循環器リハビリテーションの
理論と技術
改訂第2版
定価 6,380円(税込) (本体5,800円+税)
- B5変型判 472ページ 2色(一部カラー),イラスト150点,写真170点
- 2020年3月29日刊行
- ISBN978-4-7583-1942-3
序文
改訂第2版 序文
『循環器理学療法の理論と技術』を刊行して11年が経過した。理学療法士が身につけるべき知識の提供を目標とした初版は,卒前教育の教科書として,あるいは臨床の現場で医療を実践する際の参考書として多くの方に活用していただいた。この場を借りて感謝申し上げたい。
一方で,循環器疾患のリハビリテーションでは,医師,理学療法士だけでなく,看護師,作業療法士,薬剤師,臨床検査技師,臨床工学技士などの医療者による包括的なアプローチが不可欠であり,実際にこのような多職種によってリハビリテーションが実践されている。そこで今回の改訂では,理学療法だけにとどまらない知識を新たに取り上げ,『循環器リハビリテーションの理論と技術』と書名を改めて刊行することとなった。
章立ては初版を受け継いでおり,本書ではまず,循環器疾患を対象にリハビリテーションを組み立てるための医学的知識とその理論的背景を整理し,それに基づいて患者評価を行い,安全で効果的なリハビリテーションが実施できることを狙いとしている。その理解に必要な解剖学,生理学および病態と治療の項目については,心大血管リハビリテーションを実際に担当された医師に引き続き執筆をお願いし,新たな知見を盛り込んでいただいた。また,リハビリテーションを展開するための患者評価については,具体的な評価項目とその判定法について解説するとともに,今回新たに心エコー検査と治療用ME機器の項目を設けた。広く普及する心エコー検査や心臓ペースメーカなどの治療用デバイスの特徴を理解することは,リハビリテーションプログラムの立案やリスク管理に役立つ。また,リハビリテーションについては,運動療法などの初版から掲載されていた内容に加えて,リハビリテーション施行時の患者管理や禁煙指導,合併症を有する患者や術後患者に対する注意点について,その解説を臨床でリハビリテーションを実践する看護師や作業療法士に執筆をお願いし,新たに掲載した。
本書が,今回の改訂を通じて,医療スタッフが身につけるべき新たな知識を提供することにつながり,これからも教育や臨床の場で広く活用されることを願う。
令和2 年2 月
増田 卓
松永篤彦
『循環器理学療法の理論と技術』を刊行して11年が経過した。理学療法士が身につけるべき知識の提供を目標とした初版は,卒前教育の教科書として,あるいは臨床の現場で医療を実践する際の参考書として多くの方に活用していただいた。この場を借りて感謝申し上げたい。
一方で,循環器疾患のリハビリテーションでは,医師,理学療法士だけでなく,看護師,作業療法士,薬剤師,臨床検査技師,臨床工学技士などの医療者による包括的なアプローチが不可欠であり,実際にこのような多職種によってリハビリテーションが実践されている。そこで今回の改訂では,理学療法だけにとどまらない知識を新たに取り上げ,『循環器リハビリテーションの理論と技術』と書名を改めて刊行することとなった。
章立ては初版を受け継いでおり,本書ではまず,循環器疾患を対象にリハビリテーションを組み立てるための医学的知識とその理論的背景を整理し,それに基づいて患者評価を行い,安全で効果的なリハビリテーションが実施できることを狙いとしている。その理解に必要な解剖学,生理学および病態と治療の項目については,心大血管リハビリテーションを実際に担当された医師に引き続き執筆をお願いし,新たな知見を盛り込んでいただいた。また,リハビリテーションを展開するための患者評価については,具体的な評価項目とその判定法について解説するとともに,今回新たに心エコー検査と治療用ME機器の項目を設けた。広く普及する心エコー検査や心臓ペースメーカなどの治療用デバイスの特徴を理解することは,リハビリテーションプログラムの立案やリスク管理に役立つ。また,リハビリテーションについては,運動療法などの初版から掲載されていた内容に加えて,リハビリテーション施行時の患者管理や禁煙指導,合併症を有する患者や術後患者に対する注意点について,その解説を臨床でリハビリテーションを実践する看護師や作業療法士に執筆をお願いし,新たに掲載した。
