- 近刊
- 医学一般
現場で差がつく
デジタル・AI医療
超実践プレイブック

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定価 3,960円(税込) (本体3,600円+税)
- A5判 288ページ オールカラー
- 2025年7月31日刊行予定
- ISBN978-4-7583-2302-4
電子版
序文
はじめに
デジタル技術が医療分野にもたらす革新は,多くの人々にとって,そして臨床医や医療関係者にとっても未知の領域です。本書を手に取られたあなたは,「デジタルヘルスとかデジタル医療って何のこと?」や「デジタル化は電子カルテだけで十分?」といった疑問をもたれ,この新しい領域へ一歩踏み出そうと考えているのではないでしょうか。しかし同時に,「病院のデジタル化を進めたいが,最初に何から手を付ければわからない」と思われている方も少なくないでしょう。
本書は,このような疑問に対して,デジタルヘルスとデジタル医療の基本から実践までをわかりやすく解説することを目指しています。デジタルヘルスとは,医療だけでなく介護や保健の分野を含め,情報通信技術(ICT)/ デジタル技術を活用したあらゆる取り組みを指し,特に医療に関係して臨床現場をさまざまにサポートするものをデジタル医療とよんでいます。
近年,AI(人工知能)やオンライン診療などのデジタル技術が次々と医療現場に応用され,実臨床と患者ケアの質の向上に貢献することが期待されています。しかし,これらの技術が実際にどのように臨床現場で利用されているのか,その具体的な事例,利点や活用方法,さらには注意点については,まだ十分に理解されていないのが現状です。
そこで,本書ではデジタルヘルスあるいはデジタル医療に興味をもちながらも「何から始めればよいかわからない」という初学者を対象に,AI を含むデジタル技術のおおまかな基礎をとらえ,それらを日常の臨床業務にどう取り入れ,具体的にどのような効果を実臨床に与えるのかをご紹介します。また,現在利用可能なデジタルヘルスに関連するツールを医療機器・非医療機器を問わず紹介し,それらを効果的に活用する方法についても本書の範囲としています。
本書を通じて,読者の皆さんがデジタルヘルス・デジタル医療に親しみ,そして明日から実践するための知識とひらめきが得られることを願っています。
2025年6月
野村章洋
--------------------
本書をお手に取っていただき,心より感謝申し上げます。
まずは簡単に自己紹介をさせてください。私は医師として医療現場に身を置いた後,現在はベンチャー投資家として,医療・ヘルスケア・ライフサイエンス分野のスタートアップ企業を支援しています。研修医時代から一貫して抱いてきたのは,「新しいアイデアと技術で,医療現場の効率を高め,患者さんにより質の高いケアを届けたい」という想いです。現在は,医療の未来を創造するベンチャー企業への投資および支援という形で,この想いを少しずつ実現しようと奮闘しております。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せる今,最先端の技術をもつベンチャー企業が果たす役割はますます大きくなっていると感じています。医療現場の最前線で活躍される皆さまと企業の架け橋となり,医療業界の発展に貢献できれば大変嬉しく思います。
近年,急速な高齢化とそれに伴う医療費の増大を背景に,ヘルスケア領域におけるDXの推進は,かつてないほど喫緊の課題となっています。加えて,医療従事者の深刻な人手不足や働き方改革の進展により,限られた人材で効率的に働きながら,質の高いケアを提供することへの要請も一層高まっています。さらに,ウェアラブルデバイスの普及やAI・ビッグデータ解析技術の飛躍的な進歩といった技術革新が急速に進展しており,DX推進に向けた基盤は着実に整いつつあるといえるでしょう。
一方で,日々の臨床現場では,最先端のテクノロジーや革新的な技術,そして私が日々接しているベンチャー企業の取り組みが,まだまだ十分に知られていないと感じています。加えて,目の前の診療に多忙を極める医療従事者の皆さまにとって,新しい情報をキャッチアップする時間的余裕がないという現状も,深く理解しております。
本書が,多忙な皆さまがデジタル医療や最新技術への関心を深めるきっかけとなり,日々の診療に活かせる具体的なヒントをご提供できることを心から願っております。未来の医療をともに創造していくために,ぜひ本書をご活用いただけますと幸いです。
2025年6月
中安杏奈
