ICU勤務医ポケットマニュアル

ICU勤務医ポケットマニュアル

■監修 黒田 泰弘

■編集 鈴木 浩大
三宅 喬人

定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
  • B6変型判  296ページ  2色(一部カラー),イラスト70点,写真40点
  • 2026年3月13日刊行予定
  • ISBN978-4-7583-2306-2

近刊のため予約販売となります。


集中治療のイロハを1分で解説! 現場での即戦力コンパクトマニュアルがここに誕生!

集中治療科専門医を志す研修医をはじめ,非専門医としてICUや重症患者の管理ユニットに入るすべての医師,new starterに贈る,超実践的ポケットマニュアル。日宿直に入る際にすぐに役立つフローチャート&アクションのエッセンスを大胆に凝縮。ラウンド前の確認やコールされてから実際に1分以内に確認できるチェックポイントをまとめた「1 min check!」で着実に自信が付く!薬剤投与量,手技の手順,機器設定など,現場で必要とされる情報と網羅性も兼ね備える。タスクシフト/シェアや遠隔医療が導入されつつある今だからこそ求められる,集中治療領域の共通言語をモノにできる新世代のバイブル。


序文

監修の序 えっ! ICU ? という医師に一押ししたい1冊

 「ICU担当!? 困った,どうしてよいかわからない。困ったら指導の先生が教えるとは言ってくれたけど……」という方の一番の味方がこの本です。
 ICUといっても施設によってあり方はさまざまです。かつ,患者はいろんな理由でICUに入室してきます。外傷,外科術後,心臓外科術後,脳外科,小児,循環器,熱傷,あるいは敗血症,ショックなど,背景は大きく異なります。また,救命救急ICU,術後ICU,CCU,一般ICUなど,どこのICUに入室するのかも施設によってまったく異なります。そして,集中治療科専門医がすべてをマネジメントしているICUから各診療科医師が患者ごとに対応しているICUまで,これまた病院やICUごとに異なります。それゆえ,各診療科のICUのみかたも多様です。ICUほど職種によってとらえ方が異なる部署は珍しいのでないでしょうか? 疾患別に成り立つ一般病棟からみれば患者はみな重症で,まさにカオスですね。
 ただ,多様なICUがあっても実はICUこそ基本が同じで,共通する部分が多いです。この共通エッセンスを描いたのがこの1冊で,特にこの本のウリである「1—minute check!」に凝縮されています。最も基礎的で重要な部分のみが抽出されているということは,つまりICU入門書としても最適で,もっと言うと,要するにこれだけ読めばよいのです。例えば,「どんな薬をいつから使う?」「量は?」「禁忌は?」「何ページかな?」→「あった! 助かった」。そんな体験ができます。看護師さんと話す際にもこれで一安心です。
 さらに大事なこととして,このマニュアルは部屋にこもって読むものではありません。ICUでは主に看護師さんが患者ケアにあたられていますが,医師と看護師だけではICUは機能しません。集中治療に関連する職種は多種あります。医師,看護師,臨床工学技士,リハビリテーション技師,薬剤師,栄養士,みんなでチーム協業するのがICUです。何よりチームワークです。この本を読むことで,ICUで多職種のプロフェッショナルと向き合うことの重要性に気づいていただけることでしょう。
 最後に一言。日本集中治療医学会の学術集会は多職種で参加しやすいように子連れ参加大歓迎,託児所あり,そしてもちろんドレスコードはスマートカジュアルです。ご夫婦そろってTシャツで気軽に参加し,子供を預けて発表して楽しめる学会ですので,ぜひ一度参加してみてください。そして,今日からあなたの頼れるバディとして,かゆいところに手が届くこの1冊! このマニュアルを通して“働きやすいICU”のモデルを発見してください。

