人体のメカニズムから学ぶ臨床工学
循環器治療学
定価 6,380円(税込) (本体5,800円+税)
- B5判 384ページ 2色(一部カラー),イラスト350点,写真200点
- 2017年9月29日刊行
- ISBN978-4-7583-1716-0
序文
監修の序
医学の進歩はめざましく,診療の各場面において,最新の専門的な知識に基づいた迅速な判断が要求される時代になって久しい。特に循環器疾患治療においては,薬物治療に加え,多くの非薬物治療として,カテーテルによる冠動脈疾患治療や弁膜症治療およびペースメーカーや植え込み型除細動器,心筋焼灼治療,心臓補助機器などの進歩が,患者の予後を急激に改善させた。また,昨今の医療は,集学的治療として医療チームのそれぞれのメンバーが,お互いの立場を尊重して各人の能力を十分発揮することが要求されている。その中で近年,臨床工学技士の活躍する場面が,大変増加してきている。
本書は,初学の学生さんから,経験を積んだ臨床工学技士まで,系統的な理解のみならず,最新知識をアップデートする場合も短時間で学べるように多くの工夫が凝らしてある。最初に,常日頃から循環器医学の最先端の研究と教育・診療に従事している医師に人体のメカニズムをわかりやすく解説してもらい,次に臨床工学技士側からみた業務的側面を解説していただいた。第3章以降は,各診断・治療ごとに医師・臨床工学技士の両面からの解説で最新の情報がわかりやすくまとめてある。豊富な図やイラストは,第一線の現場でイメージがわきやすいよう工夫している。
本書の執筆は,我が国を代表する医師,臨床工学技士の方々に分担していただき,さらに記載の過不足のないよう編集していただいている。本書が試験勉強のみならず,日々の診療を支える臨床工学技士の方々により一層活用され,明日からの循環器治療に役立てていただければ幸甚である。
最後に,限られた時間で快く執筆をしてくださった執筆者の方々,メジカルビュー社 編集部の髙橋祐太朗氏にこの場を借りて深謝申し上げます。
2017年9月
的場聖明
-----------------------------------
編集の序
臨床医学で使用される様々な機器が増加し複雑化する流れの中で,一人の医師が診療しながら機器を操作していくことは不可能な場面が多くなりました。複数のデバイスを同時に使用することも増え,機器の丁寧な保守管理も必要になっています。そのため診療機器の専門家として臨床工学技士の関与する場面はますます増加してきています。
なかでも循環器疾患については,虚血や先天性,弁膜症,不整脈といった疾患でカテーテル治療が盛んになり,さまざまな機器を使用して検査をし,処置・管理をするものが増えています。また救命処置や重症心不全患者さんの管理にもたくさんの機器を使いこなし,その状態や,施設の実態に合わせて使い分ける必要性も高まっています。
本書は,初めてこの分野の勉強をする学生から,臨床での経験を積んだ臨床工学技士が知識を新たにする場合まで,わかりやすく重要ポイントが頭に残りやすい参考書になるように編集しました。循環器疾患の治療現場に詳しい現役の医師や臨床工学技士に執筆を依頼し,生きた教材を提供できるよう心掛けたつもりです。イラストを多用して見た目にもわかりやすく,イメージがつかみやすいように工夫しています。
学生にとっては,ポイントや章末のまとめを参考にして全体像を勉強するのが良いと思います。最も重要な点を抜き出してありますが,同時に国家試験の出題傾向とも関連しています。実際の臨床で関わる前には,基本的な解剖や生理学の知識を踏まえて,それぞれの場面に応じた機器の概要と特徴を理解するようにしていただけると良いと考えています。必要な個所を何度も行き来して読み直すことで,基本的な内容をしっかりと把握してから,実際の診療に取り組んでいただけると幸いです。
