脳血管内治療
スタート&スタンダード
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定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- B5変型判 196ページ オールカラー,イラスト200点,写真120点
- 2018年9月28日刊行
- ISBN978-4-7583-1845-7
電子版
序文
脳血管内治療のススメ
高齢化と治療機器の進化によって脳疾患の低侵襲化がさらに勢いを増しています。脳血管内治療も年々増え続け,2016年には全脳動脈瘤の40%以上がこの方法で治療されました。今後も新たなデバイスが導入されることが確実視されており,脳動脈瘤の過半数がこの治療の対象となるのはもう目前です。
頚動脈狭窄症に関しても,ステント留置術の外科的治療に対する非劣性が示されており,わが国ではステント留置術が頚動脈内膜剥離術の2倍以上に施行されています。
一方,2015年には急性期血栓回収療法のクリニカルエビデンスが確立し,ガイドラインでも強く推奨されました。本治療の早急な普及のため,各方面でさまざまな働きかけがはじまっています。
このように,いまや脳血管内治療は“メジャーな治療”としての地位を確立しつつあります。今後さらに多くの医師に本治療をマスターしていただきたいと考え,新たな入門書を刊行することといたしました。
本書ではまず,「スタート編」で本治療のセットアップからガイディングカテーテル誘導までを取り上げ,「スタンダード編」では日常診療でよく遭遇する治療の技術的側面にフォーカスを当てました。全編を通して図を多用し,それぞれの手技の「ポイント」と「コツ」をわかりやすく説明するよう心がけました。また,昨今,専門医試験でも重視される血管解剖については多くの紙面を割いて詳しく説明しました。
ぜひ本書を活用し,脳血管内治療の世界に飛び込んでいただきたいと思います。本書が皆さんの発展の一助となることを,執筆者一同,心から願っております。
2018年8月
兵庫医科大学脳神経外科学講座主任教授
吉村紳一
執筆者一同
高齢化と治療機器の進化によって脳疾患の低侵襲化がさらに勢いを増しています。脳血管内治療も年々増え続け,2016年には全脳動脈瘤の40%以上がこの方法で治療されました。今後も新たなデバイスが導入されることが確実視されており,脳動脈瘤の過半数がこの治療の対象となるのはもう目前です。
頚動脈狭窄症に関しても,ステント留置術の外科的治療に対する非劣性が示されており,わが国ではステント留置術が頚動脈内膜剥離術の2倍以上に施行されています。
一方,2015年には急性期血栓回収療法のクリニカルエビデンスが確立し,ガイドラインでも強く推奨されました。本治療の早急な普及のため,各方面でさまざまな働きかけがはじまっています。
このように,いまや脳血管内治療は“メジャーな治療”としての地位を確立しつつあります。今後さらに多くの医師に本治療をマスターしていただきたいと考え,新たな入門書を刊行することといたしました。
本書ではまず,「スタート編」で本治療のセットアップからガイディングカテーテル誘導までを取り上げ,「スタンダード編」では日常診療でよく遭遇する治療の技術的側面にフォーカスを当てました。全編を通して図を多用し,それぞれの手技の「ポイント」と「コツ」をわかりやすく説明するよう心がけました。また,昨今,専門医試験でも重視される血管解剖については多くの紙面を割いて詳しく説明しました。
ぜひ本書を活用し,脳血管内治療の世界に飛び込んでいただきたいと思います。本書が皆さんの発展の一助となることを,執筆者一同,心から願っております。
2018年8月
兵庫医科大学脳神経外科学講座主任教授
吉村紳一
執筆者一同
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目次
スタート編
脳血管内治療のセットアップ 三浦正智
血管造影装置の使用法をマスターする 松本一真,ほか
治療に必要な血管解剖を知る 立林洸太朗
周術期管理のキーポイント 金丸拓也
穿刺とガイディング誘導のコツ 垣田寛人
ガイディングカテーテル誘導困難例への対応 阪本大輔
スタンダード編
脳動脈瘤をどう治療するか? 白川 学
脳動脈瘤 内頚動脈瘤 内田和孝
脳動脈瘤 前交通動脈瘤 桧山永得
脳動脈瘤 脳底動脈瘤 藏本要二
脳動脈瘤 Flow diverter留置術 吉村紳一
急性期脳梗塞 心原性脳塞栓症 進藤誠悟
急性期脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 別府幹也
頚動脈狭窄症 Distal protection 髙木俊範
頚動脈狭窄症 Proximal protection 山田清文
頭蓋内動脈狭窄症 杉浦由理
頭蓋外動脈病変 齋藤 新
脳血管内治療のセットアップ 三浦正智
血管造影装置の使用法をマスターする 松本一真,ほか
治療に必要な血管解剖を知る 立林洸太朗
周術期管理のキーポイント 金丸拓也
穿刺とガイディング誘導のコツ 垣田寛人
ガイディングカテーテル誘導困難例への対応 阪本大輔
スタンダード編
脳動脈瘤をどう治療するか? 白川 学
脳動脈瘤 内頚動脈瘤 内田和孝
脳動脈瘤 前交通動脈瘤 桧山永得
脳動脈瘤 脳底動脈瘤 藏本要二
脳動脈瘤 Flow diverter留置術 吉村紳一
急性期脳梗塞 心原性脳塞栓症 進藤誠悟
急性期脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 別府幹也
頚動脈狭窄症 Distal protection 髙木俊範
頚動脈狭窄症 Proximal protection 山田清文
頭蓋内動脈狭窄症 杉浦由理
頭蓋外動脈病変 齋藤 新
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充実・確実・堅実。脳血管内治療にようこそ
脳神経外科領域においていま最も注目されるのは脳血管内治療であるといっても過言ではない。脳動脈瘤や頚動脈狭窄症,急性期脳梗塞に対する血栓回収療法などのエビデンスは確立されつつあり,今後適応はますます広がってゆくものと考えられる。
本書はこれから脳血管内治療をはじめる,あるいははじめたばかりの医師の助けとなり,日本全国津々浦々にカテーテル治療を届ける「啓蒙と実践」のための一冊である。