本書が,今回の改訂を通じて,医療スタッフが身につけるべき新たな知識を提供することにつながり,これからも教育や臨床の場で広く活用されることを願う。
令和2 年2 月
増田 卓
松永篤彦
全文表示する
閉じる
目次
Ⅰ 解剖学の知識
心臓の構造と機能 増田 卓
心臓の外観
心臓の構造
心筋組織
刺激伝導系
心臓の神経支配
心臓の血管
心臓のポンプ機能
内分泌機能
血管の構造と機能 青山直善
血液循環の基本
大血管の構造と機能
末梢血管の構造と機能
Ⅱ 生理学の知識
生理学の知識 佐藤清貴
自律神経活動と循環応答
血圧の調節
心拍数の調節
心拍出量の調節
Ⅲ 循環器疾患の病態と治療
虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞) 黒澤利郎
虚血性心疾患の病態
臨床検査
内科的治療と外科的治療(急性期・慢性期)
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
心臓弁膜症 池田泰子
僧帽弁狭窄症
僧帽弁閉鎖不全症
大動脈弁狭窄症
大動脈弁閉鎖不全症
三尖弁狭窄症
三尖弁閉鎖不全症
肺動脈弁狭窄症
肺動脈弁閉鎖不全症
高血圧性心疾患 東條美奈子
病態
臨床評価
治療(生活習慣改善指導と薬物療法)
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
心不全 猪又孝元
病態
臨床検査
治療
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
大血管疾患 野田千春
大動脈解離
大動脈瘤
末梢動脈疾患 青山直善
慢性動脈閉塞症の病態
臨床検査
治療
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
Ⅳ リハビリテーションのための患者評価
全身状態の観察とバイタルサインの診方 木村雅彦,忽那俊樹
主要なバイタルサインとその臨床的意義
おわりに
心電図の診方 増田 卓
電気刺激の生成
心筋細胞の興奮と電気刺激の伝導
心臓の電気的活動と機械的収縮
心電図とは
心電図の各誘導の特徴
P波
PQ間隔
QRS波
電気軸
移行帯
ST部分
T波
U波
QT間隔
心筋梗塞
狭心症
不整脈
心肺運動負荷試験 堀田一樹
はじめに
心肺運動負荷試験の生理学的意義
安全かつ正確な心肺運動負荷試験の実施方法
身体機能の評価 忽那俊樹
臨床的意義
評価方法と判定方法
ADL評価 山本周平
臨床的意義
評価方法と判定方法
包括的評価指標
疾患特異的指標
健康関連QOLの評価 井澤和大,岡 浩一朗
臨床的意義
評価尺度
循環器疾患患者に対するSF-36® を用いたHRQOL研究の概要
HRQOL向上のための運動指導方策
まとめ
抑うつと不安の評価 岡 浩一朗,柴田 愛,井澤和大
抑うつ評価の臨床的意義
抑うつの評価方法
不安評価の臨床的意義
不安の評価方法
まとめ
心臓リハビリテーションに関する心エコー所見の理解 前川恵美
心エコー検査
測定の基本
測定方法と基本断面
心エコーレポートの読み方
心不全のレポートの読み方
虚血性心疾患のレポートの読み方
心疾患患者に用いられる治療用ME機器 廣瀬 稔
はじめに
心臓ペースメーカ
植込み型除細動器
補助人工心臓
おわりに
認知機能の評価 村山憲男
高齢者や認知症患者に低下が生じやすい認知機能
高齢者や認知症患者の認知機能の評価
Ⅴ リハビリテーション(総論)
運動療法 松本卓也,堀田一樹,神谷健太郎
ウォーミングアップとクールダウン
持久力トレーニング
レジスタンストレーニング
呼吸筋トレーニング
柔軟性トレーニング
バランストレーニング
運動療法の代替手段:神経筋電気刺激療法
運動中の生体反応のモニタリング 忽那俊樹,木村雅彦
モニタリング指標の生理的な反応
モニタリングする際に考慮すべき事項
モニタリングの実際
疾患管理のための教育・指導方法
①運動指導の理論と実際 野﨑康平
心不全に対する運動療法
虚血性心疾患に対する運動療法
運動指導の実際
②栄養管理指導の理論と実際 近藤閲子
