図説 胆道IVR
経皮インターベンションのすべて
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定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- A4判 256ページ 2色,イラスト1,000点
- 2015年3月10日刊行
- ISBN978-4-7583-1517-3
在庫僅少です。
序文
近年,胆道系インターベンションは,内視鏡の発展と普及により,PTBDや総胆管へのステント留置などが内視鏡的手技が経皮的手技に取って代わりつつあるが,経皮的手技は多様性に富み,その汎用性はいまだに広い。
経皮的胆道インターベンションに関する従来の専門書は,インターベンション全般の中の1項目として,主に施行頻度の高いPT(G)BDやステント留置術といった限られた領域の基本手技を総論的に解説したものが中心であり,その応用に関しては希薄なものが多かった。
本書は,基本手技だけでなく,滅多に遭遇しない稀なケースの対処法を含めた応用手技や,トラブルシューティングなど幅広い分野にわたり,およそ130手技を詳細に解説した経皮的胆道インターベンション専門書である。例えば,対処に難渋する非拡張胆管に対するPTBDや,胆囊からのインターベンションに大いに役立つ肝臓を経ない経皮的胆囊ドレナージ術,multistentingや胆管結石除去,胆汁漏の処理など,その種々の病態や状況に合わせた手技を丁寧に解説した。
本書の特徴は,手技を詳細に解説するためにより多くの紙面を割いた。このため,時代とともに大きく変動する「治療成績」は省き,「適応」や「禁忌」,「合併症」などは簡潔にまとめた。手技の解説では,手技の流れと基本知識を「基本的手順」として示し,図説ではその流れの中で重要な部分を「Point」,手技に関する重要な知識を「Memo」,ちょっとしたコツを「手技のコツ」,失敗や合併症を回避するための事項を「Caution」として強調した。図説した手技は執筆者全員の経験やテキストに基づき,普遍的な内容になるように配慮した一方で,過去30年にわたってできる限り文献を集め,その中から役に立つ手技も厳選して掲載した。なお,手技図に示された胆管像は,特に初心者,初級者に胆管の3次元のイメージを構築していただくために立体像で示した。
初心者には基本的知識ならびに技術習得に,初級者には1 つでも多くの基本手技の習得に,中級者にはより多くの応用手技の習得に,さらに熟練者には教育ならびに応用手技の幅広い活用,およびそれらの組み合わせた手技の参考に,本書を活用していただければ幸甚である。手技を始める前にちょっと目を通していただくと,手技の確認ができたり,時には新たな発見があるかもしれない。また困った時や迷った時には,その問題を解決するか,糸口を与えてくれるかもしれない。
このように本書が,必ずや胆道系インターベンションに携わる諸氏にとって臨床の現場で役立つ書となることを編集者一同確信している。
最後に,執筆ならびに校正の労をおとりいただいた諸先生方,ならびに企画から編集,制作まで献身的にご協力いただいたメジカルビュー社に深謝いたします。
2015年2月吉日
吉岡哲也
経皮的胆道インターベンションに関する従来の専門書は,インターベンション全般の中の1項目として,主に施行頻度の高いPT(G)BDやステント留置術といった限られた領域の基本手技を総論的に解説したものが中心であり,その応用に関しては希薄なものが多かった。
本書は,基本手技だけでなく,滅多に遭遇しない稀なケースの対処法を含めた応用手技や,トラブルシューティングなど幅広い分野にわたり,およそ130手技を詳細に解説した経皮的胆道インターベンション専門書である。例えば,対処に難渋する非拡張胆管に対するPTBDや,胆囊からのインターベンションに大いに役立つ肝臓を経ない経皮的胆囊ドレナージ術,multistentingや胆管結石除去,胆汁漏の処理など,その種々の病態や状況に合わせた手技を丁寧に解説した。
