OS NEXUS 6

脊椎固定術 これが基本テクニック

脊椎固定術 これが基本テクニック

■担当編集委員 西良 浩一

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
  • A4判  198ページ  オールカラー,イラスト200点,写真100点
  • 2016年4月18日刊行
  • ISBN978-4-7583-1385-8

頚椎・腰椎に対する固定術の基本テクニックを理解するならこの1冊!

『OS NEXUS』No.6では,脊椎に行われる2大手術のひとつ「脊椎固定術」を取り上げている(もうひとつはNo.2の後方除圧術)。
本号は3つの章で構成されている。最初の章では固定術で使用される基本の器具:スクリュー,フック,補強材料のテープの使い方と,母床(移植骨を設置する場所)の作製法について解説されている。次の章は,頚椎に対する代表的な術式でまとめられており,形状が大きく異なる「C1,C2」と「C3〜C6」に行われる手技と注意点が詳述されている。最後の章は,腰椎に対する代表的な術式で構成されている。後方固定術の定番であるPLIF(後方進入腰椎椎体間固定術)から低侵襲のTLIF(片側進入腰椎後方椎体間固定術),TLIFをさらに低侵襲にしたMini-open TLIF,経皮的進入法(PPS)など,必要な術式のポイントが明記されている。
脊椎固定術は,除圧術同様,後方アプローチで行われることが多いが,適応によっては前方アプローチも有効である。頚椎と腰椎の章では「前方固定術」についても掲載されている。

■付録電子版に関しまして
付録電子版に使われている「メジカルビュー社eBook Library」アプリでございますが,すべてのOS向けの本アプリの開発を終了しておりますため,インストール可能な場合でも,各OSのバージョンアップによる不具合には対応できませんことをご了解いただければ幸甚です。何卒ご了承のほど,お願い申し上げます。(2024年7月)
・対応OS
iOS:iOS 12〜17.5
Android:Android OS 4.0〜11(Android 14以降にはインストールできません)
Windows:Windows 10〜11(23H2)

■シリーズ編集委員
宗田 大/中村 茂/岩崎倫政/西良浩一


序文

 このたび,2016年の脊椎脊髄病学会に時期を合わせ,『OS NEXUS』No.6を上梓させていただく運びとなりました。昨年のNo.2では,脊椎手術の基本である除圧術に焦点をあてました。さて本年No.6のテーマは,脊椎固定術です。昨今instrumentationの進歩は著しく,さまざまな手技・手法が開発されております。今回の一冊ですべてを語りつくすことは困難と考え,まず本年は固定術の初歩的手技や基本的手技を中心に構成し,テーマは「脊椎固定術 これが基本テクニック」としました。これから固定術を始めたい,あるいは始めたばかりの先生方を対象と考え,編集しました。
 まず「I. 固定術に欠かせない基本テクニック」では,近年の脊椎固定術の基本である椎弓根スクリュー法について,頚椎・胸椎・腰椎について解説していただきました。また,昨今問題となる骨粗鬆症椎へのinstrumentationのスクリュー法の補強法としてのテーピング手技および各種フック法についての手技を紹介しました。いずれも,椎弓根スクリューの効きが弱いときに知っておくと便利な方法です。また,固定術の成功の鍵は移植骨の生着にあると言っても過言ではありません。そのための移植母床作製手技と,局所骨と同時に使用する各種人工骨の特徴についても詳細を記しました。脊椎固定術を成功に導く重要な知識であり,固定術を行う脊椎外科医が必ず知っておく必要のある情報です。
 次の「II. 頚椎固定術の基本テクニック」では,頚椎椎弓根スクリューに加え,上位頚椎におけるMagerl法,C2椎弓スクリューや外側塊スクリューなどを駆使した各種後方固定法に加え,知っておかなければならない前方固定術について解説いただきました。この章を一読すると,頚椎固定における基本手技は網羅しているものと自負しています。
 最後の「III. 腰椎固定術の基本テクニック」では,絶対マスターしていただきたい通常のTLIF/PLIF法に加え,最近のトレンドであるmini-open TLIFについての解説はもとより,低侵襲手術を可能とするCBT法やPPS手技についても詳細な手技を図解しております。最後には,通常の前方固定法に関し,経腹膜法・腹膜外路法について解説しています。本手術を習熟しておくことは,近年日本上陸を果たしたXLIF/OLIFに代表される側方進入固定法を安全に行うための必要不可欠な情報熟知となるため,特に重要です。
 振り返ってみると,固定術のビギナー対象と考えた本書でありますが,専門性の高い領域にも踏み込んだ内容となりました。執筆下さった脊椎外科医は,脊椎脊髄病学会を代表する方々ばかりです。脊椎固定術に携わるいろいろな段階の先生方に意義のある内容と思います。本書が,固定術ビギナーの先生から固定術スペシャリストの先生方のマイルストーンとなることと確信しております。

2016年3月 
徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学
西良浩一
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目次

I 固定術に欠かせない基本テクニック
 頚椎椎弓根スクリューの挿入法  湯川泰紹  
 胸椎・腰椎椎弓根スクリューの挿入法  渡辺航太
 Subparsネスプロンテーピング法  腰椎変性側弯症手術(矯正固定術)において  村瀬正昭
 フックの掛け方,選び方  渡邊 慶  
 移植骨母床作製(後側方,椎体間)と各種人工骨の特徴  戸川大輔

Ⅱ 頚椎固定術の基本テクニック
 C1-C2固定術 Magerl法  時岡孝光  
 C1-C2固定術 Goel法  水谷 潤  
 C1-C2固定術 クロッシング・C2ラミナスクリュー  高田洋一郎 
 C3-C6頚椎外側塊スクリュー Roy Camille法  東野恒作  
 C3-C6固定術 Magerl法  三代卓哉  
 頚椎椎体亜全摘 前方除圧固定術  宮本 敬  

Ⅲ 腰椎固定術の基本テクニック
 TLIF(経椎間孔的腰椎椎体間固定術)  篠原 光ほか  
 腰椎変性疾患に対するPLIF  大和田哲雄   
 Mini-open TLIF  森平 泰ほか  
 CBT(cortical bone trajectory)の基礎  松川啓太朗ほか 
 PPS(percutaneous pedicle screw,経皮的椎弓根スクリュー)の基礎  佐藤公治
 腰椎前方固定術 前側方アプローチ(腹膜外路)  大鳥精司ほか 
 腰椎前方固定術 前方アプローチ(経腹膜法)  大鳥精司ほか
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