Crosslink basic リハビリテーションテキスト
心理学・臨床心理学
定価 3,520円(税込) (本体3,200円+税)
- B5判 164ページ オールカラー,イラスト70点,写真10点
- 2024年9月29日刊行
- ISBN978-4-7583-2266-9
電子版
序文
編集の序
本書はリハビリテーション職を目指す学生のための「心理学」,「臨床心理学」の教科書である。リハビリテーションの領域において「心理学」,「臨床心理学」の学びがなぜ必要なのであろうか。その大きな理由のひとつが,理学療法士であれ,作業療法士であれ,言語聴覚士であれ,リハビリテーションの対象となるのが人間だからということである。心理学の知識は深い人間理解のために有用である。目の前の対象者が「なぜ,そのように行動するのか,そのように考えるのか」という行動や思考の仕組みの理解,また,どのように対象者と関わればリハビリテーションの遂行,継続につなげられるのか,というセラピストとしての心構えの理解のために「心理学」や「臨床心理学」の学びは非常に多くの視点を提供してくれる。
本書は第1章では「心理学」,第2章では「臨床心理学」の内容について解説している。「心理学」の章では,人間の感覚や知覚,認知の仕組み,学習や記憶のメカニズム,言語や思考,概念,パーソナリティについて解説している。目の前にいる対象者の行動原理や特性を理解することは,リハビリテーションの計画立案の段階において,その対象者に合わせたプログラムを提案することにも寄与するだろう。「臨床心理学」の章では,精神的な障害,発達・知的な障害等について概説し,それらの障害の心理的なアセスメントの方法,さらに心理的な介入の在り方について解説している。リハビリテーションの場面においては,身体的側面のみならず精神的な側面に問題を抱えている対象者と関わる機会も多い。そのような対象者と対面したとき,リハビリテーション職として心理的な側面からも対象者を理解するうえで本書の詳細な解説が役に立つものと信じている。
本書での学びを通して,リハビリテーション対象者への深い人間理解につながることを願っている。
2024年8月
編集を代表して
中川明仁
本書はリハビリテーション職を目指す学生のための「心理学」,「臨床心理学」の教科書である。リハビリテーションの領域において「心理学」,「臨床心理学」の学びがなぜ必要なのであろうか。その大きな理由のひとつが,理学療法士であれ,作業療法士であれ,言語聴覚士であれ,リハビリテーションの対象となるのが人間だからということである。心理学の知識は深い人間理解のために有用である。目の前の対象者が「なぜ,そのように行動するのか,そのように考えるのか」という行動や思考の仕組みの理解,また,どのように対象者と関わればリハビリテーションの遂行,継続につなげられるのか,というセラピストとしての心構えの理解のために「心理学」や「臨床心理学」の学びは非常に多くの視点を提供してくれる。
本書は第1章では「心理学」,第2章では「臨床心理学」の内容について解説している。「心理学」の章では,人間の感覚や知覚,認知の仕組み,学習や記憶のメカニズム,言語や思考,概念,パーソナリティについて解説している。目の前にいる対象者の行動原理や特性を理解することは,リハビリテーションの計画立案の段階において,その対象者に合わせたプログラムを提案することにも寄与するだろう。「臨床心理学」の章では,精神的な障害,発達・知的な障害等について概説し,それらの障害の心理的なアセスメントの方法,さらに心理的な介入の在り方について解説している。リハビリテーションの場面においては,身体的側面のみならず精神的な側面に問題を抱えている対象者と関わる機会も多い。そのような対象者と対面したとき,リハビリテーション職として心理的な側面からも対象者を理解するうえで本書の詳細な解説が役に立つものと信じている。
本書での学びを通して,リハビリテーション対象者への深い人間理解につながることを願っている。
2024年8月
編集を代表して
中川明仁
全文表示する
閉じる
目次
第 1 章 心理学
1 心理学とはどのような学問か 中川明仁
1 心理学とは
2 心理学の歴史
3 心理学の研究法
●まとめ
2 感覚・知覚・認知 木村年晶
1 感覚
2 知覚
3 認知
●まとめ
3 学習と記憶 上北朋子
