産婦人科手術
産婦人科手術 No.35
定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
- B5判 164ページ 1色(一部カラー),写真100点
- 2024年6月10日刊行
- ISBN978-4-7583-1980-5
序文
巻頭言
2023年9月30(土)~10月1日(日)の2日間,国立がん研究センター研究所講堂・セミナールームにおきまして,第46回日本産婦人科手術学会(http://jsgos46.umin.jp/)を開催いたしました。来場者は245名,リアル開催後から引続きオンデマンド配信を開始したところ,当初の登録者に加えてさらに100名近い登録があり,総勢参加者520名となりました。このように多数の先生が本学術集会にご参加いただけましたこと,主催者一同心よりお礼申し上げます。
日本産婦人科手術学会は産婦人科手術研究会を前身とし,その第1回は1978年に開催されました。その後,第13回(1990年)には日本産婦人科手術研究会,そして第15回(1992年)からは日本産婦人科手術学会と発展してまいりました。手術のエキスパートとビギナーが一堂に会し意見交換ができるのが,この学会の伝統です。
開催にあたり,前日には日本産婦人科手術学会の発展に尽力されてきた先生にご参集いただき,これまでの御礼と決意を申し上げました。
第46回日本産婦人科手術学会のテーマは,「美しい手術」としました。手術にはScienceとArtの側面があります。イギリス英語では手術室をoperating theaterと呼びます。精緻な手術手技によって層を剥離していく手術は,出血量が少なく,術後の機能温存や治療成績の向上につながります。そしてなによりも美しいと感じられます。
そこで「美しい手術」をテーマに,「リンパ節郭清」「会陰・骨盤底」「広汎」を主題に掲げました。一般演題を含め86の演題が集まりました。本誌ではそのなかから,シンポジウム1「 センチネルリンパ節生検 “合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検”」,シンポジウム3「 会陰損傷・外陰癌・骨盤底」,会長企画2「他科に学ぶ」,会長企画3「傍大動脈リンパ節郭清に備えて」,パネルディスカッションの各演者の先生から執筆をいただきました。シンポジウム2「広汎子宮全摘(Radical hysterectomy)手術解剖学の見解相違について」は成書として発表します。
日本の精緻な産婦人科手術技術は,資源に乏しい日本にとって大きな国際貢献と考えています。同時に若手に継承することもエキスパートの任務です。手術教育をどのように構築したら良いか,パネルディスカッションに組み込みました。鏡視下カメラの進歩は高精細・高解像度の術野が共有可能にし,熟成された手技の理解を深めるには好材料となりました。
本学会には医学生,大学院生,初期研修医の若手が参加しました。今後は同世代を巻き込み,次代を担うべく,「美しい手術」を目指して精進されることを切に望み,日本産婦人科手術学会の益々のご発展,会員の皆様のご健康,ご健勝をお祈り申し上げます。
「日本の精緻な産婦人科手術をもっと世界へ」
第46回 日本産婦人科手術学会
会長 加藤友康
(国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科 前科長)
2023年9月30(土)~10月1日(日)の2日間,国立がん研究センター研究所講堂・セミナールームにおきまして,第46回日本産婦人科手術学会(http://jsgos46.umin.jp/)を開催いたしました。来場者は245名,リアル開催後から引続きオンデマンド配信を開始したところ,当初の登録者に加えてさらに100名近い登録があり,総勢参加者520名となりました。このように多数の先生が本学術集会にご参加いただけましたこと,主催者一同心よりお礼申し上げます。
日本産婦人科手術学会は産婦人科手術研究会を前身とし,その第1回は1978年に開催されました。その後,第13回(1990年)には日本産婦人科手術研究会,そして第15回(1992年)からは日本産婦人科手術学会と発展してまいりました。手術のエキスパートとビギナーが一堂に会し意見交換ができるのが,この学会の伝統です。
開催にあたり,前日には日本産婦人科手術学会の発展に尽力されてきた先生にご参集いただき,これまでの御礼と決意を申し上げました。
第46回日本産婦人科手術学会のテーマは,「美しい手術」としました。手術にはScienceとArtの側面があります。イギリス英語では手術室をoperating theaterと呼びます。精緻な手術手技によって層を剥離していく手術は,出血量が少なく,術後の機能温存や治療成績の向上につながります。そしてなによりも美しいと感じられます。
そこで「美しい手術」をテーマに,「リンパ節郭清」「会陰・骨盤底」「広汎」を主題に掲げました。一般演題を含め86の演題が集まりました。本誌ではそのなかから,シンポジウム1「 センチネルリンパ節生検 “合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検”」,シンポジウム3「 会陰損傷・外陰癌・骨盤底」,会長企画2「他科に学ぶ」,会長企画3「傍大動脈リンパ節郭清に備えて」,パネルディスカッションの各演者の先生から執筆をいただきました。シンポジウム2「広汎子宮全摘(Radical hysterectomy)手術解剖学の見解相違について」は成書として発表します。