本書の特徴は,手技を詳細に解説するためにより多くの紙面を割いた。このため,時代とともに大きく変動する「治療成績」は省き,「適応」や「禁忌」,「合併症」などは簡潔にまとめた。手技の解説では,手技の流れと基本知識を「基本的手順」として示し,図説ではその流れの中で重要な部分を「Point」,手技に関する重要な知識を「Memo」,ちょっとしたコツを「手技のコツ」,失敗や合併症を回避するための事項を「Caution」として強調した。図説した手技は執筆者全員の経験やテキストに基づき,普遍的な内容になるように配慮した一方で,過去30年にわたってできる限り文献を集め,その中から役に立つ手技も厳選して掲載した。なお,手技図に示された胆管像は,特に初心者,初級者に胆管の3次元のイメージを構築していただくために立体像で示した。
初心者には基本的知識ならびに技術習得に,初級者には1 つでも多くの基本手技の習得に,中級者にはより多くの応用手技の習得に,さらに熟練者には教育ならびに応用手技の幅広い活用,およびそれらの組み合わせた手技の参考に,本書を活用していただければ幸甚である。手技を始める前にちょっと目を通していただくと,手技の確認ができたり,時には新たな発見があるかもしれない。また困った時や迷った時には,その問題を解決するか,糸口を与えてくれるかもしれない。
このように本書が,必ずや胆道系インターベンションに携わる諸氏にとって臨床の現場で役立つ書となることを編集者一同確信している。
最後に,執筆ならびに校正の労をおとりいただいた諸先生方,ならびに企画から編集,制作まで献身的にご協力いただいたメジカルビュー社に深謝いたします。
2015年2月吉日
吉岡哲也
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目次
第Ⅰ章 胆道インターベンションに際して
1.胆道系の解剖
1)胆管
2)胆囊
2.胆道へのアプローチ
3.器具
4.薬物
5.副作用・合併症
第Ⅱ章 治療法
1.経皮経肝的胆道ドレナージ術(PTBD)
1)拡張胆管症例に対するPTBD
(1)one step法
(2)two step法
2)非拡張胆管症例に対するPTBD
(1)US下PTBD
(2)透視下PTBD
3)特殊な胆道ドレナージ
(1)経皮経肝的逆行性胆道ドレナージ(PTRBD)
(2)経皮経空腸的胆道ドレナージ(Percutaneous Transjejunal BiliaryDrainage)
4)PTBDの合併症
2.経皮的胆囊ドレナージ術
1)経皮的胆囊ドレナージ術の基本
2)経皮経肝的ドレナージ(PTGBD)
3)経皮経腹腔的ドレナージ
4)経皮的胆囊ドレナージ術の合併症
3.内外瘻化
1)内外瘻化の基本
2)肝外(CBD)閉塞
3)肝門部閉塞
(1)Forced-buckle法
(2)Wire Reverse法
4)内外瘻化の合併症
4.内瘻術
1)ステント留置術の基本
(1)肝外胆管閉塞
(2)肝門部・肝内胆管閉塞
■ステント留置術の一覧(Multi-stenting)
(3)悪性胆管・空腸吻合部狭窄
2)ステント留置術の合併症
(1)チューブステント
(2)メタリックステント
3)特殊な胆道内瘻術
(1)経皮経肝的胆管胃瘻造設術
(2)経皮的胆囊十二指腸瘻造設術
(3)経皮的胆囊胆管瘻造設術
(4)磁石圧迫吻合術
5.良性胆道狭窄拡張術
1)良性胆道狭窄拡張術の基本
2)胆道バルーン拡張術
3)チューブステント留置術
4)新胆管空腸瘻造設術
5)良性胆道狭窄拡張術の合併症
6.経皮的胆道結石除去術
1)経皮的胆道結石除去術の基本
2)砕石法
3)CBD結石除去術
(1)経皮経肝的アプローチ
(2)Tチューブ瘻孔アプローチ
4)肝内胆管結石除去術
(1)経皮経肝的アプローチ
(2)末梢胆管からのアプローチ
(3)経皮経空腸的アプローチ
5)胆囊結石除去術
6)経皮的胆道結石除去術の合併症
7.異物除去術
1)異物除去術の基本
2)ステント
3)胆道回虫症
4)異物除去術の合併症
8.胆囊アブレーション
1)胆嚢アブレーションの基本
2)金属コイルとNBCAでの胆囊管閉塞
3)硬化剤による胆囊アブレーション
4)胆嚢アブレーションの合併症
9.胆汁漏(bilomaを含む)処理術
1)胆汁漏処理術の基本
2)肝外胆汁漏
(1)遺残胆囊管の破綻(瘻孔塞栓術)
(2)肝切除術後断端部破綻(瘻孔塞栓術)
(3)胆管空腸吻合部破綻(経皮的ドレナージ)
(4)肝術後末梢胆管破綻(胆管機能廃絶術)
3)肝内胆汁漏(硬化術)
4)胆汁漏処理術の合併症
10.胆汁瘻閉鎖術
1)瘻孔閉鎖術の基本
2)気管(支)胆管瘻
3)胆汁瘻閉鎖術の合併症
11.胆管断裂修復術
1)胆管断裂修復術の基本
2)ランデブー法
3)バルーンタンポナーデ法
4)CT下穿刺法
5)鈍的ワイヤー貫通法
