OCP・OFP・OBPで学ぶ
作業療法実践の教科書
定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
- B5判 248ページ 2色,イラスト90点
- 2024年3月3日刊行
- ISBN978-4-7583-2099-3
電子版
序文
あなたは以下のような問題で悩んだことはないだろうか?
・作業療法の専門家として自信をもてない
・何が作業療法であり,何が作業療法でないのかよくわからない
・作業療法らしい評価や介入を実施できない
・職場で作業療法以外の役割を期待される(例えば,関節可動域訓練など)
・クライエントに作業療法を説明できない
・本来の作業療法を実践できている気がしない など
これらの問題は個人的な悩みで収まらず,効果的な作業療法の実践や,あなたの専門家としての立場を妨げる要因となりえる。例えば,何が作業療法であり,何が作業療法でないのかについての混乱は,作業療法の専門性をわかりにくくする。その結果,クライエントや同僚からの信頼を損ない,職場でのあなたの立場が低下する可能性がある。また,作業療法らしい評価や介入ができないことは,クライエントに対する作業療法士としての貢献に影響を及ぼし,クライエントは作業療法から本来受けられるはずだった恩恵を受けられなくなる可能性がある。このようなことから,これらの問題を放置することは勧められない。
本書は,上記のような問題を解決するために編集した。本書の基本コンセプトは「作業療法の本質は作業中心の実践(occupation-centered practice:OCP)である」というものである。OCPとは,作業療法の専門家としての作業療法士の視点を意味している。この視点を実質化するアプローチが,作業に焦点を当てた実践(occupation-focused practice:OFP)と作業に根ざした実践(occupation-based practice:OBP)である。OFPは「作業療法士の主たる関心の所在が今現在必要な作業にあること」,OBPは「作業療法士の主たる評価と介入の目的と手段が意味のある作業であること」を意味している。これらは,「作業療法士とは,作業という視点でクライエントを理解し,作業療法プロセスを通して作業を活かす専門家である」という考え方を体現するものである。読者は本書を通してOCP,OFP,OBPについて深く理解し,上述の問題を解決するための知識と技術を学習することができる。
読者ひとりひとりが,本来の作業療法を実践することで,クライエントの生活の質を向上させ,自身の専門性を高めるための第一歩を踏み出すことができることを願っている。
2024年1月
編者を代表して
京極 真
・作業療法の専門家として自信をもてない
・何が作業療法であり,何が作業療法でないのかよくわからない
・作業療法らしい評価や介入を実施できない
・職場で作業療法以外の役割を期待される(例えば,関節可動域訓練など)
・クライエントに作業療法を説明できない
・本来の作業療法を実践できている気がしない など
これらの問題は個人的な悩みで収まらず,効果的な作業療法の実践や,あなたの専門家としての立場を妨げる要因となりえる。例えば,何が作業療法であり,何が作業療法でないのかについての混乱は,作業療法の専門性をわかりにくくする。その結果,クライエントや同僚からの信頼を損ない,職場でのあなたの立場が低下する可能性がある。また,作業療法らしい評価や介入ができないことは,クライエントに対する作業療法士としての貢献に影響を及ぼし,クライエントは作業療法から本来受けられるはずだった恩恵を受けられなくなる可能性がある。このようなことから,これらの問題を放置することは勧められない。