日本の精緻な産婦人科手術技術は,資源に乏しい日本にとって大きな国際貢献と考えています。同時に若手に継承することもエキスパートの任務です。手術教育をどのように構築したら良いか,パネルディスカッションに組み込みました。鏡視下カメラの進歩は高精細・高解像度の術野が共有可能にし,熟成された手技の理解を深めるには好材料となりました。
本学会には医学生,大学院生,初期研修医の若手が参加しました。今後は同世代を巻き込み,次代を担うべく,「美しい手術」を目指して精進されることを切に望み,日本産婦人科手術学会の益々のご発展,会員の皆様のご健康,ご健勝をお祈り申し上げます。
「日本の精緻な産婦人科手術をもっと世界へ」
第46回 日本産婦人科手術学会
会長 加藤友康
(国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科 前科長)
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目次
巻頭言 第46回日本産婦人科手術学会 会長 加藤友康
日本産婦人科手術学会のホームページで閲覧できる学術集会講演の動画一覧
センチネルリンパ節生検“合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検”
合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検の有用性 センチネルリンパ節生検overview 新倉 仁
婦人科がんに対するセンチネルリンパ節ナビゲーション手術の保険収載への道のり 山上 亘
合併症対策としての子宮頸・体癌センチネルノードナビゲーション手術 戸上真一
センチネルリンパ節生検 下肢リンパ浮腫を防ぐ 田中智人
会陰損傷・外陰癌・骨盤底
腹腔鏡下後方骨盤全摘術および広汎外陰切除を組み合わせて完全切除をなし得た外陰部腸型腺癌の1例 川野さりあほか
縫合モデルを用いたハンズオントレーニングを行った翌日に遭遇し,修復することができた4度会陰裂傷の一例 後藤裕磨ほか
産科的骨盤底損傷と骨盤底支持不全 中田真木
パネルディスカッション
今ある外科教育に立ちはだかる問題点 さまざまな立場からの検討 藤原聡枝ほか
会長企画
肝授動の基本操作と横隔膜切除 伴 大輔
解剖体を用いたリンパ管・胸管の肉眼解剖 衣袋健司
特別講演
8K 超高精細画像の医療への導入とその展開 千葉敏雄ほか
企画記事
外回転術 竹田 純
骨盤臓器脱婦人科医が行うLSC/RASCのポイント 市川雅男
日本産婦人科手術学会
第46回 プログラム
第46回 講演抄録
役員一覧
会 則
役員選任規定
投稿規定
日本産婦人科手術学会のホームページで閲覧できる学術集会講演の動画一覧
センチネルリンパ節生検“合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検”
合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検の有用性 センチネルリンパ節生検overview 新倉 仁
婦人科がんに対するセンチネルリンパ節ナビゲーション手術の保険収載への道のり 山上 亘
合併症対策としての子宮頸・体癌センチネルノードナビゲーション手術 戸上真一
センチネルリンパ節生検 下肢リンパ浮腫を防ぐ 田中智人
会陰損傷・外陰癌・骨盤底
腹腔鏡下後方骨盤全摘術および広汎外陰切除を組み合わせて完全切除をなし得た外陰部腸型腺癌の1例 川野さりあほか
縫合モデルを用いたハンズオントレーニングを行った翌日に遭遇し,修復することができた4度会陰裂傷の一例 後藤裕磨ほか
産科的骨盤底損傷と骨盤底支持不全 中田真木
パネルディスカッション
今ある外科教育に立ちはだかる問題点 さまざまな立場からの検討 藤原聡枝ほか
会長企画
肝授動の基本操作と横隔膜切除 伴 大輔
解剖体を用いたリンパ管・胸管の肉眼解剖 衣袋健司
特別講演
8K 超高精細画像の医療への導入とその展開 千葉敏雄ほか
企画記事
外回転術 竹田 純
骨盤臓器脱婦人科医が行うLSC/RASCのポイント 市川雅男
日本産婦人科手術学会
第46回 プログラム
第46回 講演抄録
役員一覧
会 則
役員選任規定
投稿規定
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日本産婦人科手術学会機関誌。第46回日本産婦人科手術学会の主題より選出した論文11編ほかを掲載
2023年11月に「美しい手術」をテーマとして開催された「第46回日本産婦人科手術学会」の主題,特別講演等より選出した論文11編に,編集委員会担当記事2編を加えた。テーマは「主題1 センチネルリンパ節生検 合併症対策としてのセンチネルリンパ節生検」「主題2 会陰損傷・外陰癌・骨盤底」と「肝授動の基本操作と横隔膜切除」「解剖体を用いたリンパ管・胸管の肉眼解剖」「8K 超高精細画像の医療への導入とその展開」,企画記事「外回転術」「骨盤臓器脱」。