CE臨床実習ルートマップ
定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
- A5判 360ページ 2色,イラスト100点,写真200点
- 2016年9月30日刊行
- ISBN978-4-7583-1721-4
電子版
序文
編集の序
臨床実習は臨床工学技士の養成課程に必須の科目です。その教育目標は,「臨床工学技士としての基礎的な実践能力を身につけ,医療における臨床工学技術の重要性を理解し,かつ,患者への対応について臨床現場で学習し,チーム医療の一員としての責任と役割を自覚する」と掲げられています。これに基づき各養成学校では必要な教育がなされています。一方,臨床実習を受け入れる医療施設では,臨床実習の学生を受け入れるべく実習テキストを用意,実習指導者育成などの努力がされています。さらに,日本臨床工学技士会は,「臨床実習指導ガイドライン」を公開し,日本臨床工学技士教育施設協議会と連携して,臨床実習指導者教育が継続されています。
本書は,こうした各方面の努力がなされているなかで,患者の診療経過に臨床工学技士がどのような診療支援をしているのかに視座を置き,学校教育と臨床業務とをつなぐ導入テキストといった意味合いをもたせるよう計画されました。具体的には,代表的な疾患モデルを用いて,診察,診断,内科的治療,生命維持装置を用いた治療支援,治療評価と,その診療経過における臨床工学技士の業務の重要性と臨床で学ぶことに焦点を当てました。
「臨床実習基礎知識編」は,臨床実習に臨む学生が,医療施設という社会で医療活動を行う場合に必要な基本的な知識について執筆いただきました。法律,規則,マナーなどの社会常識に加え,学ぶものの責任についても触れ,さらに医療倫理・教育倫理にも言及していただきました。
「臨床実習実践編」では,臨床工学技術が提供される代表的な疾患を例示し,治療の進行に従って臨床工学技術業務がどのように関わっていくのかを具体的に解説していただきました。これにより,他の疾患への技術適用が容易に理解でき,基礎医学・臨床医学・基礎工学・臨床工学の4分野の知識の連携ができると期待できます。
本書は,より多彩なアクティブ・ラーニングが臨床実習において実践できるよう提案しました。実施記録を例示し,治療の進行に伴って刻々と変わる生体情報などを自ら記録し,その記録と治療計画・治療評価・学習ポイントとを照らし合わせ,実習指導者とのディスカッションに利用し,臨床実習での学習がさらに実りあるものになると考えます。
本書が,臨床工学技士を目指す学生諸君や彼らの教育に関わる方々の一助になれば幸いです。なお,忌憚のないご意見,ご指摘など聞かせていただきたく思います。
最後に,本書の企画から刊行まで協力していただいたメジカルビュー社の野口真一氏に深謝します。
2016年8月
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床工学科
日比谷 信
臨床実習は臨床工学技士の養成課程に必須の科目です。その教育目標は,「臨床工学技士としての基礎的な実践能力を身につけ,医療における臨床工学技術の重要性を理解し,かつ,患者への対応について臨床現場で学習し,チーム医療の一員としての責任と役割を自覚する」と掲げられています。これに基づき各養成学校では必要な教育がなされています。一方,臨床実習を受け入れる医療施設では,臨床実習の学生を受け入れるべく実習テキストを用意,実習指導者育成などの努力がされています。さらに,日本臨床工学技士会は,「臨床実習指導ガイドライン」を公開し,日本臨床工学技士教育施設協議会と連携して,臨床実習指導者教育が継続されています。
本書は,こうした各方面の努力がなされているなかで,患者の診療経過に臨床工学技士がどのような診療支援をしているのかに視座を置き,学校教育と臨床業務とをつなぐ導入テキストといった意味合いをもたせるよう計画されました。具体的には,代表的な疾患モデルを用いて,診察,診断,内科的治療,生命維持装置を用いた治療支援,治療評価と,その診療経過における臨床工学技士の業務の重要性と臨床で学ぶことに焦点を当てました。
「臨床実習基礎知識編」は,臨床実習に臨む学生が,医療施設という社会で医療活動を行う場合に必要な基本的な知識について執筆いただきました。法律,規則,マナーなどの社会常識に加え,学ぶものの責任についても触れ,さらに医療倫理・教育倫理にも言及していただきました。
「臨床実習実践編」では,臨床工学技術が提供される代表的な疾患を例示し,治療の進行に従って臨床工学技術業務がどのように関わっていくのかを具体的に解説していただきました。これにより,他の疾患への技術適用が容易に理解でき,基礎医学・臨床医学・基礎工学・臨床工学の4分野の知識の連携ができると期待できます。
本書は,より多彩なアクティブ・ラーニングが臨床実習において実践できるよう提案しました。実施記録を例示し,治療の進行に伴って刻々と変わる生体情報などを自ら記録し,その記録と治療計画・治療評価・学習ポイントとを照らし合わせ,実習指導者とのディスカッションに利用し,臨床実習での学習がさらに実りあるものになると考えます。