栄養評価
必要栄養量の推定
栄養指導
指導手順
患者との対応
③服薬管理指導の理論と実際 近藤留美子
服薬管理指導とは
服薬管理指導の目的
服薬コンプライアンス
薬剤師による病棟業務
循環器疾患でよく使われる薬剤—虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞)
循環器疾患でよく使われる薬剤—高血圧性心疾患
循環器疾患でよく使われる薬剤—慢性心不全
循環器疾患でよく使われる薬剤—不整脈
循環器疾患でよく使われる薬剤—大血管疾患・大動脈解離
循環器疾患でよく使われる薬剤—末梢動脈疾患
おわりに
④退院後のストレスマネジメント 長谷川恵美子
退院という環境の変化
心疾患に多いType Dを意識する
落ち込みのメカニズムと病状に隠れやすい抑うつ症状
精神症状のアセスメントは「諸刃の剣」—アセスメントでの注意点—
実際のサポート方法—どう声をかけ,どう支えるのか—
コミュニケーションのストレスをお互いに軽減するには
心臓リハビリテーション施行時の患者管理 岩村貴美
患者の生活に対する理解
心リハを実施できる状態であることの確認
治療の継続
多職種連携
医療関連感染の予防
患者急変時の対処
禁煙
①人体に及ぼす喫煙の影響 野田千春
はじめに
タバコの基礎知識
人体に及ぼす喫煙の影響
受動喫煙による影響
女性の喫煙による影響
未成年における喫煙の影響
おわりに
②心臓リハビリテーションにおける禁煙指導 河野真理
喫煙の現状
禁煙に影響を及ぼす因子
禁煙の方法
心臓リハビリテーションにおける禁煙指導
人工心臓・ペースメーカ・植込み型除細動器を装着した患者に対する心臓リハビリテーション 濱崎伸明
はじめに
補助人工心臓
ペースメーカ・植込み型除細動器
まとめ
血液透析を受けている患者に対する心臓リハビリテーション 松沢良太
はじめに
透析患者と心血管疾患
血液透析患者に対する心臓リハビリテーション
血液透析患者における身体的フレイルの管理
透析患者と運動療法
まとめ
サルコペニア・フレイルを合併した患者に対する心臓リハビリテーション 神谷健太郎
はじめに
サルコペニア・フレイルの定義と疫学について
サルコペニア・フレイルの評価について
サルコペニア・フレイルを合併した患者に対する心臓リハビリテーション
多因子運動プログラムの構成要素と要点
栄養療法
おわりに
うつ状態・適応障害・認知機能障害を合併した患者に対する心臓リハビリテーション 高橋香代子
うつ状態が心臓リハビリテーションに与える影響
うつ状態にある患者に対する基本姿勢
うつ状態にある患者へのリハビリテーション時の工夫
うつ状態にある患者への心臓リハビリテーションの実際
まとめ
開胸手術を受けた患者における上肢機能の評価と運動療法 高橋香代子
開胸手術とは
開胸手術が上肢機能に与える影響
上肢機能の評価
開胸手術後の運動療法
まとめ
Ⅵ リハビリテーション(各論)
虚血性心疾患(心筋梗塞) 笠原酉介
虚血性心疾患(心筋梗塞)の運動療法の概略
入院期の運動療法プログラム(急性期〜回復期前期)
退院後の運動療法プログラム(回復期後期〜維持期)
モニタリング指標(運動中の指標,症状や病態の変化を把握するための指標)
運動療法の効果
心臓弁膜症 木村雅彦,齊藤正和
心臓弁膜症と運動療法
弁膜症治療と運動療法
高血圧性心疾患 齊藤正和
治療目的別運動療法プログラム
モニタリング指標
HHD患者の運動療法に伴う降圧効果と機序
慢性心不全 神谷健太郎,松永篤彦
運動療法の指針と実際
モニタリング指標
運動療法プログラム
まとめ
大血管疾患 渡辺 敏
運動療法プログラム
運動療法の効果
末梢動脈疾患 山端志保,白石裕一
末梢動脈疾患の重症度
運動療法施行時の評価
運動療法プログラム
運動療法の効果
運動療法の作用機序
Ⅶ 心肺蘇生法
心肺蘇生法 田畑 稔
はじめに
一次救命処置
成人における一次救命処置の手順
心臓の構造と機能 増田 卓
心臓の外観
心臓の構造
心筋組織
刺激伝導系
心臓の神経支配
心臓の血管
心臓のポンプ機能
内分泌機能
血管の構造と機能 青山直善
血液循環の基本
大血管の構造と機能
末梢血管の構造と機能
Ⅱ 生理学の知識
生理学の知識 佐藤清貴
自律神経活動と循環応答