本書が国家試験の合格だけでなく,臨床工学技士の技能・知識の向上に役立ち,日本全体の診療レベルアップに役立つことを願っています。
2017年9月
白山武司
八木克史
医学の進歩はめざましく,診療の各場面において,最新の専門的な知識に基づいた迅速な判断が要求される時代になって久しい。特に循環器疾患治療においては,薬物治療に加え,多くの非薬物治療として,カテーテルによる冠動脈疾患治療や弁膜症治療およびペースメーカーや植え込み型除細動器,心筋焼灼治療,心臓補助機器などの進歩が,患者の予後を急激に改善させた。また,昨今の医療は,集学的治療として医療チームのそれぞれのメンバーが,お互いの立場を尊重して各人の能力を十分発揮することが要求されている。その中で近年,臨床工学技士の活躍する場面が,大変増加してきている。
本書は,初学の学生さんから,経験を積んだ臨床工学技士まで,系統的な理解のみならず,最新知識をアップデートする場合も短時間で学べるように多くの工夫が凝らしてある。最初に,常日頃から循環器医学の最先端の研究と教育・診療に従事している医師に人体のメカニズムをわかりやすく解説してもらい,次に臨床工学技士側からみた業務的側面を解説していただいた。第3章以降は,各診断・治療ごとに医師・臨床工学技士の両面からの解説で最新の情報がわかりやすくまとめてある。豊富な図やイラストは,第一線の現場でイメージがわきやすいよう工夫している。
本書の執筆は,我が国を代表する医師,臨床工学技士の方々に分担していただき,さらに記載の過不足のないよう編集していただいている。本書が試験勉強のみならず,日々の診療を支える臨床工学技士の方々により一層活用され,明日からの循環器治療に役立てていただければ幸甚である。
最後に,限られた時間で快く執筆をしてくださった執筆者の方々,メジカルビュー社 編集部の髙橋祐太朗氏にこの場を借りて深謝申し上げます。
2017年9月
的場聖明
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編集の序
臨床医学で使用される様々な機器が増加し複雑化する流れの中で,一人の医師が診療しながら機器を操作していくことは不可能な場面が多くなりました。複数のデバイスを同時に使用することも増え,機器の丁寧な保守管理も必要になっています。そのため診療機器の専門家として臨床工学技士の関与する場面はますます増加してきています。
なかでも循環器疾患については,虚血や先天性,弁膜症,不整脈といった疾患でカテーテル治療が盛んになり,さまざまな機器を使用して検査をし,処置・管理をするものが増えています。また救命処置や重症心不全患者さんの管理にもたくさんの機器を使いこなし,その状態や,施設の実態に合わせて使い分ける必要性も高まっています。
本書は,初めてこの分野の勉強をする学生から,臨床での経験を積んだ臨床工学技士が知識を新たにする場合まで,わかりやすく重要ポイントが頭に残りやすい参考書になるように編集しました。循環器疾患の治療現場に詳しい現役の医師や臨床工学技士に執筆を依頼し,生きた教材を提供できるよう心掛けたつもりです。イラストを多用して見た目にもわかりやすく,イメージがつかみやすいように工夫しています。
学生にとっては,ポイントや章末のまとめを参考にして全体像を勉強するのが良いと思います。最も重要な点を抜き出してありますが,同時に国家試験の出題傾向とも関連しています。実際の臨床で関わる前には,基本的な解剖や生理学の知識を踏まえて,それぞれの場面に応じた機器の概要と特徴を理解するようにしていただけると良いと考えています。必要な個所を何度も行き来して読み直すことで,基本的な内容をしっかりと把握してから,実際の診療に取り組んでいただけると幸いです。
