- 新刊
- 整形外科
新OS NEXUS No.13
脊椎の再建法—すべり症から脊柱変形まで
[Web動画付]
定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
- A4判 184ページ オールカラー
- 2025年2月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2163-1
電子版
序文
脊椎の再建法-すべり症から脊柱変形まで
The Spinal Reconstruction Techniques:From Spondylolisthesis to Spinal Deformities
このたび,「新OS NEXUS」No.13「脊椎の再建法—すべり症から脊柱変形まで」を上梓する運びとなりました。「新OS NEXUS」の脊椎シリーズでは,これまで「ベーシックな脊椎除圧術のすべて」(No.3)や「脊椎固定術の基本手技」(No.6)など,脊椎手術の基本的な技術をテーマとした号を発刊し,多くの先生方に日常臨床や研鑽にご活用いただいております。今回の特集では,基本手技に加えて,さらにテクニックを必要とする「脊椎の再建法」に焦点を当て,内容を一層充実させました。
脊柱変形手術は一般的に,高度な技術を要する治療法と見られがちですが,患者数が年々増加しており,現在では決して特殊な手術ではなくなっています。若年者から高齢者に至るまで,さまざまな疾患や病態が適応となるため,脊柱変形手術の技術を習得する意義は非常に大きいと考えます。一見困難に思える手術でも,丁寧な基本手技を実践し,そこに脊椎再建の手術テクニックを加えることで,より安全に良好な治療成績を得ることが可能です。また,近年のinstrumentationの進歩や術中ナビゲーションシステム,術中脊髄モニタリングなどの普及により,これまで以上に円滑で安全な手術の実施が可能となっています。
本書は,「頚椎」「胸椎」「腰・仙椎」の3つの部位に分け,それぞれの部位ごとに検索しやすい構成としました。さらに,各章では美しいシェーマや術中動画を豊富に取り入れ,具体的な手技のポイントをわかりやすく解説しています。頚椎の章では,基本的な固定術の手術手技に加え,頚椎すべり症や頚椎変形に対する矯正固定法の実際を取り上げました。胸椎の章では,胸椎側弯症を含む脊柱変形手術の最新の知見と技術を網羅し,脊柱変形を矯正する骨切り術についても詳述しています。腰・仙椎の章では,症例数が多い腰椎すべり症の矯正手技や骨切り術,腰仙椎の矯正テクニック,近年注目されている前側方固定術についても取り上げています。これらの章を通じて,基本手技の復習はもちろん,多様な脊椎矯正手技を習得し,先生方の診療技術の向上に役立てていただければと存じます。
加えて「基本的治療手技」として,脊椎矯正手術において重要な役割を果たす「Halo牽引」および「術中脊髄モニタリング」にもスポットを当てました。これらの手技は,安全で精度の高い矯正手術を行う上で不可欠であり,ぜひ本書をご参考いただければ幸いです。
本書は,現在臨床の最前線でご活躍中の先生方にご執筆をお願いし,多岐にわたるテーマについてご解説いただきました。その結果,脊椎外科を志す若手医師にとっては基礎的な学びを得る入門書として,また経験豊富な先生方にとっては新たな知見を得る一助として,大変充実した内容をお届けすることができました。ここに改めて,ご執筆ならびに手術動画の作成に多大なるご尽力をいただいた諸先生方,ならびに出版に関わる皆様に,心より御礼申し上げます。
2024年12月
名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学教授
今釜史郎
The Spinal Reconstruction Techniques:From Spondylolisthesis to Spinal Deformities
このたび,「新OS NEXUS」No.13「脊椎の再建法—すべり症から脊柱変形まで」を上梓する運びとなりました。「新OS NEXUS」の脊椎シリーズでは,これまで「ベーシックな脊椎除圧術のすべて」(No.3)や「脊椎固定術の基本手技」(No.6)など,脊椎手術の基本的な技術をテーマとした号を発刊し,多くの先生方に日常臨床や研鑽にご活用いただいております。今回の特集では,基本手技に加えて,さらにテクニックを必要とする「脊椎の再建法」に焦点を当て,内容を一層充実させました。
脊柱変形手術は一般的に,高度な技術を要する治療法と見られがちですが,患者数が年々増加しており,現在では決して特殊な手術ではなくなっています。若年者から高齢者に至るまで,さまざまな疾患や病態が適応となるため,脊柱変形手術の技術を習得する意義は非常に大きいと考えます。一見困難に思える手術でも,丁寧な基本手技を実践し,そこに脊椎再建の手術テクニックを加えることで,より安全に良好な治療成績を得ることが可能です。また,近年のinstrumentationの進歩や術中ナビゲーションシステム,術中脊髄モニタリングなどの普及により,これまで以上に円滑で安全な手術の実施が可能となっています。