1 古典的条件づけ
2 オペラント条件づけ
3 記憶のプロセス
4 記憶の区分
●まとめ
4 言語・概念・思考 坂本敏郎
1 非言語的・前言語的コミュニケーション
2 言語の障害
3 概念と知識
4 思考と問題解決
●まとめ
5 心理測定法 中川由理
1 心理物理学的測定法(物理的指標のデータの取り方)
2 テスト理論(心理的指標のデータの取り方)
3 データ解析法(データ収集後の処理の仕方)
●まとめ
6 発達・パーソナリティ 奈田哲也
1 発達とは
2 発達の諸理論
3 新生児・乳児の発達
4 幼児期の社会性の発達
5 青年期,成人期におけるヒトの発達
6 高齢者の発達
7 類型論と特性論
●まとめ
第 2 章 臨床心理学
1 臨床心理学とはどのような学問か 加藤真由美
1 臨床心理学の歴史
2 リハビリテーション職が臨床心理学を学ぶ意義
3 臨床心理学における倫理の問題
4 臨床心理学における多職種連携
5 公認心理師の役割
●まとめ
2 異常心理 大矢薫
1 防衛機制
2 気分障害
3 知的障害
4 発達障害
5 神経認知障害
6 パーソナリティ障害
●まとめ
3 臨床心理学的アセスメント 青木剛
1 発達検査
2 知能検査
3 パーソナリティ検査
4 面接法
5 行動観察
●まとめ
4 心理療法 馬場天信,姜静愛
1 クライエント中心療法
2 精神分析療法
3 遊戯療法
4 認知療法
5 行動療法
6 認知行動療法
7 応用行動分析
8 集団療法
9 家族療法
●まとめ
1 心理学とはどのような学問か 中川明仁
1 心理学とは
2 心理学の歴史
3 心理学の研究法
●まとめ
2 感覚・知覚・認知 木村年晶
1 感覚
2 知覚
3 認知
●まとめ
3 学習と記憶 上北朋子
1 古典的条件づけ
2 オペラント条件づけ
3 記憶のプロセス
4 記憶の区分
●まとめ
4 言語・概念・思考 坂本敏郎
1 非言語的・前言語的コミュニケーション
2 言語の障害
3 概念と知識
4 思考と問題解決
●まとめ
5 心理測定法 中川由理
1 心理物理学的測定法(物理的指標のデータの取り方)
2 テスト理論(心理的指標のデータの取り方)
3 データ解析法(データ収集後の処理の仕方)
●まとめ
6 発達・パーソナリティ 奈田哲也
1 発達とは
2 発達の諸理論
3 新生児・乳児の発達
4 幼児期の社会性の発達
5 青年期,成人期におけるヒトの発達
6 高齢者の発達
7 類型論と特性論
●まとめ
第 2 章 臨床心理学
1 臨床心理学とはどのような学問か 加藤真由美
1 臨床心理学の歴史
2 リハビリテーション職が臨床心理学を学ぶ意義
3 臨床心理学における倫理の問題
4 臨床心理学における多職種連携
5 公認心理師の役割
●まとめ
2 異常心理 大矢薫
1 防衛機制
2 気分障害
3 知的障害
4 発達障害
5 神経認知障害
6 パーソナリティ障害
●まとめ
3 臨床心理学的アセスメント 青木剛
1 発達検査
2 知能検査
3 パーソナリティ検査
4 面接法
5 行動観察
●まとめ
4 心理療法 馬場天信,姜静愛
1 クライエント中心療法
2 精神分析療法
3 遊戯療法
4 認知療法
5 行動療法
6 認知行動療法
7 応用行動分析
8 集団療法
9 家族療法
●まとめ
全文表示する
閉じる
心理学の基礎から臨床とのつながりまでを理解できる実践的教科書
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の養成校の専門基礎科目に対応したテキストシリーズ。
学習内容と国家試験を結びつける[学習の要点],実習や臨床現場にリンクする[臨床に役立つアドバイス]など,「なぜそれを勉強するのか」「将来にどのようにつながるのか」をイメージしやすい知識を補足し,用語解説なども適宜追加。項目末の[まとめ]では,学習の理解度を確認するために簡単な問題を掲載。噛み砕いた表現と多数の図表で,評価・治療方法について視覚的にも理解しやすい紙面に加え,各見出しごとの[POINT]で,どこに重点を置いて学習すべきかが一目でわかる構成となっている。
本巻では,専門基礎科目である「臨床心理学」およびその基盤となる心理学の理論をわかりやすくまとめ,さらにシリーズのコンセプトである「専門科目や臨床とのつながり」を重点解説。もちろん国試対策もしっかり押さえた充実のテキスト。