薬性:コデインリン酸塩|悪心,吐き気
骨折や変形性関節症の方が意識がもうろうとしている
オピオイド(強オピオイド)モルヒネ,フェンタニル|意識障害,せん妄
長期間痛みを訴える神経障害の方がめまいを訴えている
Caチャネルa2δリガンド拮抗薬|めまい,傾眠,転倒
②骨粗鬆症
骨粗鬆症の方が胸焼けや胸部不快感を訴えている
ビスホスホネート|30分間の座位
骨粗鬆症の方が下肢の痛みと腫脹を訴えている
SERM|深部静脈血栓症(DVT)
骨粗鬆症の方が身体の倦怠感を訴えている
副甲状腺ホルモン|高Ca血症,倦怠感
COLUMN 骨粗鬆症に関するその他の薬剤
③関節リウマチ
関節リウマチの方が感染を繰り返している
DMARDs|感染症,消化器症状,肝機能症状,骨髄抑制
症例③ 脊椎手術術後
5章 循環器疾患の薬剤とリスク管理 瀧野皓哉
①心不全
心不全の方の血圧が低下している
ACE阻害薬|血圧低下
心不全の方がめまいやふらつきを訴えている
ARB|血圧低下
心不全の方が低血圧を起こしている
ARNI|血圧低下
心不全の方がめまいや倦怠感を訴えている
β遮断薬|血圧低下,心拍数低下
心不全の方が起立性低血圧を起こしている
αβ遮断薬|血圧低下
心不全の方に脱力感が生じている
選択的アルドステロン拮抗薬|高カリウム血症
心不全の方が尿路感染を起こしている
SGLT2阻害薬|尿路感染,体重減少
心不全の方が周囲を見えづらそうにしている
HCNチャネル阻害薬|心拍数低下,視覚症状
心不全の方が尿量が増え,低血圧を起こしている
α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤|血圧低下
心不全の方が脱力感を訴えている
ループ利尿薬|血圧低下
心不全の方が倦怠感を訴えている
サイアザイド(チアジド)系利尿薬|血圧低下
心不全の方がのどの渇きを訴えている
バソプレシンV2受容体拮抗薬|血圧低下,脱水
心不全の方に徐脈が生じている
ノルアドレナリン|末梢虚血
心不全の方に不整脈が生じている
ドブタミン|不整脈
心不全の方の循環動態が不安定
ドパミン|末梢虚血
心不全の方に不整脈が生じている
ジギタリス製剤|不整脈
心不全の方に心室頻拍が生じている
ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬|不整脈
②不整脈
頻脈の方のQT間隔が延長している
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰa群)| QT間隔延長に伴う心室性不整脈
心室性頻脈の方がめまいを訴えている
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰb群)|不整脈
心房性頻脈の方のQRS 幅が延長している
Ⅰ群Naチャネル遮断薬(Ⅰc群)|不整脈
不整脈の方がめまいを訴えている
Ⅱ群β遮断薬|徐脈
心室性頻脈の方に新たな不整脈が出現している
Ⅲ群Kチャネル遮断薬|催不整脈作用
心房性頻脈の方が低血圧を起こしている
Ⅳ群Ca拮抗薬(非ジヒドロピリジン系)|血圧低下
心房細動の方に出血傾向がみられる
抗凝固薬 DOAC|出血
心房細動の方の上下肢に皮下出血が生じている
抗凝固薬 ワルファリン|出血
③虚血性心疾患
狭心症の方が起立性低血圧を生じている
Ca拮抗薬|血圧低下
虚血性心疾患の方の出血が止まりにくい
チエノピリジン系抗血小板薬・シクロオキシゲナーゼ阻害薬|出血
虚血性心疾患の方が低血圧症状を訴えている
硝酸薬|血圧低下
④末梢動脈疾患
末梢動脈疾患(PAD)の方に頻脈が出現している
ホスホジエステラーゼ阻害薬|出血
症例④ 虚血性心不全
6章 呼吸器疾患の薬剤とリスク管理 渡辺伸一
①COPD・気管支喘息
COPD・気管支喘息の方の脈が速い
気管支拡張薬 β2 刺激薬|頻脈
COPD・気管支喘息の方がのどの渇きを訴えている
気管支拡張薬 抗コリン薬(吸入LAMA)|口渇
COPD・気管支喘息の方が嘔吐・下痢を起こしている
気管支拡張薬 テオフィリン|消化器症状,中枢神経症状,循環器症状
COPD・気管支喘息の方が口の中の異常感覚を訴えている
抗炎症薬 吸入ステロイド(ICS)/LABA 配合薬|吸入後のうがい励行
②間質性肺炎
間質性肺炎の方が吐き気を訴えている
抗線維化薬 NAC|吐き気
間質性肺炎の方の皮膚が赤くなっている
抗線維化薬 ピルフェニドン|光過敏症
間質性肺炎の方が手足の力が入らないと訴えている
副腎皮質ステロイド|感染,糖尿病,ステロイドミオパチー
間質性肺炎の方に感染症が生じている
免疫抑制薬|易感染
③人工呼吸器管理
人工呼吸器管理の方の意識レベルが低い
鎮静薬|呼吸抑制,せん妄
人工呼吸器管理の方の筋力低下が進んでいる
筋弛緩薬|ICU-AW発症
7章 代謝性疾患の薬剤とリスク管理 小池孝康
①糖尿病
糖尿病の方が意識もうろうとしている
スルホニル尿素薬,グリニド薬|低血糖