デジタル技術が医療分野にもたらす革新は,多くの人々にとって,そして臨床医や医療関係者にとっても未知の領域です。本書を手に取られたあなたは,「デジタルヘルスとかデジタル医療って何のこと?」や「デジタル化は電子カルテだけで十分?」といった疑問をもたれ,この新しい領域へ一歩踏み出そうと考えているのではないでしょうか。しかし同時に,「病院のデジタル化を進めたいが,最初に何から手を付ければわからない」と思われている方も少なくないでしょう。
本書は,このような疑問に対して,デジタルヘルスとデジタル医療の基本から実践までをわかりやすく解説することを目指しています。デジタルヘルスとは,医療だけでなく介護や保健の分野を含め,情報通信技術(ICT)/ デジタル技術を活用したあらゆる取り組みを指し,特に医療に関係して臨床現場をさまざまにサポートするものをデジタル医療とよんでいます。
近年,AI(人工知能)やオンライン診療などのデジタル技術が次々と医療現場に応用され,実臨床と患者ケアの質の向上に貢献することが期待されています。しかし,これらの技術が実際にどのように臨床現場で利用されているのか,その具体的な事例,利点や活用方法,さらには注意点については,まだ十分に理解されていないのが現状です。
そこで,本書ではデジタルヘルスあるいはデジタル医療に興味をもちながらも「何から始めればよいかわからない」という初学者を対象に,AI を含むデジタル技術のおおまかな基礎をとらえ,それらを日常の臨床業務にどう取り入れ,具体的にどのような効果を実臨床に与えるのかをご紹介します。また,現在利用可能なデジタルヘルスに関連するツールを医療機器・非医療機器を問わず紹介し,それらを効果的に活用する方法についても本書の範囲としています。
本書を通じて,読者の皆さんがデジタルヘルス・デジタル医療に親しみ,そして明日から実践するための知識とひらめきが得られることを願っています。
2025年6月
野村章洋
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本書をお手に取っていただき,心より感謝申し上げます。
まずは簡単に自己紹介をさせてください。私は医師として医療現場に身を置いた後,現在はベンチャー投資家として,医療・ヘルスケア・ライフサイエンス分野のスタートアップ企業を支援しています。研修医時代から一貫して抱いてきたのは,「新しいアイデアと技術で,医療現場の効率を高め,患者さんにより質の高いケアを届けたい」という想いです。現在は,医療の未来を創造するベンチャー企業への投資および支援という形で,この想いを少しずつ実現しようと奮闘しております。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せる今,最先端の技術をもつベンチャー企業が果たす役割はますます大きくなっていると感じています。医療現場の最前線で活躍される皆さまと企業の架け橋となり,医療業界の発展に貢献できれば大変嬉しく思います。
近年,急速な高齢化とそれに伴う医療費の増大を背景に,ヘルスケア領域におけるDXの推進は,かつてないほど喫緊の課題となっています。加えて,医療従事者の深刻な人手不足や働き方改革の進展により,限られた人材で効率的に働きながら,質の高いケアを提供することへの要請も一層高まっています。さらに,ウェアラブルデバイスの普及やAI・ビッグデータ解析技術の飛躍的な進歩といった技術革新が急速に進展しており,DX推進に向けた基盤は着実に整いつつあるといえるでしょう。
一方で,日々の臨床現場では,最先端のテクノロジーや革新的な技術,そして私が日々接しているベンチャー企業の取り組みが,まだまだ十分に知られていないと感じています。加えて,目の前の診療に多忙を極める医療従事者の皆さまにとって,新しい情報をキャッチアップする時間的余裕がないという現状も,深く理解しております。
本書が,多忙な皆さまがデジタル医療や最新技術への関心を深めるきっかけとなり,日々の診療に活かせる具体的なヒントをご提供できることを心から願っております。未来の医療をともに創造していくために,ぜひ本書をご活用いただけますと幸いです。
2025年6月
中安杏奈
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目次
座談会
生成AIは医師の相棒? ライバル?―現場から探る共存のリアル 今井翔太/中原 楊/野村章洋/中安杏奈
総論
ヘルスケア領域におけるデジタルトランスフォーメーションとデジタル技術 野村章洋/中安杏奈
1章 AIによる医療現場のサポート
画像診断支援AI
◆ 放射線画像診断×AIでより高精度な診断を実現できる 島原佑基
gastroAI™-model G
