Evidence Based Medicineを活かす

膠原病・リウマチ診療

東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター編

第4版

膠原病・リウマチ診療

■責任編集 針谷 正祥

■編集 猪狩 勝則

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  678ページ  2色(一部カラー),イラスト20点,写真120点
  • 2020年5月14日刊行
  • ISBN978-4-7583-1807-5

世界でも最大級の規模を誇る東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターの豊富なデータ・症例を使用

世界でも最大級の規模を誇る東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターが,その豊富なデータ・症例を余すことなく用い,また国内外のガイドラインの改訂や第3版以後に明らかになったエビデンスも可能な限り引用してアップデートした第4版。
改訂にあたっては,妊娠・出産に関連する項目を新設し,また治療にあたっては薬物療法に留まらず治療戦略やアルゴリズムも掲載。

■付録電子版に関しまして
付録電子版に使われている「メジカルビュー社eBook Library」アプリでございますが,すべてのOS向けの本アプリの開発を終了しておりますため,インストール可能な場合でも,各OSのバージョンアップによる不具合には対応できませんことをご了解いただければ幸甚です。何卒ご了承のほど,お願い申し上げます。(2024年7月)
・対応OS
iOS:iOS 12〜17.5
Android:Android OS 4.0〜11(Android 14以降にはインストールできません)
Windows:Windows 10〜11(23H2)


序文

序 文
改訂第4版の発刊に寄せて

 『Evidence based medicineを活かす 膠原病・リウマチ診療』は,急速に進歩するリウマチ学の知識とその臨床への応用を,読者の皆様に最新のエビデンスとともに届けることを目的としています。本書は東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センターと関連医療機関で活躍する医師・研究者によって執筆されたリウマチ学の教科書です。2000年5月に第1版が出版され,以降,2007年に第2版,2013年に第3版と歴史を積み重ねてきました。その間に,human immunologyの進歩に伴って自己免疫異常の分子機構が次第に明らかとなり,リウマチ性疾患の病因・病態への理解が進んできました。わが国では2003年から関節リウマチの治療に生物学的製剤,2013年からJAK阻害薬が導入され,関節リウマチ患者の治療アウトカムは驚異的な改善を示しました。近年,分子標的治療はほかのリウマチ性疾患にも応用され,副腎皮質ステロイドに依存しない治療法・治療戦略の開発が進められています。
 リウマチ性疾患は関節とその周囲組織,結合組織に症状が現れるすべての疾患を含み,その数は100を超えるといわれていますが,本書で扱う疾患の多くは免疫異常を基盤とする炎症性疾患であり,immune-mediated inflammatory diseasesの範疇に入ります。これらの疾患は人間の一生のさまざまな段階で発症し,その個人の残りの人生に大きな影響を及ぼします。従ってリウマチ性疾患の治療は目の前の病気を単に治めることだけではなく,その個人の一生を考えて行う必要があります。主治医が選択する治療によって,生命予後・重要臓器予後のみならず生活の質をも改善し,患者とその家族に発病以前の状態にできるだけ近い生活を長期にわたって取り戻してもらうことが,リウマチ性疾患の治療ゴールです。
 多忙な臨床・教育・研究の時間を割いてご執筆いただいた先生方の貢献なくしては,本書を出版することはできませんでした。編集責任者として執筆者の先生方に深く感謝申し上げます。また,本書の作成母体である東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センターの今日の発展の礎を築かれた歴代所長の先生方に深甚なる敬意を表します。本書がリウマチ学を学ぶすべての医師の診療レベルの向上とリウマチ性疾患患者の治療ゴールの達成に役立つことを心より願っております。

2020年4月

東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座
教授・講座主任
針谷正祥
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目次

リウマチ性疾患の診察  谷口敦夫
関節リウマチ
 疫学  酒井良子
 病因・病態  岡本祐子,猪狩勝則
 症状・検査  杉本直樹,瀬戸洋平
 診断・臨床評価  田中榮一
 薬物治療(治療戦略・NSAIDs・ステロイド・csDMARDs)  中島亜矢子
 薬物治療2(分子標的治療薬)  田中榮一
 薬物治療の安全性マネジメント  針谷正祥
 外科的治療
  総論  猪狩勝則
  上肢  佐久間悠
  下肢  矢野紘一郎
  頸椎  和田圭司
 リハビリテーション  王興栄
悪性関節リウマチ  杉本直樹
若年性特発性関節炎
 総論  宮前多佳子
 関節型若年性特発性関節炎  谷諭美,宮前多佳子
 全身型若年性特発性関節炎  岸崇之,宮前多佳子
成人発症Still病  市田久恵
リウマチ性多発筋痛症  岡本完
RS3PE症候群  川澄日出長
回帰性リウマチ  堤野みち
脊椎関節炎
 体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎)  谷口敦夫
 乾癬性関節炎  市川 奈緒美
 炎症性腸疾患に伴う関節炎  市川奈緒美
SAPHO症候群  堤野みち
結晶誘発性関節炎
 痛風  谷口 敦夫
 ピロリン酸カルシウム(CPP)結晶沈着症・塩基性リン酸カルシウム(BCP)結晶沈着症  益田郁子
変形性関節症  桃原茂樹
感染性関節炎  矢野紘一郎
反応性関節炎  山口麗,田中榮一
全身性エリテマトーデス  勝又康弘
抗リン脂質抗体症候群  木村万希子,立石睦人
全身性強皮症  川口鎮司
多発性筋炎・皮膚筋炎  五野貴久,岸崇之
混合性結合組織病(MCTD)  川口鎮司
膠原病性肺動脈性肺高血圧症(PAH)  川口鎮司
血管炎
 高安動脈炎  杉原毅彦,宮前多佳子
 巨細胞性動脈炎  杉原毅彦
 結節性多発動脈炎  高田秀人,針谷正祥
 ANCA関連血管炎  高田秀人,針谷正祥
 抗糸球体基底膜抗体病  樋口智昭,針谷正祥
 IgA血管炎  馬嶋雅子,針谷正祥
 抗C1q血管炎  馬嶋雅子,針谷正祥
 クリオグロブリン血症性血管炎  落合萌子,針谷正祥
Sjögren症候群  鈴木貴博
IgG4関連疾患  栃本明子
自己炎症性疾患  宮前多佳子
Behçet病  小竹茂
再発性多発軟骨炎  花岡成典
好酸球性筋膜炎  高木香恵
線維筋痛症  森口正人
アミロイドーシス  南家由紀
骨粗鬆症  古谷武文
妊娠・出産  金子佳代子
成人科への移行支援  谷諭美,宮前多佳子
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