これで決まり!
循環器治療薬ベストチョイス
こんな病態・症例にこの処方
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どなたでもご覧いただけます
定価 4,950円(税込) (本体4,500円+税)
- A5判 304ページ 2色
- 2012年7月12日刊行
- ISBN978-4-7583-1401-5
序文
薬剤に関する書籍が数多くあるなかで,メジカルビュー社から臨床に即した循環器治療薬の本を企画してほしいとの依頼を受けた。これまでに薬剤に関する書籍をいくつか編集したことがあるが,従来の薬剤関連の書籍にないような特徴をもたせ,かつ臨床医にとって実用性の高い内容にすることを心がけた。数多くの循環器治療薬を使用できる状況下で,どの薬剤を選ぶかは若い医師のみならず熟練医においてもたやすいことではない。“迷うことなく薬剤を選択できる”,このような願いをこめて本書のタイトル名を「循環器治療薬ベストチョイス」とした。一読していただければわかるように,記載内容が教科書的ではなく,目の前に実際の患者がいるかのように,どのようにして薬剤の選択を進めていったらよいかがわかる内容となっている。
項目立てとしては,循環器専門医においては必要ないかもしれないが,まずは「薬剤別」として,カテゴリーごとに循環器治療薬の特徴を理解していただくことにした。構成としては,適応疾患と使用頻度の高い薬剤が列挙され,薬剤の特徴,作用機序,副作用,禁忌事項が箇条書きでみやすく記載されている。循環器治療薬の知識の整理に役立たせることができる。次の「疾患別」は本書の特徴ともいえるべき項目であり,疾患ごとに第一選択とすべき1st Lineの薬剤が瞬時に理解できるようになっている。教科書的な疾患の解説は最小限にとどめている。“なぜその薬剤か?”,といった疑問にもガイドラインを引用しながら明快に解説している。続いて,処方(治療)の実際として同列の薬剤名が列挙されており,その後は投薬上の注意,投与期間と効果判定,副作用防止と対処,禁忌事項,肝・腎疾患合併/妊婦例が分かりやすく記述されている。なんらかの理由で1st Lineの薬剤を使用できない場合には,2nd Lineとしてどのような薬剤を選択し,どのように使用すべきかが,1st Lineと同様の形式で記載されている。まさに実臨床での使用を十分に考慮した構成となっている。また,最後にはAppendixとして,循環器治療薬と併用することの多い糖尿病薬についての項目が設けられており,これもまた実臨床での使用を配慮したものである。
このように,本書は循環器治療薬を使用することの多い臨床医にとって,バイブルともいえる書籍になったと自負している。日々の臨床において本書を十分に活用していただき,実臨床における循環器治療薬のエキスパートになっていただければ企画した者として幸甚である。
平成24年6月
東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授
池田隆徳
項目立てとしては,循環器専門医においては必要ないかもしれないが,まずは「薬剤別」として,カテゴリーごとに循環器治療薬の特徴を理解していただくことにした。構成としては,適応疾患と使用頻度の高い薬剤が列挙され,薬剤の特徴,作用機序,副作用,禁忌事項が箇条書きでみやすく記載されている。循環器治療薬の知識の整理に役立たせることができる。次の「疾患別」は本書の特徴ともいえるべき項目であり,疾患ごとに第一選択とすべき1st Lineの薬剤が瞬時に理解できるようになっている。教科書的な疾患の解説は最小限にとどめている。“なぜその薬剤か?”,といった疑問にもガイドラインを引用しながら明快に解説している。続いて,処方(治療)の実際として同列の薬剤名が列挙されており,その後は投薬上の注意,投与期間と効果判定,副作用防止と対処,禁忌事項,肝・腎疾患合併/妊婦例が分かりやすく記述されている。なんらかの理由で1st Lineの薬剤を使用できない場合には,2nd Lineとしてどのような薬剤を選択し,どのように使用すべきかが,1st Lineと同様の形式で記載されている。まさに実臨床での使用を十分に考慮した構成となっている。また,最後にはAppendixとして,循環器治療薬と併用することの多い糖尿病薬についての項目が設けられており,これもまた実臨床での使用を配慮したものである。
このように,本書は循環器治療薬を使用することの多い臨床医にとって,バイブルともいえる書籍になったと自負している。日々の臨床において本書を十分に活用していただき,実臨床における循環器治療薬のエキスパートになっていただければ企画した者として幸甚である。
平成24年6月
東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授
池田隆徳
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目次
薬剤編
カルシウム拮抗薬 谷口正弥,伊藤正明
ACE阻害薬・ARB(配合薬含む) 並木 温
β遮断薬・α遮断薬 閔 庚徳,朝倉正紀,北風政史
強心薬・カテコラミン・hANP・PDEⅢ阻害薬 久武真二