◆ 内視鏡画像診断×内視鏡AIで胃癌の見直しゼロへ 菊池亮佑/小澤毅士/柴田淳一/多田智裕
SmartRobin®
◆不整脈診断におけるAIの臨床応用:長時間心電図解析SaMDによる心房細動早期発見 田村雄一
心エコー図画像判読AI
◆ 心エコー図画像判読×AIで検者による診断のばらつきを解消 楠瀬賢也
Neuro-Vascular Assist®
◆ AIで支える脳血管内手術の安全性と効率化 河野健一
PidPort
◆ デジタル化×遠隔診断×AIで実現する迅速・正確な病理診断 飯塚 統
2章 オンライン診療・医療支援サービス
curonシリーズ
◆ 診察から決済・服薬指導まで通院を“ワンストップ化” 桐山瑶子
メディグル
◆地域医療連携CRM,逆紹介先検索,病診連携WEB予約システムによる地域医療連携の総合力強化 中嶋秀樹
Henry
◆ 中小病院のDXを一気に推進するレセコン一体型クラウド電子カルテ 逆瀬川光人
Medii E コンサル
◆ 全国の専門医との連携で共創するクラウドホスピタルモデル 山田裕揮
Antaa
◆ 医師の学び合いを支援するデジタルプラットフォーム 中山 俊
ユビーメディカルナビ
◆ AI問診で実現する外来診療の効率化 阿部吉倫
座談会
SaMDを現場に届けるには―承認制度から出口戦略までを考える 桐山瑶子/小池和央/野村章洋/中安杏奈
3章 デジタルツールとアプリを活用した新しい疾患管理と治療
Freestyleリブレ2
◆アプリで実現する最適な血糖管理 北澤 勝/曽根博仁
CureApp HT
◆ 高血圧治療補助アプリで降圧パフォーマンスを最大化する 野村章洋
CureApp SC®
◆ ニコチン依存症治療用アプリによる禁煙支援 亀山直史/佐竹晃太/正木克宜
サスメドの不眠障害用プログラム医療機器
◆ アプリで実現する持続的な不眠症治療と睡眠薬からの脱却 上野太郎
ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)®
◆ 注意欠如多動症(ADHD) ヘデジタルという新たな選択肢 安倍武海
Apple Watch
◆ ウェアラブルデバイスによる心疾患の予防・管理 木村雄弘
4章 予防から療養までを支えるデジタルヘルスケアと治療
リカバル
◆ オンライン栄養指導などの行動変容支援と計画書・指示書作成を一体化した医療機関向けソリューション 濵 知明
Rehab Cloud
◆ 科学的介護ソフトが提供する最適なリハビリと加算取得支援 大久保亮
Mystar
◆ 保健事業が実現する生活習慣病重症化予防プログラム 萩原悠太
Emolのデジタルエコシステム
◆ デジタルツールでつくる精神医療の新しいかたち 千頭沙織
アウェアファイ
◆ メンタルヘルス不調と診療のギャップを埋めるセルフケアアプリ 小川晋一郎/熊野宏昭
YaDoc
◆ 患者の日常を支えるオンライン診療:ePROによる新しい疾患管理 武藤真祐/園田 愛
5章 VR/XRを用いた医療の最前線
Holoeyes MD
◆ XR技術で医用画像を立体空間的に共有する診療支援システム 杉本真樹
体性認知協調療法
◆ VR を活用した新たなデジタル治療:体性認知協調療法 原 正彦
メタバース・リワーク
◆ メタバースを活用したリワークプログラム 松村雅代/横山太範
特別企画 DXを推進する医療機関の紹介
藤田医科大学病院
◆ 配送ロボットで進める院内物流DX 小倉淳史/田坂正綱/小野布佐子
医療法人社団ゆみの
◆ 心不全から考える次世代在宅ケア:予防と連携を支える地域DX 土肥智貴/弓野 大
高血圧イーメディカル
◆ 高血圧治療を変えるスマホ×習慣化モデル 大和陸離/谷田部淳一
生成AIは医師の相棒? ライバル?―現場から探る共存のリアル 今井翔太/中原 楊/野村章洋/中安杏奈
総論
ヘルスケア領域におけるデジタルトランスフォーメーションとデジタル技術 野村章洋/中安杏奈
1章 AIによる医療現場のサポート
画像診断支援AI
◆ 放射線画像診断×AIでより高精度な診断を実現できる 島原佑基
gastroAI™-model G
◆ 内視鏡画像診断×内視鏡AIで胃癌の見直しゼロへ 菊池亮佑/小澤毅士/柴田淳一/多田智裕
SmartRobin®
◆不整脈診断におけるAIの臨床応用:長時間心電図解析SaMDによる心房細動早期発見 田村雄一
心エコー図画像判読AI
◆ 心エコー図画像判読×AIで検者による診断のばらつきを解消 楠瀬賢也
Neuro-Vascular Assist®
◆ AIで支える脳血管内手術の安全性と効率化 河野健一
PidPort
◆ デジタル化×遠隔診断×AIで実現する迅速・正確な病理診断 飯塚 統
2章 オンライン診療・医療支援サービス
