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- 理学療法士
Crosslink 理学療法学テキスト
理学療法管理学

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定価 3,960円(税込) (本体3,600円+税)
- B5判 256ページ オールカラー,イラスト140点
- 2025年9月1日刊行
- ISBN978-4-7583-2270-6
電子版
序文
本書は,これから理学療法士を目指す皆さんに向けてつくられた教科書です。病院や施設,地域など,理学療法士が活躍する場はどんどん広がっており,その役割も大きくなっています。理学療法の専門的な知識や技術はもちろん大切ですが,患者さんやご家族,ほかの職種の人たちと信頼関係を築きながらチームで働く力や,社会の仕組みを理解して行動する力も,これからの理学療法士には必要とされています。
皆さんがこれから臨床実習や国家試験,そして就職を経て,理学療法士として働き始めるまでの間に,「理学療法士ってどんな風に働くの?」「病院のなかの仕組みってどうなっているの?」「チーム医療って何?」と,ふと疑問に思うことがたくさん出てくるかもしれません。この教科書は,そうした「ちょっと知りたい」「これから知っておくと安心」ということを,一つひとつ丁寧に解説しています。
第1章では,患者さんに対してどんな風に接するべきか,またどのような態度や考え方が専門職にふさわしいのかという「医療職としての倫理」について学びます。
第2章では,保険制度や報酬制度など,私たちの働き方にかかわる法律やルールを紹介しています。ちょっと難しく感じるかもしれませんが,現場に出たときに必ず役に立つ内容です。
第3章と第4章では,理学療法士が働く病院や施設の中での組織やチーム,マネジメントの考え方を学びます。実際にどんな風に運営されているのかを知ることは,将来就職先を選ぶときや職場でのコミュニケーションにもつながります。
第5章では,リスク管理やコンプライアンスなど,患者さんの安全を守りながら質の高い医療を提供するために必要な視点を扱っています。
第6章では,皆さん自身のこれからのキャリアや学びについて考えます。国家試験合格がゴールではなく,理学療法士になってからもずっと学び続けることが求められる職業であることを,きっと実感できるはずです。
第7章では,現場で実際に理学療法士として活躍しながら,事業を立ち上げたり運営したりしている方の経験を紹介しています。最終章では,ICTの活用や行動経済学など,これからの理学療法にかかわる新しい視点にも触れています。
本書は,将来理学療法士として現場に立つみなさんが,「こんなことも知っていてよかった」と思えるような学びを詰め込んだ一冊です。授業や実習の前に,そして国家試験を目指すときにも,そっと手に取って役立ててもらえたら嬉しく思います。最後になりますが,本書の刊行にあたり,企画の段階から内容の整理,構成に至るまで,メジカルビュー社の編集部の髙橋祐太朗さん,間宮卓治さんには多大なるご支援とお力添えをいただきました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
2025年8月
髙橋仁美,金谷さとみ
皆さんがこれから臨床実習や国家試験,そして就職を経て,理学療法士として働き始めるまでの間に,「理学療法士ってどんな風に働くの?」「病院のなかの仕組みってどうなっているの?」「チーム医療って何?」と,ふと疑問に思うことがたくさん出てくるかもしれません。この教科書は,そうした「ちょっと知りたい」「これから知っておくと安心」ということを,一つひとつ丁寧に解説しています。
第1章では,患者さんに対してどんな風に接するべきか,またどのような態度や考え方が専門職にふさわしいのかという「医療職としての倫理」について学びます。
第2章では,保険制度や報酬制度など,私たちの働き方にかかわる法律やルールを紹介しています。ちょっと難しく感じるかもしれませんが,現場に出たときに必ず役に立つ内容です。
第3章と第4章では,理学療法士が働く病院や施設の中での組織やチーム,マネジメントの考え方を学びます。実際にどんな風に運営されているのかを知ることは,将来就職先を選ぶときや職場でのコミュニケーションにもつながります。
第5章では,リスク管理やコンプライアンスなど,患者さんの安全を守りながら質の高い医療を提供するために必要な視点を扱っています。
第6章では,皆さん自身のこれからのキャリアや学びについて考えます。国家試験合格がゴールではなく,理学療法士になってからもずっと学び続けることが求められる職業であることを,きっと実感できるはずです。
第7章では,現場で実際に理学療法士として活躍しながら,事業を立ち上げたり運営したりしている方の経験を紹介しています。最終章では,ICTの活用や行動経済学など,これからの理学療法にかかわる新しい視点にも触れています。
