新OCT・OCTA読影トレーニング

新OCT・OCTA読影トレーニング

■編集 白神 史雄
飯田 知弘

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • B5変型判  400ページ  オールカラー,イラスト20点,写真1,200点
  • 2019年2月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-1637-8

豊富なOCT, OCTA画像で緑内障,網膜ぶどう膜疾患の読影力を身につけよう

今や眼科検査にOCT,OCTA(OCTアンギオグラフィ)は不可欠な時代。しかしながら眼科医誰もが的確に病像をとらえ画像の読影をしているかというとそうとは言えない。そこで本書ではOCT,OCTAの基本画像をしっかりとおさえたうえで,疾患別に典型例とバリエーション例の画像をふんだんに提示,その読影ポイントを解説している。主な網膜疾患以外にも緑内障,脈絡膜疾患,まれな網膜疾患も掲載。この一冊にOCT, OCTAの画像を余すことなく載せているからこそ,本書で読影力が自然と身につく。


序文

 光干渉断層計(optical coherence tomography;OCT)は,検眼鏡所見に対応した眼底断面を組織切片を見るかのように観察することを可能にし,眼科診療を大きく変えました。
 眼底所見を読むときには,病変を4次元的に捉えることが大切です。われわれ眼科医は,細隙灯顕微鏡を用いた眼底観察で3次元,すなわち立体的,空間的に所見を観察しています。しかし,その評価は個人の観察力に頼らざるを得ません。また,眼底カラー写真や蛍光眼底造影などの画像診断で記録できるのは2次元情報に限られています。OCTの登場により,客観的な3次元画像診断と記録がミクロン単位の解像度で,しかも非侵襲的に短時間の検査で可能となりました。自然経過や治療後の経時的変化も一目瞭然で,眼底病変を4次元の視点から把握し理解することが容易です。まさに眼科診療に革命が起こったと言えます。このような有用性からOCTは瞬く間に普及して,多くの眼科医にとって不可欠な診療ツールとなりました。
 しかし,「OCT画像所見を正確に読影できているか?」「OCTを診療に導入したが十分に活用できているのか?」「OCTの読影能力と知識を習得したい」このような先生方の声をよく耳にしてきました。OCTに関する教育的講演に多くの参加者があることもこれを裏付けています。
 そこでOCTを最大限に活かして,日常診療で眼底病変を正確に捉えることに役立てていただきたいとの目的で,『OCT読影トレーニング』の初版を上梓したのは今から約5年半前の2013年8月でした。初版は記憶にとどまりやすいレイアウトで,多くの画像とピンポイントの簡潔な文章による診断の要を特徴に,多くの先生にご活用いただきました。
 5年以上経った現在,OCT抜きの眼科診療は考えられなくなりました。OCTは日々進歩を続け,解像力の向上,読影や解析のノウハウの蓄積,そしてOCTAの登場など,驚くほどの進歩を遂げたため既刊の内容では十分な情報が得られなくなりました。そこでこの度『OCT読影トレーニング』の特徴は踏襲したうえで内容を刷新した『新OCT・OCTA読影トレーニング』を上梓いたしました。
 本書を外来の診察机に置いていただき,患者さんのOCT画像を読影する際に,少しでも診断の一助としてご活用いただけましたら編者としてこのうえない喜びです。
 最後に,本書を纏めるにあたりご協力いただきました岡山大学,東京女子医科大学,福島県立医科大学の執筆者の先生方にあらためて心より深謝申し上げます。

2019年2月
白神史雄
飯田知弘
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目次

A. 基本画像を知ろう
 Ⅰ.OCT
  正常所見  石龍鉄樹
  基本所見  石龍鉄樹
  アーチファクト  石龍鉄樹
 Ⅱ.OCT angiography
  正常所見  丸子一朗
  基本所見  丸子一朗
  アーチファクト  丸子一朗
 Ⅲ.撮り方のコツ  藤原篤之

