- 新刊
- 皮膚科
診断+治療を完全攻略
皮膚疾患データブック

定価 7,150円(税込) (本体6,500円+税)
- A4変型判 228ページ オールカラー
- 2025年2月28日刊行
- ISBN978-4-7583-2193-8
電子版
序文
「皮膚科の初学者に向けた,現場で本当に役立つマニュアルを作りたい」
本書はそんな思いから執筆しました。
初学者向けの皮膚科のマニュアル本はすでに数多く出版されており,いずれも優れた書籍です。しかし,実際の臨床現場では使いにくさを感じることがあります。みなさんも以下のような経験があるのではないでしょうか。
・病名がわからないから,どこを調べてよいかわからない
・診断法が書かれていないから,診断に自信がもてない
・記載が簡潔すぎるので記憶しにくく,診療のイメージがもてない
これらの課題を解決するために,本書では3つの点を工夫しました。
【特徴① 診断アルゴリズムを解説】
従来のマニュアル本が使いにくい理由の1つとして,病名にたどり着くまでのアプローチ法が書かれていないことがあげられます。そのため,診断がつかない段階ではどこを読めばよいのかわかりません。
そこで本書では,皮膚疾患を体系的に診断するためのアルゴリズムを解説しました。鑑別を絞っていく過程を具体的に示しているので,初学者でも病名にたどり着きやすいはずです。
【特徴② 診断に必要な所見をランク付け】
病名にたどり着けたとしても,今度は本当にその疾患でよいのか迷います。皮膚疾患は見た目だけで診断できると思われがちですが,見た目ではなく病歴や検査から診断する疾患も少なくありません。そこで本書では,それぞれの疾患ごとに,診断に必要な所見をランク付けして記載しました。
【特徴③ 叙述的な記載】
マニュアル本が使いにくい理由として,単に「すること」の記載しかなく,「なぜそうするのか」という根拠の記載がほとんどないことがあります。そのため,記憶しにくく応用も効きません。
そこで本書では,叙述的な記載を心がけました。著者の経験をもとに現場のコツやピットフォールをなるべく具体的に示しています。また,「多い」「少ない」などの抽象的な表現だけではなく,具体的な数値を示して疾患の全体像をイメージしやすいように工夫しました。
以上のように,従来のマニュアル本の有用な側面は活かしつつ,診断の流れから診療のコツまでを学べる今までにない切り口の書籍になったと自負しています。しかし,たった一人の臨床医が自分の経験に基づいて書いたものなので,当然「自分は違う治療をしている」という先生もおられるでしょう。本書の方針は,ほんの一例だと考えてください。
また,内容に不正確な部分や修正すべきところがありましたら,ぜひ著者のウェブサイト『皮膚科の豆知識ブログ』(https://www.derma-derma.net/)よりご指摘いただければ幸いです。皆様のご意見をもとにさらによいコンテンツを作成できればと思っています。
2025年2月
松田光弘
本書はそんな思いから執筆しました。
初学者向けの皮膚科のマニュアル本はすでに数多く出版されており,いずれも優れた書籍です。しかし,実際の臨床現場では使いにくさを感じることがあります。みなさんも以下のような経験があるのではないでしょうか。
・病名がわからないから,どこを調べてよいかわからない
・診断法が書かれていないから,診断に自信がもてない
・記載が簡潔すぎるので記憶しにくく,診療のイメージがもてない
これらの課題を解決するために,本書では3つの点を工夫しました。
【特徴① 診断アルゴリズムを解説】
従来のマニュアル本が使いにくい理由の1つとして,病名にたどり着くまでのアプローチ法が書かれていないことがあげられます。そのため,診断がつかない段階ではどこを読めばよいのかわかりません。
そこで本書では,皮膚疾患を体系的に診断するためのアルゴリズムを解説しました。鑑別を絞っていく過程を具体的に示しているので,初学者でも病名にたどり着きやすいはずです。
【特徴② 診断に必要な所見をランク付け】
病名にたどり着けたとしても,今度は本当にその疾患でよいのか迷います。皮膚疾患は見た目だけで診断できると思われがちですが,見た目ではなく病歴や検査から診断する疾患も少なくありません。そこで本書では,それぞれの疾患ごとに,診断に必要な所見をランク付けして記載しました。
【特徴③ 叙述的な記載】
マニュアル本が使いにくい理由として,単に「すること」の記載しかなく,「なぜそうするのか」という根拠の記載がほとんどないことがあります。そのため,記憶しにくく応用も効きません。
そこで本書では,叙述的な記載を心がけました。著者の経験をもとに現場のコツやピットフォールをなるべく具体的に示しています。また,「多い」「少ない」などの抽象的な表現だけではなく,具体的な数値を示して疾患の全体像をイメージしやすいように工夫しました。