血圧の調節
心拍数の調節
心拍出量の調節
Ⅲ 循環器疾患の病態と治療
虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞) 黒澤利郎
虚血性心疾患の病態
臨床検査
内科的治療と外科的治療(急性期・慢性期)
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
心臓弁膜症 池田泰子
僧帽弁狭窄症
僧帽弁閉鎖不全症
大動脈弁狭窄症
大動脈弁閉鎖不全症
三尖弁狭窄症
三尖弁閉鎖不全症
肺動脈弁狭窄症
肺動脈弁閉鎖不全症
高血圧性心疾患 東條美奈子
病態
臨床評価
治療(生活習慣改善指導と薬物療法)
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
心不全 猪又孝元
病態
臨床検査
治療
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
大血管疾患 野田千春
大動脈解離
大動脈瘤
末梢動脈疾患 青山直善
慢性動脈閉塞症の病態
臨床検査
治療
リハビリテーションにおけるリスクの層別化
Ⅳ リハビリテーションのための患者評価
全身状態の観察とバイタルサインの診方 木村雅彦,忽那俊樹
主要なバイタルサインとその臨床的意義
おわりに
心電図の診方 増田 卓
電気刺激の生成
心筋細胞の興奮と電気刺激の伝導
心臓の電気的活動と機械的収縮
心電図とは
心電図の各誘導の特徴
P波
PQ間隔
QRS波
電気軸
移行帯
ST部分
T波
U波
QT間隔
心筋梗塞
狭心症
不整脈
心肺運動負荷試験 堀田一樹
はじめに
心肺運動負荷試験の生理学的意義
安全かつ正確な心肺運動負荷試験の実施方法
身体機能の評価 忽那俊樹
臨床的意義
評価方法と判定方法
ADL評価 山本周平
臨床的意義
評価方法と判定方法
包括的評価指標
疾患特異的指標
健康関連QOLの評価 井澤和大,岡 浩一朗
臨床的意義
評価尺度
循環器疾患患者に対するSF-36® を用いたHRQOL研究の概要
HRQOL向上のための運動指導方策
まとめ
抑うつと不安の評価 岡 浩一朗,柴田 愛,井澤和大
抑うつ評価の臨床的意義
抑うつの評価方法
不安評価の臨床的意義
不安の評価方法
まとめ
心臓リハビリテーションに関する心エコー所見の理解 前川恵美
心エコー検査
測定の基本
測定方法と基本断面
心エコーレポートの読み方
心不全のレポートの読み方
虚血性心疾患のレポートの読み方
心疾患患者に用いられる治療用ME機器 廣瀬 稔
はじめに
心臓ペースメーカ
植込み型除細動器
補助人工心臓
おわりに
認知機能の評価 村山憲男
高齢者や認知症患者に低下が生じやすい認知機能
高齢者や認知症患者の認知機能の評価
Ⅴ リハビリテーション(総論)
運動療法 松本卓也,堀田一樹,神谷健太郎
ウォーミングアップとクールダウン
持久力トレーニング
レジスタンストレーニング
呼吸筋トレーニング
柔軟性トレーニング
バランストレーニング
運動療法の代替手段:神経筋電気刺激療法
運動中の生体反応のモニタリング 忽那俊樹,木村雅彦
モニタリング指標の生理的な反応
モニタリングする際に考慮すべき事項
モニタリングの実際
疾患管理のための教育・指導方法
①運動指導の理論と実際 野﨑康平
心不全に対する運動療法
虚血性心疾患に対する運動療法
運動指導の実際
②栄養管理指導の理論と実際 近藤閲子
栄養評価
必要栄養量の推定
栄養指導
指導手順
患者との対応
③服薬管理指導の理論と実際 近藤留美子
服薬管理指導とは
服薬管理指導の目的
服薬コンプライアンス
薬剤師による病棟業務
循環器疾患でよく使われる薬剤—虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞)
循環器疾患でよく使われる薬剤—高血圧性心疾患
循環器疾患でよく使われる薬剤—慢性心不全
循環器疾患でよく使われる薬剤—不整脈
循環器疾患でよく使われる薬剤—大血管疾患・大動脈解離
循環器疾患でよく使われる薬剤—末梢動脈疾患
おわりに
④退院後のストレスマネジメント 長谷川恵美子
退院という環境の変化
心疾患に多いType Dを意識する