本書は,将来理学療法士として現場に立つみなさんが,「こんなことも知っていてよかった」と思えるような学びを詰め込んだ一冊です。授業や実習の前に,そして国家試験を目指すときにも,そっと手に取って役立ててもらえたら嬉しく思います。最後になりますが,本書の刊行にあたり,企画の段階から内容の整理,構成に至るまで,メジカルビュー社の編集部の髙橋祐太朗さん,間宮卓治さんには多大なるご支援とお力添えをいただきました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
2025年8月
髙橋仁美,金谷さとみ
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目次
第 1 章 職業倫理
1 医の倫理 阿部浩明
1 倫理とは何か
2 臨床倫理〜患者・利用者の権利〜 阿部浩明
1 患者を主体とする医療
3 研究倫理 阿部浩明
1 研究倫理の概要と研究を進める手順
4 理学療法士と倫理 阿部浩明
1 理学療法士としての責務,倫理,法令遵守
第 2 章 関係法規
1 法体系の基本と概要 木村雅彦
1 法体系の基本と国内法の分類
2 理学療法士及び作業療法士法 木村雅彦
1 理学療法教育の歴史と今後の展望
3 社会保障制度の仕組み 一場友実
1 社会保障制度全般の仕組み
2 医療・保健・福祉・介護の連携(予防,地域包括ケアシステム,健診,健康保険指導,産業保健)など
4 報酬支払いの仕組みの概要 一場友実
1 診療報酬
2 介護報酬
3 障害福祉サービス報酬
5 さまざまな法人格 一場友実
第 3 章 組織の機能
1 組織の形とその役割 明日 徹
1 一般的な組織と医療関連の組織
2 組織理念と年次計画 明日 徹
1 組織理念
2年次計画
3 管理職等の役割 吉井智晴
1 管理職とは
2 中間管理職とチームリーダーの役割
3 管理職の役割
4 リーダーシップとマネジメント 吉井智晴
1 リーダーシップとマネジメントの違い
2 マネジメント理論
5 専門職と多職種連携(チーム医療) 髙橋仁美
1 多職種連携の概要と委員会・事例
6 地域医療連携と地域包括ケア 髙橋仁美
1 医療圏・地域医療計画・病診連携
第 4 章 運営・業務の管理
1 組織理念に基づく運営 星 真行
1 理念・方針・計画と病院機能評価
2 さまざまな業務とその管理 星 真行
1 業務管理・予算・委員会・医療事故防止
3 人事計画と職員管理 星 真行
1 目標管理・採用計画・給料表・時間外労働
4 労務管理,労働衛生管理 西田裕介
1 理学療法士の休暇取得の管理
2 理学療法士のストレスチェック
3 理学療法士の健康管理
4 理学療法士のメンタルヘルス
5 情報管理 西田裕介
1 理学療法士の情報管理
2 情報開示と情報セキュリティ
3 職場の情報伝達の工夫
6 収益管理 西田裕介
1 理学療法士の診療報酬・介護報酬に基づく収益管理
第 5 章 非営利的組織の質の保証
1 ホスピタルガバナンス 森 明子
1 医療機関における組織運営
2 コンプライアンス体制 森 明子
1 組織における法令遵守
2 医療広告ガイドライン
3 リスクマネジメント 森 明子
1 医療安全に関するリスクマネジメント
2 医療安全とレジリエンス
3 感染対策の基本
4 各種ハラスメントとその対応
4 コンフリクトマネジメント 屋嘉比章紘
1 利害衝突,コンフリクト
5 病院機能評価等 屋嘉比章紘
1 病院機能評価とは
第 6 章 キャリアアップシステム
1 医療専門職の継続教育 內田賢一内田
1 理学療法カリキュラム
2 キャリアデザイン
3 卒後教育
4 人間関係形成とストレス
5 キャリアラダー
2 臨床教育システムと人材育成 內田賢一
1 新人教育
2 プリセプターシップ
3 チューター制度
4 エルダーシップ
5 心理的安全性の確保
6 OJT
7 off-JT
8 コーチング
3 コミュニケーション能力の向上 內田賢一
1 コミュニケーションは握手で始まる
2 コミュニケーションの方法
3 アンガーコントロール
4 「 予測」ができる理学療法士の育成 神津 玲
1 理学療法における予測の重要性
2 科学的根拠に基づいた予測のための方法
3 予測力を高めるための教育の工夫
5 生涯にわたる学び(生涯学習) 神津 玲
1 研修会やセミナーへの参加
2 資格の取得
3 大学院への進学
4 学術活動(学会)への参加
5 日本理学療法士協会における生涯学習制度の活用
6 海外留学
6 理学療法に役立つ一般教育学 神津 玲
1 教育原理
2 教育心理学
3 教授方法
4 障害児教育
5 教育評価
第 7 章 さまざまな事業開設の実際
1 経営者らへのインタビュー 屋嘉比章紘
第 8 章 新時代の理学療法
1 次の時代に向けて 髙橋仁美
1 Society 5.0とICTテクノロジー
2 行動経済学 吉井智晴
1 ナッジと行動変容
2 汎理論的モデル(TTM)
3 行動経済学を学ぶわけ
1 医の倫理 阿部浩明
1 倫理とは何か
2 臨床倫理〜患者・利用者の権利〜 阿部浩明
1 患者を主体とする医療
3 研究倫理 阿部浩明
1 研究倫理の概要と研究を進める手順
4 理学療法士と倫理 阿部浩明
1 理学療法士としての責務,倫理,法令遵守