以上のように,従来のマニュアル本の有用な側面は活かしつつ,診断の流れから診療のコツまでを学べる今までにない切り口の書籍になったと自負しています。しかし,たった一人の臨床医が自分の経験に基づいて書いたものなので,当然「自分は違う治療をしている」という先生もおられるでしょう。本書の方針は,ほんの一例だと考えてください。
また,内容に不正確な部分や修正すべきところがありましたら,ぜひ著者のウェブサイト『皮膚科の豆知識ブログ』(https://www.derma-derma.net/)よりご指摘いただければ幸いです。皆様のご意見をもとにさらによいコンテンツを作成できればと思っています。
2025年2月
松田光弘
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目次
Ⅰ章 皮膚科診断のフレームワーク
チュートリアル
疾患分類アルゴリズム
Ⅱ章 外用療法の基本
ステロイド外用薬
潰瘍治療薬
Ⅲ章 3つにカテゴリ分けする皮膚疾患
液疱病変の分類
・水疱性疾患の鑑別診断
小水疱
単純ヘルペス
帯状疱疹
白癬(足白癬)
湿疹(異汗性湿疹・汗疱)
水疱
伝染性膿痂疹
熱傷
褥瘡
湿疹(接触皮膚炎)
薬疹(SJS・TEN)
水疱性類天疱瘡
・膿疱性疾患の鑑別診断
毛包炎・尋常性ざ瘡
薬疹(急性汎発性発疹性膿疱症)
掌蹠膿疱症
紅色病変の分類
・紅色丘疹・結節の鑑別診断
紅色丘疹
帯状疱疹
虫刺症
毛包炎・尋常性ざ瘡
老人性血管腫
疥癬
紅色結節
粉瘤(炎症性粉瘤)
膿瘍
毛細血管拡張性肉芽腫
有棘細胞癌
・鱗屑性紅斑の鑑別診断
白癬(体部白癬・股部白癬)
湿疹
日光角化症
Bowen病
乾癬
・非鱗屑性紅斑の鑑別診断
境界明瞭
蕁麻疹
薬疹(紅斑丘疹型・多形紅斑型)
ウイルス性発疹症
帯状疱疹
水疱性類天疱瘡(非水疱型)
境界不明瞭
蜂窩織炎
結節性紅斑
・紫斑の鑑別診断
老人性紫斑
血管炎
非紅色病変の分類
・常色病変の鑑別診断
角化性
鶏眼・胼胝
ウイルス性疣贅
皮角
非角化性
伝染性軟属腫
尖圭コンジローマ
粉瘤
脂肪腫
・黒褐色病変の鑑別診断
色素細胞母斑
脂漏性角化症
基底細胞癌
悪性黒色腫
・白色病変の鑑別診断
尋常性白斑
黄色病変の鑑別診断
黄色腫
毛髪・爪病変
円形脱毛症
白癬(爪白癬)
チュートリアル
疾患分類アルゴリズム
Ⅱ章 外用療法の基本
ステロイド外用薬
潰瘍治療薬
Ⅲ章 3つにカテゴリ分けする皮膚疾患
液疱病変の分類
・水疱性疾患の鑑別診断
小水疱
単純ヘルペス
帯状疱疹
白癬(足白癬)
湿疹(異汗性湿疹・汗疱)
水疱
伝染性膿痂疹
熱傷
褥瘡
湿疹(接触皮膚炎)
薬疹(SJS・TEN)
水疱性類天疱瘡
・膿疱性疾患の鑑別診断
毛包炎・尋常性ざ瘡
薬疹(急性汎発性発疹性膿疱症)
掌蹠膿疱症
紅色病変の分類
・紅色丘疹・結節の鑑別診断
紅色丘疹
帯状疱疹
虫刺症
毛包炎・尋常性ざ瘡
老人性血管腫
疥癬
紅色結節
粉瘤(炎症性粉瘤)
膿瘍
毛細血管拡張性肉芽腫
有棘細胞癌
・鱗屑性紅斑の鑑別診断
白癬(体部白癬・股部白癬)
湿疹
日光角化症
Bowen病
乾癬
・非鱗屑性紅斑の鑑別診断
境界明瞭
蕁麻疹
薬疹(紅斑丘疹型・多形紅斑型)
ウイルス性発疹症
帯状疱疹
水疱性類天疱瘡(非水疱型)
境界不明瞭
蜂窩織炎
結節性紅斑
・紫斑の鑑別診断
老人性紫斑
血管炎
非紅色病変の分類
・常色病変の鑑別診断
角化性
鶏眼・胼胝
ウイルス性疣贅
皮角
非角化性
伝染性軟属腫
尖圭コンジローマ
粉瘤
脂肪腫
・黒褐色病変の鑑別診断
色素細胞母斑
脂漏性角化症
基底細胞癌
悪性黒色腫
・白色病変の鑑別診断
尋常性白斑
黄色病変の鑑別診断
黄色腫
毛髪・爪病変
円形脱毛症
白癬(爪白癬)
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現場で本当に役立つ,皮膚疾患 診断・治療の超実践的マニュアル本!
皮膚疾患をどのように鑑別診断し,治療すればよいのか。初学者でも使いやすいよう下記の工夫を施して,疾患の基本情報から,診断・治療のアドバイスまですべて詰め込んだ。
①誰もが使いやすい,見た目(水疱の有無・色)の特徴からなる診断アルゴリズムを提示
②鑑別診断に有用な所見(視診・検査・病歴)の特徴を,信頼度でランク付け
③各疾患の遭遇頻度・かゆさ・痛さ・治りにくさ・危険度を5段階評価
④疾患解説ではまず,症例写真・診断基準・治療例を紹介
⑤実践的な診断や治療は,Q&A方式でわかりやすく解説
診断・治療は,エビデンスベースで説明しつつ,コツやピットフォールは著者の経験をふまえて親切に解説。
困ったとき,疑問に直結する答えがすぐ見つかる。
根拠が明確な情報が盛りだくさんで,読むだけで知識が身につく。
これ1冊が机にあれば,皮膚疾患にも安心して臨むことができる。