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製剤学
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![製剤学[Web動画付]](../database/cover_image/book/X/ISBN978-4-7583-2226-3.jpg)
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定価 5,500円(税込) (本体5,000円+税)
- B5判 320ページ オールカラー,イラスト200点,写真250点
- 2025年9月1日刊行予定
- ISBN978-4-7583-2226-3
近刊のため予約販売となります。
電子版
序文
薬学教育における製剤学は,薬剤の設計や製剤化,さらには薬物動態を理解するうえで不可欠な科目の1つです。医薬品が「効く」ためには,有効成分が適切な量で,適切な場所に,適切な時間に届く必要があります。それらの過程において,溶解,拡散,吸収をはじめとする生体内で薬物が効くプロセスを詳細に説明しうる,薬学における大きな武器の1つとなるのが製剤学です。
製剤学は数式や概念も多く,学生にとっては難解かつ抽象的に感じられてしまうことも少なくありません。残念ながら,皆さんのなかには,薬学の武器であるにもかかわらず苦手意識をもってしまう方もいることでしょう。そのような科目について,本書では製剤学の基礎的な部分が臨床とどのようにリンクするのか,また臨床ではどのような場面で製剤学の知識が活用されているのか,「症例ベースで考えよう」という項目を盛り込み,具体的な医療現場の状況と結びつけながら,製剤が設計された背景,物理化学的な原理が活用されるシーンを解説しています。例えば,「臨床面で気をつける必要のある医薬品添加剤とその理由」「バイオシミラーはどのように臨床で導入されるのか」といった,臨床で課題となっている場面を症例ベースに落とし込み,製剤学がどのように活用されているか紐解いていきます。学生は,それらの症例を通じて「なぜこの知識が必要なのか」「どのように応用されるのか」を体感的に学ぶことができるでしょう。
本書はイラストや写真を豊富に取り入れ,動画も一部収載することで,視覚的にもわかりやすい内容となっています。難解と思われがちな製剤学の理解を助けるだけでなく,薬剤師としての判断力や応用力を養う一助となれば幸いです。
読者の皆さんが,日常の薬学的実践のなかで「なぜこうなるのか」と考える視点をもち,科学的根拠に基づいた説明や提案ができる薬剤師へと成長されることを心より願っています。
2025年7月
編者を代表して
百 賢二
製剤学は数式や概念も多く,学生にとっては難解かつ抽象的に感じられてしまうことも少なくありません。残念ながら,皆さんのなかには,薬学の武器であるにもかかわらず苦手意識をもってしまう方もいることでしょう。そのような科目について,本書では製剤学の基礎的な部分が臨床とどのようにリンクするのか,また臨床ではどのような場面で製剤学の知識が活用されているのか,「症例ベースで考えよう」という項目を盛り込み,具体的な医療現場の状況と結びつけながら,製剤が設計された背景,物理化学的な原理が活用されるシーンを解説しています。例えば,「臨床面で気をつける必要のある医薬品添加剤とその理由」「バイオシミラーはどのように臨床で導入されるのか」といった,臨床で課題となっている場面を症例ベースに落とし込み,製剤学がどのように活用されているか紐解いていきます。学生は,それらの症例を通じて「なぜこの知識が必要なのか」「どのように応用されるのか」を体感的に学ぶことができるでしょう。
本書はイラストや写真を豊富に取り入れ,動画も一部収載することで,視覚的にもわかりやすい内容となっています。難解と思われがちな製剤学の理解を助けるだけでなく,薬剤師としての判断力や応用力を養う一助となれば幸いです。
