外国人患者が来ても困らない
外来診療のための英会話
ノンネイティブの多様な英語の聞き取りにも!
増補新装版
定価 3,960円(税込) (本体3,600円+税)
- A5判 164ページ 2色
- 2022年3月21日刊行
- ISBN978-4-7583-0968-4
電子版
序文
PREFACE(2nd edition)
In the nearly thirty years since the first edition of this book appeared, the world has changed. With that change, the need for an international approach to health care has grown spectacularly: people traveled internationally in the 1980’s; they travel even more today and an infectious respiratory disease suddenly becomes a pandemic. Increasingly, our patients come to us from different disease environments; they bring different assumptions about health-care delivery; and they speak different languages.
Over those years, medicine itself has changed: as physicians, we prescribe drugs never even imagined in 1996; we perform surgeries with equipment not yet then invented; and we approach some diseases with treatments not yet then conceived.
The institutional structure of health-care delivery has changed: in Western Europe, physicians have continued to respond to the ever-changing patterns of national insurance and regulation; in the U.S., they have started to adjust their practice to the changes introduced by the Affordable Care Act; and in Japan, they continue to shift as necessary to the changing structure of national insurance, to the separation of pharmacies from physicians’ offices, and (a subject dear to me personally) to the increasing number of women in medicine.
Given all that has happened since the book first appeared, I was delighted to be able to help Medical View Co, Ltd. put together a new, revised edition. My role has always been to contribute to the English-language dialogues, and I have done my best to suggest changes that would help to bring them up to date.
Throughout this process it has been an honor to be able to work with Ms. Hiromi Kobayashi. My own contribution as a now-retired physician has been extremely modest, in comparison. She has brought to the project the insights into health-care delivery in Japan, the vital intercultural balance, and the intellectual curiosity that make this new edition so special.
All of us in the health care community have dedicated our lives to improving the lives of the people who come to us for care. Some of these people come from other countries and speak other languages. If this book can contribute even modestly to their health and welfare, I will be proud to have played my very modest part.
Norma E. Wyse, M.D.
------------------------------
増補新装版の序
1980年代に日本では「国際化」が大きな課題となり,日本に留学や仕事で長期滞在をする外国人が増えたことから,多くの医師も外国人患者への直接対応に迫られた。もちろん来日する外国人はさまざまな言語を話すが,英語は母語が異なる人々の間の意思疎通に使う共通語であるリンガ・フランカと認識されており,大多数の日本人が主として学習する外国語も英語である。本書はそのような背景を踏まえて1996年に刊行され,以後,約30年にわたり版を重ねてきた。
この間,2003年には音声のCD化が行われたが,利便性をより向上させるべくインターネットからのダウンロード方式への移行検討を始めたときに突然起きたのが新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の流行である。各国は出入国の制限措置,学校・職場の閉鎖,マスク着用などの封じ込め対策を行う一方,急速なワクチン開発・接種を実施するなど,私たちは改めて,科学技術の発展に支えられた医学の進歩を本書に反映させる必要性に迫られた。
今では水銀体温計は過去のものとなり,血圧計やパルスオキシメーターなどのさまざまな医療器具が一般家庭にも普及し,医療現場においても内視鏡検査・手術が日常的になるなど,患者とのコミュニケーションの内容にも多くの変化が出ている。もっとも,これは従来の英語の会話形態を全面的に変えるものではない。基本的には従来の英語のパターンに新しい用語やシチュエーションをはめ込む作業で,すでに医学部で医学用語の基本を学ばれている皆様にとっては,数回の練習でスムーズにできるタスクである。
増補新装版の英文についてはNorma E. Wyse先生が医療の変化を念頭に改めて全面的に目を通され,また,長年ボランティアとしてアメリカに移住してきた人々に医学的観点からも英語指導を行ってこられたご経験も踏まえて,外国人への対応についてさまざまな示唆をいただいた。またメジカルビュー社編集部の石田奈緒美氏,加賀智子氏,山田麻祐子氏には,編集については無論のこと,外国人との接触がより密接になった現状を反映する観点など,細部にわたって的確なアドバイスをいただいた。来日者の国籍の多様化を示す母語背景の異なる患者の使う英語の種類を増やし,女性医師による英語も入れることができたのは,メジカルビュー社のご努力によって実現可能になったことを,改めて読者の皆様にご報告したい。
2022年2月
小林 ひろみ
In the nearly thirty years since the first edition of this book appeared, the world has changed. With that change, the need for an international approach to health care has grown spectacularly: people traveled internationally in the 1980’s; they travel even more today and an infectious respiratory disease suddenly becomes a pandemic. Increasingly, our patients come to us from different disease environments; they bring different assumptions about health-care delivery; and they speak different languages.
