作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト

作業療法学概論(改訂第2版)

改訂第2版

作業療法学概論(改訂第2版)

■編集 里村 恵子

定価 4,620円(税込) (本体4,200円+税)
  • B5判  336ページ  2色,イラスト200点,写真30点
  • 2015年2月2日刊行
  • ISBN978-4-7583-1670-5

写真・図表・Case Studyをさらに数多く追加し,よりスケールアップした講義用テキストの改訂版!!

本シリーズは,作業療法学について知識のない学生さんでもわかりやすいように,読みやすく解説した作業療法学専門分野の講義用テキストである。
今回,改訂第2版では,「全体像」のページを見直し,本文の流れとよりシンクロさせ,全体像の中のイラストにも解説を盛り込んで理解しやすいように工夫した。また,国試関連のポイントも押さえられるよう「Point!」を新設し,さらに「用語アラカルト」「Case Study」「MEMO」については初版よりもさらに多く盛り込み充実させ,学生さんの理解の助けとした。「まとめのチェック」も各項目間のバラツキを是正し,全体的に統一感をもたせた。
「作業療法学概論」については,学生さんが身につけるべき基礎的な内容を広く概観できるように解説している。作業療法とは何かということから,身体障害,発達障害など各領域ごとの作業療法とそれぞれの理論の概要,作業療法士を取り巻く法律や業務まで含め,さまざまな側面から全体像をおさえることができるテキストである。
是非,本書を通じて,作業療法とは何かを知って,将来の臨床につなげてほしい!

■シリーズ監修
長﨑重信


序文

改訂第2版 編集の序

 本書は,「作業療法学 ゴ-ルド・マスタ-・テキスト」シリ-ズのなかの「作業療法学概論」である。初版刊行以来3年が経過し,新たな時代の流れを反映させるべく,改訂版を発行することになった。初版との違いは,各章,最新の情報を加えたこと,読者の理解が深まる工夫を凝らしたことである。具体的には,難解な内容や用語などに対して欄外に「MEMO」欄や用語解説を増やして知識を補完できるようにし,また学習内容の定着を図るために項目ごとに「まとめのチェック」を充実させたことに表れている。また,第7章に「作業療法部門の管理」を新設し,上級学年に配置されている管理に関する科目内容の中から,早い時期から理解しておいてほしい項目について記述したことである。本書全体の構成については,1章から6章まで初版を踏襲する形とした。
 多くの養成校で「作業療法学概論」の授業は,入学直後の学期に15時間で設定されて進められている。この授業を受ける学生は,教師主導の教育を受けていた養成校入学以前の教育形態から,自分の頭で考え,学習を進め,問題解決を図るという主体的な教育を初めて経験するわけであり,これは大きな未知のチャレンジとして感じることであろう。学生がこのチャレンジに果敢に取り組み,成功感を体験できるよう,本書を役立てていただきたい。また同時に,作業療法士は主体的な自己研鑽を生涯続ける必要がある職種であることを知り,その姿勢を身に着けようとする入口ともなるこの科目の伴走者として,本書を活用していただければ,著者一同,大きな喜びである。もちろん,このような姿勢は,この「作業療法学概論」のみで形成できるわけではなく,すべての教科の学習や臨床実習の経過の中で育成されていくものであろう。だが,教育的な視点から,早い時期から自分が目指す職業のイメ-ジをもつことの重要性が指摘されており,入学後最初に接する作業療法士が担当する科目の影響は大きいものと推察される。
 養成校の教育内容は,厚生労働省の定める指定規則や国家試験出題基準,また養成校の形態別の監督官庁の示すもの(例えば,文部科学省の設置基準など)によって枠が定められている。その中で,教師が基準や規則を満たしたうえで学生に応じた工夫ができるよう,また学生が上級学年で学ぶ専門科目の学習にスム-ズにつなげられるよう,本書がその役割を果たしてくれることを期待して,改訂版の「編集の序」としたい。

2015年1月
東京医療学院大学  里村恵子
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目次

1 イントロダクション
  1 作業科学を知っていますか
  2 作業療法の過程をみてみよう
  3 おわりに
 
1章 作業療法は難しいか
 1 作業療法ってなに?
  1 医療チームにおける作業療法士とは
  2 作業療法の意味と範囲
  3 作業療法の制約と発展
 
 2 人と作業との関わり
  1 作業とからだ
  2 作業とこころ
  3 作業と意欲
  4 作業療法の手順
 
2章 作業療法の歴史
 1 作業療法の歴史
  1 作業療法の誕生
  2 ヨーロッパにおける作業療法士の教育
  3 アメリカの作業療法
  4 世界大戦と機能再建助手の誕生
  5 作業療法士の組織 
  6 日本の作業療法
  7 おわりに
 
 2 日本の作業療法① 肢体不自由児の作業療法(高木憲次)
  1 はじめに
  2 肢体不自由児に対する関心のきっかけ
  3 高木の生い立ち
  4 夢の楽園教養所の構想まで
  5 療育事業の沿革
  6 療育のコツ
  7 整肢療護園とリハビリテーション専門職
  8 伝統の灯・療育の碑
  9 おわりに
 