本書が国家試験の合格だけでなく,臨床工学技士の技能・知識の向上に役立ち,日本全体の診療レベルアップに役立つことを願っています。
2017年9月
白山武司
八木克史
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目次
Chapter1 人体のメカニズム
01 心臓の構造 白山武司
心臓の外観
心臓の内面
弁の構造
心臓上方の大血管
まとめのチェック
02 血液循環(体循環と肺循環) 齊藤暁人・小室一成
体循環と肺循環
収縮期血圧と拡張期血圧
まとめのチェック
03 冠動脈の解剖生理学的機序 芳川裕亮・塩見紘樹・木村 剛
冠動脈の解剖
・大動脈と冠動脈の分岐と構造(AHA 分類を含む)
・右冠動脈
・左冠動脈
冠動脈の生理
まとめのチェック
04 心電図の発生機序 速水紀幸・村川裕二
電位の発生とその計測
・静止膜電位
・活動電位
・電位の計測
心電図記録
・標準12 誘導心電図
・標準肢誘導とEinthoven の正三角形
・単極誘導
まとめのチェック
05 刺激伝導系 永瀬 聡・草野研吾
はじめに
洞結節
房室結節
ヒス束
右脚,左脚
プルキンエ線維
まとめのチェック
06 徐脈性不整脈の機序 南口 仁・坂田泰史
徐脈とは
洞不全症候群
・概念
・分類
・治療
房室ブロック
・概念
・分類
・治療
まとめのチェック
07 頻脈性不整脈の発生機序 柳澤 哲・室原豊明
総論
・異常自動能
・撃発活動(トリガードアクティビティ)
・リエントリー
各論
・期外収縮
・発作性上室性頻拍
・心房細動
・心室頻拍
まとめのチェック
08 心肺停止状態の機序 日浅謙一・筒井裕之
心肺停止とは
心臓のポンプ機能と心停止
心停止の分類
・心停止の4 分類
心停止の原因疾患
・心停止の原因となりうる病態
まとめのチェック
09 心不全の機序 日高貴之・木原康樹
心不全とは
心臓の構造・機能障害の原因
代償機転
・ Frank-Starling の機序
・左室圧容量曲線
・交感神経活性化
・ Frank-Starling の機序と交感神経活性化
・心拍出の再分配
・慢性期の心筋リモデリング
心不全への移行
まとめのチェック
Chapter2 循環器治療領域の基礎知識と基本業務指針
01 心・血管カテーテル業務 中川孝太郎
はじめに
心・血管カテーテル室にある医療機器
事前準備
ポリグラフやラボ装置を用いた検査と治療
画像処理装置を用いての診断
清潔補助業務
被ばく対策
急変時や急患への対応
・急変時
・急患
不整脈関連業務
心臓以外のカテーテル業務
・末梢血管検査・治療業務
・脳血管関連業務
保守管理
・日常点検
・定期点検
・定期点検計画書の作成
その他
・カンファレンスへの参加
・医療機器導入時における導入計画,機種選定などへの参画
・物品適正使用の徹底
・患者確認の徹底
心・血管カテーテル業務でのおもなトラブルと対処方法
おわりに
まとめのチェック
02 ペースメーカ・ICD 業務指針 綿引哲夫
はじめに
旧業務指針の背景から基本業務指針2010 への変更
ペースメーカ・植込み型除細動器業務指針
おわりに
まとめのチェック
03 集中治療基本業務指針 木村政義
業務指針とは
集中治療領域での基本業務指針
循環器治療に関する業務指針
IABP 業務の留意事項
VA-ECMO/VV-ECMO 業務の留意事項
医師の指示に疑義がある場合
まとめのチェック
Chapter3 循環器治療の対象となる疾患の解剖・生理と処置で使用される医療機器の構造・役割
01 心臓カテーテル検査と治療
狭心症と心筋梗塞 田代英樹・簑田英明
・狭心症(AP)
・急性心筋梗塞(AMI)
まとめのチェック
CAG(心臓カテーテル検査)とPCI(心臓カテーテル治療)とPTA(経皮的血管拡張術)
坂倉建一・小久保 領