B. 疾患別画像を見よう
 Ⅰ.緑内障
  緑内障の視神経乳頭解析  藤原美幸
  緑内障の黄斑解析  藤原美幸
  緑内障のOCTによる進行解析  内藤知子
  緑内障の前眼部OCT  藤原美幸
 Ⅱ.緑内障とまぎらわしい疾患
  上方視神経乳頭部分低形成  三木貴子
  乳頭小窩  三木貴子
  強度近視  三木貴子
  網膜静脈分枝閉塞症  三木貴子
 Ⅲ.視神経病変
  視神経乳頭腫脹  小島 彰
  視神経萎縮  大口泰治
  乳頭小窩黄斑症候群  大口泰治,長谷川泰司
 Ⅳ.網膜硝子体界面病変
  後部硝子体剥離  河合萌子,丸子一朗
  黄斑円孔  塩出雄亮
  網膜上膜  塩出雄亮
  分層黄斑円孔  平野雅幸,森實祐基
  硝子体黄斑牽引症候群  平野雅幸
  特発性網膜分離症  丸子一朗
 Ⅴ.加齢黄斑変性
  ドルーゼン,萎縮型加齢黄斑変性  丸子留佳
  滲出型加齢黄斑変性/典型加齢黄斑変性  和泉雄彦,丸子一朗
  滲出型加齢黄斑変性/ポリープ状脈絡膜血管症  河野泰三,丸子一朗
  滲出型加齢黄斑変性/網膜血管腫状増殖  髙橋洋平,丸子一朗
  滲出型加齢黄斑変性の治療経過  丸子留佳
 Ⅵ.新生血管黄斑症
  網膜色素線条(弾性線維性仮性黄色腫)  細川海音
  特発性脈絡膜新生血管  細川海音
 Ⅶ.中心性漿液性脈絡網膜症
  中心性漿液性脈絡網膜症  丸子一朗
  慢性中心性漿液性脈絡網膜症  丸子一朗
 Ⅷ.糖尿病網膜症
  糖尿病黄斑浮腫  戸島慎二
  増殖糖尿病網膜症  戸島慎二
 Ⅸ.網膜血管病変
  網膜静脈閉塞症/網膜中心静脈閉塞症  長谷川泰司
  網膜静脈閉塞症/網膜静脈分枝閉塞症  長谷川泰司
  網膜動脈閉塞症/網膜中心動脈閉塞症  小暮朗子
  網膜動脈閉塞症/網膜動脈分枝閉塞症  小暮朗子
  網膜細動脈瘤  木村修平
  特発性黄斑部毛細血管拡張症  長谷川泰司
 Ⅹ.黄斑部出血
  網膜前出血  木村修平
  網膜下出血  木村修平
 Ⅺ.強度近視,傾斜乳頭症候群
  近視性牽引症候群 網膜分離  木村修平
  強度近視黄斑円孔  木村修平
  近視性脈絡膜新生血管  丸子一朗
  dome-shaped macula  丸子一朗
  傾斜乳頭症候群  丸子一朗
  intrachoroidal cavitation  菅野幸紀
  強度近視に合併する網膜血管周囲異常  田中啓一郎,石橋誠一
 Ⅻ.裂孔原性網膜剝離  木村修平
 XⅢ.遺伝性網膜変性
  網膜色素変性  荒川久弥
  先天網膜分離症  菅野幸紀
  卵黄状黄斑ジストロフィ(Best病)  丸子一朗
  Stargardt病  石龍鉄樹
  occult macular dystrophy  和泉雄彦,丸子一朗
 XⅣ.網膜外層病変
  急性帯状潜在性網膜外層症  今泉公宏,小島 彰
  多発消失性白点症候群  菅野幸紀,丸子一朗
  punctate inner choroidopathy  髙橋洋平,丸子一朗
 XⅤ.ぶどう膜炎
  原田病  丸子一朗
  その他のぶどう膜炎  内村英子
 XⅥ.眼内腫瘍
  脈絡膜血管腫  古田 実
  脈絡膜悪性黒色腫  古田 実
  転移性脈絡膜腫瘍  古田 実
  脈絡膜骨腫  古田 実
  眼内悪性リンパ腫  古田 実
 XⅦ.その他
  脈絡膜の菲薄・肥厚  荒川久弥
  pachychoroid spectrum  湧川空子,古泉英貴
  focal choroidal excavation  菅野幸紀
  macular microhole  河野泰三,丸子一朗
  paracentral acute middle maculopathy  長谷川泰司
  レーザーによる網膜障害  長谷川泰司
  パクリタキセル網膜症  丸子一朗
  タモキシフェン網膜症  丸子一朗
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