NS NOW No.17

神経外傷

Minimum Essentialを押さえよう

神経外傷

■編集 新井 一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  160ページ  2色(一部カラー),イラスト60点,写真40点
  • 2012年1月30日刊行
  • ISBN978-4-7583-1196-0

在庫僅少です。


神経外傷の基本から最新知識まで,幅広く学べる一冊

No.17では「神経外傷」と題し,神経外傷の基礎知識から,診断および治療まで幅広く取り上げる。
詳細な手術手技についてはNo.8「脳神経外科基本手術」で紹介しているため,今号では必要最低限押さえておくべき事項や,最新のガイドラインに則った検査・診断・治療を中心に解説している。
I章は「外傷治療に必要な知識」として,低髄液圧症候群・高次脳機能障害などの最近のトピックスや,軽症・重症頭部外傷や脳挫傷の診断や管理のポイントを紹介している。また,急性期手術以降の形成外科的治療についても言及している。
II章では,「さまざまな神経外傷の診断と治療」とし,交通事故・スポーツ外傷などの外傷の発生機転,頭蓋頚椎移行部・脊椎脊髄などの発生部位,小児頭部外傷などの発症年齢,また,外傷性の脳神経損傷や脳血管障害といったさまざまな観点から神経外傷をとらえ,治療までの流れについて述べている。
本書は,神経外傷をより具体的・実際的に学ぶことができる一冊である。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 今回のNeurosurgery NOW(NS NOW)は,テーマを『神経外傷—Minimum Essentialを押さえよう』といたしました。神経外傷の多くは緊急の対応が必要であることから,脳神経外科医にはそれらを確実に診断し的確に治療を行うことが求められます。本シリーズNo.8では,急性硬膜外血腫や急性硬膜下血腫など神経外傷の基本ともいえる疾患について,その基本的手術手技をエキスパートの先生に解説していだきました。したがって,今回のNo.17ではこれらの内容を重複して述べることは避け,脳神経外科医が絶対に知っておかなければならない神経外傷の基本知識,さらには現在神経外傷の領域で議論が盛んに行われているいくつかの話題について,これもエキスパートの先生に原稿の執筆をお願いしました。特に,低髄液圧症候群,頭部外傷後の高次脳機能障害,軽症頭部外傷については,医療の枠を越え社会的な問題にまで目を向ける必要があり,今回はその点も含め病態の概念や対処法に関する現時点での最新の情報を提供していただいています。
 NS NOWシリーズは,従来の教科書とは一線を画し明日の手術に直接役立つよりpracticalな内容を読者に提供することを目的に企画されましたが,今回のNo.17では若干趣きを変えて,手術に限ることなく明日からの脳神経外科診療に役立つ内容を盛り込みました。神経外傷の発症機転は多様であり,その管理も外科的処置から保存的療法まで幅が広く,さらに急性期ばかりでなく慢性期にも着目しなくてはならない場合も少なくありません。神経外傷に関する知識の整理とアップデートを目的に,若手を含む多くの脳神経外科医が本書を活用されることを切に希望しております。

2012年1月
新井 一
全文表示する

目次

Ⅰ 外傷治療に必要な知識
外傷に伴う低髄液圧症候群 前田 剛,井田正博,有賀 徹,片山容一
■アウトライン
■低髄液圧症候群とは
  原因,疫学
  症状
  検査所見
  診断
  治療
  硬膜外ブラッドパッチ(EBP)
■外傷に伴う低髄液圧症候群
■日本脳神経外傷学会の報告「外傷に伴う低髄液圧症候群」に関する前向き調査
外傷に伴う低髄液圧症候群の典型症例
■厚生労働省科学研究補助金による「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に対する研究」の報告
■むすび

頭部外傷後の高次脳機能障害 富田博樹
■アウトライン
■代表的な症例
  症例1
  症例2
■高次脳機能障害の病態
■高次脳機能障害の診断
  症状の説明
  画像
  病態と画像の特徴
■高次脳機能障害の経過
■高次脳機能障害の治療
■高次脳機能障害へのサポートシステム
■おわりに