・ CAG(心臓カテーテル検査)
・ PCI(心臓カテーテル治療)
・ PTA(経皮的血管拡張術)
まとめのチェック
血管内超音波(IVUS) 山口敏和・鈴木頼快・小林俊博
・ IVUS
・ IVUS の特徴と使用方法
・ IVUS の原理
・ IVUS 画像を構成する要素
・ IVUS カテーテルの種類と特徴
まとめのチェック
OCT/OFDI(光干渉断層撮影) 小林俊博・鈴木頼快・山口敏和
・ OCT/OFDI の原理
・ OCT/OFDI の手技の流れ
・ IVUS とOCT/OFDI の比較
・ OCT/OFDI の正常血管画像
・ OCT/OFDI のプラーク性状の画像
・ OCT/OFDI のステント画像
・ステントの血管壁不完全圧着(ISA)
・ステントストラット圧着の評価方法
・ステント再狭窄(内膜増殖)
・ IVUS とOCT/OFDI の計測結果の違い
まとめのチェック
FFR(冠血流予備量比)の測定とiFR(瞬時血流予備能)の測定について 村澤孝秀・小寺 聡
・ FFR とは
・ FFR の有用性
・実際の症例
・ FFR を測定するための準備
・最大拡張のための薬剤
・ FFR 測定の実際
・その他のモダリティとの比較
・ iFR(瞬時血流予備能)について
・ FFR におけるおもなトラブルと対処方法
まとめのチェック
デバイス説明(バルーン,ステント,ロータブレータなど) 横田 順・清末有宏
・ PCI に必要となる器具
・トラブル対処方法
まとめのチェック
右心カテーテル〔スワンガンツ(Swan-Ganz)カテーテル〕 尾越 登・加藤 敦
・目的
・スワンガンツカテーテルの挿入方法
・心拍出量(CO)の測定方法
・おもなトラブルと対処方法
まとめのチェック
左心カテーテル 杉村宗典・田村俊寛
・心機能とは
・左心カテーテル法
・左室圧との圧較差を評価する疾患(同時圧の測定)
・左室造影(LVG)
・ LVG の実際とその評価
・大動脈造影(AOG)
・左心カテーテル検査のトラブル事例・対処方法
まとめのチェック
経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI),経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC),経皮的心房中隔欠損閉鎖術 前田孝一・市堀泰裕・宇留野達彦
・経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI) 前田孝一
・経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC) 市堀泰裕
・医療機器の構造
・経皮的心房中隔欠損閉鎖術 市堀泰裕
まとめのチェック 宇留野達彦
体外式ペースメーカ・除細動器・ポリグラフ 坂田憲治・祝迫周平
・体外式ペースメーカ
・除細動器
・ポリグラフ
まとめのチェック
02 心臓植込み型電気的デバイス(CIEDs)
ペースメーカ 佐生 喬・藤井英太郎
・ペースメーカ植込み術の適応
・ペースメーカの目的
・ペースメーカの分類
・ペースメーカの構造
・ペーシングタイミング
・ペースメーカの基本機能
・特殊機能・拡張機能
・植込み〜 MRI 検査の流れ
・電磁干渉(EMI)
・植込み手術
まとめのチェック
植込み型除細動器(ICD) 磯村健二・南口 仁
・突然死とは
・ ICD とは
・ ICD システム
・ ICD の機能
まとめのチェック
CRT-P/CRT-D(心臓再同期療法) 足立和正・壷井里恵子
まとめのチェック
03 カテーテル心筋アブレーション治療
アブレーションシステム 内藤滋人・中嶋 勉
・心電図・心内電位記録解析装置(Lab システム)
・心臓電気刺激装置(カーディアックスティムレータ)