Over those years, medicine itself has changed: as physicians, we prescribe drugs never even imagined in 1996; we perform surgeries with equipment not yet then invented; and we approach some diseases with treatments not yet then conceived.
The institutional structure of health-care delivery has changed: in Western Europe, physicians have continued to respond to the ever-changing patterns of national insurance and regulation; in the U.S., they have started to adjust their practice to the changes introduced by the Affordable Care Act; and in Japan, they continue to shift as necessary to the changing structure of national insurance, to the separation of pharmacies from physicians’ offices, and (a subject dear to me personally) to the increasing number of women in medicine.
Given all that has happened since the book first appeared, I was delighted to be able to help Medical View Co, Ltd. put together a new, revised edition. My role has always been to contribute to the English-language dialogues, and I have done my best to suggest changes that would help to bring them up to date.
Throughout this process it has been an honor to be able to work with Ms. Hiromi Kobayashi. My own contribution as a now-retired physician has been extremely modest, in comparison. She has brought to the project the insights into health-care delivery in Japan, the vital intercultural balance, and the intellectual curiosity that make this new edition so special.
All of us in the health care community have dedicated our lives to improving the lives of the people who come to us for care. Some of these people come from other countries and speak other languages. If this book can contribute even modestly to their health and welfare, I will be proud to have played my very modest part.
Norma E. Wyse, M.D.
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増補新装版の序
1980年代に日本では「国際化」が大きな課題となり,日本に留学や仕事で長期滞在をする外国人が増えたことから,多くの医師も外国人患者への直接対応に迫られた。もちろん来日する外国人はさまざまな言語を話すが,英語は母語が異なる人々の間の意思疎通に使う共通語であるリンガ・フランカと認識されており,大多数の日本人が主として学習する外国語も英語である。本書はそのような背景を踏まえて1996年に刊行され,以後,約30年にわたり版を重ねてきた。
この間,2003年には音声のCD化が行われたが,利便性をより向上させるべくインターネットからのダウンロード方式への移行検討を始めたときに突然起きたのが新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の流行である。各国は出入国の制限措置,学校・職場の閉鎖,マスク着用などの封じ込め対策を行う一方,急速なワクチン開発・接種を実施するなど,私たちは改めて,科学技術の発展に支えられた医学の進歩を本書に反映させる必要性に迫られた。
今では水銀体温計は過去のものとなり,血圧計やパルスオキシメーターなどのさまざまな医療器具が一般家庭にも普及し,医療現場においても内視鏡検査・手術が日常的になるなど,患者とのコミュニケーションの内容にも多くの変化が出ている。もっとも,これは従来の英語の会話形態を全面的に変えるものではない。基本的には従来の英語のパターンに新しい用語やシチュエーションをはめ込む作業で,すでに医学部で医学用語の基本を学ばれている皆様にとっては,数回の練習でスムーズにできるタスクである。
増補新装版の英文についてはNorma E. Wyse先生が医療の変化を念頭に改めて全面的に目を通され,また,長年ボランティアとしてアメリカに移住してきた人々に医学的観点からも英語指導を行ってこられたご経験も踏まえて,外国人への対応についてさまざまな示唆をいただいた。またメジカルビュー社編集部の石田奈緒美氏,加賀智子氏,山田麻祐子氏には,編集については無論のこと,外国人との接触がより密接になった現状を反映する観点など,細部にわたって的確なアドバイスをいただいた。来日者の国籍の多様化を示す母語背景の異なる患者の使う英語の種類を増やし,女性医師による英語も入れることができたのは,メジカルビュー社のご努力によって実現可能になったことを,改めて読者の皆様にご報告したい。