軽症頭部外傷のマネージメント 島 克司
■アウトライン
■軽症頭部外傷
■マネージメント
  症状(脳振盪後症候群)
  診断
  治療指針
  予後

重症頭部外傷の管理の実際 松本 学,横田裕行
■アウトライン
■重症頭部外傷患者の初期診療
  症例提示
■重症頭部外傷の神経集中治療
  症例提示
■重症頭部外傷の手術適応と手術方法
  緊急穿頭術の手術適応
  手術方法
  症例提示

脳外傷のモニタリングのポイント 宮城知也,森岡基浩
■アウトライン
■ICPモニタリング
  適応
  測定方法
  測定部位
  その他のモニタリング
■ICP・CPP管理の実際
  脳血管自動調節能の障害の有無による管理法
■おわりに

脳挫傷における手術適応とタイミング 前田 剛,片山容一
■アウトライン
■手術手技
  術前準備
  手術手技
  術後管理
  挫傷脳摘出の限界
■まとめ

頭蓋顔面外傷の外科的治療−形成外科の立場から 佐藤兼重,三川信之 
■アウトライン
■手術手技
  頭皮切開—形成外科の立場から
  顔面外傷の処置—形成外科の立場から
  頭蓋顔面骨骨折後眼窩位置異常の治療

Ⅱ さまざまな神経外傷の診断と治療
交通事故による神経外傷−初期診療を中心に 安心院康彦,坂本哲也 
■アウトライン
■疫学
■損傷の発生機序
■受傷機転
  車両乗車中
  自動二輪・原動機付自転車乗車中
  自転車乗車中・路上歩行中
■交通事故による頭部外傷の特徴
  びまん性脳損傷
  局所性脳損傷
  びまん性脳腫脹
  多発外傷に伴う頭部外傷
  頭蓋底骨折
■重症外傷の初期診療手順
■交通事故による重症頭部外傷初期診療例
  救急隊からの第1報
  Primary survey(PS)
  Secondary survey(SS)
  手術室入室
■重症頭部外傷初期診療のポイント

スポーツによる頭部外傷 荻野雅宏 
■アウトライン
■脳振盪とは
  スポーツによる脳振盪の問題点
  Practice Parameter:代表的な過去の指針
  国際スポーツ脳振盪会議:現行の指針を制定
■SCAT2
■予防のためになにができるか
  メディカルチェック
  選手や指導者への指導

頭蓋頚椎移行部の外傷 安田宗義,高安正和
■アウトライン
■手術手技(odontoid screw)
  術前準備
  手術手技
  術後管理
■手術手技〔環軸椎後方固定(C1 lateral mass-C2 screw固定)〕
  術前準備
  手術手技
  術後管理

脊椎・脊髄外傷 権藤学司
■アウトライン
■手術手技(中下位頚椎後方固定術)
  術前準備
  手術手技
  合併症
■手術手技(胸腰椎後方固定術)
  術前準備
  手術手技
  合併症

小児頭部外傷 伊達裕昭 
■アウトライン
■小児の頭部外傷
  小児の運動発達と不慮の事故
  小児頭部外傷の重症度判定
  小児重症頭部外傷治療の基本的な考え方
■小児特有の頭部外傷
  分娩に伴う外傷
  進行性頭蓋骨骨折
  乳児急性硬膜下血腫
  乳児慢性硬膜下血腫(水腫)
  虐待による頭部外傷
  外傷性てんかん
  小児の脊椎・脊髄損傷

外傷性脳神経損傷 高里良男 
■アウトライン
■外傷の発生機転
  発生部位と頻度および損傷度
■各論
  嗅神経(Ⅰ)損傷
  視神経(Ⅱ)損傷
  動眼(Ⅲ)・滑車(Ⅳ)・外転神経(Ⅵ)損傷
  顔面神経(Ⅶ)損傷
  聴・平衡神経(Ⅷ)損傷

外傷性脳血管障害 佐藤 章 
■アウトライン
■TCVIを生じやすい頭頚部外傷の病態
■診断法
■穿通性外傷によるTCVI
  穿通性外傷による頚部動脈損傷
  穿通性外傷による頭蓋内動脈損傷
■閉鎖性頭頚部外傷によるTCVI
  頚部血管損傷
  頭蓋内内頚動脈損傷
  その他の外傷性頭蓋内動脈瘤
■まとめ
全文表示する

関連する
オススメ書籍