新OS NEXUS No.14

上肢の関節温存手術
[Web動画付]

考え方の基本と実際

上肢の関節温存手術[Web動画付]

■担当編集 今井 晋二

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • i_movie.jpg
  • A4判  162ページ  オールカラー,イラスト200点,写真100点
  • 2025年3月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-2164-8

近刊のため予約販売となります。


「手」と「肩・肘」の2章に分け,関節温存のための骨切り術や靱帯再建術,骨軟骨柱移植術などの関節形成術について解説。また,小児橈骨頭脱臼や胸郭出口症候群についても網羅。

■シリーズ編集委員
松田秀一/今井晋二/今釜史郎


序文

 下肢,すなわち股・膝関節の手術では人工関節置換術が古くから試みられ,その手技と臨床成績は確立されています。しかし,金属製やポリエチレン製の人工物には耐用性の限界があり,これに抗して関節を温存して行う手術がこれまでも多く模索されてきました。骨盤の骨切り,大腿骨近位部の骨切り,大腿骨遠位部の骨切り,脛骨近位部の骨切りなどがその代表格ですが,いずれも時期がくれば人工関節に置き換えられることが念頭にあります。
 一方,上肢の関節,すなわち肩・肘の関節においても人工関節置換術が開発され,かなり期待できる臨床成績になっています。上肢の関節ではその構造において,神経・靱帯・腱などの軟部組織の介在が大きく,その機能により大きな役割に関与するので人工関節置換術ではカバーできない手術が数多くあります。時期がくれば人工関節に置き換えることを前提にするわけでありません。
 これまで上肢の関節温存手術を1つにまとめる試みはあまりありませんでした。特に手外科分野の関節温存手術には目覚ましいものがあります。月状骨不安定症はその疾患概念が定着したのも最近で,ましてや治療方針の発展には目を見張るものがあります。同じく,Kienböck病に対する骨切り術もコンセンサスが定着してきたところです。指関節領域の関節鏡も手外科領域では広まってきました。
 肘関節では短橈側手根靱帯,すなわちテニス肘に対する外科手術が注目を浴び,鏡視下手術と直視下手術ともに発達してきました。Monteggia骨折など尺骨の骨折や急性塑性変形に伴う橈骨頭の慢性脱臼に対する尺骨切りによる橈骨頭整復術も確立されてきました。膝関節周囲の骨軟骨壊死の治療では標準化した骨軟骨柱移植術の肩関節分野への応用もご解説いただきました。胸郭出口症候群については腋窩からの内視鏡下の神経開放術の診断と適応についてご解説いただきました。
 今回のテーマが臨床の現場を担っていらっしゃる先生方にとってより実りの大きいものになることを期待しています。

2025年2月
滋賀医科大学整形外科学講座教授
今井晋二
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目次

Ⅰ 手
関節温存を目指したSLAC/SNAC wristに対する手関節形成術  森谷浩治
Kienböck病に対する橈骨骨切り手術  佐伯総太ほか
母指CM関節症に対する関節形成術  三浦俊樹
母指CM関節症に対するsuture button suspensionplastyを併用した鏡視下関節形成術  坂野裕昭
MP関節伸展拘縮に対する関節鏡下手術  四宮陸雄
Dupuytren拘縮に対する皮膚形成/移植術  阿部圭宏
舟状月状骨不安定症に対する手術  建部将広

Ⅱ 肩・肘
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する骨軟骨柱移植術(mosaicplasty)  門間太輔ほか
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)に対する直視下手術  副島 修
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)に対する鏡視下手術  岩堀裕介
外傷性肘関節不安定症に対する靱帯修復術・再建術  岩部昌平
小児橈骨頭脱臼に対する手術  射場浩介
上腕骨骨頭壊死症に対する骨軟骨柱移植術  向井章悟
胸郭出口症候群に対する内視鏡アシスト下第1肋骨切除術  高橋 啓ほか

基本的手術手技
少しでも長く残せる断端形成術の工夫  河村健二
ばね指の腱鞘切開術  橋詰博行ほか
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