curonシリーズ
◆ 診察から決済・服薬指導まで通院を“ワンストップ化” 桐山瑶子
メディグル
◆地域医療連携CRM,逆紹介先検索,病診連携WEB予約システムによる地域医療連携の総合力強化 中嶋秀樹
Henry
◆ 中小病院のDXを一気に推進するレセコン一体型クラウド電子カルテ 逆瀬川光人
Medii E コンサル
◆ 全国の専門医との連携で共創するクラウドホスピタルモデル 山田裕揮
Antaa
◆ 医師の学び合いを支援するデジタルプラットフォーム 中山 俊
ユビーメディカルナビ
◆ AI問診で実現する外来診療の効率化 阿部吉倫
座談会
SaMDを現場に届けるには―承認制度から出口戦略までを考える 桐山瑶子/小池和央/野村章洋/中安杏奈
3章 デジタルツールとアプリを活用した新しい疾患管理と治療
Freestyleリブレ2
◆アプリで実現する最適な血糖管理 北澤 勝/曽根博仁
CureApp HT
◆ 高血圧治療補助アプリで降圧パフォーマンスを最大化する 野村章洋
CureApp SC®
◆ ニコチン依存症治療用アプリによる禁煙支援 亀山直史/佐竹晃太/正木克宜
サスメドの不眠障害用プログラム医療機器
◆ アプリで実現する持続的な不眠症治療と睡眠薬からの脱却 上野太郎
ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)®
◆ 注意欠如多動症(ADHD) ヘデジタルという新たな選択肢 安倍武海
Apple Watch
◆ ウェアラブルデバイスによる心疾患の予防・管理 木村雄弘
4章 予防から療養までを支えるデジタルヘルスケアと治療
リカバル
◆ オンライン栄養指導などの行動変容支援と計画書・指示書作成を一体化した医療機関向けソリューション 濵 知明
Rehab Cloud
◆ 科学的介護ソフトが提供する最適なリハビリと加算取得支援 大久保亮
Mystar
◆ 保健事業が実現する生活習慣病重症化予防プログラム 萩原悠太
Emolのデジタルエコシステム
◆ デジタルツールでつくる精神医療の新しいかたち 千頭沙織
アウェアファイ
◆ メンタルヘルス不調と診療のギャップを埋めるセルフケアアプリ 小川晋一郎/熊野宏昭
YaDoc
◆ 患者の日常を支えるオンライン診療:ePROによる新しい疾患管理 武藤真祐/園田 愛
5章 VR/XRを用いた医療の最前線
Holoeyes MD
◆ XR技術で医用画像を立体空間的に共有する診療支援システム 杉本真樹
体性認知協調療法
◆ VR を活用した新たなデジタル治療:体性認知協調療法 原 正彦
メタバース・リワーク
◆ メタバースを活用したリワークプログラム 松村雅代/横山太範
特別企画 DXを推進する医療機関の紹介
藤田医科大学病院
◆ 配送ロボットで進める院内物流DX 小倉淳史/田坂正綱/小野布佐子
医療法人社団ゆみの
◆ 心不全から考える次世代在宅ケア:予防と連携を支える地域DX 土肥智貴/弓野 大
高血圧イーメディカル
◆ 高血圧治療を変えるスマホ×習慣化モデル 大和陸離/谷田部淳一
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AI時代にますます盛り上がるデジタル医療──でも,「聞いたことはあるけど,よくわからない」「結局どう使えばいいの?」──そんな疑問に,医師と開発者が現場の目線で応えるまったく新しいデジタル医療の実践重視プレイブックが登場。医療現場でデジタルヘルスを “本当に使える” ヒントが詰まった一冊!
1)厳選された約30の先進医療プロダクトを収録
…診療支援,遠隔医療,ヘルスケア,リハビリ・介護など,幅広い領域を網羅。各プロダクトがどのように診療の質向上,業務効率化,患者さんの健康に貢献しているか,開発者が自らその実践例と導入効果を解説。
2)導入から活用,そして現場のリアルまで,徹底解説
各プロダクトの開発者が自ら語る,導入の工夫,現場での運用のコツ,実際の使用感やエビデンス,さらには薬事承認制度や保険適用といった制度面の留意点にまで詳述。医療現場でどのように使っていくかというところから事業としてどう成立させていくかという点まで,多角的な視点から考察。
3)医療DXの現在地と未来の展望を現場目線で網羅
「そもそも医療DXとは?」といった基本的な概念から,生成AIやSaMD(医療機器プログラム)に関する専門家座談会,そして実際にDXを推進している医療機関の事例紹介まで,デジタル医療の全体像を体系的に理解できる。現場のニーズ,導入の課題,そして未来に向けた期待まで,多岐にわたる視点からデジタル医療の「今」を肌で感じ,明日からの診療にも,本領域でのビジネス活動にも活かせる深い洞察を提供する。