2022年2月
小林 ひろみ
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目次
LESSON1 電話での問い合わせに答える
1) 電話を受けたときの表現
2) 予約を取るための表現
3) 診察時間を尋ねる表現
4) 診療時間を教える表現
5) 診察室の場所を尋ねる表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Scotland, USA)
カンバセーションドリル
LESSON2 健康保険の有無・ 支払い方法を尋ねる
1) 支払い方法を尋ねるときの表現
2) 保険に入っているか確認するときの表現
3) 署名をしてもらうときの表現
4) 診断の証明を依頼するときの表現
5) 必要書類を診察室に持ってきてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Philippines, USA)
カンバセーションドリル
LESSON3 初診登録用紙の記入方法を説明する
1) 初診かどうかを尋ねる表現
2) 名前を書いてもらうときの表現
3) 働いているかどうか尋ねる表現
4) 空欄に書き込んでもらうときの表現
5) 緊急連絡先を尋ねる表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Mexico, USA)
カンバセーションドリル
LESSON4 患者の不安を和らげる
1) 診療を始めるときの表現
2) 衣服を脱いでもらうときの表現
3) 患者をびっくりさせないための表現
4) 深呼吸をしてもらうときの表現
5) 痛い検査をがまんしてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Russia, Chile, USA)
カンバセーションドリル
LESSON5 第三者に患者の症状を尋ねる
1) 患者はどこが具合が悪いのかを聞くときの表現
2) 患者の症状の持続時間を聞くときの表現
3) いつ患者の症状に気づいたかを聞くときの表現
4) 診察の手助けを頼むときの表現
5) 次回の来診を告げるときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Israel, Taiwan, USA)
カンバセーションドリル
LESSON6 痛みの状態を尋ねる
1) 痛みがあるかどうかを尋ねる表現
2) これまでに同様な痛みを経験したかを尋ねる表現
3) 痛みの症状をもう少し詳しく聞きたいときの表現
4) 痛みが悪化するかどうかを尋ねるときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Nigeria, USA)
カンバセーションドリル
LESSON7 小児患者を診察する
1) 小児患者の問診や診察を始めるときの表現
2) 同情を示すときの表現
3) 口を大きく開けてもらうときの表現
4) 感染源を確かめるための表現
5) 安心させるための表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(小児, USA)
カンバセーションドリル
LESSON8 検査の説明・指示をする
1) 検温する旨を知らせる表現
2) 検温場所を指示する表現
3) 血液検査をする旨を知らせる表現
4) 採血時に患者に指示する表現
5) 採尿をしてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Norway, Russia, USA)
カンバセーションドリル
LESSON9 画像診断検査の指示・結果の説明をする
1) 検査に行ってもらうときの表現
2) 撮影部位を示すときの表現
3) 検査結果を指示するときの表現
4) 検査結果を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(England, Indonesia, USA)
カンバセーションドリル
LESSON10 検査結果を患者に伝える
1) 確定診断のために検査を実施するときの表現
2) 検査結果を説明するときの表現
3) 診断についての説明をするときの表現
4) 症状や疾患の原因を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Indonesia, Nepal, USA)
カンバセーションドリル
LESSON11 服薬の指示をする
1) 薬の服用を指示するときの表現
2) 1日の服用回数を指示するときの表現
3) 食事との関係で服用時を指示するときの表現
4) 副作用を説明するときの表現
5) 処方量を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(New Zealand, USA)
カンバセーションドリル
LESSON12 再診日を決める
1) 来院を指示するときの表現
2) 再診の予約をとる手助けをするときの表現
3) 再診日時を提案するときの表現
4) 再診日時の変更を希望するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Korea, Vietnam, USA)
カンバセーションドリル
More TIPS 【小林ひろみ】
初診の外国人患者さんが来たとき
保険をもっていなかったら
文化や宗教の差に配慮する
患者さんとのよりよい関係を築くには
意識不明の患者さんが担ぎ込まれたら
病歴・症状を尋ねる
予防接種歴を尋ねる
入院手続きの説明をする
癖のある英語を聞き取る
残念な結果を伝える
外国人診療Q&A保険・支払い・通訳 【高山俊雄,森田直美】
医療の違い 【沢田貴志】
1) 電話を受けたときの表現
2) 予約を取るための表現
3) 診察時間を尋ねる表現
4) 診療時間を教える表現
5) 診察室の場所を尋ねる表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Scotland, USA)