2026年2月
日本集中治療医学会 理事長
あさか医療センターER救急センター長
黒田泰弘

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編集の序 ポケットからICU共通言語の橋渡しを

 集中治療室(ICU)は,医師であっても独特の緊張感を感じる場所です。
 ……アラーム音が鳴り響き,多数のデバイスに囲まれ,患者の状態は刻々と変化する。一歩足を踏み入れると,否,踏み入れてもいないのに内線電話を通じて患者の状態や今後の指示についてこと細かく質問されてしまいストレスを感じる……。
 日頃,集中治療に接することが多くない先生方にとって,あるいは研修を始めたばかりの研修医の若手医師にとっては,ICUでの診療は「何をどこから手をつければいいのかわからない」という不安があるのではないでしょうか。筆者自身,耳鼻咽喉科医として臨床を始め,その後集中治療の道に進んだ経験から,非集中治療科専門医(非専門医)としてICUに立ったときの戸惑いや不安を身をもって体感しました。
 本書は,そのような非専門医に役立つ「ポケットブック」として企画されました。必要となる場面は自分の患者がICUに入室したときだけでなく,いわゆる“ICU当直”を担当しているときかもしれません。どの科の患者でも起こりうる重篤な患者を前にして,何を優先すべきか,どこに注意を向けるべきか,そして「今知りたいこと」「今すぐ行うべきこと」を短時間で確認できることを目指しました。専門的な理論や詳細なエビデンスの網羅ではなく,集中治療医としての心得,現場で役立つ視点,考え方や対応がわかるフローチャート,まず行うべき治療や介入内容を,できるだけ簡潔にまとめています。
 ICU医療はチーム医療です。集中治療医だけでなく,各診療科の医師,看護師,臨床工学技士など多職種が連携して初めて成り立ちます。非専門医がICUの基本的な考え方を理解し,共通言語をもつことは,患者にとって,またチーム全体にとっても大きな利益となります。本書には,その橋渡しをしたいという思いが込められています。
 白衣のポケットに忍ばせ,回診前や当直中,あるいは少し立ち止まって考えたいときに,気軽に開いていただければ幸いです。本書が,ICUという現場で奮闘する皆さまにとってささやかな支えとなることを心より願っています。

2026年2月
岐阜大学大学院医学系研究科 感染症寄附講座 特任准教授
鈴木浩大

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編集の序 自信をカバーする,厳選・集約化された実践書

 皆さんはICUでの診療にかかわる際に,どのようなモチベーションで挑むでしょ
うか?
 ・「腕のみせどころだ。絶対に治してみせる!」
 ・「自信ないな~。上の人に聞きながらなんとなくやるしかないか」
 ・「 え,集中治療専従の先生と看護師さんいるし,お任せ。特に自分がやることは……」
 ・「何もわからないな……とりあえずICUに行って考えよう」
 さまざまな方がいると思いますが,一番上のように自信満々でICU診療にかかわることができる人はあまりおらず,「自信がない」ところから発して,「自信のなさ」のレベルはさまざま,という人が(特に年次の若い医療者では)多いのではないでしょうか。
 ICUに入室する患者の背景疾患は多種多様です。ハイリスク手術後,あるいは内因性疾患,外傷,中毒,院内急変など,個別の背景疾患すべてに精通するのは非常に困難です。しかし,ただ1つ重要な共通点があります。それは“重症であること”です。繊細な個別医療が重視される時代となってきましたが,その大前提である“患者を救命し,状態を安定させる”ということに関して言えば,集中治療における考え方や対応は比較的単純化および集約化されます。つまり,それらの肝を押さえれば,ICUでの診療はより身近になり,ICUは元よりICU外での診療においても大きな味方になるのではないかと考えます。
 この本は,“自信がない人”の味方になるようにと思って作りました。「わからない」,そして「自信がない」人でも,この本をポケットに忍ばせてベッドサイドでみながら診療できることを1つの目標にしています。特に,夜間自分しかいない時間が生じ,突然診ることになった“重症患者”に向き合うときの「精神安定剤」として使用されることを想定しています。集中治療医学の分野においては多くの成書があり,他分野と同様に良書も多いのですが,分厚くていささかハードルが高いのではないでしょうか? 集中治療医学の領域ではエビデンスや手順が確立していないことも多く,そこを遵守すると曖昧な記載を考慮することになり,結局“モヤッ”とする表現にまとまりがちです。このため,内容はあえて筆者らの普段の実践に寄せて厳選し,現場ですぐに活用できることを重視しました。
 皆さんの普段の専門性から,集中治療領域に一歩踏み込める一助としてこの本が機能してくれることを期待しています。そして,皆さんがかかわられる患者のよりよい治療と転帰につながれば大変嬉しいです。