本書が,臨床工学技士を目指す学生諸君や彼らの教育に関わる方々の一助になれば幸いです。なお,忌憚のないご意見,ご指摘など聞かせていただきたく思います。
最後に,本書の企画から刊行まで協力していただいたメジカルビュー社の野口真一氏に深謝します。
2016年8月
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床工学科
日比谷 信
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目次
1章 臨床実習基礎知識編
1 臨床実習の基本的な流れ
1 臨床実習マナー:実習前の準備
2 臨床実習マナー:接遇の5原則
2 臨床実習前に押さえておきたい基礎知識
1 安全管理
2 事故・過誤
3 感染症対策
4 インフォームド・コンセント
5 守秘義務・個人情報保護・患者情報管理
6 記録・報告・連絡・相談
7 対人関係技術
8 倫理規範・法令とハラスメント
9 健康管理
2章 臨床実習実技編
1 呼吸器系疾患
1 呼吸療法〔自発呼吸ない疾患(CPR含む),挿管症例〕
2 呼吸療法(NPPV)
3 呼吸療法(睡眠時無呼吸症候群)
4 補助循環(ECMO)
5 高気圧酸素治療(加圧治療)
2 循環器系疾患
1 体外循環(通常の体外循環)
2 体外循環(大血管血管置換,分枝送血を伴うもの)
3 体外循環(小児体外循環)
4 補助循環(IABP,PCPS)
5 補助循環(補助人工心臓:VAD)
6 心臓ペーシングおよび心血管カテーテル関連治療領域
①ペースメーカ(体内式)
②ペースメーカ(体外式)
③心血管カテーテル治療
④除細動器,植込み型除細動器
3 代謝系疾患
1 腎機能障害
①急性期治療(CRRT)
②慢性期治療(HD)
2 肝機能障害(プラズマアフェレシス血漿交換療法)
3 免疫機能障害(血漿吸着療法)
4 潰瘍性大腸炎(血球成分除去療法)
4 その他の疾患
1 手術患者全般(麻酔,モニタリング)
2 脳・神経疾患(手術用ナビゲーション)
3 消化器・泌尿器系疾患 内視鏡(電気メス・レーザー等含む)
5 医療機器安全管理
1 保守と点検
2 医療機器安全管理
3 感染対策 消毒・滅菌
1 臨床実習の基本的な流れ
1 臨床実習マナー:実習前の準備
2 臨床実習マナー:接遇の5原則
2 臨床実習前に押さえておきたい基礎知識
1 安全管理
2 事故・過誤
3 感染症対策
4 インフォームド・コンセント
5 守秘義務・個人情報保護・患者情報管理
6 記録・報告・連絡・相談
7 対人関係技術
8 倫理規範・法令とハラスメント
9 健康管理
2章 臨床実習実技編
1 呼吸器系疾患
1 呼吸療法〔自発呼吸ない疾患(CPR含む),挿管症例〕
2 呼吸療法(NPPV)
3 呼吸療法(睡眠時無呼吸症候群)
4 補助循環(ECMO)
5 高気圧酸素治療(加圧治療)
2 循環器系疾患
1 体外循環(通常の体外循環)
2 体外循環(大血管血管置換,分枝送血を伴うもの)
3 体外循環(小児体外循環)
4 補助循環(IABP,PCPS)
5 補助循環(補助人工心臓:VAD)
6 心臓ペーシングおよび心血管カテーテル関連治療領域
①ペースメーカ(体内式)
②ペースメーカ(体外式)
③心血管カテーテル治療
④除細動器,植込み型除細動器
3 代謝系疾患
1 腎機能障害
①急性期治療(CRRT)
②慢性期治療(HD)
2 肝機能障害(プラズマアフェレシス血漿交換療法)
3 免疫機能障害(血漿吸着療法)
4 潰瘍性大腸炎(血球成分除去療法)
4 その他の疾患
1 手術患者全般(麻酔,モニタリング)
2 脳・神経疾患(手術用ナビゲーション)
3 消化器・泌尿器系疾患 内視鏡(電気メス・レーザー等含む)
5 医療機器安全管理
1 保守と点検
2 医療機器安全管理
3 感染対策 消毒・滅菌
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座学で学んだ知識を臨床実習で活かすための1冊! 循環器系・代謝系など各領域の業務が詳細に理解できる実習手引書
養成校の授業,教科書で学んだ知識が実践でうまく活かせるか,臨床実習の場で何をしたらいいのか,悩みは尽きないと思う。本書は,臨床実習をただの見学の場に終わらせるのではなく,よりアクティブな学習の場として,卒業後の臨床の現場で活かせるように,病院施設や養成校の執筆陣が詳細にわかりやすく解説した実習手引書である。
1章では臨床実習のマナーと,安全管理,感染症対策などの基礎知識をまとめ,2章では「呼吸器系」「循環器系」「代謝系」などの代表的な疾患に対するCE業務を項目に分けて解説。各項目は「疾患の概要」「治療の実施」「学習するポイント」など内容を明確にして記載。また,写真やイラストを多用して,臨床実習の現場を意識した紙面となっている。