本書は,上記のような問題を解決するために編集した。本書の基本コンセプトは「作業療法の本質は作業中心の実践(occupation-centered practice:OCP)である」というものである。OCPとは,作業療法の専門家としての作業療法士の視点を意味している。この視点を実質化するアプローチが,作業に焦点を当てた実践(occupation-focused practice:OFP)と作業に根ざした実践(occupation-based practice:OBP)である。OFPは「作業療法士の主たる関心の所在が今現在必要な作業にあること」,OBPは「作業療法士の主たる評価と介入の目的と手段が意味のある作業であること」を意味している。これらは,「作業療法士とは,作業という視点でクライエントを理解し,作業療法プロセスを通して作業を活かす専門家である」という考え方を体現するものである。読者は本書を通してOCP,OFP,OBPについて深く理解し,上述の問題を解決するための知識と技術を学習することができる。
読者ひとりひとりが,本来の作業療法を実践することで,クライエントの生活の質を向上させ,自身の専門性を高めるための第一歩を踏み出すことができることを願っている。
2024年1月
編者を代表して
京極 真
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目次
第1章 作業療法
作業療法とは? 京極 真
第2章 作業療法のプロセスモデル
作業療法のプロセスモデル 小川真寛,寺岡 睦
第3章 作業療法評価
作業療法評価とは? 京極 真
スクリーニング 清家庸佑
面接 寺岡 睦
観察 小川真寛
第4章 作業療法介入
作業療法介入とは? 京極 真
作業療法介入の方法と実践 藤本一博
理論を用いた介入のポイント 小川真寛
第5章 作業療法報告
作業療法における報告とは? 藤本一博
第6章 領域別実践例
身体障害領域における実践 米山智彦
精神障害領域における実践 作間弘彬
発達障害領域における実践 河本聡志
老年期障害領域における実践 藤本一博
訪問領域における実践 松澤良平
第7章 導入施設例
施設に導入するためのポイント 藤本一博
回復期リハビリテーション病棟における実践 藤本一博
ライフスタイル再構築プログラム実践施設の介入紹介 福田 裕
第8章 OCPの困難事例
OCPで遭遇しやすい困難 藤本一博
第9章 OCPに関するQ&A
Q1 クライエントや他職種に作業療法の専門性をどう説明すればよいでしょうか? 京極 真
Q2 「作業」を意識しすぎて視野が狭くなりませんか? 京極 真
Q3 作業ニーズを満たせる環境ではない場合,どう対処したらよいですか? 藤本一博
Q4 リスクのある作業を望んだ場合はどうしたらよいでしょうか? 藤本一博
Q5 OCP,OBP,OFPを実践するには,まず何をすればよいですか? 小川真寛
Q6 OCP,OBP,OFPの実践に必要なスキルの習熟はどうしたらよいでしょうか? 小川真寛
作業療法とは? 京極 真
第2章 作業療法のプロセスモデル
作業療法のプロセスモデル 小川真寛,寺岡 睦
第3章 作業療法評価
作業療法評価とは? 京極 真
スクリーニング 清家庸佑
面接 寺岡 睦
観察 小川真寛
第4章 作業療法介入
作業療法介入とは? 京極 真
作業療法介入の方法と実践 藤本一博
理論を用いた介入のポイント 小川真寛
第5章 作業療法報告
作業療法における報告とは? 藤本一博
第6章 領域別実践例
身体障害領域における実践 米山智彦
精神障害領域における実践 作間弘彬
発達障害領域における実践 河本聡志
老年期障害領域における実践 藤本一博
訪問領域における実践 松澤良平
第7章 導入施設例
施設に導入するためのポイント 藤本一博
回復期リハビリテーション病棟における実践 藤本一博
ライフスタイル再構築プログラム実践施設の介入紹介 福田 裕
第8章 OCPの困難事例
OCPで遭遇しやすい困難 藤本一博
第9章 OCPに関するQ&A
Q1 クライエントや他職種に作業療法の専門性をどう説明すればよいでしょうか? 京極 真
Q2 「作業」を意識しすぎて視野が狭くなりませんか? 京極 真
Q3 作業ニーズを満たせる環境ではない場合,どう対処したらよいですか? 藤本一博
Q4 リスクのある作業を望んだ場合はどうしたらよいでしょうか? 藤本一博
Q5 OCP,OBP,OFPを実践するには,まず何をすればよいですか? 小川真寛
Q6 OCP,OBP,OFPの実践に必要なスキルの習熟はどうしたらよいでしょうか? 小川真寛
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