2026年2月
岐阜大学医学部附属病院 高次救命治療センター/講師
三宅喬人
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目次

第1章 ICUについて
 どのような患者がICU入室となるか
 1-1-1 ICUはこんなところ(鈴木浩大)
 1-1-2 ICU勤務医の心得(鈴木浩大)
 1-1-3 ICUへの入室(鈴木浩大)
 ICU緊急入室
 1-2-1 エマージェンシーコール(吉田省造)
 1-2-2 院内迅速対応システム(RRS)(吉田省造)
 ICU退出時
 1-3-1 ICUからの退室(鈴木浩大)
 新しいICUのかたち
 1-4-1 遠隔集中治療(高木俊介)

第2章 ICUに必要な医療器具,医療機器
 適切で迅速な機器取扱い
 2-1-1 救急カート(三宅喬人,鈴木浩大)
 2-1-2 12誘導心電図検査(三宅喬人)
 2-1-3 除細動器(三宅喬人)
 2-1-4 エコー図検査(中尾俊一郎)
 2-1-5 緊急気管支鏡処置(緒方嘉隆,濵口眞成)

第3章 ICUに患者が入室することになったら
 入室後にすること
 3-1-1 ICUでのカルテ記載とABCD(D)‒INTERアプローチ(三宅喬人)
 3-1-2 採血(福田洋丞,鈴木浩大)
 継続指示
 3-2-1 バイタルサイン(鈴木浩大)
 3-2-2 発熱時(内田明寛,鈴木浩大)
 3-2-3 体重測定(鈴木浩大)
 3-2-4 不穏時(内田明寛,鈴木浩大)
 3-2-5 人工呼吸管理時の鎮痛・鎮静(北川雄一郎)
 3-2-6 便秘時(福田哲也)
 3-2-7 血圧上昇時(福田洋丞)
 3-2-8 血糖コントロール(吉村絃希)
 3-2-9 静脈血栓塞栓症予防(吉村絃希)
 3-2-10 ストレス潰瘍予防(吉村絃希)
 スコアリング
 3-3-1 NEWS,APACHEⅡ,SOFA(鈴木浩大)

第4章 心肺蘇生
 心肺蘇生
 4-1-1 ACLSアルゴリズム(安田 立)
 4-1-2 蘇生に関連する薬剤(安田 立)
 4-1-3 開心術/TAVI術後の心肺蘇生(加藤貴吉)
 心肺蘇生後の対応
 4-2-1 心拍再開後(安田 立)

第5章 気道・呼吸
 気道確保
 5-1-1 気管挿管とその適応(上谷 遼,佐々並三紗)
 5-1-2 気管挿管手技(北川雄一郎,上谷 遼)
 5-1-3 気管挿管時に使う薬剤(上谷 遼)
 5-1-4 気管挿管時に使う器具(上谷 遼,大金佑輔)
 5-1-5 ファイバー挿管(上谷 遼)
 5-1-6 気管切開部の管理(柴田博史,宇野女亜香里)
 呼吸療法
 5-2-1 酸素療法(川崎雄輝,鈴木浩大)
 5-2-2 高流量鼻カニューレ(HFNC)療法(鈴木浩大)
 5-2-3 非侵襲的陽圧換気(NPPV)(加納壮一郎,若山佑豪,鈴木浩大)
 人工呼吸管理
 5-3-1 換気様式(黒田あゆみ,鈴木浩大)
 5-3-2 換気設定(黒田あゆみ,鈴木浩大)
 5-3-3 人工呼吸器の離脱,SAT,SBT(岡本 遥)
 5-3-4 抜管後の管理(岡本 遥)
 人工呼吸器管理中のケア
 5-3-5 気管チューブの位置確認と固定(佐藤尚徳)
 5-3-6 体位管理(佐藤尚徳)
 ICUで診る呼吸器疾患
 5-4-1 人工呼吸管理設定(ARDS,喘息重責発作)(黒田あゆみ,鈴木浩大)