糖尿病の方が冷や汗をかいている①
DPP-4阻害薬|低血糖(SU薬との併用)
糖尿病の方が冷や汗をかいている②
グリミン薬|低血糖(SU薬との併用)
低血糖の糖尿病の方にジュースを飲んでもらっても血糖値が上がらない
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)|低血糖時の対応に注意
糖尿病の方が倦怠感や筋肉痛を訴えている
ビグアナイド薬|乳酸アシドーシス
糖尿病の方が浮腫んでいる
チアゾリジン薬|浮腫:心不全注意
糖尿病の方が倦怠感を訴えている
インスリン製剤|低血糖,運動のタイミング
糖尿病の方の血圧が低下している
SGLT2阻害薬|脱水,筋力低下
糖尿病の方が吐き気を訴えている
GLP-1受容体作動薬|吐き気,食欲不振
糖尿病の方の体重が必要以上に低下している
GLP-1受容体作動薬|食欲不振 SGLT2 阻害薬|脱水,異化亢進
②脂質異常症
脂質異常症の方が全身の筋肉に痛みを訴えている
HMG-CoA還元酵素阻害薬/フィブラート系薬剤|横紋筋融解症
脂質異常症の方が筋肉や骨の痛みを訴えている
陰イオン交換樹脂(レジン)製剤|脂溶性ビタミンや葉酸などのビタミン不足
脂質異常症の方が下痢を訴えている
小腸コレステロールトランスポーター阻害剤|下痢などの消化器症状
症例⑤ 糖尿病
8章 腎疾患の薬剤とリスク管理 河野健一
①腎疾患
慢性腎疾患の方の空咳が続いている
ACE阻害薬|咳嗽
慢性腎疾患の方が脱力感を訴えている
ARB|高カリウム血症
慢性腎疾患の方が頭痛を訴えている
Ca拮抗薬|頭痛
慢性腎疾患の方に高血圧が生じている
エリスロポエチン|高血圧
慢性腎疾患の方が吐き気を訴えている
鉄剤|吐き気,腹痛,便秘
②透析
透析療法中の方が吐き気を訴えている
リン吸着薬(高リン血症治療薬)|吐き気,消化器症状,高カルシウム血症
透析療法中の方がお腹の張りを訴えている
カリウム吸着薬(高カリウム血症治療薬)|便秘
透析療法中の方が食欲不振を訴えている
活性型ビタミンD製剤|高カルシウム血症
症例⑥ 慢性腎不全
9章 がんの薬剤とリスク管理 福島卓矢,鈴木克喜
がんの方が吐き気を訴えている
化学療法誘発性悪心・嘔吐
がんの方が発熱を訴えている
発熱性好中球減少症
がんの方が点状出血を訴えている
血小板減少
がんの方が倦怠感を訴えている
がん関連倦怠感
がんの方が手足の動かしにくさを訴えている
化学療法誘発性末梢神経障害(運動神経)
がんの方が手足のしびれを訴えている
化学療法誘発性末梢神経障害(感覚神経)
がんの方が骨の痛みを訴えている
骨粗鬆症
がんの方が心機能障害を呈している
がん治療関連心機能障害
がん悪液質の方の心電図に異常が生じている
心電図異常,高血糖,肝機能障害
がんの方が呼吸困難感や空咳を訴えている
間質性肺炎
がんの方が便秘を訴えている
便秘
がんの方が椅子から立ち上がりにくいと訴えている
ステロイドミオパチー
COLUMN がん薬物療法の特徴
症例⑦ がん
10章 認知症・精神疾患の薬剤とリスク管理
①認知症 合田明生
認知症の方の気分が落ち込んでいる
コリンエステラーゼ阻害薬|精神神経系障害
認知症の方がめまいを訴えている
NMDA受容体拮抗薬|めまい,眠気
認知症の方の身体の動きが悪くなっている
抗精神病薬|錐体外路症状,転倒
COLUMN BPSDに対する薬物療法
②統合失調症 藤井稚也
統合失調症の方の動きが悪くなっている
定型抗精神病薬|錐体外路症状(パーキンソン症候群)
統合失調症の方の体重が増加している
非定型抗精神病薬|肥満,耐糖能異常
統合失調症の方が誤嚥している
抗精神病薬|口渇,嚥下機能低下
③うつ病 加茂智彦
高齢者うつ病の方がめまい・ふらつき状態
SSRI|めまい,ふらつき
うつ病の方の覚醒状態が悪い
SNRI|傾眠,眠気
うつ病の方が眠気を訴えている
NaSSA|眠気,めまい,倦怠感,体重増加
うつ病の方がふらつきを訴えている
抗不安薬,睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)|筋弛緩,めまい,ふらつき,健忘
④せん妄 合田明生
せん妄の方の食事摂取量が落ちている
抗精神病薬|錐体外路症状(嚥下障害)
せん妄の方の覚醒状態が悪い
睡眠薬,催眠薬,抗うつ薬|傾眠
症例⑧ 統合失調症
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膨大な薬の情報について「現場目線」からエッセンスを抽出して掲載。眼の前の患者さんのリスクに備えられる
膨大な薬の情報について「現場目線」からエッセンスを抽出して掲載した実践書。病院から地域医療まで,実践の中で遭遇しやすい薬の副作用や関連事項を拾い,現場ですぐ活かせるように工夫し,どのような対応をするべきか,なぜ起こったのかを端的に解説した。各章は疾患別に分けて,特徴的な症状から薬の影響を疑えるように構成し,眼の前の患者さんのリスクに備えられるようになっている。