・高周波発生装置
・クライオアブレーション
・ホットバルーンアブレーション
まとめのチェック
各疾患に対する検査と治療 永島道雄・伊藤朋晃
・頻脈性不整脈の検査
・頻脈性不整脈の種類の同定ステップ
・各疾患に対する治療
・上室性不整脈
まとめのチェック
3 次元マッピングシステム 小倉敬士・白山武司
・ 3 次元マッピングシステムとは
・ 3 次元マッピングシステムの種類
まとめのチェック
04 補助循環
IABP 田仲信行・木村啓志
・ IABP 装置の構成
・ IABP バルーン構造
・ IABP 駆動装置の構造
・ IABP の効果
・ IABP 挿入の手順
・ IABP の管理
・ IABP の適応
・ IABP の禁忌
・ IABP の合併症
まとめのチェック
V-A ECMO 戸部 智・加納寛也
・機械の仕組み
・適応と禁忌
・導入と管理
・離脱
・ V-A ECMO の合併症
まとめのチェック
V-V ECMO(静脈脱血—静脈送血体外式膜型人工肺) 橋本 悟・八木克史
・呼吸不全への補助循環
まとめのチェック
VAD(補助人工心臓) 戸田宏一・丸山雄一
・概要: 日本における補助人工心臓治療の流れ
・補助人工心臓とは
・心不全とは
・心不全の重症度分類
・補助人工心臓の適応基準
・補助人工心臓の使用目的
・適応疾患
・植込型補助人工心臓: 適応基準
・臨床使用中の補助人工心臓
まとめのチェック
01 心臓の構造 白山武司
心臓の外観
心臓の内面
弁の構造
心臓上方の大血管
まとめのチェック
02 血液循環(体循環と肺循環) 齊藤暁人・小室一成
体循環と肺循環
収縮期血圧と拡張期血圧
まとめのチェック
03 冠動脈の解剖生理学的機序 芳川裕亮・塩見紘樹・木村 剛
冠動脈の解剖
・大動脈と冠動脈の分岐と構造(AHA 分類を含む)
・右冠動脈
・左冠動脈
冠動脈の生理
まとめのチェック
04 心電図の発生機序 速水紀幸・村川裕二
電位の発生とその計測
・静止膜電位
・活動電位
・電位の計測
心電図記録
・標準12 誘導心電図
・標準肢誘導とEinthoven の正三角形
・単極誘導
まとめのチェック
05 刺激伝導系 永瀬 聡・草野研吾
はじめに
洞結節
房室結節
ヒス束
右脚,左脚
プルキンエ線維
まとめのチェック
06 徐脈性不整脈の機序 南口 仁・坂田泰史
徐脈とは
洞不全症候群
・概念
・分類
・治療
房室ブロック
・概念
・分類
・治療
まとめのチェック
07 頻脈性不整脈の発生機序 柳澤 哲・室原豊明
総論
・異常自動能
・撃発活動(トリガードアクティビティ)
・リエントリー
各論
・期外収縮
・発作性上室性頻拍
・心房細動
・心室頻拍
まとめのチェック
08 心肺停止状態の機序 日浅謙一・筒井裕之
心肺停止とは
心臓のポンプ機能と心停止
心停止の分類
・心停止の4 分類
心停止の原因疾患
・心停止の原因となりうる病態
まとめのチェック
09 心不全の機序 日高貴之・木原康樹
心不全とは
心臓の構造・機能障害の原因
代償機転
・ Frank-Starling の機序
・左室圧容量曲線
・交感神経活性化
・ Frank-Starling の機序と交感神経活性化
・心拍出の再分配
・慢性期の心筋リモデリング
心不全への移行
まとめのチェック
Chapter2 循環器治療領域の基礎知識と基本業務指針
01 心・血管カテーテル業務 中川孝太郎
はじめに
心・血管カテーテル室にある医療機器
事前準備
ポリグラフやラボ装置を用いた検査と治療
画像処理装置を用いての診断
清潔補助業務
被ばく対策
急変時や急患への対応
・急変時
・急患
不整脈関連業務
心臓以外のカテーテル業務
・末梢血管検査・治療業務
・脳血管関連業務
保守管理
・日常点検
・定期点検
・定期点検計画書の作成
その他