カンバセーションドリル
LESSON2 健康保険の有無・ 支払い方法を尋ねる
1) 支払い方法を尋ねるときの表現
2) 保険に入っているか確認するときの表現
3) 署名をしてもらうときの表現
4) 診断の証明を依頼するときの表現
5) 必要書類を診察室に持ってきてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Philippines, USA)
カンバセーションドリル
LESSON3 初診登録用紙の記入方法を説明する
1) 初診かどうかを尋ねる表現
2) 名前を書いてもらうときの表現
3) 働いているかどうか尋ねる表現
4) 空欄に書き込んでもらうときの表現
5) 緊急連絡先を尋ねる表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Mexico, USA)
カンバセーションドリル
LESSON4 患者の不安を和らげる
1) 診療を始めるときの表現
2) 衣服を脱いでもらうときの表現
3) 患者をびっくりさせないための表現
4) 深呼吸をしてもらうときの表現
5) 痛い検査をがまんしてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Russia, Chile, USA)
カンバセーションドリル
LESSON5 第三者に患者の症状を尋ねる
1) 患者はどこが具合が悪いのかを聞くときの表現
2) 患者の症状の持続時間を聞くときの表現
3) いつ患者の症状に気づいたかを聞くときの表現
4) 診察の手助けを頼むときの表現
5) 次回の来診を告げるときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Israel, Taiwan, USA)
カンバセーションドリル
LESSON6 痛みの状態を尋ねる
1) 痛みがあるかどうかを尋ねる表現
2) これまでに同様な痛みを経験したかを尋ねる表現
3) 痛みの症状をもう少し詳しく聞きたいときの表現
4) 痛みが悪化するかどうかを尋ねるときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Nigeria, USA)
カンバセーションドリル
LESSON7 小児患者を診察する
1) 小児患者の問診や診察を始めるときの表現
2) 同情を示すときの表現
3) 口を大きく開けてもらうときの表現
4) 感染源を確かめるための表現
5) 安心させるための表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(小児, USA)
カンバセーションドリル
LESSON8 検査の説明・指示をする
1) 検温する旨を知らせる表現
2) 検温場所を指示する表現
3) 血液検査をする旨を知らせる表現
4) 採血時に患者に指示する表現
5) 採尿をしてもらうときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Norway, Russia, USA)
カンバセーションドリル
LESSON9 画像診断検査の指示・結果の説明をする
1) 検査に行ってもらうときの表現
2) 撮影部位を示すときの表現
3) 検査結果を指示するときの表現
4) 検査結果を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(England, Indonesia, USA)
カンバセーションドリル
LESSON10 検査結果を患者に伝える
1) 確定診断のために検査を実施するときの表現
2) 検査結果を説明するときの表現
3) 診断についての説明をするときの表現
4) 症状や疾患の原因を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Indonesia, Nepal, USA)
カンバセーションドリル
LESSON11 服薬の指示をする
1) 薬の服用を指示するときの表現
2) 1日の服用回数を指示するときの表現
3) 食事との関係で服用時を指示するときの表現
4) 副作用を説明するときの表現
5) 処方量を説明するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(New Zealand, USA)
カンバセーションドリル
LESSON12 再診日を決める
1) 来院を指示するときの表現
2) 再診の予約をとる手助けをするときの表現
3) 再診日時を提案するときの表現
4) 再診日時の変更を希望するときの表現
ダイアログ 医師(USA)×患者(Korea, Vietnam, USA)
カンバセーションドリル
More TIPS 【小林ひろみ】
初診の外国人患者さんが来たとき
保険をもっていなかったら
文化や宗教の差に配慮する
患者さんとのよりよい関係を築くには
意識不明の患者さんが担ぎ込まれたら
病歴・症状を尋ねる
予防接種歴を尋ねる
入院手続きの説明をする
癖のある英語を聞き取る
残念な結果を伝える
外国人診療Q&A保険・支払い・通訳 【高山俊雄,森田直美】
医療の違い 【沢田貴志】
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世界には色んな国の英語がある。本書に収録された豊富な英語で聴き取り力がUPします!
初診手続きから問診,検査,支払いまで,外来診療におけるあらゆる場面の英会話を収録。利用度の高い基本表現,豊富な応用表現を紹介している。音声は米国人の発音に加えて,東南アジアやスペイン語圏,ヨーロッパ各国などの癖のある英語を並行して収録しており,さまざまな英語を聴き取る訓練ができる。
改訂にあたっては時代の変化に対応して全面的に見直しを図り,ダイアログのフレーズ変更(体温の測り方,調剤薬局への誘導,画像検査方法の追加・事前指示,等),言い換え/関連表現の追加,またMore Tipsとして紹介状の有無確認,ワクチン接種,プライバシーや宗教への配慮などを追加。非ネイティブの英語音声も,ネパール/インド,インドネシア,チリ/南米,ベトナム,ロシア,台湾/シンガポールの6パターンを追加収録。
さらに,音声はダウンロード方式,コンパクトな判型とカラフルな2色刷デザインに変更。より見やすく持ち歩きやすくなった充実のアップデート!