6)胆管断裂修復術の合併症
12.経皮経肝的胆道生検術
1)経皮経肝的胆道生検術の基本
2)透視下鉗子生検
3)ホッケースティック型のカテーテルによる回転吸引生検
4)19Gバネ式自動生検針を用いた生検
5)経皮経肝胆道鏡下での鉗子生検
6)経皮経肝的胆道生検術の合併症
第Ⅲ章 Trouble shooting
1.ドレナージチューブ閉塞の対処
2.ステント閉塞
1.胆道系の解剖
1)胆管
2)胆囊
2.胆道へのアプローチ
3.器具
4.薬物
5.副作用・合併症
第Ⅱ章 治療法
1.経皮経肝的胆道ドレナージ術(PTBD)
1)拡張胆管症例に対するPTBD
(1)one step法
(2)two step法
2)非拡張胆管症例に対するPTBD
(1)US下PTBD
(2)透視下PTBD
3)特殊な胆道ドレナージ
(1)経皮経肝的逆行性胆道ドレナージ(PTRBD)
(2)経皮経空腸的胆道ドレナージ(Percutaneous Transjejunal BiliaryDrainage)
4)PTBDの合併症
2.経皮的胆囊ドレナージ術
1)経皮的胆囊ドレナージ術の基本
2)経皮経肝的ドレナージ(PTGBD)
3)経皮経腹腔的ドレナージ
4)経皮的胆囊ドレナージ術の合併症
3.内外瘻化
1)内外瘻化の基本
2)肝外(CBD)閉塞
3)肝門部閉塞
(1)Forced-buckle法
(2)Wire Reverse法
4)内外瘻化の合併症
4.内瘻術
1)ステント留置術の基本
(1)肝外胆管閉塞
(2)肝門部・肝内胆管閉塞
■ステント留置術の一覧(Multi-stenting)
(3)悪性胆管・空腸吻合部狭窄
2)ステント留置術の合併症
(1)チューブステント
(2)メタリックステント
3)特殊な胆道内瘻術
(1)経皮経肝的胆管胃瘻造設術
(2)経皮的胆囊十二指腸瘻造設術
(3)経皮的胆囊胆管瘻造設術
(4)磁石圧迫吻合術
5.良性胆道狭窄拡張術
1)良性胆道狭窄拡張術の基本
2)胆道バルーン拡張術
3)チューブステント留置術
4)新胆管空腸瘻造設術
5)良性胆道狭窄拡張術の合併症
6.経皮的胆道結石除去術
1)経皮的胆道結石除去術の基本
2)砕石法
3)CBD結石除去術
(1)経皮経肝的アプローチ
(2)Tチューブ瘻孔アプローチ
4)肝内胆管結石除去術
(1)経皮経肝的アプローチ
(2)末梢胆管からのアプローチ
(3)経皮経空腸的アプローチ
5)胆囊結石除去術
6)経皮的胆道結石除去術の合併症
7.異物除去術
1)異物除去術の基本
2)ステント
3)胆道回虫症
4)異物除去術の合併症
8.胆囊アブレーション
1)胆嚢アブレーションの基本
2)金属コイルとNBCAでの胆囊管閉塞
3)硬化剤による胆囊アブレーション
4)胆嚢アブレーションの合併症
9.胆汁漏(bilomaを含む)処理術
1)胆汁漏処理術の基本
2)肝外胆汁漏
(1)遺残胆囊管の破綻(瘻孔塞栓術)
(2)肝切除術後断端部破綻(瘻孔塞栓術)
(3)胆管空腸吻合部破綻(経皮的ドレナージ)
(4)肝術後末梢胆管破綻(胆管機能廃絶術)
3)肝内胆汁漏(硬化術)
4)胆汁漏処理術の合併症
10.胆汁瘻閉鎖術
1)瘻孔閉鎖術の基本
2)気管(支)胆管瘻
3)胆汁瘻閉鎖術の合併症
11.胆管断裂修復術
1)胆管断裂修復術の基本
2)ランデブー法
3)バルーンタンポナーデ法
4)CT下穿刺法
5)鈍的ワイヤー貫通法
6)胆管断裂修復術の合併症
12.経皮経肝的胆道生検術
1)経皮経肝的胆道生検術の基本
2)透視下鉗子生検
3)ホッケースティック型のカテーテルによる回転吸引生検
4)19Gバネ式自動生検針を用いた生検
5)経皮経肝胆道鏡下での鉗子生検
6)経皮経肝的胆道生検術の合併症
第Ⅲ章 Trouble shooting
1.ドレナージチューブ閉塞の対処
2.ステント閉塞
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多くの治療法においてその標準手技が確立しておらず,多様化している胆道IVRの手技を,一施設またはその系列,あるいは一門の手法にとらわれず,他施設で行われている方法や文献で紹介されている方法まで,約1,000点にもおよぶイラストを中心に解説。適切な手技の選択と,対処するための総合的な判断・技術力を養うことができる一冊。
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