本書は,「頚椎」「胸椎」「腰・仙椎」の3つの部位に分け,それぞれの部位ごとに検索しやすい構成としました。さらに,各章では美しいシェーマや術中動画を豊富に取り入れ,具体的な手技のポイントをわかりやすく解説しています。頚椎の章では,基本的な固定術の手術手技に加え,頚椎すべり症や頚椎変形に対する矯正固定法の実際を取り上げました。胸椎の章では,胸椎側弯症を含む脊柱変形手術の最新の知見と技術を網羅し,脊柱変形を矯正する骨切り術についても詳述しています。腰・仙椎の章では,症例数が多い腰椎すべり症の矯正手技や骨切り術,腰仙椎の矯正テクニック,近年注目されている前側方固定術についても取り上げています。これらの章を通じて,基本手技の復習はもちろん,多様な脊椎矯正手技を習得し,先生方の診療技術の向上に役立てていただければと存じます。
加えて「基本的治療手技」として,脊椎矯正手術において重要な役割を果たす「Halo牽引」および「術中脊髄モニタリング」にもスポットを当てました。これらの手技は,安全で精度の高い矯正手術を行う上で不可欠であり,ぜひ本書をご参考いただければ幸いです。
本書は,現在臨床の最前線でご活躍中の先生方にご執筆をお願いし,多岐にわたるテーマについてご解説いただきました。その結果,脊椎外科を志す若手医師にとっては基礎的な学びを得る入門書として,また経験豊富な先生方にとっては新たな知見を得る一助として,大変充実した内容をお届けすることができました。ここに改めて,ご執筆ならびに手術動画の作成に多大なるご尽力をいただいた諸先生方,ならびに出版に関わる皆様に,心より御礼申し上げます。
2024年12月
名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学教授
今釜史郎
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目次
Ⅰ 頚 椎
頚椎のすべりと変形に対する前方からの矯正固定法 三原久範ほか
頚椎のすべり症・不安定症・変形に対する後方手術 下川宣幸ほか
頚胸椎移行部の変形に対する前方手術(上位胸椎への前方アプローチを用いた後方前方手術) 宮本 敬
Ⅱ 胸 椎
特発性側弯症に対する後方矯正手術 辻 太一
胸椎側弯症(思春期~青年期)に対する後方手術-椎弓根スクリューと椎弓下ケーブルを併用したハイブリッド法 中島宏彰ほか
骨粗鬆症性椎体骨折・溶骨性脊椎腫瘍に対するBalloon Kyphoplastyを用いた脊椎再建法 戸川大輔
成人脊柱変形手術-脊椎後弯を含む骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術を併用した支柱再建 南出晃人
特発性胸椎側弯症遺残変形に対する後方矯正固定術 松村 昭
成人脊柱変形に対する胸椎椎体骨切り術 大和 雄
骨欠損や椎体圧潰を併発した胸腰椎化膿性脊椎炎に対する脊椎固定術 野尻英俊
Ⅲ 腰・仙椎
腰椎変性すべり症,分離すべり症に対する矯正固定術 松原祐二
成人脊柱変形に対するpedicle subtraction osteotomy(PSO) 中尾祐介
成人脊柱変形手術時のポイント(PT矯正のためのdirect pelvis manipulation technique) 福田健太郎
成人脊柱変形―LIFとPPSを用いた矯正のポイント,適応と限界 原田智久ほか
側臥位におけるL5/S1低侵襲前側方固定術(OLIF51™) 小谷善久
基本手術手技
脊柱変形手術におけるhalo牽引の基本手技 大田恭太郎
脊柱変形矯正手術後新規麻痺発生を防ぐ術中脊髄モニタリングのポイント 後迫宏紀ほか
頚椎のすべりと変形に対する前方からの矯正固定法 三原久範ほか
頚椎のすべり症・不安定症・変形に対する後方手術 下川宣幸ほか
頚胸椎移行部の変形に対する前方手術(上位胸椎への前方アプローチを用いた後方前方手術) 宮本 敬
Ⅱ 胸 椎
特発性側弯症に対する後方矯正手術 辻 太一
胸椎側弯症(思春期~青年期)に対する後方手術-椎弓根スクリューと椎弓下ケーブルを併用したハイブリッド法 中島宏彰ほか
骨粗鬆症性椎体骨折・溶骨性脊椎腫瘍に対するBalloon Kyphoplastyを用いた脊椎再建法 戸川大輔
成人脊柱変形手術-脊椎後弯を含む骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術を併用した支柱再建 南出晃人
特発性胸椎側弯症遺残変形に対する後方矯正固定術 松村 昭
成人脊柱変形に対する胸椎椎体骨切り術 大和 雄
骨欠損や椎体圧潰を併発した胸腰椎化膿性脊椎炎に対する脊椎固定術 野尻英俊
Ⅲ 腰・仙椎
腰椎変性すべり症,分離すべり症に対する矯正固定術 松原祐二
成人脊柱変形に対するpedicle subtraction osteotomy(PSO) 中尾祐介
成人脊柱変形手術時のポイント(PT矯正のためのdirect pelvis manipulation technique) 福田健太郎
成人脊柱変形―LIFとPPSを用いた矯正のポイント,適応と限界 原田智久ほか
側臥位におけるL5/S1低侵襲前側方固定術(OLIF51™) 小谷善久
基本手術手技
脊柱変形手術におけるhalo牽引の基本手技 大田恭太郎
脊柱変形矯正手術後新規麻痺発生を防ぐ術中脊髄モニタリングのポイント 後迫宏紀ほか
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