第 2 章 関係法規
1 法体系の基本と概要 木村雅彦
1 法体系の基本と国内法の分類
2 理学療法士及び作業療法士法 木村雅彦
1 理学療法教育の歴史と今後の展望
3 社会保障制度の仕組み 一場友実
1 社会保障制度全般の仕組み
2 医療・保健・福祉・介護の連携(予防,地域包括ケアシステム,健診,健康保険指導,産業保健)など
4 報酬支払いの仕組みの概要 一場友実
1 診療報酬
2 介護報酬
3 障害福祉サービス報酬
5 さまざまな法人格 一場友実
第 3 章 組織の機能
1 組織の形とその役割 明日 徹
1 一般的な組織と医療関連の組織
2 組織理念と年次計画 明日 徹
1 組織理念
2年次計画
3 管理職等の役割 吉井智晴
1 管理職とは
2 中間管理職とチームリーダーの役割
3 管理職の役割
4 リーダーシップとマネジメント 吉井智晴
1 リーダーシップとマネジメントの違い
2 マネジメント理論
5 専門職と多職種連携(チーム医療) 髙橋仁美
1 多職種連携の概要と委員会・事例
6 地域医療連携と地域包括ケア 髙橋仁美
1 医療圏・地域医療計画・病診連携
第 4 章 運営・業務の管理
1 組織理念に基づく運営 星 真行
1 理念・方針・計画と病院機能評価
2 さまざまな業務とその管理 星 真行
1 業務管理・予算・委員会・医療事故防止
3 人事計画と職員管理 星 真行
1 目標管理・採用計画・給料表・時間外労働
4 労務管理,労働衛生管理 西田裕介
1 理学療法士の休暇取得の管理
2 理学療法士のストレスチェック
3 理学療法士の健康管理
4 理学療法士のメンタルヘルス
5 情報管理 西田裕介
1 理学療法士の情報管理
2 情報開示と情報セキュリティ
3 職場の情報伝達の工夫
6 収益管理 西田裕介
1 理学療法士の診療報酬・介護報酬に基づく収益管理
第 5 章 非営利的組織の質の保証
1 ホスピタルガバナンス 森 明子
1 医療機関における組織運営
2 コンプライアンス体制 森 明子
1 組織における法令遵守
2 医療広告ガイドライン
3 リスクマネジメント 森 明子
1 医療安全に関するリスクマネジメント
2 医療安全とレジリエンス
3 感染対策の基本
4 各種ハラスメントとその対応
4 コンフリクトマネジメント 屋嘉比章紘
1 利害衝突,コンフリクト
5 病院機能評価等 屋嘉比章紘
1 病院機能評価とは
第 6 章 キャリアアップシステム
1 医療専門職の継続教育 內田賢一内田
1 理学療法カリキュラム
2 キャリアデザイン
3 卒後教育
4 人間関係形成とストレス
5 キャリアラダー
2 臨床教育システムと人材育成 內田賢一
1 新人教育
2 プリセプターシップ
3 チューター制度
4 エルダーシップ
5 心理的安全性の確保
6 OJT
7 off-JT
8 コーチング
3 コミュニケーション能力の向上 內田賢一
1 コミュニケーションは握手で始まる
2 コミュニケーションの方法
3 アンガーコントロール
4 「 予測」ができる理学療法士の育成 神津 玲
1 理学療法における予測の重要性
2 科学的根拠に基づいた予測のための方法
3 予測力を高めるための教育の工夫
5 生涯にわたる学び(生涯学習) 神津 玲
1 研修会やセミナーへの参加
2 資格の取得
3 大学院への進学
4 学術活動(学会)への参加
5 日本理学療法士協会における生涯学習制度の活用
6 海外留学
6 理学療法に役立つ一般教育学 神津 玲
1 教育原理
2 教育心理学
3 教授方法
4 障害児教育
5 教育評価
第 7 章 さまざまな事業開設の実際
1 経営者らへのインタビュー 屋嘉比章紘
第 8 章 新時代の理学療法
1 次の時代に向けて 髙橋仁美
1 Society 5.0とICTテクノロジー
2 行動経済学 吉井智晴
1 ナッジと行動変容
2 汎理論的モデル(TTM)
3 行動経済学を学ぶわけ
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講義・実習・臨床,すべての場面で活きる! 豊富なビジュアルとやさしい解説で,理学療法管理学の“難しい”を“わかる”に変える新定番!!
Crosslink理学療法テキストシリーズに新刊が登場! 講義・実習・臨床と,広く長く活用できるテキスト。
理学療法管理学を解説する本巻では,職業倫理,関係法規,病院および理学療法士を取り巻く社会の仕組み,キャリアアップシステムなど,授業で教えるべき内容を網羅した。法令や事務的手続きにも言及するため学生が退屈してしまいがちな本科目であるが,本書の噛み砕いた表現で詳しく解説する本文と,フルカラーの図表やイラストを多用し視覚的にも理解しやすい紙面構成で,学生が興味をもって学習を続けることができる。また演習(グループワーク等)で活用できる事例やアクティブラーニング,章ごとに学生の理解度を確認できる小テストの付録もあり,授業の手助けとなる。さらに理学療法士の事業開設の実際や,Society 5.0,行動経済学の応用など新時代の理学療法についても解説し,学生が臨床に出たときにも大いに役に立つ内容となっている。