・カンファレンスへの参加
・医療機器導入時における導入計画,機種選定などへの参画
・物品適正使用の徹底
・患者確認の徹底
心・血管カテーテル業務でのおもなトラブルと対処方法
おわりに
まとめのチェック
02 ペースメーカ・ICD 業務指針 綿引哲夫
はじめに
旧業務指針の背景から基本業務指針2010 への変更
ペースメーカ・植込み型除細動器業務指針
おわりに
まとめのチェック
03 集中治療基本業務指針 木村政義
業務指針とは
集中治療領域での基本業務指針
循環器治療に関する業務指針
IABP 業務の留意事項
VA-ECMO/VV-ECMO 業務の留意事項
医師の指示に疑義がある場合
まとめのチェック
Chapter3 循環器治療の対象となる疾患の解剖・生理と処置で使用される医療機器の構造・役割
01 心臓カテーテル検査と治療
狭心症と心筋梗塞 田代英樹・簑田英明
・狭心症(AP)
・急性心筋梗塞(AMI)
まとめのチェック
CAG(心臓カテーテル検査)とPCI(心臓カテーテル治療)とPTA(経皮的血管拡張術)
坂倉建一・小久保 領
・ CAG(心臓カテーテル検査)
・ PCI(心臓カテーテル治療)
・ PTA(経皮的血管拡張術)
まとめのチェック
血管内超音波(IVUS) 山口敏和・鈴木頼快・小林俊博
・ IVUS
・ IVUS の特徴と使用方法
・ IVUS の原理
・ IVUS 画像を構成する要素
・ IVUS カテーテルの種類と特徴
まとめのチェック
OCT/OFDI(光干渉断層撮影) 小林俊博・鈴木頼快・山口敏和
・ OCT/OFDI の原理
・ OCT/OFDI の手技の流れ
・ IVUS とOCT/OFDI の比較
・ OCT/OFDI の正常血管画像
・ OCT/OFDI のプラーク性状の画像
・ OCT/OFDI のステント画像
・ステントの血管壁不完全圧着(ISA)
・ステントストラット圧着の評価方法
・ステント再狭窄(内膜増殖)
・ IVUS とOCT/OFDI の計測結果の違い
まとめのチェック
FFR(冠血流予備量比)の測定とiFR(瞬時血流予備能)の測定について 村澤孝秀・小寺 聡
・ FFR とは
・ FFR の有用性
・実際の症例
・ FFR を測定するための準備
・最大拡張のための薬剤
・ FFR 測定の実際
・その他のモダリティとの比較
・ iFR(瞬時血流予備能)について
・ FFR におけるおもなトラブルと対処方法
まとめのチェック
デバイス説明(バルーン,ステント,ロータブレータなど) 横田 順・清末有宏
・ PCI に必要となる器具
・トラブル対処方法
まとめのチェック
右心カテーテル〔スワンガンツ(Swan-Ganz)カテーテル〕 尾越 登・加藤 敦
・目的
・スワンガンツカテーテルの挿入方法
・心拍出量(CO)の測定方法
・おもなトラブルと対処方法
まとめのチェック
左心カテーテル 杉村宗典・田村俊寛
・心機能とは
・左心カテーテル法
・左室圧との圧較差を評価する疾患(同時圧の測定)
・左室造影(LVG)
・ LVG の実際とその評価
・大動脈造影(AOG)
・左心カテーテル検査のトラブル事例・対処方法
まとめのチェック
経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI),経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC),経皮的心房中隔欠損閉鎖術 前田孝一・市堀泰裕・宇留野達彦
・経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI) 前田孝一
・経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC) 市堀泰裕
・医療機器の構造