 3 日本の作業療法② 結核の作業療法(野村 実・田澤鐐二・濱野規矩雄)
  1 はじめに
  2 戦前の身体(内部)障害「作業療法」の歴史
  3 野村 実による「作業療法」(Beschäftigung Therapie)の紹介
  4 田澤鐐二による「作業療法」の試みと「有益な点」
  5 濱野規矩雄と「作業療法」への情熱
 
 4 日本の作業療法③ 「リハビリテーション」と作業療法(砂原茂一)
  1 砂原茂一と化学療法時代の「作業療法」
 
 5 日本の作業療法④ 身体障害の作業療法(田村春雄・原 武郎)
  1 戦後の身体障害作業療法の歴史
  2 更正指導所と田村春雄の手作り職能療法
  3 九州労災病院の体系的職能療法と原 武郎
 
 6 日本の作業療法⑤ リハビリテーション学院の設立
  1 職能療法から作業療法へ〜リハビリテーション学院設立の意義〜
  2 「回復」から「創りだす」作業療法へ
 
3章 作業療法の定義
 1 作業療法という名称
 
 2 治療手段の「作業」の意味
  1 作業の定義
  2 「作業」の意味と範囲
  3 作業療法の対象者・目的・手段と方法
 
 3 作業療法の定義
  1 日本の法律
  2 「日本作業療法士協会」の定義
  3 「アメリカ作業療法士協会」の定義
  4 「世界作業療法士連盟」の定義
  5 作業療法士と職業倫理の問題
 
4章 作業療法の対象
 1 身体障害の作業療法
  1 身体障害領域における作業療法とは?
  2 作業療法(OT)評価
  3 目標の設定
  4 作業療法の計画立案と治療の実施,再評価へ
 
 2 精神障害の作業療法
  1 精神科領域の作業療法
  2 精神科領域の作業療法の対象
  3 作業療法の治療手段
  4 作業療法の目的と課題
  5 今後の課題
 
 3 発達障害領域の作業療法
  1 どのような疾患が対象か?
  2 どのように評価を進めたらよいのだろうか?
  3 疾患の特徴とその対応は?
  4 おわりに
  
 4 高齢期の作業療法
  1 高齢社会の課題
  2 高齢期の特徴
  3 高齢期の課題
  4 高齢期障害に対する作業療法士の役割
  5 おわりに
 
 5 高次脳機能障害の作業療法
  1 はじめに
  2 高次脳機能障害とは?
  3 高次脳機能障害の特徴
  4 高次脳機能障害の主要症状と評価
  5 高次脳機能障害の評価手順について
  6 福祉サービスについて
 
 6 地域作業療法
  1 地域作業療法の定義
  2 地域リハビリテーションの定義
  3 地域作業療法,地域リハビリテーションの歴史
  4 地域で働く作業療法士
  5 事例でみる地域作業療法
  6 おわりに
 
5章 作業療法の周辺
 1 作業療法と関連する学問
  1 はじめに
  2 作業療法とは?
  3 小学校から高校までに学んだことと作業療法の関わり
  4 大学・専門学校のカリキュラムと作業療法
  5 主な履修科目と作業療法との関連性
 
 2 医学系科目と作業療法
  1 養成校で学習する医学系科目
  2 作業療法の専門科目について
 
 3 作業療法と関連する職種について
  1 作業療法士とほかの専門職の関わり
 
6章 作業療法の理論
 1 身体機能面からみた理論
  1 身体機能面からみた理論
  2 日常生活における人の動きの特徴と身体機能
  3 身体機能領域における作業療法の主な関わりと対応
  4 身体機能領域に関する理論
  5 身体機能領域の作業療法実践の場における技法と学習理論との関係
  6 身体機能領域に関する各種理論と実践の場での技法との関係
 
 2 心理・精神機能面からみた理論
  1 はじめに
  2 Moseyの理論
  3 生活技能訓練(SST:social skills training)
  4 森田療法
 
 3 発達理論と作業療法
  1 はじめに
  2 アーノルド・ゲゼルの発達理論
  3 ジャン・ピアジェの発生的認識論
  4 エリック・エリクソンの発達理論
  5 おわりに
 
 4 作業行動面からみた理論
  1 はじめに
  2 歴史的背景
  3 作業の定義
  4 作業科学と作業療法の違い
  5 作業科学と作業研究
  6 作業に焦点をあてた実践
  7 作業科学の知識を作業療法に活かす
  8 作業科学の今後
 
 5 対象者中心主義からみた理論
  1 はじめに
  2 歴史的背景
  3 CMOPの中心概念①:クライエント中心主義
  4 CMOPの中心概念②:作業の可能化
  5 作業遂行プロセスモデル
  6 カナダ作業遂行測定(COPM)
  7 カナダ作業遂行モデル(CMOP)の実践例
  8 カナダ作業遂行測定(COPM)を使用するにあたって
 
7章 作業療法部門の管理
 1 専門職としての職業倫理
  1 専門職とは
  2 臨床における倫理
  3 研究における倫理
  4 医療の倫理
 
 2 記録と報告
  1 記録
  2 報告
  3 管理的な記録と報告
 
 3 診療報酬
  1 診療報酬制度
  2 作業療法の診療報酬制度
  3 診療報酬の改定
  4 おわりに
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