落ち込みのメカニズムと病状に隠れやすい抑うつ症状
精神症状のアセスメントは「諸刃の剣」—アセスメントでの注意点—
実際のサポート方法—どう声をかけ,どう支えるのか—
コミュニケーションのストレスをお互いに軽減するには
心臓リハビリテーション施行時の患者管理 岩村貴美
患者の生活に対する理解
心リハを実施できる状態であることの確認
治療の継続
多職種連携
医療関連感染の予防
患者急変時の対処
禁煙
①人体に及ぼす喫煙の影響 野田千春
はじめに
タバコの基礎知識
人体に及ぼす喫煙の影響
受動喫煙による影響
女性の喫煙による影響
未成年における喫煙の影響
おわりに
②心臓リハビリテーションにおける禁煙指導 河野真理
喫煙の現状
禁煙に影響を及ぼす因子
禁煙の方法
心臓リハビリテーションにおける禁煙指導
人工心臓・ペースメーカ・植込み型除細動器を装着した患者に対する心臓リハビリテーション 濱崎伸明
はじめに
補助人工心臓
ペースメーカ・植込み型除細動器
まとめ
血液透析を受けている患者に対する心臓リハビリテーション 松沢良太
はじめに
透析患者と心血管疾患
血液透析患者に対する心臓リハビリテーション
血液透析患者における身体的フレイルの管理
透析患者と運動療法
まとめ
サルコペニア・フレイルを合併した患者に対する心臓リハビリテーション 神谷健太郎
はじめに
サルコペニア・フレイルの定義と疫学について
サルコペニア・フレイルの評価について
サルコペニア・フレイルを合併した患者に対する心臓リハビリテーション
多因子運動プログラムの構成要素と要点
栄養療法
おわりに
うつ状態・適応障害・認知機能障害を合併した患者に対する心臓リハビリテーション 高橋香代子
うつ状態が心臓リハビリテーションに与える影響
うつ状態にある患者に対する基本姿勢
うつ状態にある患者へのリハビリテーション時の工夫
うつ状態にある患者への心臓リハビリテーションの実際
まとめ
開胸手術を受けた患者における上肢機能の評価と運動療法 高橋香代子
開胸手術とは
開胸手術が上肢機能に与える影響
上肢機能の評価
開胸手術後の運動療法
まとめ
Ⅵ リハビリテーション(各論)
虚血性心疾患(心筋梗塞) 笠原酉介
虚血性心疾患(心筋梗塞)の運動療法の概略
入院期の運動療法プログラム(急性期〜回復期前期)
退院後の運動療法プログラム(回復期後期〜維持期)
モニタリング指標(運動中の指標,症状や病態の変化を把握するための指標)
運動療法の効果
心臓弁膜症 木村雅彦,齊藤正和
心臓弁膜症と運動療法
弁膜症治療と運動療法
高血圧性心疾患 齊藤正和
治療目的別運動療法プログラム
モニタリング指標
HHD患者の運動療法に伴う降圧効果と機序
慢性心不全 神谷健太郎,松永篤彦
運動療法の指針と実際
モニタリング指標
運動療法プログラム
まとめ
大血管疾患 渡辺 敏
運動療法プログラム
運動療法の効果
末梢動脈疾患 山端志保,白石裕一
末梢動脈疾患の重症度
運動療法施行時の評価
運動療法プログラム
運動療法の効果
運動療法の作用機序
Ⅶ 心肺蘇生法
心肺蘇生法 田畑 稔
はじめに
一次救命処置
成人における一次救命処置の手順
全文表示する
閉じる
循環器疾患およびそのリハについて,解剖生理や病態から評価・治療までを詳説する改訂第2版
循環器疾患患者の多くは多疾患有病者であり,原疾患を含む多くの臨床所見から運動療法におけるリスクの層別化を図る必要がある。また,運動中の呼吸ならびに循環応答を適切に捉えることが運動処方の組み立てを大きく左右することから,これらの応答をより客観的に捉える高い評価技術が求められている。さらに,二次予防(再発予防)に向けて,退院後の疾患管理ならびに日常生活活動について教育的に働きかける指導能力が必要となるなど,疾患の特性に焦点をあてて,評価技術と治療技術を応用していく能力が求められている。
そこで本書は,循環器疾患に対する理学療法の臨床的意義や運動療法(プロトコール)の列挙にとどまらず,理学療法を組み立てるための理論的背景とその理論に基づいた評価ならびに治療技術を明らかにし,臨床の場で必要な知識が身に付く内容となっている。
改訂第2版では,心エコーやPCIの普及など進歩著しい循環器医療についてアップデートし,禁煙指導や術後ケアについても項目を設けている。