読者の皆さんが,日常の薬学的実践のなかで「なぜこうなるのか」と考える視点をもち,科学的根拠に基づいた説明や提案ができる薬剤師へと成長されることを心より願っています。
2025年7月
編者を代表して
百 賢二
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目次
第 1 章 物理製剤学概略
1 固形材料の基礎
1 粉体の性質 原田 努
2 固体原薬の結晶
3 溶解速度
4 症例ベースで考えよう:散剤を分包するときに困ること 古屋宏章
まとめ
2 半固形材料の基礎
1 レオロジー特性の基礎 山本佳久
2 チキソトロピー
3 粘度測定法
4 症例ベースで考えよう:粘度を利用した経口製剤(アルロイド®G) 百 賢二・舘野円花
まとめ
3 分散材料の基礎
1 界面とは 山本佳久
2 代表的な界面活性剤
3 コロイド・乳剤・懸濁剤
4 分散系製剤の安定性
5 症例ベースで考えよう:貧血治療を変えるコロイド製剤 百 賢二・舘野円花
まとめ
第 2 章 剤形の特徴
1 製剤化とは 鈴木直人
1 製剤化の概要と意義
まとめ
2 経口投与する製剤
1 概要 鈴木直人
2 錠剤
3 顆粒剤
4 散剤
5 カプセル剤
6 経口液剤
7 シロップ剤
8 経口ゼリー剤
9 経口フィルム剤
10 症例ベースで考えよう:経口製剤のデザインと医療安全 百 賢二・大津真依
まとめ
3 粘膜に適用する製剤 井上 裕・小玉菜央
1 概要
2 口腔内に適用する製剤
3 吸入剤
4 目に投与する製剤
5 坐剤
6 腟剤(腟錠・腟用坐剤)
7 点鼻剤
8 点耳剤
まとめ
4 注射により投与する製剤
1 注射剤 内野智信
2 注射剤の分類
3 透析に用いる製剤
4 症例ベースで考えよう:精神科治療を変える注射薬 古屋宏章
まとめ
5 皮膚に適用する製剤
1 皮膚に適用する製剤の概要および利点と欠点 柏倉康治
2 皮膚に適用する製剤の経皮吸収について
3 軟膏剤・クリーム剤・ゲル剤
4 貼付剤・テープ剤・パップ剤
5 スプレー剤
6 症例ベースで考えよう:外用剤の使用と満足度 百 賢二・楠 裕美子
まとめ
6 生薬関連製剤 川添和義・小池佑果
1 生薬関連製剤の考え方
2 生薬と生薬関連製剤の種類
3 生薬関連製剤の調剤の流れ
まとめ
第 3 章 製剤が創られるまで
1 代表的な医薬品添加剤 岡田康太郎
1 固形製剤に用いられる医薬品添加剤
2 注射剤に用いられる医薬品添加剤
3 半固形製剤に用いられる医薬品添加剤
まとめ
2 製剤化の単位操作
1 経口固形製剤(錠剤・顆粒剤・散剤)の製造工程 太田真人・永井秀昌
2 カプセル剤の製造工程
3 注射剤の製造工程
4 症例ベースで考えよう:臨床上問題となる医薬品添加物 百 賢二
まとめ
3 製剤の容器・包装 原田 努
1 医薬品容器・包装の基本的な役割と定義
2 主要な包装形態とその特徴
まとめ
第 4 章 製剤試験法
1 日本薬局方 大貫義則
1 概要
2 通則
3 製剤総則
4 一般試験法
まとめ
2 製剤試験法各論
2 -1 製剤材料の評価にかかわる試験 大貫義則
1 物質の確認または定量にかかわる試験法
2 熱分析法
3 粉末X線回折測定法
4 粉体物性測定法
まとめ
2 -2 製剤の評価にかかわる試験
1 製剤均一性試験法 大貫義則
2 経口投与する固形製剤に関連する製剤試験法
3 皮膚に適用する製剤に関連する製剤試験法 山内理恵
4 レオロジーの測定法 山本佳久
5 吸入剤に関連する製剤試験法 大貫義則
6 注射剤に関連する試験法 島﨑 学
7 目に適用される製剤に規定される試験法 秋山滋男
8 無菌製剤の無菌性に関連する試験法 島﨑 学
まとめ
2 -3 容器・包装材料の評価に関連する試験 島﨑 学