・経皮的心房中隔欠損閉鎖術 市堀泰裕
まとめのチェック 宇留野達彦
体外式ペースメーカ・除細動器・ポリグラフ 坂田憲治・祝迫周平
・体外式ペースメーカ
・除細動器
・ポリグラフ
まとめのチェック
02 心臓植込み型電気的デバイス(CIEDs)
ペースメーカ 佐生 喬・藤井英太郎
・ペースメーカ植込み術の適応
・ペースメーカの目的
・ペースメーカの分類
・ペースメーカの構造
・ペーシングタイミング
・ペースメーカの基本機能
・特殊機能・拡張機能
・植込み〜 MRI 検査の流れ
・電磁干渉(EMI)
・植込み手術
まとめのチェック
植込み型除細動器(ICD) 磯村健二・南口 仁
・突然死とは
・ ICD とは
・ ICD システム
・ ICD の機能
まとめのチェック
CRT-P/CRT-D(心臓再同期療法) 足立和正・壷井里恵子
まとめのチェック
03 カテーテル心筋アブレーション治療
アブレーションシステム 内藤滋人・中嶋 勉
・心電図・心内電位記録解析装置(Lab システム)
・心臓電気刺激装置(カーディアックスティムレータ)
・高周波発生装置
・クライオアブレーション
・ホットバルーンアブレーション
まとめのチェック
各疾患に対する検査と治療 永島道雄・伊藤朋晃
・頻脈性不整脈の検査
・頻脈性不整脈の種類の同定ステップ
・各疾患に対する治療
・上室性不整脈
まとめのチェック
3 次元マッピングシステム 小倉敬士・白山武司
・ 3 次元マッピングシステムとは
・ 3 次元マッピングシステムの種類
まとめのチェック
04 補助循環
IABP 田仲信行・木村啓志
・ IABP 装置の構成
・ IABP バルーン構造
・ IABP 駆動装置の構造
・ IABP の効果
・ IABP 挿入の手順
・ IABP の管理
・ IABP の適応
・ IABP の禁忌
・ IABP の合併症
まとめのチェック
V-A ECMO 戸部 智・加納寛也
・機械の仕組み
・適応と禁忌
・導入と管理
・離脱
・ V-A ECMO の合併症
まとめのチェック
V-V ECMO(静脈脱血—静脈送血体外式膜型人工肺) 橋本 悟・八木克史
・呼吸不全への補助循環
まとめのチェック
VAD(補助人工心臓) 戸田宏一・丸山雄一
・概要: 日本における補助人工心臓治療の流れ
・補助人工心臓とは
・心不全とは
・心不全の重症度分類
・補助人工心臓の適応基準
・補助人工心臓の使用目的
・適応疾患
・植込型補助人工心臓: 適応基準
・臨床使用中の補助人工心臓
まとめのチェック
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臨床工学技士養成校の学生を対象としたサブテキスト。臨床工学技士の業務のうちで,心臓カテーテル業務,人工心肺業務,補助循環業務に必要な知識を病態生理を絡めて解説
本書は臨床工学技士養成校の学生さんを対象としたサブテキストである。
臨床工学技士は高度な医療機器を扱うプロフェッショナルであり,医学的知識と工学的知識の両方を併せもたなければならない。また,近年では取り扱う医療機器の高度化,業務内容の拡大などにより,従来どおりの知識では対応することができず,医学的知識においても病態生理を絡めた知識が必要となる。本書ではこのような現状を踏まえ,臨床工学技士の代表的な業務のうちの,心臓カテーテル業務,人工心肺業務,補助循環業務に必要な知識を病態生理を絡めて解説している。
また,欄外に「用語アラカルト」や「補足」を設け+αの知識を掲載するとともに,豊富な図表を用いて視覚的にも理解しやすいレイアウトとした。さらに,一通り学習した後,きちんと知識を習得できたかどうか確認するための「まとめのチェック」を章末に設けている。
ぜひ,本書を通じて臨床にもつなげられる臨床工学の知識を身につけてほしい。