第6章 循環
 心機能,弁機能評価
 6-1-1 FoCUS(ベッドサイド心エコー)(成瀬元気)
 機械的補助
 6-2-1 ペーシング(成瀬元気)
 6-2-2 IABP(大動脈バルーンパンピング)(成瀬元気)
 ICUで診る循環器疾患
 6-3-1 頻脈性不整脈(成瀬元気)
 6-3-2 循環不全(成瀬元気)

第7章 意識
 鎮痛・鎮静
 7-1-1挿管・非挿管患者の鎮痛・鎮静(北川雄一郎)
 ICUで診る中枢神経疾患
 7-2-1 挿管患者への神経アプローチ(柿野圭紀)
 7-2-2 非挿管患者への神経アプローチ(柿野圭紀)
 7-2-3 てんかん・痙攣へのアプローチ(柿野圭紀)

第8章 体液・電解質・酸塩基平衡・腎機能
 体液管理,血液ガス分析,輸液と濾過
 8-1-1 体液評価(西尾紋音,三宅喬人,鈴木浩大)
 8-1-2 電解質・補正(Na,K,Ca,Mg,P)(西尾紋音,鈴木浩大)
 8-1-3 酸塩基平衡(安田宜成)
 8-1-4 輸液製剤(西尾紋音,鈴木浩大)
 8-1-5 急性血液浄化療法(三浦智孝)
 ICUで診る腎疾患
 8-2-1 AKI(急性腎障害)(三浦智孝)
 8-2-2 CKD(慢性腎臓病)(三浦智孝)

第9章 栄養・消化管
 ICUにおける栄養
 9-1-1 栄養計算式と活用(福田哲也)
 ICUにおける栄養実践
 9-2-1 経腸栄養(福田哲也)
 9-2-2 静脈栄養(福田哲也)

第10章 血液・凝固
 輸血
 10-1-1 輸血(中村信彦)
 ICUで診る血液凝固疾患
 10-2-1 敗血症性DIC(中村信彦)
 10-2-2 外傷性凝固障害(福田哲也)

第11章 デバイス
 ICUで使うデバイス
 11-1-1 中心静脈カテーテル(CVC)(若山佑豪,鈴木浩大)
 11-1-2 Aライン(動脈ライン)(若山佑豪,鈴木浩大)
 11-1-3 ICPセンサー(柿野圭紀)

第12章 感染症
 総論
 12-1-1 感染症診療の基本(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-1-2 SIRS,qSOFA,SOFAスコア(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-1-3 感染臓器の特定(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-1-4 培養(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-1-5 初期蘇生,敗血症性ショック(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-1-6 ゾーニング(浅野博敬,手塚宜行)
 ICUで診る感染症
 12-2-1 CRBSI(カテーテル関連血流感染)(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-2-2 人工呼吸関連肺炎(VAP)(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-2-3 尿路感染症(加納壮一郎,手塚宜行)
 12-2-4 SSI(手術部位感染)(内藤恵仁,手塚宜行)
 12-2-5 COVID‒19(浅野博敬,手塚宜行)
 12-2-6 腎機能低下時の抗菌薬投与量(内藤恵仁,手塚宜行)

第13章 熱傷
 熱傷診療
 13-1-1 熱傷初期診療(三浦智孝)
 13-1-2 熱傷患者入院後管理(三浦智孝)

第14章 遠隔ICU
 遠隔集中治療実践
 14-1-1 遠隔集中治療の被支援側(高木俊介)
 14-1-2 遠隔集中治療の支援側(高木俊介)
 14-1-3 遠隔集中治療における実施上の注意点(高木俊介)

付録 ICUで使う薬剤一覧
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