1 注射剤や包装材料に関連した試験法
まとめ
2 -4 物理化学の知識・技術で医療を支援する個別化医療 百 賢二
1 症例ベースで考えよう:院内製剤とは
まとめ
第 5 章 生物学的同等性
1 生物学的同等性とは
1 概要 原田 努
2 経口固形製剤の生物学的同等性試験
3 局所皮膚適用製剤の生物学的同等性ガイドラインにおける評価 山内理恵
4 局所皮膚適用製剤における生物学的同等性の判定
5 症例ベースで考えよう:剤型変更に役立つ経口製剤の生物学的
同等性に関する情報 越塚宏美
まとめ
第 6 章 バイオ医薬品・核酸医薬品
1 バイオ医薬品・核酸医薬品とは
1 バイオ医薬品の定義と歴史 若林 進
2 バイオ医薬品の種類と分類
3 バイオ医薬品の開発と最新技術
4 医療現場での取扱いと有害反応
5 抗体医薬品の基礎と最新動向
6 核酸医薬品
7 バイオシミラー
8 症例ベースで考えよう:バイオシミラーによる治療の革新 百 賢二
まとめ
第 7 章 薬物送達学
1 DDSの必要性 中埜貴文
1 DDS 総論
まとめ
2 放出制御
1 放出制御の必要性 中埜貴文
2 経口投与する放出制御技術
3 皮膚に適用する放出制御技術
4 注射に適用する放出制御技術
5 粘膜に適用する放出制御技術
6 症例ベースで考えよう:放出制御技術の導入による医療の革新 百 賢二・楠 裕美子
まとめ
3 ターゲティング
1 ターゲティングの必要性 島﨑 学
2 キャリアを用いたターゲティング技術
3 プロドラッグのターゲティング技術
4 抗体を用いたターゲティング技術
5 症例ベースで考えよう:ターゲティング技術の導入で改善された治療効果 百 賢二
まとめ
4 吸収改善
1 吸収改善の必要性 島﨑 学
2 溶解性の向上による消化管吸収改善
3 吸収促進剤を用いた吸収改善
4 経皮投与における吸収改善
5 症例ベースで考えよう:吸収改善のための製剤学的な工夫 百 賢二
まとめ
5 プロドラッグ
1 プロドラッグの必要性 中埜貴文
2 症例ベースで考えよう:アシクロビルのプロドラッグ化,脳症への影響 越塚宏美
まとめ
1 固形材料の基礎
1 粉体の性質 原田 努
2 固体原薬の結晶
3 溶解速度
4 症例ベースで考えよう:散剤を分包するときに困ること 古屋宏章
まとめ
2 半固形材料の基礎
1 レオロジー特性の基礎 山本佳久
2 チキソトロピー
3 粘度測定法
4 症例ベースで考えよう:粘度を利用した経口製剤(アルロイド®G) 百 賢二・舘野円花
まとめ
3 分散材料の基礎
1 界面とは 山本佳久
2 代表的な界面活性剤
3 コロイド・乳剤・懸濁剤
4 分散系製剤の安定性
5 症例ベースで考えよう:貧血治療を変えるコロイド製剤 百 賢二・舘野円花
まとめ
第 2 章 剤形の特徴
1 製剤化とは 鈴木直人
1 製剤化の概要と意義
まとめ
2 経口投与する製剤
1 概要 鈴木直人
2 錠剤
3 顆粒剤
4 散剤
5 カプセル剤
6 経口液剤
7 シロップ剤
8 経口ゼリー剤
9 経口フィルム剤
10 症例ベースで考えよう:経口製剤のデザインと医療安全 百 賢二・大津真依
まとめ
3 粘膜に適用する製剤 井上 裕・小玉菜央
1 概要
2 口腔内に適用する製剤
3 吸入剤
4 目に投与する製剤
5 坐剤
6 腟剤(腟錠・腟用坐剤)
7 点鼻剤
8 点耳剤
まとめ
4 注射により投与する製剤
1 注射剤 内野智信
2 注射剤の分類
3 透析に用いる製剤
4 症例ベースで考えよう:精神科治療を変える注射薬 古屋宏章
まとめ
5 皮膚に適用する製剤
1 皮膚に適用する製剤の概要および利点と欠点 柏倉康治
2 皮膚に適用する製剤の経皮吸収について
3 軟膏剤・クリーム剤・ゲル剤
4 貼付剤・テープ剤・パップ剤
5 スプレー剤
6 症例ベースで考えよう:外用剤の使用と満足度 百 賢二・楠 裕美子
