DS NOW 3

肝・脾外科標準手術

操作のコツとトラブルシューティング

第2版

肝・脾外科標準手術

■担当編集委員 後藤 満一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  152ページ  オールカラー,イラスト300点,写真30点
  • 2009年4月6日刊行
  • ISBN978-4-7583-1166-3

肝臓脈管系や解剖をしっかりおさえ,手術手技がイメージできる実践的な手術書

若手外科医が修得すべき基本的手術を,エキスパートたちが丁寧に解説した手術書。
肝臓・脾の手術手技を理解し,応用できるように,イラストを多用し,実践的な手術書として編集。肝臓外科に必要な解剖からはじまり,肝切除に必要な器具とその使用法もとりあげ,肝臓および脾臓切除の標準手術を網羅。脈管走行が複雑で出血しやすい肝臓においては重要な出血のコントロールについても解説。

■シリーズ編集委員
上西紀夫/後藤満一/杉山政則/渡邊昌彦


序文

 本書ではDS NOWシリーズの第3巻として肝・脾外科の標準手術について,その操作のコツとトラブルシューティングが網羅されています。肝切除の代表的な術式とともに,肝嚢胞の手術,さらに脾摘術も網羅してあります。経験者はもちろん研修医の先生方にも容易に,要点がイメージとして頭に浮かぶように,この道の専門家の先生方に執筆をお願いし,御配慮いただきました。
 このイメージづくりは,卓越した外科医も術前必ずおこなう作業で,また,手術中もそれをもとに,それぞれの手術操作のなかで確認し修正を加えながら,手術を進め,最後にイメージどおり,切除肝は術者の手の中に取り上げられ,安全に手術が終了するのです。
 肝切除で注意すべき点は,癌の根治性とともに,残肝機能の温存を考えたバランスのとれた手術に仕上げることです。そのためには摘出肝の脈管処理だけではなく,残肝機能の温存のための残肝への血流支配にも注意が必要です。すなわち,切離面に露出する,グリソンと肝静脈の走行を意識することです。まずは,切離している先にどのような構造物が存在するかを透けて見えるように3次元のイメージ図をつくることから始まります。
 術前の肝機能の評価も大切で,その方法と原理についても理解しておくことが必要です。また,何よりも大切なことは,多少時間がかかっても出血させない手術をおこなうことにより,死亡,合併症の発生を予防することです。そのためには出血させないコツと,出血させたときのコントロールの方法を知り,それに習熟しておくことです。
 肝切除のポイントの一つとして肝門部での脈管処理と肝離断について示されていますが,肝門部操作では,動脈,門脈,胆管を別個に処理する場合と,これらの脈管を一つのかたまりとして処理する,いわゆるグリソン一括により処理する場合があります。実際の肝離断の方法としてはClamp crushing法やCUSAが汎用されていますが,その他にも種々な機器が開発されており,それぞれの特徴を理解しておくことも大切です。
 本書では,各術式の理解はもちろんですが,読破していただくと,大切な解剖や操作方法がそれぞれの術式で繰り返し出てきますので,肝切除の全般の理解が深まります。さあ,実際に手術に入り,読者の皆様が本書を読み準備されたイメージがどのように現場で実施されるかを,助手として,術者として味わってください。本書では,専門家の先生方のこれまで育まれてきた秘伝が多く表現されていますので,そのすばらしさを共感していただければと思います。

2008年9月
後藤満一
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目次

肝臓外科に必要な解剖  別宮好文 ほか
肝切除に必要な器具とその使用方法  三輪史郎 ほか
肝機能の評価と肝切除時の出血のコントロール法  井上和人 ほか
肝部分切除術  江口 晋 ほか
肝外側区域切除術  新田浩幸 ほか
系統的亜区域切除術  石崎陽一 ほか
肝左葉切除術  池上 徹 ほか
肝右葉切除術  斎藤拓朗 ほか
腹腔鏡下肝嚢胞開窓術  鈴置真人 ほか
脾摘術  小西晃造 ほか
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