強心薬
カテコラミン
hANP
PDEⅢ阻害薬
利尿薬 辻野 健
ループ利尿薬
サイアザイド系利尿薬
アルドステロン受容体拮抗薬
バソプレシンV2受容体拮抗薬
硝酸薬・冠拡張薬 本郷賢一
硝酸薬
冠拡張薬(ニコランジル)
抗不整脈薬 池田隆徳
プロスタグランジン・エンドセリン受容体拮抗薬・PDE-5阻害薬 江本憲昭
プロスタグランジン
エンドセリン受容体拮抗薬
PDE-5阻害薬
抗凝固薬 矢坂正弘
抗血小板薬 進藤俊哉
脂質異常症治療薬 今泉 聡,朔 啓二郎
疾患編
血圧異常①高血圧(本態性高血圧) 山科昌平
血圧異常②高血圧(二次性高血圧) 水野裕之,苅尾七臣
腎実質性高血圧
腎血管性高血圧
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫
睡眠時無呼吸症候群
血圧異常③肺高血圧 片岡雅晴,佐藤 徹
虚血性心疾患①狭心症 飯島雷輔
虚血性心疾患②急性心筋梗塞 中島誠子,中川義久
心不全①収縮障害 青山直善
心不全②拡張障害 安斉俊久
不整脈①徐脈性不整脈 小原俊彦
不整脈②頻脈性不整脈 米良尚晃
心房細動
発作性上室頻拍
心室頻拍・心室細動
その他(上室期外収縮・心室期外収縮/非持続性心室頻拍・心房粗動)
心筋疾患①拡張型心筋症 布田伸一
心筋疾患②肥大型心筋症 竹原有史,長谷部直幸
弁膜症①僧帽弁疾患 原田昌彦
僧帽弁狭窄症
僧帽弁閉鎖不全症
弁膜症②大動脈弁疾患 松下健一
大動脈弁狭窄症
大動脈弁閉鎖不全症
心内膜炎・心膜炎①感染性心内膜炎 八尾武憲
心内膜炎・心膜炎②急性心膜炎 近藤直樹
動脈疾患①大動脈疾患 藤井毅郎
急性大動脈解離
慢性大動脈解離
大動脈瘤
Marfan症候群
炎症性腹部大動脈瘤
感染性大動脈瘤
動脈疾患②末梢動脈疾患 平田光博
静脈疾患 静脈血栓塞栓症 山田典一
脂質異常症 大荷満生
Appendix 経口糖尿病薬 柴 輝男
本書に掲載されている薬剤一覧
カルシウム拮抗薬 谷口正弥,伊藤正明
ACE阻害薬・ARB(配合薬含む) 並木 温
β遮断薬・α遮断薬 閔 庚徳,朝倉正紀,北風政史
強心薬・カテコラミン・hANP・PDEⅢ阻害薬 久武真二
強心薬
カテコラミン
hANP
PDEⅢ阻害薬
利尿薬 辻野 健
ループ利尿薬
サイアザイド系利尿薬
アルドステロン受容体拮抗薬
バソプレシンV2受容体拮抗薬
硝酸薬・冠拡張薬 本郷賢一
硝酸薬
冠拡張薬(ニコランジル)
抗不整脈薬 池田隆徳
プロスタグランジン・エンドセリン受容体拮抗薬・PDE-5阻害薬 江本憲昭
プロスタグランジン
エンドセリン受容体拮抗薬
PDE-5阻害薬
抗凝固薬 矢坂正弘
抗血小板薬 進藤俊哉
脂質異常症治療薬 今泉 聡,朔 啓二郎
疾患編
血圧異常①高血圧(本態性高血圧) 山科昌平
血圧異常②高血圧(二次性高血圧) 水野裕之,苅尾七臣
腎実質性高血圧
腎血管性高血圧
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫
睡眠時無呼吸症候群
血圧異常③肺高血圧 片岡雅晴,佐藤 徹
虚血性心疾患①狭心症 飯島雷輔
虚血性心疾患②急性心筋梗塞 中島誠子,中川義久
心不全①収縮障害 青山直善
心不全②拡張障害 安斉俊久
不整脈①徐脈性不整脈 小原俊彦
不整脈②頻脈性不整脈 米良尚晃
心房細動
発作性上室頻拍
心室頻拍・心室細動
その他(上室期外収縮・心室期外収縮/非持続性心室頻拍・心房粗動)
心筋疾患①拡張型心筋症 布田伸一
心筋疾患②肥大型心筋症 竹原有史,長谷部直幸
弁膜症①僧帽弁疾患 原田昌彦
僧帽弁狭窄症
僧帽弁閉鎖不全症
弁膜症②大動脈弁疾患 松下健一
大動脈弁狭窄症
大動脈弁閉鎖不全症
心内膜炎・心膜炎①感染性心内膜炎 八尾武憲
心内膜炎・心膜炎②急性心膜炎 近藤直樹
動脈疾患①大動脈疾患 藤井毅郎
急性大動脈解離
慢性大動脈解離
大動脈瘤
Marfan症候群
炎症性腹部大動脈瘤
感染性大動脈瘤
動脈疾患②末梢動脈疾患 平田光博
静脈疾患 静脈血栓塞栓症 山田典一
脂質異常症 大荷満生
Appendix 経口糖尿病薬 柴 輝男
本書に掲載されている薬剤一覧
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循環器薬の投与に対する考え方・方法・投与例等を「1st Line」「2nd Line」にわけて徹底解説!
現在の循環器診療において,PCIをはじめとするカテーテル治療,IVUS,OCT等が注目されがちであるが,「薬物療法」は循環器内科医にとって最も難しく,腕の見せ所の1つともいえる。しかし,異なる病態で同じ薬剤が広く使われ,β遮断薬などの主要な薬剤においても30程度の種類があるため,処方に難渋する場面が臨床現場で多々あるのが現状である。
そこで本書では,循環器薬物療法を「1st Line」「2nd Line」に分けて,各疾患,病態に対する処方テクニックを第一線で活躍する循環器内科医が徹底解説。薬剤の特徴や処方例,投与上の注意点等のほかに,「1st Line」「2nd Line」それぞれの選択に対する考え方も詳細に解説しており,臨床現場において薬物療法の手助けとなる1冊となっている。