まとめ
6 生薬関連製剤 川添和義・小池佑果
1 生薬関連製剤の考え方
2 生薬と生薬関連製剤の種類
3 生薬関連製剤の調剤の流れ
まとめ
第 3 章 製剤が創られるまで
1 代表的な医薬品添加剤 岡田康太郎
1 固形製剤に用いられる医薬品添加剤
2 注射剤に用いられる医薬品添加剤
3 半固形製剤に用いられる医薬品添加剤
まとめ
2 製剤化の単位操作
1 経口固形製剤(錠剤・顆粒剤・散剤)の製造工程 太田真人・永井秀昌
2 カプセル剤の製造工程
3 注射剤の製造工程
4 症例ベースで考えよう:臨床上問題となる医薬品添加物 百 賢二
まとめ
3 製剤の容器・包装 原田 努
1 医薬品容器・包装の基本的な役割と定義
2 主要な包装形態とその特徴
まとめ
第 4 章 製剤試験法
1 日本薬局方 大貫義則
1 概要
2 通則
3 製剤総則
4 一般試験法
まとめ
2 製剤試験法各論
2 -1 製剤材料の評価にかかわる試験 大貫義則
1 物質の確認または定量にかかわる試験法
2 熱分析法
3 粉末X線回折測定法
4 粉体物性測定法
まとめ
2 -2 製剤の評価にかかわる試験
1 製剤均一性試験法 大貫義則
2 経口投与する固形製剤に関連する製剤試験法
3 皮膚に適用する製剤に関連する製剤試験法 山内理恵
4 レオロジーの測定法 山本佳久
5 吸入剤に関連する製剤試験法 大貫義則
6 注射剤に関連する試験法 島﨑 学
7 目に適用される製剤に規定される試験法 秋山滋男
8 無菌製剤の無菌性に関連する試験法 島﨑 学
まとめ
2 -3 容器・包装材料の評価に関連する試験 島﨑 学
1 注射剤や包装材料に関連した試験法
まとめ
2 -4 物理化学の知識・技術で医療を支援する個別化医療 百 賢二
1 症例ベースで考えよう:院内製剤とは
まとめ
第 5 章 生物学的同等性
1 生物学的同等性とは
1 概要 原田 努
2 経口固形製剤の生物学的同等性試験
3 局所皮膚適用製剤の生物学的同等性ガイドラインにおける評価 山内理恵
4 局所皮膚適用製剤における生物学的同等性の判定
5 症例ベースで考えよう:剤型変更に役立つ経口製剤の生物学的
同等性に関する情報 越塚宏美
まとめ
第 6 章 バイオ医薬品・核酸医薬品
1 バイオ医薬品・核酸医薬品とは
1 バイオ医薬品の定義と歴史 若林 進
2 バイオ医薬品の種類と分類
3 バイオ医薬品の開発と最新技術
4 医療現場での取扱いと有害反応
5 抗体医薬品の基礎と最新動向
6 核酸医薬品
7 バイオシミラー
8 症例ベースで考えよう:バイオシミラーによる治療の革新 百 賢二
まとめ
第 7 章 薬物送達学
1 DDSの必要性 中埜貴文
1 DDS 総論
まとめ
2 放出制御
1 放出制御の必要性 中埜貴文
2 経口投与する放出制御技術
3 皮膚に適用する放出制御技術
4 注射に適用する放出制御技術
5 粘膜に適用する放出制御技術
6 症例ベースで考えよう:放出制御技術の導入による医療の革新 百 賢二・楠 裕美子
まとめ
3 ターゲティング
1 ターゲティングの必要性 島﨑 学
2 キャリアを用いたターゲティング技術
3 プロドラッグのターゲティング技術
4 抗体を用いたターゲティング技術
5 症例ベースで考えよう:ターゲティング技術の導入で改善された治療効果 百 賢二
まとめ
4 吸収改善
1 吸収改善の必要性 島﨑 学
2 溶解性の向上による消化管吸収改善
3 吸収促進剤を用いた吸収改善
4 経皮投与における吸収改善
5 症例ベースで考えよう:吸収改善のための製剤学的な工夫 百 賢二
まとめ
5 プロドラッグ
1 プロドラッグの必要性 中埜貴文
2 症例ベースで考えよう:アシクロビルのプロドラッグ化,脳症への影響 越塚宏美
まとめ
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